ポットを16種徹底検証!
ドリップに必要不可欠な
ドリップコーヒーに必要なのは、ドリッパーとフィルターだけではありません。「淹れる」という動作を直接サポートしてくれるドリップポットも必要不可欠です。ただのヤカンでもいいんじゃない?という方もいると思います。しかしコーヒーを美味しくドリップするには、ヤカンだと難しいんです。

ヤカンだと、このように一気にお湯が出てしまい、注ぐ量を加減できません。しかし美味しいコーヒーを淹れるには、ゆっくり円を描いてお湯を注ぐ必要があるんです。そこでドリップポットの登場! ドリップポットは注ぎ口が細いので、湯量の調整が簡単です。これを使えば、誰でも思い通りに淹れることができます。
今回は6500円以下の価格帯に限定し、コーヒーのプロにそれぞれ注ぎやすさや握りやすさ、使いやすさを総合的にチェックしてもらいました。ご協力いただいたのは、日本カフェプランナー協会会長、カフェズ・キッチン学園長の富田佐奈栄先生とコムスペ―ス㈱代表、カフェズ・キッチン講師の中川恵介先生に加えて、以下の方々です。

カフェ・トロワバグ 三輪徳子さん(写真左)
カフェプランナー 橋谷秀幸さん(写真中央)
カフェプランナー 中谷由起子さん(写真右)
それではコーヒーポットの検証結果をご紹介します。
カリタ「ステンレス細口ポット」
【1位】細長口で使いやすい
カリタ
ステンレス細口ポット0.7L
実勢価格 3480円
適正容量:0.5L
ステンレス製
重量:460g
テストした結果、1番使いやすかったのが、カリタの「ステンレス細口ポット」でした。注ぎ口の反り返りでサッと水が切れます。また本体を軽く傾けるだけで、狙った場所にお湯が落とせるので、円を描くのも簡単でした。


水切れ抜群の細長口と、わずかな反り返りがドリップの繊細な動きをサポートしてくれます。カフェ・トロワバグの三輪さんも、「細長口で一番使いやすい」とオススメでした。
また、ステンレス製なのもポイントです。お湯が適温に下がるので、コーヒーを淹れるのに適しています。さらに湯量がセーブできるネックデザインであったり、握りやすいグリップが高評価につながりました。加えて蓋のかみ合う精度が良いので、注いでいる最中に傾きが大きくなっても蓋がポロリと外れる心配がありませんでした。
ペンチで口を曲げて、よりすぼめた細口に改造するコーヒーマニアもいるそうです。とにかくカリタの「ステンレス細口ポット」なら、1滴ずつ狙って注ぐことができるので、誰でも思い通りにお湯が操れますよ。
ドリップに集中できるハリオ
【2位】IH調理ならコレ!2位に選ばれたのは、ハリオの「V60コーヒードリップケトル ヴォーノ」でした
人差し指に引っ掛けてドリップに専念できる波型グリップで、注ぎ口も使いやすい細口です。
ハリオ
V60コーヒードリップケトル
ヴォーノ VKB-120HSV
実勢価格:2827円
適正容量:0.8L
ステンレス製
重量:420g
「持ちやすく、注ぎやすい細口です」とカフェプランナーの中谷さんも高評価。また、逆L字に付いた波形のグリップが手に馴染み、ドリップに集中できます。あらゆる熱源に対応しているので、IHコンロも安心です。値段の手頃さも魅力ですね。
カリタ「ウェーブポット」
【3位】注ぎ口が独特の形状3位に選ばれたのは、カリタの「ウェーブポット」でした。注ぎ口がペリカン口で、湯量がのぞけるので注ぎやすいのが特長です。また、木の幅広グリップが使いやすかったです。
カリタ
ウェーブポット
実勢価格:4310円
容量:1.0L
ステンレス製
重量:440g
縦にすぼめたペリカン口で、雫の落下する位置が分かりやすいのがポイント。また、「木製のグリップが握りやすいです」とカフェプランナーの橋谷さんが評価するように、幅広いグリップは男性が握っても余裕のサイズです。
4位: 【4位】370gの軽量ポット
パール金属「ステンレス製ドリップポット」
4位に選ばれたのは、パール金属の「バリスタ ステンレス製ドリップポット」でした。すいすい操れる軽さが特長です。
パール金属
バリスタ
ステンレス製
ドリップポット 1.1L
実勢価格:1309円
適正容量:0.65L
ステンレス製
重量:370g
非常に軽く、お湯が入った状態でも思い通りのスピードで淹れることができます。蓋には外れにくい凹凸が付いているので便利です。
5位: 【5位】手入れしやすい
和平フレイズ「カンパーナ コーヒーポット」
5位に選ばれたのは、和平フレイズの「カンパーナ コーヒーポット」でした。支えやすいグリップと洗いやすい広口で、ビギナーにピッタリのモデルです。
和平フレイズ
カンパーナ
コーヒーポット 1.0L
実勢価格:1777円
適正容量:0.65L
ステンレス製
重量:390g
折り返しのついた取っ手で持ち上げやすく、注ぎもスムーズでした。広口で中まできれいに洗いやすいのがいいですね。軽いのもポイントです。
以上が、特におすすめしたいドリップポットでした。
続いて、その他に検証した12製品の寸評をご紹介します。
メリタ「ステンレスケトル 1.3L 」
木製グリップが使いやすい
メリタ
ステンレスケトル 1.3L MJ-0402
実勢価格:4648円
滑りにくい木製グリップ。ネックの湾曲で湯量の加減がしやすいのが嬉しいポイントです。
カリタ「コーヒー達人・ペリカン」
細口だがネックが太め
カリタ
コーヒー達人・ペリカン1L
実勢価格:2837円
細口ですがネックが太いため、一気に注ぎすぎないよう注意が必要です。
ヨシカワ「木柄ドリップポット」
お湯を落としやすい
ヨシカワ
カフェタイム 木柄ドリップポット
実勢価格:2970円
注ぎ口の反り返りがあり、お湯を落としやすいのが◯。蓋がやや外れやすいのが残念でした。
貝印「笛吹きドリップケトル」
注ぎやすい取っ手
貝印
グラシャス
笛吹きドリップケトル1.2L
実勢価格:2873円
取っ手は指を掛けやすいよう凹みが付いていて、片手で注げるデザインです。
月兎印「スリムポット」
注ぎ口は細いが蓋は緩め
月兎印
スリムポット0.7L
実勢価格:3367円
細口仕上げですが、蓋の安定性は緩めなのが残念。熱くなるのでミトンは必須です。
青芳製作所「バール ドリップポット」
ネックと注ぐ口が良い形
青芳製作所
CASUAL PRODUCT
バール ドリップポット 1.0L
実勢価格:4231円
ネックのカーブと注ぎ口の反りが良く、湯量ものぞくことができるのが便利です。
竹井器物製作所「コーヒードリップポット」
注ぎの操作性は良かった
竹井器物製作所
フィーノ
コーヒードリップポット 1.2L
実勢価格:2092円
注ぎの操作性は良かったのですが、取っ手部分が安っぽいのが惜しいところです。
堀口珈琲「オリジナルドリップポット」
お湯の切れが良い
堀口珈琲
オリジナルドリップポット
実勢価格:3240円
琺瑯には珍しい傾斜付きの注ぎ口で、お湯の切れが良かったです。
本間製作所「コーヒーポット 18-08 」
小さめがお好みならコレ
本間製作所
コーヒーポット 18-08 (2人用)
実勢価格:6000円
握る時に手が本体に触れやすいので注意してください。小さめが欲しい人にオススメです。
カリタ「ドリップポット 600S」
注ぎ口が見えにくい
カリタ
ドリップポット 600S
実勢価格:4018円
注ぎ口が手元から遠く、淹れている時に様子が見え辛いのが残念です。
野田琺瑯「ドリップケトルⅡ」
取っ手のぐらつきが難
野田琺瑯
ドリップケトルⅡ
実勢価格:3630円
取っ手がぐらつくのでドリップには不向きでした。細口のヤカン、といったところです。
タカヒロは究極の反り返し口
【マニア垂涎!】最後に、高級ですがコーヒーにこだわりたい方にはぜひチェックしていただきたいドリップポットをご紹介します。それが、カフェや喫茶店で多く用いられている、タカヒロの超細口ドリップポットです。
タカヒロ
コーヒードリップ
ポット 雫 0.9L
実勢価格:8896円

注目していただきたいのが、このギリギリまで反り返った注ぎ口の先! ただ水平にカットするのではなく、曲線に沿うことによって、お湯の量を一定に注ぐことができ、水切れも良いんです。
先述した1位のカリタ「ステンレス細口ポット」もかなり細口で注ぎやすいですが、タカヒロのポットは高価なだけあって、さらに注ぎ口が反り返っているのがわかります。
ドリップポットの徹底比較、いかがでしたでしょうか。お湯の注ぎ加減で味が変わってしまうドリップコーヒーには、専用のポットが必要不可欠です。ぜひお気に入りのポットを手に入れて、自分好みの一杯を淹れてみてくださいね。