高機能&低価格で人気のワークマン ユニクロより“本当に買い”なの?
建設現場などで働くプロ向けの作業服を取り扱うワークマン。その高機能さと品質を活かして2018年に一般客向けに展開したカジュアル向けの新ライン「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」が爆発的ヒットを記録し、世間を賑わせています。
わずか1年で全国67店舗を突破するなど、国内の店舗数はすでにユニクロを上回るほどの好調ぶり。2020年3月には全国167店舗まで拡大する計画もあるとされていますが、実店舗だけなく、楽天のオンラインストアで購入できるのも魅力です。
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ワークマンプラスではアウトドアに特化した「フィールドコア」、動きやすさ重視のトレーニング向け「ファインドアウト」、ゴアテックスを意識した防水・防寒性を誇る「イージス」といった、特徴ある3つのプライベートブランドを展開。高機能な製品をお手頃価格で提供するというスタンスも、ユニクロと共通するものがあります。
しかし、実際にユニクロを上回る製品があるかどうかはまだ疑問が残るところ…。
そこで今回は、ワークマンで特に防寒・防風をウリにするアウター2製品をチョイスして、ユニクロの人気アウター2製品と比較してみました。
テストにご協力いただいたのは…… 人気ファッションバイヤーのMB氏
今回のテストにあたってご協力いただいたのは、年間1000着以上の服を試着し、最新ファッションを知り尽くすファッションバイヤーのMB氏。
素人ではわかりにくいデザインを、プロの目線から厳しくチェックしてもらいました。
ワークマンは全般的にサイズが小さいので
普段よりワンサイズ大きめを選びましょう
MB氏いわく、ワークマンプラスで洋服を選ぶ際には、サイズには十分注意すべきとのこと。
多くのアイテムをユニセックスで展開していることから、S~Mサイズは一般的な男性にはやや窮屈なサイズ感になっています。購入する際はしっかりと試着して、普段よりもワンサイズ大きめのサイズを選びましょう。
また、ワークマン製品は「高機能×低価格」をウリにしていることから、実際の機能性についても確かめずにはいられません。そこで、同時に機能面のテストも行いました。
デザインやつくりだけでなく 耐寒性や耐風性など6項目をテスト
機能性などの検証にご協力いただいたのは、主に産業用機器や通信機器などのハブやスイッチを設計・製造している株式会社OA研究所 藤沢工場。
今回、耐寒性の検証のため、温度・湿度を一定に保てる特殊な設備「恒温恒湿室」をお借りしました。
テストしたのは、下記の6項目です。
テスト項目①:耐寒性
気温11℃、湿度55%に設定した部屋で、製品を10分間着用。温度センサーとサーモカメラを使い、身体の表面温度を測定しました。
テスト項目②:耐風性
「強モード」に設定した扇風機の風を30秒間浴び、生地や縫い目、裾などのすきまから風が侵入してこないかを体感でジャッジ。
テスト項目③:耐水性
霧吹きで水を吹きかけ生地に水がしみないかを確認。防水を謳うワークマンの「イージス」は、バケツで大量の水をかける追加テストを敢行しました。
テスト項目④:動きやすさ
生地のストレッチ性やつっぱり感などは、実際に着てみて動きやすさを確認。アウターは背中と肩まわり、ボトムスはお尻・しゃがみやすさを重視しています。
テスト項目⑤:つくり
生地感や仕立てなどといったつくりの丁寧さのほか、防風や防寒につながるディテールや構造の工夫などを細かくチェックしました。
テスト項目⑥:デザイン
人気ファッションバイヤーMB氏に「街着として普段使いしやすいか」という観点からデザインをジャッジしていただきました。
テストしたのは、ワークマンプラスの秋冬の新作の中でも、特に防寒・防風をウリにしているアウター2製品とユニクロのベストセラーアイテム2製品。
ワークマンの「機能性」が本物かどうかを検証すると同時に、この冬買うべきアウターを決定します。
さて、ワークマンとユニクロ、この冬買うべき最強のアウターに輝いたのはどちらの製品でしょうか? それではテストの結果をご紹介します。
雨・風・雪を防いでデザインも コスパも◎のワークマンジャケット
ワークマン
イージス
360°リフレクト
透湿防水防寒ジャケット
実勢価格:5800円(税込)
▼テスト結果
耐寒性 :◎
耐風性 :◎
耐水性 :◎
動きやすさ:◎
つくり :◎
デザイン :◎
総合評価 :S
最も評価が高かったのが、ワークマン イージス 360°リフレクト 透湿防水防寒ジャケット。
中綿入りの冬バージョンは防水生地や袖・襟まわりの密着感、ジッパー部分の二重カバーなど、防水機能を高めるための様々な工夫がそのまま防風・防寒機能へとつながっています。
自転車・バイクにも最適なアウトドア派向きで、デザインもオシャレで申し分なし。ユニクロよりお手頃価格なのも魅力です。
▼耐寒性のテスト結果は?
耐寒性は◎。首・袖・裾がしっかりと締まり、薄い中綿ですが、保温力は高いです。薄くて軽いのに冷気の侵入をよく防ぎ耐寒性は十分!
▼耐風性のテスト結果は?
耐風性も◎。袖やジッパーの覆いは二重になっていて、まったく風を通さず高い耐風性を発揮しました。すきま部分も完全防御できます。
▼耐水性のテスト結果は?
耐水性も◎。バケツで大量の水をかぶっても内側にしみない堅牢な作りで、防水加工がしっかりと施されています。
▼動きやすさのテスト結果は?
動きやすさも◎。背中部分がストレッチ素材で、動きやすい仕立てになっています。バイクなどの前傾姿勢に向いています。
▼つくりのテスト結果は?
つくりも◎。お尻を覆うつくりは前傾姿勢でも腰が出にくく防水性も◎。腰の切り返しで細見えも狙えます。
▼デザインのテスト結果は?
デザインも◎。高い機能性をうまく街着レベルまで落とし込んでいてオシャレです。
45万着以上を売り上げ、今やワークマンの代名詞的なイージス 360°リフレクト 透湿防水防寒ジャケット。
防水・防風性能だけでなく防寒性能も優秀そのものなので、アクティブ派なら持っておいて損なし! この冬のアクティブシーンで輝く最高の一着です。
暖かさはNO.1だけどやや高額… ユニクロのシームレスダウンパーカ
ユニクロ
シームレスダウンパーカ
実勢価格:1万6390円
▼テスト結果
耐寒性 :◎
耐風性 :◎
耐水性 :◯
動きやすさ:◯
つくり :◎
デザイン :◎
総合評価 :S
同じく評価が高かったのは、ユニクロ シームレスダウンパーカ。
防寒性とデザイン性は最高ですが、1万円越えという価格が購入を思いとどまらせます。しかし、暖かさはNO.1。値段を気にしなければ買いです。
▼耐寒性のテスト結果は?
耐寒性は◎。着込んですぐに身体が暖まりだし、終了時には全身ポカポカに。
暖かさはユニクロの「シームレスダウンパーカ」が一番でした。今回の中では最も高額ではありますが、そもそもリアルダウンのアウターがこの価格で買えること自体がスゴいです。
耐風性と耐水性は共に高いです。また、伸縮性はあまりありませんが、身体を動かしやすい裁断で動きやすさは◯。つくりも優秀で、溶着加工や二重袖、止水ジップなど、寒さ対策の工夫が満載です。ダウンの常識を塗り変えたスッキリしたデザインも◎でした。
暖かくて動きやすくてこの価格! ワークマン フーデッドパーカー
ワークマン
フィールドコア(FieldCore)
AERO STRETCH ULTIMATE
フーデッドパーカー
実勢価格:3900円
▼テスト結果
耐寒性 :◎
耐風性 :◯
耐水性 :△
動きやすさ:◎
つくり :◯
デザイン :◯
総合評価 :A
続いて評価が高かったのが、ワークマン フィールドコア(FieldCore) AERO STRETCH ULTIMATE フーデッドパーカー。
耐寒テストでは、4倍以上の価格差があるユニクロ シームレスダウンパーカに匹敵する結果に。生地の伸縮性も良く、動きやすさもバツグンです。
▼耐寒性のテスト結果は?
耐寒性は◎。中綿を縫わずにキルティングする「溶着加工」で、ダウンにありがちな縫い目から風が入ってくる問題点を解消しています。リアルダウンに迫る暖かさで、ジップ部分からの冷えで差が出ました。
▼動きやすさのテスト結果は?
動きやすさも◎。伸縮性の高い生地で、ダウンにありがちな動きにくさは一切感じられませんでした。多少無茶な姿勢でも窮屈さはほとんどゼロです。
耐風性は◯で、首の後ろとジップ部分はやや風を通しましたが、袖・裾は問題なし。耐水性は△で、霧吹きの水がしみ込んでしまいました。
縫い目のないダウンで胴の防寒性能は高いですが、襟まわりにすきまがあるつくり。デザインはややカジュアル寄りですが、街着としては十分です。
生地が薄く動きにくくて安っぽい ユニクロのウルトラライトダウン
ユニクロ
ウルトラライト ダウンジャケット
実勢価格:6585円
▼テスト結果
耐寒性 :△
耐風性 :◯
耐水性 :◯
動きやすさ:△
つくり :◯
デザイン :△
総合評価 :B
最下位はユニクロ ウルトラライト ダウンジャケット。
生地が薄くて耐寒性がないので、アウターよりもインナー向けの製品。寒さが厳しいときに組み合わせて使えばより快適に過ごせます。
▼耐寒性のテスト結果は?
耐寒性は△。生地の薄さもあり、さすがに真冬の気温には耐えられません。
ジップ・キルトの縫い目から少し風が通りますが、防風性は高め。耐水性も◯で、小雨程度なら問題ありません。
動きやすさは△で、伸縮性はあまり感じられず、肩や背中が引っ張られる感じ。襟が高いつくりでしっかり締めると冷気の侵入を防げますが、デザインは生地の安っぽさが目立ちアウターとしてはやや頼りない印象です。
以上、ワークマンとユニクロのアウター4製品比較でした。
「暖かさ」ではユニクロが上でしたが、寒さの厳しい地域でなければ、さほど大きな違いは感じられません。デザインが気に入れば、圧倒的コスパのワークマンはかなりオススメです!
ワークマンプラスでは、Lサイズが一般的な『Mサイズ』のフィット感です。