ドウシシャ「ポテッとシリーズ」ってどんなフライパン?
- ドウシシャポテッと 飛びはねにくく振りやすいフライパン Lサイズ PIFPL
- 実勢価格: ¥3,278〜
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独自のアイデアを盛り込んだ生活家電やインテリア、日用雑貨などを提供する「株式会社ドウシシャ」。
そんな同社から発売された、一風変わったフライパンが「ポテッとシリーズ」です。
特徴はなんといっても、その独特な形状。
フライパンのフチが内側に反り返った「ドーム型形状」になっており、前方に行くにつれ反り上がっています。
この形状により、「食材が振りやすい」というのがウリです。
野菜炒めや炒飯などをうまく振り混ぜたいけど、「うまくできない!」という方のためにこだわった形状とのこと。
また、ドーム型形状になっていることで、油などの飛散が抑えられ、コンロの周りに汚れが飛びはねにくくなっているのも特徴です。
調理後のキッチン掃除がラクになるのは、かなり嬉しいです。
本製品は、ガス火はもちろん、電磁調理器(IHクッキングヒーター)にも対応。
その他、ハロゲンヒーター、エンクロヒーター、ラジエントヒーター、シーズヒーターに対応しています。
ただし、食器用洗浄機や食器用乾燥機の使用は不可です。
サイズは3種類展開で、「Lサイズ・深型Mサイズ・深型Sサイズ」があります。
Lサイズのみ、一般的なフライパンよりも少し深めくらい。
MサイズとSサイズは深型で、天ぷら鍋のような印象です。
以上が、「ポテッとシリーズ」フライパンの特徴です。
説明を聞いていると「なんかよさそう」と思った方もいると思います。
担当編集も「これは画期的だ」と思いました。
しかし、ちょっと待ってください! こういったアイデアキッチングッズは「実際に説明通りになるか」が重要です。
ありがちなガッカリパターンは、「なんか……イメージしてたほど便利じゃないな……」となること。
本製品が「説明通り」なのか、またその上で「使いやすい」のか、料理のプロを招いて実際に使用した結果をご紹介します!
まずは、フライパン自体の性能を見る!!
コンセプトがどれだけよくても、フライパン自体のつくりがよくなければ、それ以前の問題です。
弊社の検証機関「LAB.360」に加え、料理のプロ「科学する料理研究家 さわけん」さんにも協力いただき検証していきます。
今回は、「Lサイズ」を使って検証していきます。
検証1:コーティングの耐久性テスト
結果:コーティングの耐久力が高く、ほとんどくっつきません!!
まずは、コーティングの耐久性をテストします。
1kgのおもりを載せたスチールたわしで、右側半分を1000往復し、磨耗後の変化を確認します。
比べてみたところ、見た目ではほとんど変化がありませんでした。
手触りも特に変化はなく、新品状態の左半分との差異は感じられません。
見た目や手触りに変化はありませんでしたが、実際に使ってみるとどうなのかも検証していきましょう。
さわけんさんに、左右に分けてひとつずつ目玉焼きを焼いていただきます。
画像左側が、コーティングの磨耗テストを行った側です。
白身全体に火が通るくらいまで焼いていきます。
焼き上がりでフライパンを傾けてみて、くっついていないか確認します。
どちらもくっついているように思えましたが、しばらくすると……。
コーティングの磨耗テストを行った側の目玉焼きが、スルッと剥がれ落ちました。
新品側の目玉焼きはくっついたままです。
残っている目玉焼きがどのようにくっついているのか、めくって確認してみると、ある一点だけ油が偏ったことでくっついたようでした。
以上のテスト結果により、スチールウールによるコーティングの磨耗はほとんどないとわかりました。
「ポテッとシリーズ」フライパンのコーティングは耐久性があり、くっつきも少ないといえます。
油の加減でわずかにくっつく部分がありましたが、こびりつきはないといっていいでしょう。
検証2:熱伝導性のテスト
結果:熱は早く伝わるが、加熱ムラもあります
サーモカメラを用いて、フライパンにどのように熱が伝わっているかを確認します。
加熱にムラがあると、場所によって温度差が生じ、結果的に食材の焼きムラや焦げつきの原因になるため、重要なポイントです。
IHの場合、機種によってそもそも加熱ムラが生じるため、ガス火で熱の広がりを確認します。
加熱開始から30秒後には、表面温度は160℃を超えています。
比較的、温まるのが早い印象です。
表面温度が200℃近くに達するまでにかかった時間は「48秒」でした。
熱が伝わる早さは最高評価の水準ですが、その代わりに多少の加熱ムラが出ています。
熱の伝わる速さと、加熱ムラはトレードオフな部分があるので、大事なのはバランスです。
その点、本製品は加熱ムラもそこまで偏っていないので、総合的にみてよいバランスに仕上がっているといえます。
熱は早く伝わりますが、加熱ムラもありました。
時間のない朝などは、素早く調理ができて嬉しいですね。
「振りやすく、飛びはねにくい」は本当か検証
それでは、実際に調理を行って「食材が振りやすく、跳びはねにくい」は本当かを検証していきます。
商品パッケージでは、野菜炒めを例に説明されているので、それにならい野菜炒めを作ります。
検証3:「食材を振りやすい」は本当か?
結果:食材がこぼれにくくて、混ぜやすいのは本当でした
さっそく、さわけんさんに野菜を炒めながら振っていただきました。
フライパンを空中で前後させれば、フチのそり返りに当たった野菜が飛び上がってキレイにフライパンに返ってきます。
フライパンを振る時の力の向きや加減を簡略化できるので、確かにカンタンに振れます。
フライパンを振らずとも、そもそも食材をかき混ぜやすいのも特徴です。
前方の反り返りがあるおかげで、食材を前方に押し出すように動かすと、飛び出すことなく混ざります。
フライパンを前後に揺するだけでも、十分に混ざりますし、食材も飛び出しにくいので便利です。
食材がこぼれるのは、手前側ですくい上げるように混ぜたときだけでした。
手前側の深さは、通常のフライパンと変わらないので、コツは奥に押し出すように混ぜること。
そうすれば、こぼすことのほうが難しいレベルです。
これなら、いくら不器用でも食材を混ぜやすくなるので、攪拌不足で味が偏ったり、火の通りがまばらになることも少なくなるでしょう。
ひとつ、使っているうちに気づいた難点があります。
フチが内側に反り返っているので、お皿に移しにくい点です。
一部分だけ反り返りが緩やかになっているなど、「お皿に移しやすい工夫があれば完璧なのにな〜」と感じました。
少し工夫が欲しいとは思いますが、それをやろうと思うと加工が難しくなり値段が上がりそうなので、我慢ポイントです。
検証4:「汚れが飛びはねにくい」は本当か?
結果:確かにある程度飛びはねが抑制されていました。
続いて、汚れの飛びはね具合も確認していきます。
油をひいて、豚肉を炒めてみます。
特に肉類を炒めると、目に見えない細かな油がフライパンの周りに飛び散りがちです。
実際、フライパン内では油が飛びはねているようにみえます。
豚肉を炒め終えて、コンロ周りを確認してみると、やはり多少は飛びはねがありました。
ただし、一般的なフライパンよりも汚れの量がかなり少なく、ドーム型形状が飛びはねを抑制しているのは確かです。
意地悪く目を凝らして飛びはねを確認しましたが、ほとんど見つかりませんでした。フライパンの形に沿って霧状の油はねがみられると思いましたが、それもなかったです。
検証5:お手入れはしやすいかチェック
結論:汚れはカンタンに落ちます。ただし、水切れは及第点
最後に、お手入れがしやすいかもチェックしましょう。
食器用洗浄機や食器用乾燥機は使えないので、手洗いします。
独特の形状なので、洗いにくそうな印象を受けましたが、反り返った部分も洗いやすいです。
コーティングがよいおかげで、汚れ落ちもよく手入れはカンタンでした。
逆に、反り返りのおかげでひっかかりができ、しっかり力を入れて洗いやすいです。
ただ、取っ手が中空になっており、洗うとどうしても水が入ってしまいます。
水抜きがついているので、そこから排水されますが、洗った後に連続で使用すると、コンロに水が垂れて煩わしさがありました。
ひどいものだと、もっと盛大に噴き出すので、本製品はマシなほうです。
以上、お手入れはしやすい部類ですが、気になる点もあるので、総合的みると「そこそこ」といったところです
番外検証:他のサイズの使い勝手はどう?
結論:Lサイズと深型Sサイズがあると便利です
ここまで、「Lサイズ」を使用して検証してきました。
では、他の2サイズ「深型Mサイズ」「深型Sサイズ」の使い勝手はどうなのかも確認しておきましょう。
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- ドウシシャポテッと 飛びはねにくく振りやすいフライパン Sサイズ PIDPS
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使い心地は、前述のLサイズの検証結果同様に、食材が混ぜやすいという印象です。
この2サイズは、深型なので口径が小さくても混ぜやすいよう工夫されているなと感じました。
揃えるなら、「Lサイズ」と「深型Sサイズ」の組み合わせが使い勝手がよさそうです。
Lサイズが内径26cmなので、2〜3人家族ならメインは「Lサイズ」になります。
加えて「深型Sサイズ」があれば、副菜の調理などに使うサブとしてよいでしょう。
「深型Mサイズ」は大きさ的に位置付けが微妙です。
一人暮らしで、一つだけ買うなら「深型Mサイズ」がよいかもしれません。
また、Lサイズの中に深型Mサイズが入らないのが気になります。
収納時にかさばってしまうのはいただけないです。
「深型Mサイズの中に深型Sサイズ」、「Lサイズの中に深型Sサイズ」の組み合わせであれば収まります。
スタッキングの際は、傷つき防止のためやわらかい布などを敷くことをメーカーは推奨しているので、布などが入る隙間を考えても、この2通りの組み合わせがよいでしょう。
この点も「深型Mサイズ」の立ち位置が微妙になってしまうポイントです。
以上を踏まえて、サイズを選んでいただきたいです。
【まとめ】使えば料理がうまくなる!! は過言じゃない
- ドウシシャポテッと 飛びはねにくく振りやすいフライパン Lサイズ PIFPL
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調理のしやすさは、味に直結する
「ポテッとシリーズ」フライパンは、調理時に感じるストレスをフライパン側で解決してくれるスグレモノです。
特に、振り混ぜる、かき混ぜるという動作に最適化されています。
混ぜやすいということは、つまり、「味付けの偏り」や「食材への火の通りの偏り」が軽減されるということです。
フライパンの中で、こぼさず綺麗に混ぜるというスキルをフライパン側で補ってくれるのです。
加えて、フライパン自体のつくりもよく、耐久性もあるので長く使っていける製品といえます。
世の中にフライパンは数あれど、このフライパンだからこその「唯一無二なメリット」があるという点を評価し、ベストバイに認定させていただきます。
特に、料理に苦手意識がある方やフライパンを振る感覚を掴みたいという方には、まさにベストな選択といえます。
また、朝食時に「料理だけに集中してる暇なんてない」という方の強い味方にもなってくれるでしょう。
- おすすめポイント
-
- 食材を振り混ぜたり、かき混ぜたりがとにかくカンタン
- 調理中の汚れの飛びはねが少なく、調理後の掃除がラク
- コーティングが強く、耐久性が高い
- 熱が伝わるのが早く、時短調理になる
- がっかりポイント
-
- 加熱ムラに注意が必要
- 特殊な形状ゆえ、料理をお皿に移しにくい
- 取っ手への浸水で、連続使用時に水が垂れる
- 幅
- 442mm
- 奥行
- 262mm
- 高さ
- 85mm
- 重量
- 726g
- 内径・口径
- 26cm・23cm
- 底の厚さ
- 2.4mm(貼り底含む)
- 表面加工
- 内面:ふっ素樹脂塗膜加工、外面:焼き付け塗装
- 素材
- 本体:アルミニウム合金、貼り底:ステンレス鋼(クロム16%)、取っ手:フェノール樹脂(耐熱温度150℃)
- 型番
- PIFPL
野菜炒めなどは適当に混ぜても飛び出しづらく、意外と便利なフライパンです。
コーティングに耐久性があり、熱が伝わるのも早いです。
華麗にフライパンを振って家族や友人にドヤりたい、という人にもベストな製品です!!
以上、ドウシシャ「ポテッとシリーズ」フライパンをガチ検証してみた結果のご紹介でした。
刺さる人には、とてつもなく刺さる革命的なフライパンなので、今回の検証が参考になれば幸いです。
1000往復させても、見た目、手触りともに変化が分かりませんでした。