“BBQは炭火焼き”が美味い理由は
遠赤外線と近赤外線にありました

美味しそうなBBQの写真

バーベキュー炭ランキングや炭選びの基礎知識をご紹介する前に、改めて炭火焼きで食べる肉はなぜ美味いのかと真剣に向き合ってみました。すると、そこには科学的な理由があったんです。

炭は燃える際に、遠赤外線と近赤外線という電磁波を同時発生させます。

燃えている炭は、目に見えない電磁波を放っています。

遠赤外線は食材に当たることで、肉の表面を香ばしく焼き上げ、近赤外線は電子レンジのように、肉を中から熱して旨みを引き出してくれるのです。

遠赤外線で美しい焼き色が付き、近赤外線でしたたる旨みを引き出す。

しかも、炭火焼きには、ガスで焼く時のような水蒸気が発生しません。なので、食材の表面は湿らず、カリッと焼き上がります。

遠赤外線で外側「カリッ!」、近赤外線で内側「ジュワッ!」

これが、炭火焼きで食べるバーベキューが美味い理由だったんです。

炭といっても多種多様
BBQへの向き不向きがある!

静かに燃える炭(左)に比べ、薪(右)は炎が上がります。

食材の旨みを引き出す立役者である“炭”は、炎が昇る薪に比べて、火力が安定し食材を焦がす失敗も少ないといえます。

しかし、ひと口に炭といっても、その種類によって特徴もさまざま。

同じ炭でも素材により、バーベキューとの相性の良し悪しが発生。

値段が高いか安いか、火つきが良いか悪いか。食材を上手く焼けるかなど、しっかりと特徴を踏まえた上で選ぶようにしましょう。

以下は、代表的な5つの炭の特徴をまとめたものです。これらをしっかりと把握しておけば、「テキトーに買ったけど、全然使えない…」なんて悲劇に見舞われずに済みます。

[代表的な炭①:着火加工成型炭]
着火剤付きで“点火がラク”な初心者向け

着火加工炭の写真

初心者に最もオススメの炭といっても過言ではない着火加工成型炭。オガクズやコーヒーガラ、ヤシガラなどを固めて炭化させた炭です。着火剤を染み込ませた製品もあり、短時間で火をつけることができます。

しかも、木炭のように爆ぜないので安全性も万全。

ただし、見方によってデメリットも存在します。注目すべき炭なので、もう少し掘り下げていきましょう。

[着火加工成型炭のデメリット①]
湿気ると性能がガクンと落ちる…

湿気ると表面だけ燃えて、火が回らないことも…。

着火加工成型炭は、湿気ると着火剤成分だけが燃えて、炭に火がつかないこともあるので、保管には十分注意が必要。

他の炭と比べて高価なものではありますが、商品1パックは使い切りだと考えるのが得策です。

[着火加工成型炭のデメリット②]
着火直後に焼くと肉にニオイがつく…

着火剤臭い肉なんて食べたくないですよね。

着火加工成型炭は、着火直後に炎が上がります。これは着火剤が燃えているだけなので、炎が収まるまで食材は乗せないようにしましょう。

この状態で乗せてしまうと、着火剤のニオイが食材に移り、臭くなってしまいます。

これらのデメリットを踏まえた上で使うのであれば、初心者にもっともオススメな炭だといえます。

[代表的な炭②:豆炭]
食材が臭くなるのでダッチオーブン向き

豆炭の写真

豆炭とは、無煙炭などの石炭を主成分としたものを指します。食材に臭いが移るので、バーベキューよりもダッチオーブン料理向き

ただし、豆炭型でも木炭粉を主な素材としている炭は直火利用できます。事前確認し、購入しましょう。

[代表的な炭③:黒炭]
炭といえばコレ“汎用性は最強”です

ナラやクヌギなどの広葉樹を窯に詰めて点火し、密封して消火した炭。「炭といえばコレ!」な定番です。煙や刺激臭が出ないので、家の中でも使用可能です。

火つきが良く、火力調整がしやすいというメリットはありますが、燃焼時間が短いので、複数のグリルを使ったり、大人数のバーベキューの場合は、余裕を持った量を準備する必要があります。

[代表的な炭④:備長炭]
ビキナーには難しい日本料理の匠の炭

主にウバメガシ材を窯で焼き、灰をまぶして消火した「白炭」。火力と火持ちは優秀ですが、高価で着火が非常に難しいという特徴があります。

これからバーベキュー本格デビューしたいという初心者にはオススメできない炭です。

[代表的な炭⑤:マングローブ炭]
柔らかく火つきも良いがニオイに注意

熱帯の樹木・マングローブ製の炭。価格も安めで火つきも良いですが、多少のニオイや炎が立ち上がることがあります。完全に火が落ち着いてからバーベキューをはじめましょう。

以上、これからのバーベキューシーズンに向け、覚えておくべき5つの炭の特徴をご紹介しました。

続いては、バーベキューに用意すべき炭の量についてご説明します。

炭は家族4人なら3~4kgで準備
豆炭ならその倍が必要です

バーベキューの最中に炭がなくなったら大変です。炭の購入の際は、種類だけでなく量にも細心の注意を払いましょう。

複数名家族がBBQをやっている風景
1人につき1kgの炭がひとつの目安です。

バーベキューに使用する炭の量の目安は、黒炭やマングローブ炭などの自然木の炭の場合、4人家族で1台のグリルを使用する設定で考えれば、3~4kgが安全。

1人につき1kg以上の計算で準備をすれば、足りなくなることはありません。

黒炭写真
豆炭を使う場合、量は潤沢に!

ただし、オガクズや炭の粉から作った豆炭の場合、黒炭の倍の量が必要になるのでご注意ください。

余った炭はしっかりと乾燥できる状態での保管を心がけましょう。そうすれば次回のバーベキューで使用することができます。ただし、前項で触れた着火加工成型炭の場合、湿気ると性能が著しく下がるので注意が必要です。

お待たせしました! 本記事のメインである選抜した6種類の炭のランキングを公開。

まずは、今回実施した検証内容をご説明します。

どれが即着火して長く燃える?
6種類の炭を試して最強を決定!

炭の火起こしは難易度が高く、慣れやテクニックが必要。真夏のキャンプとなれば、炎天下での火起こしとなり、暑さと熱さで体力が削られてしまいます…。

真夏のキャンプでこそ、高性能な炭が活躍します。

ということで、今回の検証では、すぐに火が着き燃焼時間が長いバーベキューに最適な炭を探すべく、Amazonなどで人気の6種類の炭を選抜。

アウトドア道具に精通する編集者・風間拓さんの監修のもと、実際にキャンプ場での長時間にわたる燃焼テストを行いました。

検証は朝から晩まで続きました…。

最強の炭を探すべく、行ったテスト内容は以下の2項目です。

【検証①:着火時間】
バーナーで熱した際の着火時間を測定

選抜した炭に対し、バーナーによる最大火力の炎を当て、表面全体の色が白くなった着火の瞬間を目視で確認。所要時間をストップウォッチで計測しました。

▼検証に使用したバーナーはこちらです

SOTO:フィールドチャッカーVI ST-417:バーナー

SOTO
フィールドチャッカーVI
ST-417
実勢価格:5184円

重量:390g(本体のみ)
火口径:直径25mm
燃焼時間:約1.3時間(ST-760使用時)/約1.5時間(ST-700使用時)
使用燃料:SOTO製品専用容器(CB缶)

【検証②:温度変化】
赤外線温度計で10分毎に炭の温度を測定

炭の表面全体の色が白くなった着火の瞬間を目視してから、10分毎に炭の表面温度を赤外線温度計で測定。1時間における温度変化の推移をチェックしました。

以上のテスト2項目をA+からC-の9段階で評価し、ランキングにまとめています。なお、購入価格は検証当時のものです。予めご了承ください。

それでは気になる第1位の炭から見ていきましょう。

即着火で待ち時間ほぼなし!
初心者も使いやすい“ロゴス”

ロゴス:エコココロゴス ミニラウンドストーブ4:炭


ロゴス
エコココロゴス
ミニラウンドストーブ4
実勢価格:669円

内容量 : 600g
サイズ : 直径7.5×3.5cm(炭1個のサイズ)
素材:ヤシガラ
タイプ:着火加工成型炭

今回、第1位に輝いた最強の炭は、ロゴスの「エコココロゴス・ミニラウンドストーブ4」。

「マッチで火がつく」とうたうだけあって、着火しやすさは断トツ。温度の上昇する速度もスムーズで、高温状態も長くキープすることができました。

成型炭なので設置しやすく、手が汚れにくいのも嬉しいポイントです。

【着火時間は?】
バーナーの強い炎なら18秒で着火完了

[着火時間:18秒]
バーナーを当てると、みるみるうちに白くなり、わずか18秒で完全に着火しました。

【温度変化は?】
短時間で高温状態! 待たずに調理可能に

[最高温度:548.2℃]
約10分後に500℃付近まで温度は上昇。その後も上がり続け、1時間後でも500℃以上をキープするという好成績をマークしました。

着火が速く、最高温度を長く持続するため、ストレスフリーにバーベキューを楽しむことができます。火起こしに慣れていない初心者には、ぜひオススメしたい一品。

ただし、前述の通り、着火直後の火による食材へのニオイ移りにはご注意を。立ち上がる炎が落ち着いてから、バーベキューを開始しましょう。

風間拓 氏
アウトドア系編集者
風間拓 氏 のコメント

炎を当ててから十数秒で燃焼状態になります。これなら初心者さんでも簡単に火起こしできますね。

燃焼時間はやや短めですが
着火文句なしの“KINGSFORD”

KINGSFORD:チャコールブリケット:炭

KINGSFORD
チャコールブリケット
実勢価格:2780円

内容量:8.43kg
原産国:アメリカ
素材:木材
タイプ:豆炭
※楽天のリンク先は、3.62㎏の販売ページになります

第2位は、豆炭の定番・KINGSFORDの「チャコールブリケット」。

木材とその他の天然成分から作られた豆炭。ひとつひとつの粒が小さくて、扱いやすいのが特徴です。

【着火時間は?】
表面全体にすぐ熱が周り、素早く着火

[着火時間:1分29秒]
バーナーの火を炭に当ててから、1分前後で白く色が変わりはじめ、スピーディーに着火できました。

【温度変化は?】
すぐ高温になるが、30分後から低下

[最高温度:541.4℃]
完全着火から10分で400℃を超えました。その後540℃まで上昇しましたが、30分後から温度はなだらかに下がっていく結果に。

バーベキューの最中も定期的な炭の追加の手間が発生しそうな製品だといえます。

廉価なのに火着き抜群!
コスパ重視なら“山善”

山善:キャンパーズコレクション  厳選木炭:炭

山善
キャンパーズコレクション
厳選木炭
実勢価格:898円

内容量:5kg
原産国:インドネシア
素材:マングローブ
タイプ:マングローブ炭

第3位にランクインした山善の「キャンパーズコレクション 厳選木炭」は、材料に着火性の高いマングローブを使用しています。手頃な大きさなので、設置がラクなのも嬉しいポイントですね。

ただし、前述の通り、マングローブ材は食材へのニオイ移りの恐れがあるのでご注意ください。

【着火時間は?】
安くてもハイレベルな着火性能!

[着火時間:2分26秒]
炭の表面全体が白く変わるまで2分26秒と早く、ストレスを感じさせない優秀な着火性を顕示しました。

【温度変化は?】
燃焼時間短めなので炭追加は必須

【最高温度:525.3℃】
着火後から30分を過ぎた時点で、徐々に温度が下がり始めます。こまめな炭の追加が必要な点はしっかりと把握しておきましょう。

4位: 着火は及第点の“Weber”だが
温度にはやや不満あり…

Weber:Weberブリケット:炭

Weber
Weberブリケット
実勢価格:1584円

内容量:5kg
原材料:オーガニック 100%
素材:ココナッツ殼
タイプ:豆炭
※楽天のリンク先は4kgの販売ページになります

第4位は定番グリルで知られる老舗バーベキューメーカー・「WeberのWeberブリケット」。天然ココヤシで作られ、食品に薬品臭がつかない豆炭です。

ニオイがないのはポイント高めですが、燃焼時間は短めだったのが惜しいところです。

【着火時間は?】
着火3分は問題のないスピード!

【着火時間:3分11秒】
全体に火が回ったのは3分少々と比較的早め。コンパクトなので、小さなコンロでも使いやすいです。

【温度変化は?】
最高温度が低くて火持ちもやや短め…

【最高温度:504.6℃】
温度上昇は早いが、最高温度が約500℃と比較的低め。燃焼時間も短めでした。

5位: 着火性は低い“炭魂”だが
手頃な価格が高評価に

炭魂:大黒オガ備長炭:炭

炭魂
大黒オガ備長炭
実勢価格:2138円

内容量:10kg
原材料:無添加自然原料
素材:オガクズ(杉)
タイプ:備長炭

5位にランクインした炭魂の「大黒オガ備長炭」。杉のオガクズが原材料の炭でコスパに優れています。

ただし、火つきが悪い備長炭なので、初心者にはちょっと扱いが難しいかもしれませんね。

【着火時間は?】
なかなか全体に火が行き渡らず…

【着火時間:6分7秒】
炭自体が大きめでバーナーの炎を当て続けてもなかなか変色せず、着火まで6分もかかってしまう残念な結果に…。

【温度変化は?】
高温になるまでかなりの時間が…

【最高温度:533.1℃】
400℃を超えたのが20分後とかなり遅めでしたが、1時間後も高温状態をキープできていたのは評価できるポイントです。

まさに備長炭ならではの結果だといえるでしょう。

6位: スムーズな着火には
慣れが必要な“豊栄”

豊栄:土佐備長炭:炭

豊栄
土佐備長炭
実勢価格:2280円

総重量:2kg
素材:ウバメガシ
タイプ:備長炭

最下位の豊栄はウバメガシが素材の備長炭。火持ちは抜群ですが、同じ備長炭で5位にランクインした炭魂とは、着火時間に1分以上の差が生まれてしまいました…。

【着火時間は?】
とにかく着火しなくてイライラ

【着火時間:7分25秒】
バーナーの強力な炎でもなかなか着火せず、炭の表面が白く変色するまでに7分以上かかってしまいまいた。火起こしにはある程度のコツを覚える必要があるといえますね。

【温度変化は?】
さすが備長炭! 高温になれば長持ち

【最高温度:521.1℃】
豊栄も5位の炭魂と同じく備長炭なので、温度の上昇はかなり遅めでした。高温になってからの冷めにくさが特徴です。

[総合評価]最速18秒で着火
ロゴスが“最強の炭”に決定!

人気のバーベキュー炭6製品を検証した結果、ロゴスは「マッチで火がつく」というキャッチコピーの通り、検証では、わずか18秒という短時間で火起こしが完了し、文句なしの第1位に!

ロゴス:エコココロゴス ミニラウンドストーブ4:炭

[第1位]ロゴス
エコココロゴス
ミニラウンドストーブ4
実勢価格:669円

着火してからすぐに高温となり、その状態も長く続くため、スムーズかつ快適にバーベキューを楽しむことができます。

着火加工成型炭のデメリットである、火を付けた直後のニオイさえ対処できれば、非常に使いやすく初心者にはオススメな炭です。

KINGSFORD:チャコールブリケット:炭

[第2位]KINGSFORD
チャコールブリケット
実勢価格:2780円

※楽天のリンク先は、3.62㎏の販売ページになります

2位から4位までの着火性は合格点。しかし、高温になるのは早いものの、温度が下降し始める時間も早いことは注意すべきポイント。こまめに炭を追加していく必要があります。

炭魂:大黒オガ備長炭:炭

炭魂
大黒オガ備長炭
実勢価格:2138円

5位の炭魂と6位の豊栄は、バーナーの強力な炎でもなかなか着火しない備長炭なので、初心者には少し扱いにくいかもしれません。しかし、一度温度が上がりきると高温状態を長くキープできるため、大勢で長時間のバーベキューをするときには有効な炭といえます。

続いて、本記事の最後は番外編として、後片付けがラクになる着火前の裏ワザを伝授します。

[番外編]着火前の大事なひと手間
これで後片付けがグッと楽に!

バーベキューの後始末は、とにかく大変…。

とくに網についた消火後の炭はボロボロと崩れやすく、グリルの底に付着すると取れにくいのが悩みです。

でも、ご安心ください。着火前のひと手間で、面倒な後始末がグッとラクになるんです。

それが着火前にグリルの底にアルミホイルを敷く方法。

バーベキューが終わったら、敷いておいたアルミホイルで炭を包み込むだけ。包んだ炭はご自宅に持って帰るか、キャンプ場などのルールに則って処分しましょう。お気に入りのグリルもこの裏ワザで長持ちさせることができますよ。

以上、選抜したバーベキューの炭6製品のランキングと炭選びに役立つ基礎知識のご紹介でした。

近年のスタンダードといえる着火加工成型炭の実力がわかったと同時に、同じ備長炭であっても、材料によって着火時間や温度変化に違いが出ることが発見できたのは大きな収穫でした。

ここでご紹介した商品やノウハウをぜひご参考に、今年のアウトドアシーズンを思いきり楽しんでください!