電波の「指向」を変えられるから 内臓アンテナより調整しやすい
BUFFALOやNETGEARなど一部メーカーはアンテナを外付けしたWi-Fiルーターを展開。アンテナ角度を調整できるため特定の方向に電波を向けることができます。つまり、内蔵タイプ以上に電波環境を改善できる可能性が高いんです。
部屋の隅に設置するのに最適です
BUFFALO
WXR-1901DHP3
実勢価格:1万4117円
サイズ・質量:W41×D185×H185・560g
アンテナの種類によって電波の広がり方が違う
内臓アンテナモデルは全方向に電波を飛ばせるようになっていますが、構造上アンテナが小型になり電波効率が悪いと言えます。外部アンテナモデルは、アンテナの向きに応じて水平方向、垂直方向に電波を集中させることができます。
内臓アンテナ派の2社に デメリットはないのか聞いてみました
国内メーカーでは内蔵アンテナが主流ですが、デメリットはないのか疑問をぶつけてみました。内蔵型を選択している理由はやはりアンテナ調整不要という設置の手軽さにあるよう。またアンテナ設計で内蔵型の弱点はカバーできるとしています。
A社回答
設計難易度は上がるものの、外付け型と遜色ない性能を実現しています。アンテナを内蔵することでサイズはコンパクトであり、お客様は設置場所を選ばずアンテナを調整することもなくお使いいただくことができます。
B社回答
お客様の利便性を重視し内蔵アンテナを選択しております。当社でも法人向けのアクセスポイントで、外付けアンテナ製品もラインナップしており、利用環境に合わせて製品を選択可能という形になっております。
どちらも、「問題ない」という回答ではあります。ただ、やはり設計が難しかったり、環境によっては外付けアンテナの良さを認めるなど、手放しで内蔵型を推奨するような回答ではありませんでした。
アンテナを子機側に向けると 4割以上改善する機種もありました
ASUS
RT-AC88U
実勢価格:2万5888円
理論値では11acの2167Mbpsに対応しますが、実測値ではバッファローの1300Mbps機にかなり遅れをとりました。しかし、アンテナ調整によりだいぶ差を縮めることもでき、アンテナ調整は重要だということがわかりました。
外部アンテナモデル3機種による実測テスト
アンテナを子機に向けると通信速度が顕著に改善されました。
バッファロー製品を例に アンテナを調整してみます
では、アンテナはどのように調整したら良いのでしょうか? バッファロー機を例に上げて、さまざまなシチュエーションに合った設置の仕方やアンテナの向きを説明しましょう。
①窓際・壁掛け設置の場合は電波を斜めに飛ばす
Wi-Fiルーターは家の中央に設置するのが理想ですが、難しい場合も多いですよね。壁掛けのや家の隅に設置したい場合もあるでしょう。そんなときは、天井近くに設置しアンテナに傾斜を持たせるるとつながりやすくなります。
上から見たときのアンテナの状態
外側のアンテナはハの字にして45度傾ける。中央のアンテナは90度にしましょう。
横から見た時のアンテナの状態
手前側にアンテナを45度に倒します。こうすると電波は斜め方向を指向します。
②上や下の階に届けるなら電波を上下に飛ばす
壁際設置の際に、45度まで倒したアンテナを90度まで倒すと、電波は垂直方向に飛ぶようになります。つまりルーターの真下、真上の部屋に電波を届けたい場合に特に有効なんです。
水平方向の広がりは弱くなるので、壁の中央付近に置いて壁に電波を反射させることで少しでも均等に電波を飛ばすよう工夫しましょう。
上から見たときのアンテナの状態
上外側のアンテナ2本は45度に、中央のアンテナは90度にセットします。
横から見た時のアンテナの状態
3本とも90度倒します。垂直方向に電波を強力に広げることができ
ます。
③360度全方位をカバーするなら真ん中だけ伸ばす
上下方向に飛ばすセッティングの応用版。中央のアンテナのみを垂直に立てると、垂直方向に加え水平方向に電波が広がるようになります。2階建ての住宅では便利なセッティングです。家の中央付近の壁際に設置するのがオススメです。
上から見たときのアンテナの状態
中央のアンテナは垂直に、外側の2本は45度のままでOK。
横から見た時のアンテナの状態
中央のアンテナが水平方向に電波を発信するので360度全方位をカバーできます。
試行錯誤してベストな 電波環境を見つけましょう
アンテナ調整の際はスマホアプリ「Wi-Fi SweetSpots」などを使って、部屋ごとの電波状況を調べながら行うとより確実です。
このように、アンテナ調整でできることが意外と多く、置き場所が限られているときこそ、アンテナ外付けが輝くこともあります。Wi-Fiルーターを購入する際は、あえてアンテナ外付けという選択肢も、ぜひ検討してみてください。
360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。