アイリスオーヤマの“バケツ”は 震災時に誰もが役立つ内容です

今回は3名の識者と共に実際の防災セットを使いながら、5項目で採点して決定した総合ランキングの中で見事第1位となった防災セットをご紹介します。全15製品テストした中でセットの充実度など4項目において見事1位を獲得したアイリスオーヤマの「避難バケツセット HBS-14」がベストバイでした。

入れ物となっているバケツはマルチに使え、中に入っているアイテムも不要な物がありません。さらにプラスα必要に応じて防災グッズを追加すれば、より充実した防災セットとなります。

アイリスオーヤマ:避難バケツセット HBS-14

アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
避難バケツセット HBS-14
実勢価格:9970円

サイズ:幅34×奥行き31.5×高さ27.5cm
重量:2.98kg

装備点数:14点
電装品:ラジオ/ライト
保温用品:アルミシート/カイロ
水・食料:水タンク(10L)
衛生品:体拭きなど
アウトドア:すべり止め軍手

中には役立つアイテムが一杯詰められているので詳しく見てみましょう。

アイリスオーヤマの“バケツ”は震災時に誰もが役立つ内容です イメージ

01 バケツ

 

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防災グッズが一通り入れられているバケツです。容量は10Lで、非常用給水バッグと合わせれば一度に20Lもの水を運ぶことができます。手提げタイプのため持ち運びやすさは2位タイという結果でしたが、約3kgと重すぎないので短時間なら苦になりません。

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耐荷重は約100kgなので、給水に行った時に疲れても上に座って休めます。イス、水くみ、トイレ、踏み台、収納など用途は多彩で、取っ手にはホース止めの溝が付いているので洗車のときにも使えます。

家に置いておけばイスや踏み台として、クルマの荷室に置いておけばオートキャンプや洗車用として普段使いできます。普段から使っていることで、震災の時に持ち運び忘れることが少なくなり、また中身も使い慣れているのですぐに活躍できます。
 

小型サイズに畳まれており、両横を引っ張ると横30×縦40cmのダストバッグになります。
 

アルミ製の保温、防風、防水シートで、広げると130×210cmのサイズになります。毛布代わりに体にまとうと温かく過ごせます。救助を求める際の目印や緊急時の担架、飲食物を包む保冷・保温シートなど用途は多彩です。
 

尿専用の携帯トイレセットで3個入りです。中に入っている吸水ポリマーが素早く尿を固めてニオイを防いでくれます。
 

軍手は滑り止め付きなので、作業がしやすいでしょう。
 

半透明ですが安っぽくなく、備えておくと役に立つレインコートです。
 

07 手回し充電ラジオライト

 

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AM/FMラジオ、LEDライト、緊急用サイレン、携帯やスマホの充電機能付きと多機能です。

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ハンドルを3分間回すと、LEDライトは約30分、ラジオは約7分、スマホは約3分使えます。
 

14×20cmのウェットティッシュが10枚入っています。アルコール配合で除菌効果もあります。
 

折り畳める給水バッグです。持ち手は丸みを帯びており、10L入れても短時間ならあまり痛くはなりません。コックが付いているので水も出しやすいのがポイントです。
 

10 ブルーシート

 

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思い切り引っ張っても伸びることがなく、丈夫な作りです。

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広げると約1.7m四方に広がり、十分な広さがあります。
 

ごく普通のポケットティッシュです。水には流せません。
 

立体マスクが7枚入っています。上下に伸びて鼻まで覆い、3層構造により花粉やウイルス飛沫を防いでくれます。
 

13 やわらかからだふき

 

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厚手で柔らかく、優しい肌触りの体拭きシートが30枚入っています。

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30×35cmと超大判なので、1枚で上半身の汗や汚れが万遍なく落とせます。
 

衣服に貼るカイロが10個入っています。持続時間は12時間で、足腰の冷えを防いでくれます。

避難バケツセットに追加するとより安心なアイテムがこちら

第1位となったアイリスオーヤマの「避難バケツセット HBS-14」ですが、プラスαあるとより役立つアイテムがいくつかあります。追加しておきたい装備をまとめて紹介しますので、ぜひ防災セットの充実に役立てて下さい。

なお、「避難バケツセット HBS-14」は中にあまり隙間がないので、追加を用意するときは別途リュックなどを利用したほうがいいかしれません。
 

ヘルメット

 

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都会ではビルの割れたガラスが、山の近くでは土砂が降ってくる可能性があります。頭部は絶対に守りたいところです。
 

紙の地図

 

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スマホで地図を見ると、バッテリーが激しく消費されます。自宅や会社周辺が詳細に掲載された紙の地図を用意して、避難所の場所を探しましょう。
 

普段飲んでいるペットボトル

 

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いつも飲んでいるペットボトルを数本備蓄しておき、普段飲みながらその都度補充すれば期限切れの心配もありません。
 

モバイルバッテリー

 

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手回し充電ラジオはあるのですが、スマホを充電するにはかなり回さなければならず大変です。モバイルバッテリーをいくつか用意しておけば安心です。
 

栄養補給ゼリーやバランス栄養食

 

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短時間ではありますが、空腹が癒やされて栄養も摂れます。こちらも、普段食べながらその都度補充していくといいでしょう。
 

普段使っているもの

 

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持病の薬やコンタクトレンズのケースなど、普段使っているものも用意しておきましょう。女性なら多少の化粧道具も入れておくといいでしょう。
 

ホイッスル

 

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ホイッスルは居場所を知らせるなど、必須の安全グッズです。セットには入っていないで、必ず買い足しておきたいもののひとつです。

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なお、ホイッスルを買い足す際には、壊れやすいプラスチック製ではなく、金属製の丈夫な製品を選ぶようにしましょう。

全15製品のランキングと チェック項目はこちらです

ここまで、ランキング1位のアイリスオーヤマ「避難バケツセット HBS-14」を見てきましたが、全15製品の評価は以下となります。

全15製品のランキングとチェック項目はこちらです イメージ

防災セットはできるだけ個性的な15製品をセレクトして実際に購入しています。購入した防災セットは、長年防災に関わってきた識者3名にチェックして頂き、必要な物が揃っているか、足りない物は何かなどを判定して頂きました。

ベストバイ以外の製品でも一部セット内容に光るものはありました。例えばピースアップだとヘルメット、山善だと紙皿など食器類、コクヨだと静音のアルミブランケット、メテックスだとローラーバッグなどです。ただし、必要のない装備も多く含まれており、完成度では1位のアイリスオーヤマに及びませんでした。

15製品のランキングは↓からどうぞ。
1位~3位はこちら
4位~7位はこちら
8位~15位はこちら

ご協力頂いたのは、防災士として災害や危機管理問題に積極的に取り組んでいる災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さん。

石巻にて東日本大震災後の暮らしを伝えるコミュニティを運営している作業療法士の中山奈保子さん。

せんだ社会保険労務士事務所代表で企業に危機管理問題なども指導している社労士の専田晋一さんの3名の方です。

なお、チェックしたのは「セットの充実度」「持ち運びやすさ」「避難所での役立ち度」「外での役立ち度」「長期間の役立ち度」の5項目です。それぞれ10点満点で点数をつけ、その合計点で順位を決定しています。なお、各項目の採点基準や特に注目したポイントは以下となります。
 

01 セットの充実度

 

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手回し充電ラジオライトなど、どんな家族構成でも、どんな場所に住んでいても役に立つ防災グッズが入っているほど高評価となります。
 

02 持ち運びやすさ

 

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リュックなら胸の前にチェストが付いていると、動きやすいので走りやすくなり高評価です。女性や子どもが使うなら、重量は軽いほうが最適です。なお、リュックを背負い慣れていない人は、手提げやキャリーバッグの方がいいでしょう。
 

03 避難所での役立ち度

 

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避難所は不特定多数の人がたくさん集まるので、マスクなどで感染症の対策が重要です。トイレが混雑するので、携帯トイレも入っていると助かります。
 

04 外での役立ち度

 

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風や寒さを防ぐため、保温用のアルミシートは欲しいところです。軍手は滑り止め付きだと作業がしやすく高評価です。ロープは太くて長く丈夫なものがあれば、荷物運びや救助など多用途に使えます。
 

05 長期間の役立ち度

 

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避難直後は水や食料が必要になりますが、数日経つと物が散乱しているのでスリッパが欲しい、衛生管理のため歯ブラシが欲しい、など要望が変わってきます。以上の5項目を各10点、合計50点満点で採点し。ランキングを作成しています。

 

防災セットのベストバイ、いかがでしたでしょうか。

防災セットというものは、「誰もがこれ一つだけ買っておけば完璧」というものがありません。家族構成や生活エリアなどによって、必要なものは変わってきます。防災セットを購入したら、自分の環境に適したアイテムを買い足して、不要な物は取り除くようにしましょう。また、震災直後は軽い一次避難用の装備を持っていき、一時帰宅した時に重い水などの備蓄用を持っていく、という使い分けも重要です。

本記事を参考にしながら自分に最適な防災セットを揃えて、いつ起こるか分からない万が一の事態に備えてみてください。


▼続いては、防災セットと一緒に揃えておきたい防災グッズをご紹介!