マネするだけ!簡単おいしい冷凍保存術おしえます
食材を買ってきたら、すぐ使わないときは冷凍保存が便利ですよね。
でも、ちょっとした不満もありませんか? たとえばお魚やご飯は冷凍すると味が落ちたり、野菜の冷凍は下処理が大変だったり。これって冷凍の仕方が間違っているのかもって、不安になったり。
そこで今回は忙しい毎日の味方になる、冷凍保存術をプロと徹底検証。その結果わかった食材のおいしさをアップする方法をご紹介していきます。
野菜まるごと冷凍術の実験をしてみました
買ってきた野菜はどのように保存していますか? 玉ねぎやジャガイモは常温、それ以外は冷蔵庫の野菜室という人が多いかもしれません。
でも実は、下処理なしでまるごと冷凍する方法があるんです! 普通に保存するよりおいしさがアップしたり、切りやすくなったり、野菜によってはうれしい変化が起きますよ。まるごと袋に入れるだけならラクチンですね。
ベストな冷凍野菜を検証しました
今回は以下の15種類の野菜を使って検証しました。
▼検証した野菜15種
・玉ねぎ
・ジャガイモ
・オクラ
・れんこん
・にんにく
・バナナ
・キウイ
・ピーマン
・なす
・里芋
・トマト
・りんご
・アボカド
・ゴーヤ
・きゅうり
評価は「おいしさ」「処理のラクさ」を各5段階評価し、総合評価として以下の5つで判定しました。
▼判定基準
・めちゃウマ =S
・アリじゃん =A
・悪くない =B
・ちょいしぶい=C
・めちゃマズ =D
それでは、野菜まるごと冷凍検証の結果発表です!
玉ねぎはおいしさアップ&切りやすくて涙が出ない!
▼テスト結果
おいしさ :◎+
処理のラクさ:◎+
今回のナンバーワンは「玉ねぎ」でした。そのままだとヌルッと滑ってしまう薄皮も、凍らせれば扱いやすくなるんです。
断面がこちら。水分の部分がシャーベット状になっています。
炒めると玉ねぎの甘みが引き出され、香ばしさと甘さのバランスが最高です。水っぽさはなく、おいしさがアップしています!
包丁の入りやすさが常温と比べて格段によくなっています。最後まで一枚一枚がバラバラにならずスムーズに切れるので、扱いやすさもアップ!
冷凍したら切っても涙が出ない!
冷凍することで甘みがアップした玉ねぎ。バラけないので切りやすく、切っても涙が出ないのでみじん切りもラクチンです。
たとえばみじん切りにして、ひき肉とこねてハンバーグにするのもおすすめです。
ハンバーグを作りたいけれど、玉ねぎのみじん切りが面倒……という問題を、まるごと冷凍術で楽しく解決しちゃいましょう。
皮付き玉ねぎの丸ごと焼きも!
皮がついたままの玉ねぎに十字に切り込みを入れ、オリーブオイルを適量かけます。アルミホイルで包み、190℃のオーブンで20~30分焼けば立派なおかずの完成です! 凝縮された玉ねぎの甘さを味わえますよ。
試す価値アリ!おいしさも処理のラクさもアップ
続いてS評価には及ばなかったものの、「おいしさ」「処理のラクさ」ともにアップしたA評価の野菜7点を紹介します。
ジャガイモ:皮がむきやすくてホクホクに
▼テスト結果
おいしさ :◎+
処理のラクさ:◎
常温で長持ちする「ジャガイモ」も、実は冷凍するとこんないいことが。茹でた後のように、皮がスルスルとむきやすくなるんです。
火の通りも早くなるので時短になります。炒めると、ホクホクとしたジャガイモらしいおいしさを味わえますよ。
オクラ:ネバネバが減って扱いやすい!
▼テスト結果
おいしさ :◎
処理のラクさ:◎
切るときにネバネバしてしまう「オクラ」も、冷凍するとネバネバが少なくなって扱いやすくなりました。
調理後にはネバネバ感が戻るので、オクラ好きの人も満足できますよ。
れんこん:風味や食感がそのまま楽しめる
▼テスト結果
おいしさ :◎+
処理のラクさ:○
「れんこん」らしいシャキシャキ感や風味は、冷凍しても変わらずに楽しめます。
大き目のれんこんでも、包丁がスッと入りやすいので「処理のラクさ」も○です。
にんにく:皮がむきやすい&潰しやすい!
▼テスト結果
おいしさ :◎
処理のラクさ:◎
「にんにく」は皮がむきやすくなったり、やわらかいから潰しやすくなったり、冷凍した方が扱いやすくなりました。炒めてみると「おいしさ」も◎です。
冷凍すると繊維が壊れるためか、やわらかくなりました。スライスより潰して使う方がおすすめです。
バナナ:半冷凍ですぐ食べられる
▼テスト結果
おいしさ :◎
処理のラクさ:◎
「バナナ」は皮付きのまま冷凍すると、中までカチカチに凍りません。半冷凍といった状態です。
やわらかいから解凍せずにすぐに食べられます。
キウイ:手で皮がむけちゃう
▼テスト結果
おいしさ :◎
処理のラクさ:◎
凍らせた「キウイ」の皮は、包丁でむかなくても手で簡単に薄くむけます。ムダなくラクに食べられていいですね。
半分に切ってすぐおやつに出せます。凍ったまま食べてもおいしい!
ピーマン:切りやすくて苦みが少ない
▼テスト結果
おいしさ :◎
処理のラクさ:○
「ピーマン」の苦みが嫌いな人に朗報です。冷凍したら、苦みが和らぎました!
凍っているとしならないので、切りやすい! 炒めても形が崩れないのもいいですよ。
なすは悪くないけど微妙な味に
▼テスト結果
おいしさ :△
処理のラクさ:◎
次はB評価となった「なす」。火を通して食べてみると、皮が筋っぽいうえ、酸味を感じました。
包丁がすんなり入るので、薄切りしやすい! 切りやすさはアップしました。
C評価: あまりおすすめできない冷凍野菜はコレ
最後にC評価に終わった野菜6つをご紹介します。
ゴーヤ:種が取りづらく風味も微妙
▼テスト結果
おいしさ :△
処理のラクさ:△
「ゴーヤ」は凍らせると食感も風味も台無しに。切ったり種をとったりという処理も大変になってしまいました。
炒めて食べてみると、グニャッとした食感。ゴーヤらしい風味もなくなって残念な味に。
硬くて包丁が入りにくく、滑るので切るのが大変です。わたや種も取りにくいので「処理のラクさ」も△です。
きゅうり:変な苦みが出てしまう
▼テスト結果
おいしさ :×
処理のラクさ:○
「きゅうり」は凍らせるとどうなるのでしょうか。
水っぽいので冷凍には向いてなかったようです。
炒めると干したように縮んでしまいました。食べてみると変な苦みがあり、それがずっと口に残ります。
表面が滑るので切りにくいものの、細いので包丁は入りました。
里芋:皮はむきやすいけど食感が残念
▼テスト結果
おいしさ :△
処理のラクさ:○
「里芋」は、炒めて食べてみるとホクホクせず、ザラザラした食感に。里芋らしいなめらかさがなくなり「おいしさ」は△です。
切るときは力が必要なものの、滑りづらいので皮はむきやすくなりました。
トマト:崩れるので煮込み系向き
▼テスト結果
おいしさ :△
処理のラクさ:○
「トマト」は火を通すとぐちゃぐちゃに崩れてしまいました。うまみも流れ出てしまうので、炒め物には不向きです。
表面が滑るものの包丁は入ります。崩れても問題ない、うまみを汁ごと味わえる煮込み系で使いましょう。
りんご:しなっとした残念な食感に
▼テスト結果
おいしさ :△
処理のラクさ:○
「りんご」は独特のシャキッとした食感がなくなり、しなっとした残念な食感になってしまいました。
芯の部分が硬くなるうえ、冷たすぎて食べづらいという結果に。
アボカド:包丁が滑って危ない
▼テスト結果
おいしさ :○
処理のラクさ:×
「アボカド」は「処理のラクさ」が×でした。何とか包丁は入るものの、滑ってしまいます。皮がむきづらく、種も取るのに苦労します。
手をケガしないよう気を付けながら半分に切り、スプーンですくって食べるしかないようです。「おいしさ」は○でした。
以上、15種類の野菜&果物の検証結果でした。
冷凍するのにおすすめのアイテムは?
旭化成ホームプロダクツ
ジップロック(R)フリーザーバッグ M
実勢価格:656円/45枚
サイズ:縦189×横177×厚さ0.06mm
※Amazonはあわせ買い対象商品です
大定番の旭化成ホームプロダクツ「ジップロック(R)フリーザーバッグ」はダブルジッパーで鮮度ばっちりです。
岩谷マテリアル
アイラップ マチ付き
実勢価格:200円/60枚
サイズ:縦350×250×マチ40×厚さ0.009mm
岩谷マテリアル「アイラップ」は一見ただのポリ袋に見えますが、実は調理道具としても超優秀! 耐熱温度が120℃の丈夫な素材なので、冷凍して、そのまま鍋に入れて加熱もできるんです。
きゅうり&ゴーヤの正しい冷凍術は?
きゅうりとゴーヤを冷凍しておいしく食べたいなら、まるごとではなく次の手順で保存しましょう。
きゅうりのは小口切りで塩もみして冷凍
きゅうりは薄い小口切りにし、フリーザーバッグに入れて塩もみをします。
水分ごと冷凍すればシャキシャキとした食感が保てます。
ゴーヤは半月切りで冷凍
ゴーヤも薄くスライス。半月切りにしてフリーザーバッグに入れます。
重ならないよう平らにして冷凍すれば、解凍後も食べやすくなりますよ。
以上、野菜まるごと冷凍術のご紹介でした。凍らせることで「おいしさ」「処理のラクさ」が両方アップするナンバーワン野菜は、「玉ねぎ」でした。皆さんもぜひ参考にして、毎日のお料理を少しでもラクにしてくださいね!
冷凍玉ねぎの甘みを活かした料理を作ってみて。