スマホ用望遠レンズ6点を 徹底比較しました!
望遠レンズとは、遠くの被写体をアップに撮ることができるズームレンズのことです。遠くにいる人の表情などを鮮明に撮ることができます。そして、何よりも魅力なのが背景がボケて雰囲気のあるポートレートが撮影できること。
柔らかな印象になり、柔和な女性らしい魅力が引き立つので、撮る方も撮られる方も楽しくなるレンズです。
通常のスマホカメラで撮影した写真と比較してみます。通常は……
このような感じです。
望遠レンズを使うと……
このように寄って撮ることができます。
検証では、以下の5項目の点で、どれだけ優れているかをA~Cで評価しました。
価格:実売価格をチェック
写り:鮮明に写っているかで判断
歪み:レンズによって歪みが生じているかを確認
画角:被写体が写る範囲の広さを評価
使用感:スマホへのホールド感など使い勝手をジャッジ
使ったスマホは、28mm相当のレンズを搭載したiPhone7です。撮影時は純正のカメラアプリを利用しました。数枚撮影してもっとも画質の良かったモノで評価しています。
レンズ装着前に撮ったテスト写真はこのような画角です。
今回は、望遠レンズの利用例として人物撮影をしました。モデルになっていただいたのは、優耶さんです。
望遠レンズは倍率を上げるほどピントが甘くブレやすくなることが予想されますが、実際のところはどうだったのでしょうか。それではテスト結果をご紹介します。
【A-】8倍だがボケ方がキレイ! 「ANTSIR」の8倍レンズ
「ANTSIR」のレンズは、ピンとが合わせやすく、手持ち撮影も可能なレベルでした。
ANTSIR
8倍スマホカメラレンズ
実勢価格:1280円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
全体的に解像度は下がりますが、柔らかい描写が特徴です。検証した多くのレンズが12倍でしたが、欲張らず8倍に抑えているのでピントが合わせやすく実用的でした。倍率不足ならデジタルズームを併用すればOKです。手持ち撮影でも何とか使えそうでした。
スマホに装着すると、このようになります。ちなみに三脚は付属しません。
【A-】甘めの描写でピントはいい 「Flying Lite」の12倍レンズ
「Flying Lite」のレンズは、柔らかい描写で女性のポートレートに向いています。
Flying Lite
スマホカメラ 望遠レンズ
スタンド付き 12倍
クリップ式 [solar]
実勢価格:2500円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
ピントが合いにくいですが、一旦合えば柔らかい描写で、女性ポートレート向きのレンズです。背景のボケにはややムラがありますが、特に問題ありませんでした。レンズを三脚で固定する方式です。
【B】16倍望遠で一眼レフ超え! 「ASPALAND」の16倍レンズ
「ASPALAND」のレンズは、一番倍率が高く、最も寄って撮影することができました。
ASPALAND
単眼鏡 望遠鏡
ズーム 倍率 16倍
実勢価格:2400円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
とにかく大きくて重いのでピントが合わせにくかったです。実際は円形に撮れるので、四角になるまでデジタルズームして使います。望遠ですが歪みがあり、人物を撮ると顔が太りやすいので注意です。
【B】背景のボケが上品に決まる 「AGUNI」の12倍レンズ
「AGUNI」のレンズは、背景のボケがキレイに写るレンズでした。
AGUNI
望遠レンズキット 12倍
ミニ三脚付き
実勢価格:2480円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
ピントが合いにくいのですが、一旦合えば使いやすいレンズでした。レンズ性能は「Flying Lite」と非常に似ていますが、背景のボケは「AGUNI」のほうがややキレイでした。レンズを三脚で固定する方式です。
【B】望遠効果は低め 「XCSOURCE」の5倍レンズ
「XCSOURCE」のレンズは、他と比べて5倍と小さめなので、望遠効果は低いですが、その分ピントは合わせやすかったです。
XCSOURCE
DC583 5倍超望遠
着脱式レンズ
実勢価格:1590円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
5倍なので望遠効果はイマイチですが、ピントは合わせやすいです。背景はほとんどボケません。スマホのデジタルズームと組み合わせて使ってみることをオススメします。
スマホに装着すると、このようになります。
【C】12倍だがピントが甘い 「サンワダイレクト」の12倍レンズ
「サンワダイレクト」のレンズは、ピントが合いにくく、画像がモヤッとしてしまいました。
サンワダイレクト
400-CAM043 スマホ
望遠レンズキット 12倍
実勢価格:2980円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
構造上、ピントが合いにくい設計でした。合っても甘めで逆光に弱く、画像はモヤッと眠い感じがします。クリップではなく、スマホに枠をはめてアーム固定して装着する仕様です。
【おすすめ】被写体がブレない! シャッター速度が調整できるアプリ
望遠撮影はブレやすいので、シャッター速度を上げてブレを防止したいもの。そこでおすすめのアプリをご紹介します。
ProCamera
実勢価格:600円
対応OS:iOS
ISOやシャッター速度を調整することが可能なアプリです。望遠撮影で使いたいのは、シャッター速度優先モード。表示されるシャッター速度からなるべく速い速度を選択しましょう。
このように、ブレを抑えて撮影することができますよ。
「スマホで望遠が撮れたら」、そんな夢をかなえるのが「望遠」レンズ。しかし、望遠レンズはブレも拡大されるので、注意が必要です。
三脚が付属するレンズもありますが、短すぎて台など利用しないと使えないこともあります。また、望遠レンズは広角より絞り値が暗くなる傾向があり、明るい屋外でないと高画質での撮影は難しいところもあります。逆に暗いと自動的に感度が上がって画質が粗くなる可能性が高くなります。
このように制約が多い望遠レンズですが、300㎜や400㎜を超える画角が得られるので、アプリ不要で背景がボケる一眼レフ並みのポートレートが撮れます。ぜひ一度試してみてください。