食材をおいしくする
“下味冷凍”の裏技レシピ!

凍らせた食材って、なんだか美味しくないというイメージがありますよね。とくにお肉はこの写真みたいに色が悪くなりがち。解凍すると、食感が悪くなったり、旨味が抜けてしまうことがあります。でもプロに聞いたところ、その性質を利用して「下味をつけてから凍らせる」と実は美味しくなることもあるそうなんです。

下味っていうとややめんどうくさい感じがしますが、実際はフリーザーバックに食材と調味料を入れて冷凍庫に入れるだけ。調理する時間が短縮できて、洗い物も減ります。つまり結果的には手間が減る!

今回ご紹介するのは、鶏もも肉や豚のロース肉など、ふだんよく使う食材のレシピです。あと、大根も生のまま調味料と凍らすワザもありますよ。作りおきおかずとしてもおすすめです。

鶏もも肉はハチミツ酵素で
さらに風味よくジューシーに!

硬くなったり、味が中まで染みてなかったりと失敗しがちな鶏肉料理が、下味冷凍ならバッチリおいしくできます。食べるときはオーブンで焼くだけ! 甘みが上品な鶏もものみそ漬けです。

◎鶏もも肉のハチミツみそ漬け

<材料(2人分)>
・ 鶏もも肉 1枚(一口大に切る)
・ にんにくチューブ 小さじ1
・ ハチミツ 大さじ1
・ みそ 大さじ1と1/2
・ 酒 大さじ1

フリーザーバッグに最初に調味料を入れて混ぜ、そこに鶏ももを入れてもみこむだけ。

<ポイント>
下味をつける前に、もも肉の厚い部分に包丁を入れて開くようにして厚さを均一にすると、まんべんなく火が通ります。

<食べるとき>
解凍後、皮目を上にして180℃のオーブンで20~25分、こげ目がつくまで焼きます。

料理研究家 酒寄美奈子さん
レシピ開発を行うかたわら、国際中医薬膳師として幅広く活躍している。

「フリーザーバックに最初に調味料だけを入れてもむと混ざりやすいです」

スルメイカがふっくらやわらか
解凍中にめんつゆがしみ込みます

自宅でおいしいイカめしができちゃうのも下味冷凍ならではです。味付けはめんつゆのみ。解凍で壊れた組織にめんつゆがしみ込んで、炊飯器で炊くだけで硬いイカがふっくら。ぜひ試してほしい一品です。

◎イカめし風ごはん

<材料(米2合分)>
・ スルメイカ 1杯(下処理をし、胴部分は輪切り、足部分は食べやすい大きさに切る)
・ しょうが 1片(千切り)
・ めんつゆ 大さじ2

材料をフリーザーバックに入れてもみ込むだけです。

<ポイント1>
イカの下処理がめんどうな場合は、輪切りになっているパックを買えばOK! ゲソでも代用できます。

<ポイント2>
炊くときに、切り餅1コを4等分してお米の上に乗せます。炊き上がりに混ぜれば普通のお米がもち米みたいなモチモチ食感に!

<食べるとき>
①鍋または炊飯器に米2合とめんつゆ大さじ1を入れ、硬めの水加減にして全体を混ぜます。解凍したイカと4等分にした切り餅1コを乗せて炊きます。
②炊き上がったら少々蒸らし、温かいうちによく混ぜます。

マイタケがお肉をやわらかく!
じっくりほぐして旨味を増します

マイタケはお肉をやわらかくしてくれる食材の代表格! お肉の表面にペタッと付けて、そのまま冷凍します。長時間煮込まなくても、炒めるだけで口の中でほろりと崩れる肉料理ができちゃいます。

◎牛肉のミントバター炒め

<材料(2人分)>
・ 牛赤身焼き肉用 200g
・ まいたけ 1パック(小房に分ける)
・ ミント ひとつかみ
・ トマト 1個(くし形切り)
・ バター 15g
・ みりん 大さじ3
・ オイスターソース 小さじ2
・ しょうゆ 大さじ2

<ポイント1>
マイタケは硬いお肉をやわらかくしてくれます。お肉にペタッと付けてそのまま冷凍!

<ポイント2>
炒める順番は、お肉→トマト→バターなので、フリーザーバッグに仕込むときにはトマトとバターは奥のほう、マイタケを乗せたお肉は手前に入れておくと調理のときに取り出しやすくてラクチンです。

<食べるとき>
①解凍後、油を熱したフライパンで先に牛肉を炒め、焼き色がついたらマイタケ、ミントを入れてしんなりするまで炒めます。
②トマトを入れて炒め、バター、お好みで袋に残ったタレを加えて絡めます。最後に塩・こしょうをふります。

冷凍&パイナップルの酵素で
骨付き肉がスッとはがれます!

噛みちぎるのが大変なイメージの骨付き肉も、パイナップルと一緒に冷凍するとやわらか食感に変身。骨からスッとはがれて食べやすく、甘みがあるので子どもも喜びそうです。

◎BBQパインスペアリブ

<材料(2人分)>
・ スペアリブ 8本(500g)
・ パイナップル 50g(みじん切り)
・ にんにくチューブ 適量
・ しょうゆ 大さじ2
・ ハチミツ 大さじ1
・ 塩 小さじ1/2
・ こしょう 適量

<ポイント>
みじん切りのパイナップルを乗せて冷凍すると、酵素の作用でお肉がやわらかくなります。

パイナップルがなかったらキウイのみじん切りでもOK。両者とも味はそれほど変わらず、焼き上がりでは姿はなくなります。

<食べるとき>
解凍後、250℃のオーブンで約15分、こげ目がつくまで焼きます。

フードコーディネーター 小越明子さん
雑誌や広告などで調理を担当。飲食店のメニュー開発なども手がけている。

「夏場のBBQの材料に最適です!」

大根を凍らせれば
ダシいらずの時短煮物ができます!

時間がかかる煮物が手軽にできる魔法のレシピ。凍らせた大根に浸かるくらいの水を入れ、煮汁が少なくなるまで煮れば完成です。漬け込んだオイスターソースがダシ代わりになって、上品な薄味に仕上がります!

◎大根のオイスター煮

<材料>

・ 大根 6切(1.5cm幅に切ったもの)
・ オイスターソース 大さじ1
・ 砂糖 大さじ1
・ 酒 大さじ1
・ しょうゆ 大さじ1
・ みりん 大さじ1

<ポイント>
大根は十字に切り込みを入れてから調味料と一緒に冷凍すると、味しみがよくなります。

<食べるとき>
大根を凍ったまま鍋に入れ、大根が浸かるくらいの水(200~300ml)を入れて紙の落としぶたをします。煮汁が少なくなるまで弱火で煮たら完成です。

玉ねぎと赤ワインがあれば
特売お肉がふんわり高級肉風に!

特売のステーキ肉を見かけたらぜひ試してほしいのがコチラです。赤ワインと玉ねぎの両方が肉をやわらかくしてくれるんです。仕上げに使ったバルサミコ酢は、ステーキをおいしくする定番なのであると便利ですよ。

◎特売肉のステーキ

<材料(2人分)>

・ ステーキ肉 2枚
・ 塩・こしょう 少々(ステーキ肉にふる)
・ にんにくチューブ 小さじ1
・ すりおろし玉ねぎ 1/2個分
・ 赤ワイン 100ml

<ポイント>
赤身と脂身の間にある筋は包丁を入れて切っておくと、焼いたときに縮みません。

<食べるとき>
①解凍後、肉だけを取り出して軽く水分を拭き取って、油を熱したフライパンで焼き、お皿に移します。
②肉を焼いたフライパンに残りの漬け汁としょうゆ、バルサミコ酢各大さじ2、ハチミツ大さじ1を加えて煮詰め、焼き上がった肉にかけます。

ラム肉はヨーグルトの力で
やわらか&マイルドに!

独特のくさみがあるラム肉も、おいしく調理できるのが下味冷凍。ヨーグルトは肉をやわらかくするだけでなく、くさみ消しの効果もあるんです。ウスターソースもラム肉とバッチリ合います。

◎ラム肉のヨーグルトマリネ焼き

<材料(2人分)>

・ ラムチョップ 6本
・ ヨーグルト(無糖) 1/2カップ
・ ウスターソース 大さじ4

<ポイント>
解凍したラム肉を袋から取り出すときは、手で軽くタレをぬぐってから焼くと焦げつきません。

<食べるとき>
解凍してタレをぬぐい、オリーブオイルを熱したフライパンでこげ目がつくまで焼きます。

「こげ目がついた後は、お好みの焼き加減で仕上げます」(フードコーディネーター 小越明子さん)

お酢でしっとりカジキマグロに
チリパウダーがベストマッチ!

パサつきがちなカジキマグロは、お酢を合わせて冷凍するとしっとりとした食感に! チリパウダーの下味が和食にはないスパイシーさでクセになるおいしさです。パン粉をつけてフライにするアレンジもおすすめです。

◎カジキマグロの酢パイシー揚げ

<材料(2人分)>

・ カジキマグロ切り身 250g(一口大に切る)
・ 塩 小さじ1/2
・ にんにくチューブ 適量
・ チリパウダー 小さじ2
・ 酢、水 各大さじ2

<ポイント>
衣の片栗粉はポリ袋に材料と一緒に入れてまぶせば手が汚れず、洗い物も出なくて便利です。

<食べるとき>
①解凍後、カジキマグロに片栗粉をまぶします。
②きつね色になるまで揚げます。

<簡単アレンジ>
フライにアレンジもおすすめです。解凍後に水溶き小麦粉をつけて、パン粉をまぶして揚げます。

サクサクの食感が味わえてボリュームも出ます!

砂糖の保水力はスゴイ!
鶏むねソテーをふっくら仕上げます

鶏肉に砂糖をまぶしてから冷凍すると砂糖の保水力が働いて、鶏肉から水分が逃げずにふっくら仕上がります。玉ねぎもシャキシャキで、素材そのものの味わいを楽しめるレシピです。

◎鶏肉と玉ねぎのソテー

<材料(2人分)>

・ 鶏むね肉 1枚(一口大に切る)
・ 玉ねぎ 1/4個(繊維にそって薄切りにする)
・ 砂糖 小さじ1(鶏肉にまぶす)
・ 顆粒コンソメ 小さじ1
・ 白ワイン 大さじ1

<ポイント>
鶏むね肉は切り方も大事です。筋がT字になっている箇所で3等分に切り分けたあと、筋繊維に沿ってそぎ切りするとやわらかくなります。

<食べるとき>
①油を熱したフライパンに凍ったまま入れて、肉同士がくっつかないように弱火で炒めます。
②色が変わったら中火にして、焼き色がつくまで焼きます。

<簡単アレンジ>
小麦粉と牛乳があれば、シチューにアレンジできます。凍ったままの肉を鍋に入れ、ブロッコリーを加え、小麦粉をまぶして牛乳を入れて煮ればシチューが完成。

この鶏むね&玉ねぎの下味冷凍は、アレンジの幅が広いのも魅力ですよ。

びっくりするほどやわらかくて
箸が止まらない塩麹ねぎ牛タン

塩麹で下味冷凍した牛タンは、一口食べて驚くやわらかさ! 塩麹は冷凍しても固まらないので、解凍時間が短くて済むのもポイントです。塩気もほどよくあって暑い時期にぴったりですよ。

◎塩麹ねぎ牛タン

<材料(2人分)>

・ 牛タン 8枚
・ 長ねぎ 1/4本(斜め切り)
・ 塩麹 大さじ1
・ 酒 大さじ1
・ こしょう 少々

<ポイント>
肉同士が重ならないように1枚ずつ並べて入れると、解凍後の調理がしやすいです。

<食べるとき>
①解凍後、ごま油小さじ2を熱したフライパンに入れ、弱火で焼きます。
②器に盛り付けたら、上からレモンを絞りましょう。

「こげやすいので焼くときは弱火で」(料理研究家 酒寄美奈子さん)

ケチャップ&チリソースで
食欲そそるやわらか豚ロースに!

厚くて硬いロース肉でも、冷凍とケチャップ&チリソースの漬け込みでやわらかく仕上がります。ほどよくピリ辛で甘みもあってボリューム満点。男性ウケもバツグンです。

◎ピリ辛ポークチョップ

<材料(2人分)>

・ 豚ロース切り身 2枚(筋切りする)
・ チリソース 大さじ1    
・ ケチャップ 大さじ1/2
・ 酒 大さじ1

<ポイント>
ケチャップやチリソースに含まれる酢の力で肉の組織が壊れて、豚ロースがもっとやわらかくなります。スパイシーだけど甘みもほどよくて食欲がそそられます。

<食べるとき>
①凍ったまま油を熱したフライパンに入れ、弱火で3~4分両面を焼きます。
②色が変わったら中火にして、片面ずつ焼き色がつくまで焼きます。

<簡単アレンジ>
ピリ辛が苦手な子どもには、チーズ焼きがオススメです。ピザ用チーズをかけてグリルで焼くだけと簡単! 辛さがマイルドになっておいしいです。

いかがでしたか? 冷凍するなら調味料と一緒にフリーザーバッグへ。安いときに多めにストックしておくとよさそうですね。お好みのレシピがあったら、ぜひ作ってみてください!