リビングでも仕事が快適にできるデスクチェアは?

テレワークが増えたものの自宅に書斎がなく、ダイニングチェアで仕事をしているという人も多いのではないでしょうか。会社にあった機能的なオフィスチェアとは違い、長時間の作業で肩こりや腰痛に悩まされることも少なくないようです。
アーロンチェアみたいに快適なオフィスチェアが欲しくても、高価なうえ場所をとることもあって、そもそも家族に許しを得るのが難しかったりもしますよね。
そんな人のために今回は、自宅に置きやすく体がつらくならないテレワーク向けデスクチェア(PCチェア)を調査。デザイン性も高いデスクチェア6製品と購入しやすい価格で話題のニトリ・イケアのオフィスチェア2製品を、インテリアコーディネーターのくろだあきこさんと整体師の中山隆嗣さんと一緒に比較しました。
自宅での仕事用デスクチェアの選び方
自分にぴったりの仕事用デスクチェアは、いくつかのポイントに気を付けて選ぶ必要があります。
選び方1:機能性をチェック
デスクチェアにもたくさんの種類がありますが、座る時間が長いことを考えると、キャスター付きやアームレスト付きなど機能性が高いものを選ぶといいでしょう。
▼キャスター付き回転チェア

キャスター付きのオフィスチェアは移動がラクなので、掃除もしやすいです。よく動かすという人におすすめ。キャスターロック機能付きのチェアもあります。
▼アームレスト付き

アームレスト付きなら、肘を置いてリラックスできます。
▼長時間座るならハイバック

腰から背中、首まで幅広くカバーするハイバックのデスクチェアは、ゆったりと体を預けて座ることができますが、狭い部屋におくとかなり存在感があります。
▼スペースが狭いならローバック

1人当たりの設置スペースが狭い場合には見た目の圧迫感を軽減できるローバックタイプがおすすめです。長時間座っても疲れない工夫をしたデスクチェアが多く登場しています。
選び方2:デザインと素材感

自宅に書斎がなくリビングや寝室で仕事をする場合は、インテリアとの調和も大切。皮張りや布地など好みの素材も大切です。 機能性だけ重視するならメッシュ素材もありですが、他の家具と合わない場合もあります。
選び方3:座った感触や自分の体格に合わせる
背もたれの長さや座面の硬さの好みも人それぞれなので、自分の体格に合ったものを選びましょう。背もたれが長いともたれやすく、短ければ移動させやすくなります。もし可能なら、実際に座った感触を確かめられるとベストです。
自宅におけるデスクチェアのおすすめを発表する前に、過去にオフィスチェアを比較してベストバイとなった製品を振り返ります。
「ベゼル」
過去ベストのオフィスチェアはコクヨ
コクヨ
ベゼル
アルミポリッシュヘッドレスト付き
実勢価格:14万2890円
調節機能:座面(高さ、奥行き、角度)、肘掛け(高さ、奥行き、角度)、リクライニング(硬さ、傾き)、ヘッドレスト(角度)
▼テスト結果
- 美しさ: 9/10点
- 座面: 9/10点
- 背もたれ: 9/10点
- 調節機能: 10/10点
- キャスター: 8/10点
- 合計: 45/50点
過去に雑誌「MONOQLO」が仕事がはかどる最強のオフィスチェアを探して15製品を比較したところ、総合ランキング1位になったのはコクヨ「ベゼル」でした。

すべての項目においてソツがなく、どんな姿勢にもフィットして長時間のデスクワークでも腰が痛くならないので、仕事の効率低下に悩む人にオススメです。
リクライニング機能やヘッドレストなど機能面は魅力的。ただ、決して安くないお値段と存在感から自室やリビングに置くにはハードルが高いのも事実です。そこで今回は、見た目と機能性が両立した“ちょうどいい”デスクチェアを探しました。
デザイン性も高いデスクチェア6製品を徹底比較

コロナ禍でテレワークが浸透し、リビングやダイニングの仕事でも「体がつらくない」「インテリアの邪魔にならない」おしゃれなデスクチェアがオフィス家具メーカーから続々と登場しています。
ここでは、1万円台から6万円台までテレワーク向けのデスクチェア6製品をピックアップ。インテリアコーディネーターのくろだあきこさんと整体師の中山隆嗣さんと一緒に、「使いやすさ」「つくり」「座り心地」「デザイン」でチェックしました。
それでは「5万円以上部門」「3万円以下部門」のベストバイから順番に紹介します。
【5万円以上ベスト】イトーキ「vertebra 03」
イトーキ
vertebra 03
実勢価格:5万9000円〜
28色展開、キャスター可、カスタマイズ可
▼テスト結果
- 座り心地 :◎
- 使いやすさ:◯
- デザイン :◎
- つくり :◎
検証をした6脚で、唯一のS評価となったのがイトーキ「vertebra 03」です。曲線を多用したやわらかなデザインが細身のフレームと相まって、存在感があるのに主張しすぎません。カスタマイズに対応しており、ほかの家具に合わせてフレームや生地を選べるのも高評価の一因です。
座面は多少高く感じたものの、坐骨がしっかり収まり座り心地は上々。座面と背もたれがスライドする機構のおかげで気持ちよく伸びができるのは、本製品だけの特徴です。
伸びが自然にできる!スライド機構で仕事が捗る

体の動きに応じて、背もたれが斜めに傾くと同時に座面が前方にスライドするため、自然な姿勢で伸びができます。

定期的に体の疲れを解消できるので、長時間のデスクワークも捗ります。

座面奥が下がっているため、坐骨が収まり仕事中の姿勢が安定します。

開いた脚が安定感を生み、仕事に集中できます。
フレームも布地も事務感ナシ!

スチールタイプの肘掛けは、テカリのないマットな質感がインテリア映えします。
スチールの質感も高見えする

樹脂パーツもマット加工されていて上質です。

事務イス感のない布地がリビングに溶け込みます。パターンが多いので選択肢広がります。
自分好みの一台が作れる

※公式サイトより
フレーム・生地・カラーは自由に組み合わせ可能です。
キャスターはなし

掃除の際に頻繁に移動するならキャスター付きが吉。

4本脚は重量があるので、掃除などで頻繁に動かすならキャスター付きもありです。
ワークチェアらしからぬデザインながら、スライドする背もたれと座面が長時間のデスクワークをサポート。スチールタイプは安定しますが重量があって移動は大変なので、使用環境によってはキャスター付きを選びましょう。
「サリダ
ワントーンチェア」
【3万円以下ベスト】イトーキ
イトーキ
サリダ
ワントーンチェア
実勢価格:1万9900円
3色展開、キャスター付き
▼テスト結果
- 座り心地 :◎
- 使いやすさ:◎
- デザイン :◯
- つくり :◯
3万円以下でベストバイに輝いたのは、イトーキ「サリダ ワントーンチェア」。全体を単一色にすることで、ワークチェアからオフィスっぽさを極限まで取り除いています。
やわらかな座面は座り心地がよく、ロッキングする背もたれと合わせて長時間のデスクワークをしっかりとサポートしてくれます。座面高を調整することで、床に足裏をつけて安定した姿勢をサポートすることも可能。背もたれをたまごのようにスッキリとさせて、事務っぽさを取り除いたデザインも見事です。
調整可能なロッキングが疲れを解消

肘掛けの高さは、作業時よりリラックス時に手を添えるのにちょうどいい高さです。
ロッキングが心地いい

背もたれがやわらかく、傾姿勢でロッキングするのが心地よいです。

座面下のノブで、背もたれのロッキングを硬くするか、やわらかくするか調節できます。

ロッキングの調節機能があると背もたれが生きます。
同一カラーでワークチェアをリモデル

家族が目にする時間が長い背面のデザインがスッキリ。リビングに置いても違和感があまりありません。

後ろから見た背もたれに余計な凹凸がないのもいいです。

座面・フレーム・キャスターのカラーをすべて統一したことで、既存のオフィスチェアとは一線を画した調和性があります。

キャスターの動きがよく、どの方向へも軽い力で動きます。
インテリアとも調和する

丸みを帯びたデザインと統一感のあるカラーで、インテリアとも調和します。
なじみあるワークチェアに似た座り心地なので、オフィスに居るような気分で仕事ができます。背面のデザインをシンプルにし、全体を同色にしたことで、リビング・ダイニングでも主張しすぎないチェアになりました。
ingLIFE」
高級感があってリビングでも映えるコクヨ「
コクヨ
ingLIFE
実勢価格:6万7210円〜
4色展開、キャスター可、カスタマイズ可
▼テスト結果
- 座り心地 :△
- 使いやすさ:◎
- デザイン :◎
- つくり :◎
A評価だったのは、コクヨ「ingLIFE」。リビングでも映える高級感は、デザイナーズチェアのよう。体の動きに合わせて全方向にグラインドする座面は、短時間使用でのリラックス効果は高め。長時間座って作業する際は、骨盤や腰椎の正しい姿勢を意識しましょう。
インテリア性が高い

トレンドのアースカラーが主張しすぎず個性的! ウッド調の背もたれもインテリア性が高いです。
リラックス度は高め

リラックス度は高め。でも身体を傾けたまま長時間作業はNGです。
細部のつくりまでこだわりあり

やわらかな肘掛けなど、細部のつくりにまでこだわりを感じます。
キャスター付きで移動がラク

キャスター付きで移動がラク。昇降機能もうれしいです。
デザインではベストバイ製品を上回る評価。整体師の中山さん曰く、左右へも揺れる動きは短時間の使用ではストレッチとして良さそうとのこと。一方で、長時間骨盤や腰椎を傾けたまま座り続けたりしないように、意識して座る必要があるという評価となりました。
「cuna
肘付きチェアー ソリ脚タイプ」
ロッキング機能が最高のコクヨ
コクヨ
cuna
肘付きチェアー ソリ脚タイプ
実勢価格:2万8380円
4色展開
▼テスト結果
- 座り心地 :◯
- 使いやすさ:◯
- デザイン :◯
- つくり :◯
B評価だったのは、コクヨ「cuna 肘付きチェアー ソリ脚タイプ」。仕事に集中するときは前へ、リラックスしたいときは後ろへと、倒す方向で気分を変えられるのが遊びゴコロをくすぐりますが、長時間集中したいときには不向きかもしれません。気になる人は、ロッキング時の床のキズ対策を。
細部までていねい

フレームと背もたれが一体化するなど、細部のていねいさが好印象です。
リラックス度が高い

前後にロッキングすることで座ったまま姿勢を変えられ、リラックス度高めです。
脚部が気になるなら対策を

床のキズが気になる人は、フェルトを貼るなどの対策をすればOKです。
重くないので移動はできる

キャスターはないものの、重くないので移動は問題なし!
「モダンデザインワークチェア アーム付き」
安定感があるdinos
dinos
モダンデザインワークチェア アーム付き
実勢価格:1万5900円
カラー展開なし、キャスター付き
▼テスト結果
- 座り心地 :◯
- 使いやすさ:◯
- デザイン :△
- つくり :◯
同じくB評価だったのが、dinos「モダンデザインワークチェア アーム付き」。坐骨のホールド感がいい座面と、比較的高めの肘掛けのおかげで、座り心地は上々です。一方でフェイクレザーとスチールフレームの組み合わせは、合わせる家具を選びます。書斎のほうがマッチする家庭が多いかも。
デザインは安っぽいかも

むき出しのフレームや色違いのナットが安っぽく見えます。
坐骨をしっかり包み込む

坐骨をしっかりホールド。背もたれもちょうどいい立ち具合です。
安定感があるつくり

「安定感のあるつくり」と、くろださんのお墨付きです。
動きは微妙に悪い

キャスターで動かしやすいですが、微妙に動きが悪いです。
エッグ デスクチェア 肘無」
長時間は向かないクラッシュゲート「
クラッシュゲート
エッグ デスクチェア 肘無
実勢価格:1万5400円
3色展開、キャスター付き
▼テスト結果
- 座り心地 :△
- 使いやすさ:△
- デザイン :◯
- つくり :△
C評価だったのは、クラッシュゲート「エッグ デスクチェア 肘無」。シンプルなデザインは置く部屋を選ばないものの、座り心地や使い勝手の面で評価を下げました。体が後ろに倒れてしまう背もたれの角度と、高身長でないと足がつかない高すぎる座面は、長時間の座り仕事には向きません。
部屋を選ばないデザイン

たまごのようなデザインは、どんな部屋にもなじみやすいです。
座面・背もたれはイマイチ

座面・背もたれとも硬く、仕事をするには寝すぎています。
高めのつくりが残念

高身長でないと安定した姿勢がとれない高めのつくりです。
動きが硬い

4脚のためか、前後・左右以外の方向への動きが硬いです。
ニトリとイケアの3万円以下オフィスチェアも比較
今回検証したデスクチェア6製品と、ニトリとIKEAの3万円以下のワークチェアも座り比べてみました。結果は、頭までしっかりサポートされるのがラクで、長時間座っていても疲れにくいものでした。
S評価:仕事がはかどるニトリ「リクライニングワークチェア」
ニトリ
リクライニングワークチェア
実勢価格:2万9900円
カラー展開なし、キャスター付き
ニトリ「リクライニングワークチェア」は、S評価。ヘッドレストは頸部および頭部を支えてくれることで肩・背中の疲れを和らげてくれ、長時間の座り仕事で疲れたときに、体を倒して気持ちよく伸びができてリクライニング機能があります。
ランバーサポートが腰をしっかりとホールドして、肘掛けも座ったときに肘が届く高さに調整できると、姿勢キープ力を保てます。
特に仕事がはかどる6つのポイント

床に足の裏全体ががつき、腰と膝が90度になる高さに調整できて、坐骨部が少し下がることで、体全体がしっかりと椅子に収まります。また、風をとおすメッシュ素材で通気性がよくて夏場の心地よさは抜群。体型にフィットするのもよくて、機能面では文句なしです。
A評価:座面が歪みにくいIKEA「イェルヴフェレット」
IKEA
イェルヴフェレット
実勢価格:2万4990円
2色展開、キャスター付き
IKEA「イェルヴフェレット」は、A評価。クッション性があって座面の強度が高いので、メッシュチェアに比べて座面が歪みにくいため、より長期間の活躍が期待できます。
テレワークに最適なデスクチェアのまとめ
以上、デスクチェア・オフィスチェアのおすすめ8選でした。
リビング・ダイニングに置いても家族に反対されないテレワーク用のPCチェアを決定しましたが、ベストバイの決め手となったのはやはり「デザイン」と「座り心地」でした。2人の識者には、「デザイン」はチェア単独ではもちろん、周囲の家具とマッチすることも重要で、「座り心地」は、あくまで“仕事をするために長時間座る”ことを前提として評価していただいています。
結果として、5万円以上の商品では「バーテブラ03」、3万円以下の商品では「サリダ ワントーンチェア」というイトーキの2製品が選ばれました。ともに、リビング・ダイニングになじみやすいおしゃれさと、長時間のデスクワークでも姿勢が崩れにくく、ほどよくリラックスできる構造が高評価につながっています。
選ぶときの参考にしてみてください!
【5万円以上おすすめ】イトーキ「vertebra 03」
イトーキ
vertebra 03
実勢価格:5万9000円〜
28色展開、キャスター可、カスタマイズ可
【3万円以下おすすめ】イトーキ「サリダ ワントーンチェア」
イトーキ
サリダ
ワントーンチェア
実勢価格:1万9900円
3色展開、キャスター付き
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