Google創業者も激ハマり中! 「allbirds」の魅力とは
2016年にサンフランシスコで誕生した新興のブランド「allbirds」(オールバーズ)。創業者はニュージーランドの元プロサッカー選手とバイオテクノロジーの専門家です。
靴としては極めて珍しく、ほぼすべての素材にリサイクル可能な天然素材を使用。持続可能・自然に優しい靴として、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で、わずか4日で11万9196ドル(約1310万7090円)を集め、人気に火がつきました。
天然素材を使用したことにより軽さや通気性・伸縮性に優れ、米『TIME』誌においては「世界一履きやすい靴」として紹介されたほどです。Google創業者も激ハマりで、米ITエリートたちのあいだでも人気爆発中なんです。
そして、ついに2020年1月10日、日本にも実店舗が東京・原宿の駅前にオープンしました!
再生可能素材のエコ・スニーカー allbirdsの「Wool」「Tree」
allbirdsの基本的なラインナップは「Wool-Runners」「Tree-Runners」の2種類。履き心地以外の大きな特徴は、「環境に優しい」スニーカーであるという点です。
靴紐はペットボトルの再生プラスチック、本来石油を原料に使うはずのソール部分も植物油を原料として使用するなど、ほぼすべての素材がリサイクル可能です。このような徹底した自然環境へのこだわりも、同社の魅力のひとつといえます。
現在、allbirdsで買えるアイテムはローカット、ハイカット、スリッポン、デッキシューズの4タイプです。
素材はユーカリ樹皮! 通気性抜群の「Tree」
allbirds
Tree-Runners(並行輸入品)
実勢価格:2万3980円
アッパーは間伐されたユーカリ樹皮から作られた繊維で編まれています。スポーティな見た目どおり、通気性は抜群です。
素材は最高級羊毛メリノウール! やわらかなフィット感の「Wool」
allbirds
Wool-Runners(並行輸入品)
実勢価格:2万3980円
最高級の羊毛素材「メリノウール」を使用し、締めつけの少ない柔らかなフィット感を実現。通気性も◎です。
【検証編】の今回は、プロと編集部が一緒に徹底レビュー! 歩きやすさも確かめるため、約1カ月間、通勤や買い物、レジャーなど様々な場所で「allbirds」を履き倒してみました。
まずは検証の結果からわかった「感動ポイント」を見ていくことにします。
プロが1カ月履いてみた! 感動ポイントは3つ
感動1:通気性とフィット感は感動もの!
ファッションのプロたちに「allbirds」のレビューを依頼したところ、全員が「履いている感が少ない」と声を揃えました。理由は軽さと通気性、そしてフィット感にあるようでした。
締めつけが少なく、足が柔らかく包まれる感覚はまるでルームスリッパを履いているようで、圧倒的な通気性と相まって1日中履いてもサラサラで、足のダルさをほぼ感じませんでした。
軽くてムレないので「靴を履いている」感じがほとんどなく新感覚!
ウールも、ツリーも通気性バツグン!
同量の水を張った容器を靴の爪先部分にセットして丸1日放置したあとに重さを量り、蒸発量をチェック。普通のスニーカーと比べて「allbirds」は圧倒的な通気性を見せました。
感動2:丁寧&頑丈なつくり
「洗濯できる」と明記してあるだけに、洗っても形くずれしないよう、縫製はしっかりと頑丈になっています。
踵の補強や中の裏地など、細かいところまでしっかりと作り込まれており、長く愛用してもらいたいという作り手の情熱を感じることができるつくりでした。
アッパーと靴底を繋ぐ重要な部分。縫い目は細かく頑丈で、特に力のかかる踵部分は2重縫いでした。
「Wool-Runners」にはアッパーのへたり防止のため、肌触りがよいナイロンの裏地が貼られています。靴製造・修理のプロAさんは「靴底や裏地などの縫製はしっかりしているので頑丈です」と評価していました。
感動3:歩行時の負担が軽減!
検証機関にて歩行時に足裏にかかる圧力を測定、一般的な靴との比較を行いました。
「allbirds」はどちらも足裏、特に力のかかる踵と親指の付け根への圧力が分散されており、足への負担軽減は『MONOQLO』の過去ベストバイの「ニューバランス」に匹敵する優秀さでした。
歩行時の負担がほとんどありません。
効率よく足の圧力を軽減します。
ニューバランスは踵への負担がかなり軽減されています。
キャンバスシューズは足裏全体に圧力がかかっています。
黄色~赤色の部分には強い圧力がかかっていることを意味します。一般的な靴と比べると、体重を支えるかかとや指の付け根にかかる圧力がかなり軽減されていることがわかります。
体重がうまく分散されて脚や膝への衝撃を和らげます
プロが1カ月履いたからわかった 「あと1歩」ポイント3つ
確かに履き心地は抜群でした。一方で、「あと1歩」な惜しいところも見つかりました。
惜しいポイント1:季節感の問題
取材した店舗では、「靴内部の温度・湿度を一定に保つので、1年中快適に履ける」とオススメされました。
確かに通気性はよく、スペックとしては1年中履けるのですが、素材感が全面に出たデザインゆえ、実際には秋~冬シーズンの使用がメインになるでしょう。
夏にウール素材の靴を履くのは避けた方がいいでしょう
通気性の良すぎる「Tree」は冬だと逆に足を冷やす恐れも!
惜しいポイント2:長い距離を歩くのに向かない
締めつけのない柔らかい履き心地が抜群な反面、ホールド感が弱く長時間歩くと逆に疲れを残してしまう可能性もあります。アウトドアやレジャーなどでタフに履くには不向きです。
惜しいポイント3:ラクだが多少劣化する
洗濯機で丸洗いできるのは大きな利点ですが、素材の特性上、劣化は避けられません。やはり何回も洗うとヘタリや毛羽立ちは避けられないです。汚れたからと頻繁に洗濯機にかけるのは避けたほうがよさそうです。
実はハイカットのほうがオススメ!
全体的に丸みを帯びたデザインの「allbirds」スニーカーですが、靴紐が平らなハイカットは締めることで、より細身な印象になり◎です。
平紐でスマートな印象のハイカットがよりオススメです!
以上、「世界一履きやすい」と言われるスニーカー、allbirdsの検証編でした。
【まとめ】「世界一」は言い過ぎ! でも、普段使いには快適で最高!
約1カ月間、通勤や買い物、レジャーなど様々な場所で「allbirds」を履き倒しましたが、「世界一歩きやすい」という評価にはマーケティングのための多少の「盛り」を感じました。
カジュアルで何にでも合うWool(左)とスポーティーでムレないTree
結論としては、ちょっとした外出や街歩き用としてなら、かなり快適に履けます。値段やデザインで気に入ったなら、試してみて損はありません!
アッパーは柔らかくても適度に足にフィットするので歩きやすいです