ダウンタウンプラスとは?

『ダウンタウンプラス』とは、吉本興業とFANYが運営する、月額1100円、年額1万1000円(検証時)の有料配信サービスです。
ダウンタウンの松本と浜田が出演しており、往年のダウンタウンファンが歓喜する新規企画&過去のトークが繰り広げられる、新しいエンタメコンテンツの形ということで、ひろゆきさんに視聴した本音の感想をお聞きしました!
無料で暇が潰せる時代に課金の壁は高すぎる
最近、某クリニックのCMに登場したことでネット上をザワつかせた松本人志さんが、復帰の場として選んだ動画配信サービス『ダウンタウンプラス』。昨年11月のサービス開始後、20日で会員数50万人を突破なんて噂もあるくらい話題なのですが、そこから数カ月。今では会員数が減っているのでは? という話が出ていたりします。松本さんは否定されていますが。
ただ、開始当初ほどネット上で話題を聞くことがないのが現実……ということで、さっそく加入して視聴してみたわけです。
そこで感じたのは、「興味深い企画はあるものの、全体としてファン向けのサービス」ということ。現時点ではオリジナルコンテンツが多いとは言いがたいので、視聴するとなるとダウンタウンの過去作品が中心。それに興味があるのは、ダウンタウンに関心がある人だけ、ということになるわけです。
まぁ、ファンクラブに近いものなので当然ではあるのですが、そこに課金のハードルもあるわけで。今はYouTubeやらTik Tokなど無料の暇つぶしが腐るほどある時代。ファンでもない人が課金してまで観ようとするかは謎なわけです。
もちろん会員数50万人は十分すごい数字ですし、大成功だとは思います。ただ、ファン向けのサービスである以上、新規加入の間口はどうしても狭いし、年間1万円くらいの課金を継続する熱狂的なファンを50万人維持するのはかなりのハードル。立ち上げご祝儀での加入者が離れ、それを新規で埋め続けるのは簡単ではないので、この先、尻すぼみになりかねないような気もしているわけです。
ただ、ファン以外でも楽しめる視点がひとつあります。それは、「実験企画的な番組を面白がれるかどうか」。というのも、ダウンタウンプラスは、視聴率や採算性、公共の電波のようなガイドラインを気にしなくていいぶん、テレビでは通らないような企画を出せるので“実験”として見ると面白い部分もあるのです。
テレビではできない実験が見られる面白さ
例えば、『芯くったら負け! 実のない話トーナメント』という企画。「中身のある話をしたら失格」というルールで、笑いを排除すると逆に人は何に対して笑うのかという心理や機微が見えてきます。『人志松本のすべらない話』を逆にしただけみたいな感じのタイパや意味を求める現代へのアンチテーゼ的な企画です。
当然、芸人さんは笑いを獲りにいかないので、わかりやすい笑いは起きないのですが、それでも芸人の性というか、身に染み込んだクセというか。無意識のうちに面白い単語を選んでしまったり、つい面白い間で返してしまったりする。でも、頭がよく瞬発力のある芸人さんは瞬時に言い換えたり、面白くない話題に逃がしたりと、高度な戦いになるわけです。万人受けは難しいかもですが、人前で話す機会が多い人やお笑いの構造に興味がある人なら楽しめたりします。
そんな人間観察的な面白さを感じるのは他企画にも共通していて、100ある落とし穴っぽいものの中に一つだけある本物の落とし穴に落ちようとする企画『落ちれ!』も同様。「落ちるはずなのに落ちない」を繰り返されたとき、人間が緊張と弛緩のなかでどう壊れるかを見る実験としては面白いのですね。
餃子作りや折り紙などをしながら、松本さんとゲストが会話する企画『7:3トーク』も、作業しながらの力の抜けたトークになるはずなのに、松本さんとサシで話すシチュエーションのせいで、リラックスさせる仕掛けが逆に別の緊張感を生んでいたりと、当初の思惑とは違った方向になっているのが興味深かったりします。
『ZPNE 05』という5人が5時間、徐々に狭くなる密室で過ごす企画も、思惑通りにいかない感じがあります。設定は面白そうなのに、実際は会話が下ネタ方向に流れるばかりで、思ったほど面白くないという……。
とはいえ、そこも含めて公開してしまうのがダウンタウンプラスの良さ。テレビならお蔵入りになりそうな内容でも「試したらこうなった」という実験として見られる点は、制作者目線で面白いと感じるわけです。
低予算の粗さが逆に数を打てる武器になる
そんな実験的な企画が多いからか、「低予算感」もネットで言われています。単に安っぽいという話ではなく、スターをテレビ以外の場で見せるとき、文法のズレのようなものが出てしまう。普段テレビで見慣れているからこそ、その差が余計に目に付くわけです。
例えば『浜田雅功と黒い線』。浜田さんが個展に向けて黒マジックペンで絵を描き上げていく制作ドキュメンタリーですが、浜田さんが映像に出るのはほぼテレビ番組なので、視聴者は無意識にテレビのクオリティと比べてしまう。すると、カメラの数や、記者会見のアングルに物足りなさを感じるわけです。
他にも編集の問題が大きくて、松本さんの活動休止から復帰までに密着した『あの日。松本人志 裏側完全ドキュメント』では、白髪のスタッフが松本さんに親しげに話しかけるシーンがあるのですが、人物紹介がないので誰なのかわからない。関係性が不明なまま映像が進むと内容よりそっちが気になるという……。
テレビならテロップの存在が当たり前なのですが、低予算感がそこに拍車をかけてしまっているのではないかと思うのです。
ただ、その粗さも、数を打てることの裏返し。予算をかけた豪華な番組を数本作るよりも、低予算でも量産したほうが、むしろ当たりの確率は上がります。
『マネーの虎』もかつて深夜の低予算番組からゴールデンに昇格したように、実験の場から大当たりが生まれる可能性はあります。企画の面白さは予算の大小とは別のところで見えてくるので、数を打てること自体がこのサービスの強みになるのかなと感じていたりもするのです。
面白かったとしても誰にも届いていない
そんな感じで視聴者の趣味嗜好に偏りはあれど、面白い企画があると感じるのですが、最近はめっきり話題になっていません。それはきっと面白さが外に届いていないからだと思うのです。その結果、新規登録が増えなければ撤退戦になりかねないし、松本さんのモチベーションが下がったら厳しい。
だから、もっと間口を広げないといけないのかなと。とはいえ、独自サービスとして立ち上げたので、YouTubeのようにシェアでの拡散も難しい。これがYouTubeの有料メンバーシップだったら、無料部分の切り抜きやレコメンド機能で登録につながりやすかっただろうし、維持コストも安く済んだはず。一応、『アベマ』とかでも有料視聴はできるので、今からでも併用する価値はあるような気がするのです。
そして、松本さん依存からの脱却も大事かと。ダウンタウンプラスは松本さんの存在で成り立っている部分が大きいですけど、企画が増えたら一人で回すのは限界が出てくる。放送作家に頼ろうにも、実力のある人ほどテレビに力を入れるので出し惜しみするだろうし、大御所は既にテレビに居場所がある。
それなら、いっそ若手や新人にもっと自由にやらせたほうが、見たこともない企画やスターが出る確率は上がるのではないかと。ここでしか見られない企画やスターが生まれれば、ファン以外が加入する理由もできる。だからこそ平成の深夜番組的なポジションを取りつつ、新人にいろいろやらせてみるのが長く続ける鍵だと思うのですね。
ただ、それはあくまで今後の話。今オススメできるのは松本人志さんのファンか、お笑いの構造を分析したい人くらいが関の山で、それ以外の人がわざわざ課金するほどのコンテンツは少ない。同じサブスクなら『ネットフリックス』や『アマゾンプライム』に課金した方がコンテンツも多いのでお得ですしね。
【おいらの結論…】サブスクならネトフリやアマプラの方がコンテンツも多いしお得という現実。
以上、ひろゆきさんによる、『ダウンタウンプラス』の視聴レビューでした。
次回も選りすぐりのアイテムやコンテンツを、本音でレビューしてもらいます!
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