買った日にすぐ使える 手軽さが魅力です
部屋の窓に取付けて使用する「窓用エアコン」。室外機がなく、壁に穴を開ける必要もないので、屋外に室外機を置くスペースがない部屋や、賃貸住宅などで壁に穴が開けられない部屋の空調としてピッタリです。
壁掛け型のエアコンの設置作業は業者に依頼することがほとんどですが、窓用は自分で取付けられるので、買ったときだけでなく、設置する部屋の移動や引っ越しもラク。とにかく“手軽”であることが窓用エアコンの魅力です。
(※画像は「トヨトミ TIW-AS180J 」公式サイトより)
今回は冷房機能を持つ窓用エアコン5製品をピックアップし、家電コーディネーターの戸井田園子さんに検証・採点していただきました。
検証項目は次の5つ。
1. 基本機能
2. 静音性
3. 設置性
4. 付加機能
5. メンテナンス
その結果、ベストバイに輝いたのはこちらです!
窓用エアコン・ベストバイは 「トヨトミ」センサー付モデル
トヨトミ(TOYOTOMI)
窓用エアコン 人感センサー付モデル
TIW-AS180J
実勢価格:5万3148円
続いて、今回の検証項目でもある『窓用クーラー選び・5つのポイント』についてお話します。
窓用エアコンのメリットとデメリット
続いては窓用エアコンのメリットとデメリットについてご紹介します。
窓用エアコンのメリット
窓用エアコンのメリットは、室外機がいらないので工事が不要という点です。自分で簡単に取り付けることができ、壁に穴を空けることもないので賃貸住宅でも導入できます。工事費が必要ないだけでなく、壁掛けエアコンよりも本体価格が安いので初期費用が低コストで済みます。室外機がいらないということで、ベランダのない部屋でも取り付けが可能になります。
窓用エアコンのデメリット
窓用エアコンのデメリットは運転音が大きいことです。寝室で使う場合や、音に敏感な方は45db以下程度の製品を選ぶと良いでしょう。本体価格は壁掛けエアコンよりも安いですが、電気代は少し高くなります。
また部屋全体を涼しくするのには向いておらず、最大でも8畳までが限界です。それより広い部屋には使わないほうが良いでしょう。
ほかにも窓を開けて取り付けるため、どうしても隙間ができてしまうことがあります。その際に必要になるのが「防犯対策」や「虫対策」です。2階以上に住んでいる場合は気にしなくて良いかもしれませんが、1階に住んでいる方は窓を固定する鍵などで対策をする必要があります。虫対策は網戸を閉めることでほとんど解決するでしょう。
窓用エアコン選びのポイント 【その1. 基本機能】
窓用エアコンの基本的なスペックとしてチェックしたいのは、消費電力・期間消費電力量・運転内容の3つです。
(1)消費電力
消費電力とは、使用する際に必要な電力の量のことで、W(ワット)という単位で表記されます。今回の検証では、この値が小さいものを高く評価しています。
5製品中、最高得点を獲得したのは、トヨトミ「窓用エアコン 人感センサー付モデル」
TIW-AS180J。値は575W/674W(50Hz/60Hz)でした。
(2)期間消費電力量
期間消費電力量とは、JIS規格に基づいた一定の条件のもとで運転した場合の試算値で、kWh(キロワットアワー)という単位で表記されます。この値が小さいほどエネルギー効率がよく、ランニングコストの目安となります。今回の検証では、この値が小さいものを高く評価しています。
最高得点を獲得したのは、こちらもトヨトミ「窓用エアコン 人感センサー付モデル」
TIW-AS180J。値は391kWh/434kWh(50Hz/60Hz)でした。
(3)運転内容
窓用エアコンのなかには、冷房のほか、除湿・送風・サーキュレート・暖房・換気などの機能を備えている製品があります。今回はこのような運転モードの多いものを高く評価しています。
最高得点を獲得したのは、コロナ「ウインドエアコン 冷暖房兼用タイプ」CWH-A1819。運転内容は冷房・除湿・送風・暖房・換気の5つでした。
窓用エアコン選びのポイント 【その2. 静音性】
窓用エアコンには室外機がないため、窓際でモーター音がします。今回の検証では、運転音の大きさ(dB)を比較し、より小さなものを高く評価しました。
最高得点を獲得したのは、トヨトミ「窓用エアコン 人感センサー付モデル」TIW-AS180J。運転音は今回検証した5製品中最小の44dBでした。
窓用エアコン選びのポイント 【その3. 設置性】
窓用エアコンは、その名のとおり窓に設置するもので、壁に施工しなくてよい点がメリットです。
今回の検証では、設置可能な寸法が大きいほど使い勝手がよいと判断し、高く評価しています。また、排水(ドレイン)の有無についてもチェックしました。
最高得点を獲得したのは、ハイアール「窓用ルームエアコン」JA-18T、JA-16T 。どちらも標準枠では777~1410mm、延長枠を使用すると1410~2005mmの窓に取り付けることができます。
窓用エアコン選びのポイント 【その4. 付加機能】
壁掛けタイプのエアコンと違い、機能が絞り込まれているのが窓用エアコンですが、近年はセンサーやイオン発生などの機能が搭載されているものが登場しています。
今回の検証では、独自機能を備えているものに加点。最高得点を獲得したのは、トヨトミ「窓用エアコン 人感センサー付モデル」TIW-AS180J。人感センサー、センター吹き出し、内部乾燥モード、ドレイン水除菌、タイマーなどの機能を搭載しています。
窓用エアコンも、壁掛けタイプのように多機能化しており、利便性が高くなっている傾向です。
窓用エアコン選びのポイント 【その5. メンテナンス】
フィルターなどパーツの取り外しやすさ、洗いやすさをチェックしましょう。
今回はより手入れのしやすいものに加点しています。最高得点はコイズミ「ルームエアコン(冷房除湿専用)」KAW-1991/Wでした。熱交換器とグリル(前面のカバー)を洗うことができます。
今回取り上げた製品のなかで、熱交換器を洗えるのはコイズミだけでした。長く使うことが想定されていないジャンルなのかもしれませんが、このように手入れのしやすい仕様が今後の標準になっていくことを期待したいですね。
窓用エアコン選びのポイント 【その6. 対応畳数】
どれだけの部屋の広さに対応しているかを示す数値が対応畳数です。例えば、「6~9畳に対応可能」だった場合、木造住宅では6畳、鉄筋コンクリート住宅では9畳に対応しているという意味になります。
また、冷暖房兼用の場合は、冷房よりも暖房のほうが対応畳数が少ないため注意しましょう。
窓用エアコン選びのポイント&検証項目は以上です。ではいよいよ、総合結果を発表します!
人感センサーでムダなく運転 付加機能も充実の「トヨトミ」
トヨトミ(TOYOTOMI)
窓用エアコン 人感センサー付モデル
TIW-AS180J
実勢価格:5万3148円
●サイズ・重量/ W361×H742×D275mm・約23.0kg
●消費電力/ 575W/674W(50Hz/60Hz)
●取付可能寸法/ 760~1400mm(標準枠)
1400~1920mm(テラス戸用取付枠・別売)
採点結果はこちら
窓用エアコンベストバイに輝いたのは、トヨトミの窓用エアコン。消費電力・期間消費電力量が少なく、ランニングコストが抑えられる点が高く評価されました。運転内容も、冷房・除湿・送風・サーキュレートと充実。排水方式は、冷房・ドライ時の排水を内部で蒸発させるので水が出ない「ノンドレン」です。
今回検証した5製品中、運転音が最も小さく(44dB)、人の動きを感知する「人感センサー」が搭載されているのも本機だけ。
左右均等に冷風が広がる「センター吹き出し」、エアコン内部を乾燥させてカビの発生を抑制する「内部乾燥モード」、内部に溜まったドレン水の細菌を抑制する「ドレン水除菌」などを備えており、付加機能でも高評価でした。
5製品中、本体の高さが最も低く(742mm)、76mmの小窓にも取付可能。コンパクトサイズで設置性にも優れたモデルです。
窓用エアコンでは希少な「人感センサー」が人の動きを感知して、オン・オフを自動で切り替えます。(※画像は公式サイトより)
2m超の高い窓にも取付可能 高コスパな「ハイアール」
ハイアール(Haier)
窓用ルームエアコン
JA-18T
実勢価格:3万4000円
●サイズ・重量/ W335×H770×D256mm・約23.0kg
●消費電力/ 610W/710W(50Hz/60Hz)
●取付可能寸法/ 777~1410mm(標準枠)
1410~2005mm(延長枠・別売)
採点結果はこちら
2位はハイアールの窓用ルームエアコン「JA-18T」。前モデル(JA-16T)から機能性がパワーアップした最新モデルです。運転内容は、冷房・除湿・送風。排水方式は「ノンドレン」です。
5製品中、ハイアールの2製品の取付可能寸法が最も大きく、設置性の項目が満点となりました。標準で777~1410mm、別売りの枠を使用すると2005mmまで延長できます。5万円台が相場の窓用エアコンですが、こちらはなんと3万円台。設置可能範囲の広さと手ごろな価格が魅力です。
マイナスイオンの空清機能付き。また、本体のフロントパネルが着脱できるので、手入れのしやすさも◎です。(※画像は公式サイトより)
通年使える冷暖房兼用型 コロナ「ウインドエアコン」
コロナ(CORONA)
ウインドエアコン 冷暖房兼用タイプ
CWH-A1819
実勢価格:5万5064円
●サイズ・重量/ W360×H780×D222mm・約24.0kg
●消費電力(冷房)/ 620W/725W(50Hz/60Hz)
●消費電力(暖房)/ 575W/695W(50Hz/60Hz)
●取付可能寸法/ 770~1400mm(標準枠)
1400~1900mm(テラス窓用取付け枠・別売)
採点結果はこちら
コロナの「ウインドエアコン」も、ハイアール(JA-18T)と並んで2位となりました。5製品中、唯一の冷暖房兼用タイプです。冷房・除湿・送風・暖房・換気と運転内容が豊富で、1年を通じて使えます。排水方式は、ドレン水が出る「オートドレン」。屋外側から排水されます。
窓を閉め切りになりがちなエアコンの季節にうれしい、換気機能付き。冷房しながら空気の入れ換えができます。(※画像は公式サイトより)
4位: 手入れのしやすさはピカイチ
熱交換器が洗える「コイズミ」
小泉成器
KOIZUMI
ルームエアコン
KAW-1991/W(冷房除湿専用)
実勢価格:3万9828円
●サイズ・重量/ W360×H750×D230mm・約22.0kg
●消費電力(冷房)/ 660W/735W(50Hz/60Hz)
●取付可能寸法/ 770~1400mm(標準枠)
1400~1900mm(延長取付枠・別売)
採点結果はこちら
4位はコイズミのルームエアコン。運転内容は、冷房・除湿・送風。排水方式は「ノンドレン」です。窓枠の大きさは標準的ですが、「簡易鍵」が付属しており、エアコン使用時に、窓の施錠を確実にすることができます。
マイナスイオン量約10,000個/ccを放出する機能搭載。設定温度に達すると自動停止し、2.5℃上昇すると再開する「快眠タイマー」も付いています。
手入れのしやすさは5製品中トップ。熱交換器とグリルが洗えます。(※画像は公式サイトより)
5位: 新型より適用床面積が狭い
「ハイアール」JA-16T
ハイアール(Haier)
窓用ルームエアコン
JA-16T
実勢価格:3万520円
●サイズ・重量/ W335×H770×D256mm・約23.0kg
●消費電力/ 525W/600W(50Hz/60Hz)
●取付可能寸法/ 777~1410mm(標準枠)
1410~2005mm(延長枠・別売)
採点結果はこちら
5位はハイアールの窓用ルームエアコン「JA-16T」。本ランキング2位となった「JA-18T」の前モデルです。運転内容は「JA-16T」と同じく、冷房・除湿・送風。排水方式はノンドレンです。
適用床面積は「JA-18T」が4.5~8畳、「JA-16T」が4~7畳で、「JA-16T」のほうが狭く、それに伴って消費電力・期間消費電力量も値が小さくなっています。
取付可能範囲、マイナスイオン機能搭載、パネルを外して洗えるのも同じで、価格はどちらも3万円台とほぼ変わらず。購入するなら新モデルの「JA-18T」がおすすめです。
「トヨトミ」の窓用エアコンが ランニングコストで優位に
2019年夏、窓用エアコンランキング、トップ3は
1位:トヨトミ「窓用エアコン 人感センサー付モデル」TIW-AS180J
(実勢価格:5万3148円)
2位:ハイアール「窓用ルームエアコン」JA-18T
(実勢価格:3万4000円)
2位:コロナ「ウインドエアコン 冷暖房兼用タイプ」CWH-A1819
(実勢価格:5万5064円)
という結果になりました。
1位のトヨトミ「窓用エアコン 人感センサー付モデル」は、ランニングコストが抑えられることに加えて、運転音が小さいこと、人感センサーを始めとする付加機能が充実していることが高く評価されました。
冷房・除湿・送風のほか、サーキュレートも搭載しているので、壁掛け型エアコンのサブ機としても活躍する1台です。
トヨトミ(TOYOTOMI)
窓用エアコン 人感センサー付モデル
TIW-AS180J
実勢価格:5万3148円
2位のハイアール「窓用ルームエアコン」 は設置可能範囲の広さが特長。別売りの枠を使用すると2005mmまで延長できます。冷房・除湿・送風ができて3万円台というコスパの良さも魅力です。
コロナ「ウインドエアコン 冷暖房兼用タイプ」も、ハイアールと同点で2位となりました。冷房・除湿・送風・暖房・換気と運転内容が豊富。通年使えるタイプならこちらがおすすめです。
室外機なし、工事なしで取付けられる窓用エアコン。ぜひチェックしてみてくださいね。
実際に使用するにあたって、運転音の大きさは気になるところ。ぜひチェックしておきたいポイントです。