キャンプからビジネスまで使えるキャリーバッグは?

旅行やキャンプをはじめ、出張などのビジネスシーンまで幅広く使えるのがソフトタイプのキャリーバッグ・キャリーケース。
長期旅行、海外旅行用ならハードタイプのスーツケースも人気ですが、ソフトタイプのキャリーバッグはリュックやボストンバッグになるものも多く、マルチに使えて便利。一般的なスーツケースに比べて外側のベルトや内側のポケットが豊富で収納力もバツグンです。
最近ではキャンプでも公共交通機関を使う人が増え、重たい荷物でもリュックよりラクに運ぶことができるので注目が集まっています。
そこで今回は、人気のアウトドアブランドから無印良品までソフトタイプのキャリーバッグ・キャリーケース5製品を集めて比較。普段使いからキャンプにまで使えるおすすめを探しました。
ワークマンのキャリーバッグが21年秋に即完売

2021年10月に発売されると、限定の1000個があっという間に売り切れたワークマンの「マルチユースキャリーバッグ」。ちょうどいい収納量と多彩なポケット、キャスターの転がりの軽さ、重い荷物を入れた際の引きやすさなど、スキのない完成度です。
ポイント1:タイヤがブレない

バッグに十字の印を付け走行中の揺れを検証したところ、ほぼブレがありませんでした。時速4km/hでもホイール・タイヤがブレずに回転します。
ポイント2:伸縮自在の引き手

引手は上部のスイッチを押すだけで伸縮できるため、広い場所では伸ばして直進性を高め、障害物の多い場所では縮めて旋回性を高めてと、使い分けできます。
ポイント3:想像以上の収納力

外側のベルトや内側のポケットで、荷物を分類して収納できるので整理しやすいです。フタが180°開くので、大きな荷物の詰め込みもラクにできます。
ポイント4:防水生地で水の侵入を防ぐ

耐水性の生地がバッグ表面から内部への浸水を最小限に抑えます。中はわずかに湿っただけでした。
ワークマン並みに使えるキャリーバッグをリサーチ!
ワークマンは砂利道や凹凸の激しい岩場でも問題なく引いて歩くことができ、ベストバイ候補だったのですが、残念ながら再販の予定はなし。ということで、アウトドアでもビジネスでも使用できるキャリーバッグ5製品を集め、ワークマンレベルに使えるバッグを探しました。
砂利道での引きやすさや耐水性など10項目で徹底比較
今回はアウトドアでの使用も想定してテスト。以下の8つのテスト、10項目の採点で評価しました。
テスト1:引きやすさ・持ちやすさ
引き手

引手の持ちやすさ、伸縮のしやすさ、長さなどを評価しました。
持ち手

持ち手を持ってバッグを持ち上げ、握りやすさや体感の重さを確認しました。
テスト2:軽やかさ
アスファルト

道路を引いて歩き、引きの軽さや歩道との段差を超えられるか、手にかかる負担を確認しました。
砂利道

砂利や柔らかい土の上を引いて歩き、タイヤがしっかり転がるかを確認しました。
テスト3:岩場の走破性

石がむき出しで凹凸の激しい歩道と階段を引いて歩き、安定して引けるかを確認しました。
テスト4:旋回性

障害物の間を旋回して、引手を伸ばした状態でも小回りが利くかを確認しました。
テスト5:振動

時速4kmのルームランナーに乗せ、バッグに付けた十字の印のブレ、タイヤが偏心していないかを確認しました。
テスト6:騒音

道路を引いて歩いた際の音量を測りました。(参考/周辺音量64.0dB)
テスト7:収納力

フタの開きかた、バッグのサイズと収納量、ポケットの数などを評価しました。
テスト8:耐水性

シャワーで3秒間水をかけ、内部への浸水の有無を確認しました。
なお、収納力と耐水性のテスト以外はすべて10kgの荷物を入れた状態でテストしています。
それでは、ワークマン「マルチユースキャリーバッグ」に匹敵する使い勝手のいいキャリーバッグは見つかったのでしょうか。テスト結果とともに総合評価で高かった順に紹介します。
SWISSWIN「SW092806N」
SWISSWIN
SW092806N
実勢価格:7980円
サイズ:W350×D190~320×H500~1070mm
重量:約3.5kg
容量:約48L
▼テスト結果
引きやすさ・持ちやすさ(引き手) | 引きやすさ・持ちやすさ(持ち手) | 軽やかさ(アスファルト) | 軽やかさ(砂利道) | 岩場の走破性 | 旋回性 | 振動 | 騒音 | 収納力 | 耐水性 |
S | A | A | A | A | S | A | A | A | B |
5製品中、ベストバイに選ばれたのはSWISSWIN(スイスウィン)「SW092806N」でした。
キャンプ場を想定して岩場の段差を引いて歩くなど、タフな環境での使用テストもなんなくクリア。ワークマンよりタイヤが太いぶん、悪路でも引きが重くならず、安定していました。

コンパクトなサイズながら、約48Lと収納量が確保されていて、ひとり用のテントとシュラフを詰めてキャンプにも使えます。
さらに、ワークマンに対するアドバンテージとなるのが、リュックとの2WAYであること。荷物が重いときや引いて歩けない悪路など、アウトドアでは背負えることが活きるシーンが意外とあります。使い勝手がよく価格も手頃な、思わぬ掘り出しものでした。
おすすめポイント1:凸凹の未舗装路でも安定して走行

タイヤがワークマンよりも太いため、砂利や土の道ではより安定感がありました。引きが重くなることもなく、アウトドアでもしっかり活躍してくれます。

大きな凹凸や段差をラフに引いて歩いても、バッグはほとんどグラつくことなく安定していました。

ホイールに多少ブレが見られたものの、タイヤはなめらかに回転していました。
おすすめポイント2:長すぎない引手で抜群の小回り

街中でも扱いやすいサイズ感で、T字の引手はバッグが体の少し外側に位置するため歩きやすいです。

ただ、身長が高めの人だとバッグが足にぶつかることがありました。
おすすめポイント3:機内持ち込みサイズでリュックにもなる

機内持ち込み可能なサイズなのはプラス材料。

引けない場所などの状況に応じて背負えるのも使い勝手がいいです。
おすすめポイント4:3つの収納スペースで大容量

ワークマンほどではありませんがファスナーが大きく開くため、大きな荷物も入れやすいです。サブの収納にはモバイルノートがすっぽり収まります。
テスト結果1:引手・持ち手

引手は若干短め。T字型は体の横に保持しやすいです。長さは2段階に調整できます。

持ちては若干折れ曲がり、持ち上げるとちょうど握りやすい太さになります。
テスト結果2:軽やかさ
ワークマンにはやや劣るものの、アスファルトでは引きが軽く走行音も静かです。歩道との段差も安定して乗り越えられます。砂利道ではアスファルトより若干重くなりますが、タイヤが太く大きめのため砂利に足を取られることもありません。
テスト結果3:岩場の走破性・旋回性
岩場の段差をラフに引いて降りても転がることもなく、安定していました。長すぎない引手で小回りが利き、砂利道でも同様でした。
テスト結果4:振動・騒音

振動のテストでは、バッグはわずかにブレたものの、タイヤはほとんどブレがありません。音量は73.2dB。うるさいと感じるほど大きな音ではありませんでした。
テスト結果5:収納力・耐水性

約48Lの容量で、リュック型としてはかなり大きくフタが開くので使い勝手がいいです。

ファスナーにカバーがあるため、浸水を防いでくれました。
THE NORTH FACE「Rolling Thunder 22」
THE NORTH FACE
Rolling Thunder 22
実勢価格:3万2259円
▼テスト結果
引きやすさ・持ちやすさ(引き手) | 引きやすさ・持ちやすさ(持ち手) | 軽やかさ(アスファルト) | 軽やかさ(砂利道) | 岩場の走破性 | 旋回性 | 振動 | 騒音 | 収納力 | 耐水性 |
A | S | A | S | S | B | A | A | S | S |
2位はTHE NORTH FACE(ザノースフェイス)「Rolling Thunder 22」。テストした6製品で、引手側だけですが唯一ハードシェルが採用されていました。しっかり支えてくれるためか引いた際も持ち上げた際も、ほかのバッグに比べて重さを感じません。激しい凹凸の路面でも安定感が高く、もっともタフな製品でした。
おすすめポイント:悪条件にも負けないタフさ

引手がシェルの外側についているため、内部への浸水がしにくい構造です。

引手側がハードシェルになっていて、耐久性が高く重い荷物を入れても安定します。
テスト結果1:引手・持ち手

引手はしっかりしていて握りやすいですが、長さ調整できないのは残念。

持ち手は握り部分が細くなっていて持ち上げやすく、荷物が軽く感じました。
テスト結果2:軽やかさ
タイヤが太いためワークマンよりは重く感じるものの、歩道との段差でもグラつくことがないのでアスファルトではラフに引けます。大径で太いタイヤのため砂利道も土の上でも、引いた感じはアスファルトと変わりませんでした。
テスト結果3:岩場の走破性・旋回性
10cmを超える段差を引いて降りてもグラつくことなく安定していました。下側がハードシェルのためぶつけても安心です。引手が長く調整もできないため、小回りはあまり利きません。
テスト結果4:振動・騒音

バッグのマークは多少ブレましたが、タイヤ・ホイールは気になりません。音量は74.9dB。うるさいと感じるほど大きな音ではありません。
テスト結果5:収納力・耐水性

フタが180°開きます。容量は40Lで深さがあり、大きな荷物も詰めやすいです。

耐水性は安心感があり、ファスナーの隙間からわずかに浸水したのみでした。
TABITORA「リュックキャリー」
TABITORA
リュックキャリー
実勢価格:9899円
▼テスト結果
引きやすさ・持ちやすさ(引き手) | 引きやすさ・持ちやすさ(持ち手) | 軽やかさ(アスファルト) | 軽やかさ(砂利道) | 岩場の走破性 | 旋回性 | 振動 | 騒音 | 収納力 | 耐水性 |
A | A | A | A | A | A | C | A | C | C |
TABITORA(タビトラ)「リュックキャリー」は、収納力・耐水性・振動以外の項目はA評価をマークした一方、突出した特徴もなく総合3位の評価でした。引けない場所では手提げにしたり、リュックとして背負ったりと3WAYで使用することができます。
テスト結果1:引手・持ち手

引手はT字で握りやすく体の横に固定しやすいですが、かなり短めです。長さは2段階に調整できます。

持ち手は若干折れ曲がり握りやすい太さですが、手に食い込む感があります。
テスト結果2:軽やかさ
タイヤ間がわずかに狭いため多少のグラつきは感じましたが、引きは軽く歩きやすいです。砂利道はアスファルトに比べて若干重くなる程度です。ただ、タイヤは回っているもののときどき引きずるような感覚がありました。
テスト結果3:岩場の走破性・旋回性
岩場の凹凸も問題なし。大きな段差を引いて降りると、多少不安定になることがありました。コンパクトなので小回りは利きますが、タイヤ間が狭いため路面の凹凸があると不安定になります。
テスト結果4:振動・騒音

振動のテストではバッグのマークとタイヤ・ホイールともに大きくブレました。音量は73.3dB。うるさいと感じるほど大きな音ではありません。
テスト結果5:収納力・耐水性

容量は30Lと6製品中最小。フタの開きかたも普通のリュックです。

耐水性はあと一歩。生地がほとんど水を弾かず、中まで濡れてしまいました。
4位:無印良品「半分の厚みで収納できるソフトキャリーケース(S)」
無印良品
半分の厚みで収納できる
ソフトキャリーケース(S)
実勢価格:6900円
▼テスト結果
引きやすさ・持ちやすさ(引き手) | 引きやすさ・持ちやすさ(持ち手) | 軽やかさ(アスファルト) | 軽やかさ(砂利道) | 岩場の走破性 | 旋回性 | 振動 | 騒音 | 収納力 | 耐水性 |
S | B | S | B | B | A | A | S | S | B |
4位の無印良品「半分の厚みで収納できるソフトキャリーケース(S)」は、キャスターの回転のなめらかさに驚かされました。
2輪だと多少手に重さがかかるものの、とにかく引いていて気持ちがよく、回転音も静かなので人の多い場所でも気を使わずに使えます。アウトドアでも使えますが、タイヤが小さめのため凹凸には弱め。普段使いを重視する人におすすめです。
おすすめポイント:舗装路や施設内でとにかく静かで軽やか

道路での騒音テストではキャスターの回転音が周囲の騒音を下回るほど静かでした。

建物内の平らな床なら引いているのを忘れるほど、スムーズにタイヤが回ります。最高クラスのなめらかさです。
テスト結果1:引手・持ち手

引手は多段階に伸縮するため、ちょうどいい長さに調整できます。

持ち手は握りやすいものの、位置が外側すぎるため持ち上げにくいです。
テスト結果2:軽やかさ
2輪でも4輪でも圧倒的に引きが軽く、歩道などの段差も安定して越えられます。ただ、2輪だと手に重さがかかりました。砂利道は引けないことはありませんが、タイヤが小さいためか若干足をとられるシーンがありました。
テスト結果3:岩場の走破性・旋回性
大きな凹凸ではキャスターが引っかかることがありましたが、意外と引いて歩けました。生地のダメージは気になります。4輪にすればかなり小回りが利き、2輪では引手の長さを短くすると対応しやすいです。
テスト結果4:振動・騒音

振動のテストではワークマンには及ばないものの、ほとんどブレることはありません。音量は64.0dBとかなり静かで、周辺音量の数値が記録されました。
テスト結果5:収納力・耐水性

容量は約36L。フタが180°開いて詰め込みがラク。使わないときは薄くできます。

耐水性はファスナーからは問題ないものの、引手部分から浸水します。
5位:キャプテンスタッグ「2wayソフトキャリー」
キャプテンスタッグ
2wayソフトキャリー
実勢価格:4398円
▼テスト結果
引きやすさ・持ちやすさ(引き手) | 引きやすさ・持ちやすさ(持ち手) | 軽やかさ(アスファルト) | 軽やかさ(砂利道) | 岩場の走破性 | 旋回性 | 振動 | 騒音 | 収納力 | 耐水性 |
B | A | B | C | C | B | B | C | A | B |
5位はCAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)「2wayソフトキャリー」。評価は最下位でしたが、手頃な価格とコンパクトさは、キャリーキャンパーの入門用としては最適。安さで選びたいという人におすすめです。
SWISSWINと同様にリュックとしても使えるので、引いて歩くのが難しいタフなシーンも乗り越えられます。容量も最大48Lと、見た目以上に荷物を詰め込めます。
おすすめポイント:とにかく持ちやすくてコンパクト

収納物に応じてマチを開閉することで、スペースをちょうどいいサイズ感にできます。

引きが重くうるさいため、小さめなのでメインはリュックとして使うのもありです。
テスト結果1:引手・持ち手

引手は華奢すぎて持ちにくく、長さ調整もしにくいです。

持ち手はちょうど握りやすい太さですが、持ち上げると重たく感じました。
テスト結果2:軽やかさ
2連タイヤで、アスファルトでもかなり引きが重いです。タイヤ間も狭く、段差ではなくても不安定になります。2連タイヤに石や土が詰まり、タイヤが回らなくなることもあったため砂利道には向いていません。
テスト結果3:岩場の走破性・旋回性
凹凸にタイヤをとられ、すぐに横転します。引いて歩くというよりは、引きずっている感覚でした。小回りはほとんど利かず、持ち上げるか背負って歩いたほうがラクです。
テスト結果4:振動・騒音

振動のテストでは、バッグのマーク、タイヤ・ホイールともすぐわかる程度にブレました。音量は83.4dBとかなりうるさく、引いて歩くと周囲に気を使います。
テスト結果5:収納力・耐水性

フタがほぼ全開になるのは使いやすいです。マチの調整で厚みも変更できます。

耐水性のテストでは、外側のふたつのポケットには、かなり水が入り込みました。
まとめ:スイスウィンが良コスパ!ノースフェイスはタフシーン向き
以上、キャリーバッグのおすすめランキングでした。
ひとり用サイズの5製品を集めて10項目のテストを行った結果、安定して高評価だったのが「SWISSWIN」でした。
ノーマークでしたが、10kgの荷物を入れて外に出ると、引きの軽さに驚き。砂利道や岩場も安定して引くことができ、アウトドアへの適応力も問題ありませんでした。リュックとして背負うことができるのも両手が空くなどのメリットがあり、用途によってはワークマンよりも向いているかもしれません。
引きが軽くて使いやすい「スイスウィン」
SWISSWIN
SW092806N
実勢価格:7980円
サイズ:W350×D190~320×H500~1070mm
重量:約3.5kg
容量:約48L
よりタフなシーン向きだったのは「THE NORTH FACE」です。引手側がハードシェルとなっていて、荒れた岩場にガンガンぶつけながら引いてもビクともしませんでした。耐水性も高く、急な雨でも荷物をしっかりと守ってくれるため、キャンプとの相性は抜群です。
頑丈さで選ぶなら「ザノースフェース」
THE NORTH FACE
Rolling Thunder 22
実勢価格:3万2259円
今回テストしたキャリーバッグはどれも思いのほかアウトドアでの使用に対応してくれました。仕事や普段使い重視なら無印良品、安さで選ぶなら5000円以下のキャプテンスタッグもあり。ぜひ参考にして、自分にピッタリの相棒を見つけてみてくださいね。
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