パソコンPC用メモリとは?

メモリは、CPUが各種処理に必要なデータを一時的に保存しておく領域。いわば作業机のようなもので、メモリの容量(机の大きさ)が十分にないと、どんなに処理能力が高いCPUを搭載していても、その性能を満足に発揮することができません。

そのため、メモリは自作PCにおいてCPUと同様に注意を払うべき重要なパーツのひとつといえます。メモリには「DIMM」、「S.O.DIMM」といったモジュールの区別をはじめ、使用しているDRAM規格、動作周波数に違いがあり、これらがマザーボードに適合していないと基本的に組み込むことができません。

そのため、メモリを購入する際はマザーボードの製品仕様に記載されている対応「モジュール」と「チップ」の規格、「動作周波数」の確認が必須です。

メモリモジュールとは?

これから作るPCにどんなメモリが搭載できるかは、基本的にマザーボードに依存します。そのため、先にマザーボードを選択し、その対応規格に合うメモリを選びましょう。

メモリの規格の中で最も重要なのは、「モジュール」と呼ばれるメモリの大きさや、端子の配列といった物理的な要素を決めている規格で、これを間違えるとそもそもメモリをパソコンに装着することができません。

また、マザーボードに搭載されているメモリスロットの数も重要。複数スロットがあるマザーボードの場合、同性能のメモリをスロット数に合わせて用意するのが基本となります。

▼DIMM

一般にパソコン用のメモリと言った場合、この「DIMM」規格の製品を指すことがほとんどです。なかでも自作PCに利用されるものは「Unbuffered DIMM」と呼ばれます。

▼DIMM PC用メモリおすすめ イメージ

▼S.O.DIMM

ノートパソコンや小型ベアボーンPCで使われるメモリ規格。物理的なサイズは「DIMM」規格よりも小さいですが、性能は「DIMM」規格のものと、さほど変わりません。

▼S.O.DIMM PC用メモリおすすめ イメージ

パソコンPC用メモリの選び方は?

ここでは、PC用メモリの選び方について解説します。

PC用メモリの規格は?

現在流通しているメモリの規格は、「DDR5 SDRAM」と「DDR4 SDRAM」の2種類に分かれています。これらは寸法こそ統一されているものの互換性はないので、間違って購入してしまわないよう、あらかじめマザーボードやCPUがどちらの規格に対応しているかを確認しましょう。

DDRS SDRAMの特徴は?

2020年7月に規格が策定された最新規格。Intelの最新マザーボードは「DDR4」と「DDR5」のどちらに対応しているかが製品によって異なるのに対し、AMDでは「AMD 600」シリーズのチップセットを搭載したマザーボードの場合、すべての製品が「DDR5」を採用しています。

DDRS SDRAMの特徴は? PC用メモリおすすめ イメージ

ピン数はDDR4と同じ284本ですが、切り込みの位置などが異なるため互換性はありません。

DDR4 SDRAMの特徴は?

Intelでは第6世代であるSkylake以降、第13世代までのCPUに対応するマザーボード、AMDではSocket AM4を搭載したマザーボードの多くが採用している規格。長年にわたって採用されてきたため、最新規格ではなくなった2023年現在でも、多くの製品が販売されています。

DDR4 SDRAMの特徴は? PC用メモリおすすめ イメージ

ピン数は284本。基板の端にはスロットへ挿入しやすいように傾斜が付けられています。

性能の確認方法は?

メモリのスペックは、メモリ本体に貼り付けられているラベルからでも確認できます。新規購入時はパッケージや販売店の店頭、カタログなどで確認すれば十分ですが、以前に使用していたパソコンのパーツを転用する場合は、本体に貼り付けられたラベルでスペックを確認し直しましょう。

ラベルに記載されている型番の読み取り方法

ラベルに記載されている型番の読み取り方法 PC用メモリおすすめ イメージ

1:容量

メモリ1枚あたりの容量。上図のメモリだと16GBです。

2:DRAM規格

採用されているDRAM規格。「DDR5」なら「DDR5 SDRAM」を意味します。

3:動作周波数

メモリの動作周波数で単位はMHz。メーカーによっては転送速度(≒動作周波数×8)が記載されています。

4:メモリモジュール

モジュール規格が記載されています。「UDIMM」ならDIMM、「SODIMM」なら「S.O.DIMM」規格を表わします。

動作周波数とは?

メモリ選びの際、規格以外で重要なスペックが「動作周波数」の数値です。この数値はメモリの読み書き性能に直結し、高い製品ほど高性能なメモリとなります。

メモリは基本的に各種規格さえ合っていれば装着できますが、実際の処理能力はマザーボードの対応動作周波数が上限となります。また、メモリはCPUと異なり、極端に高性能な製品を選んでも処理能力がグンと向上するわけではありません。

メモリを選ぶときは、価格と性能のバランスを考慮しましょう。

転送速度は処理速度に関係する?

メモリは製品ごとに動作周波数が決まっていて、数値が高いほど転送速度が上がりマシンの処理も速くなります。しかし、よほど低速なメモリを選択しない限りは大きな差を体感できないため、無理に高スペックな製品を買う必要はありません。

また、マザーボードが対応する規格より高速なメモリを搭載しても、対応する速度内でしか動作しません。

ラベルに記載されている型番の読み取り方法

ラベルに記載されている型番の読み取り方法 PC用メモリおすすめ イメージ

マザーボードのパッケージや公式サイトを参照して、対応するメモリの規格と転送速度の上限を確認しましょう。なお、「(OC)」と書かれた項目はメモリ本来の動作周波数をオーバークロックしたものを指し、使用にはBIOSの設定と十分な冷却機構が必要です。

高価な方が高性能?

メモリなどのPCパーツに限らず、一般的には性能の高い製品ほど価格が高くなるのが当たり前。しかし、メモリの価格は需要と供給のバランスによる変動の影響を受けやすく、性能と価格が逆転している場合が少なくありません。

メモリを選ぶときは欲しい性能をある程度広い範囲で決めておき、実際に購入するときに、決めた範囲の中で最もコスパのいい製品を選ぶようにしましょう。

DDR5メモリのデータ転送速度と実勢価格の対応表

モジュール 転送速度 チップ規格 最大動作周波数 参考価格
PC5-57600 57600MB/秒 DDR5-7200 7200MHz 2万4860円
PC5-56000 56000MB/秒 DDR5-7000 7000MHz 2万2880円
PC5-52800 52800MB/秒 DDR5-6600 6600MHz 3万1669円
PC5-51200 51200MB/秒 DDR5-6400 6400MHz 1万6980円
PC5-49600 49600MB/秒 DDR5-6200 6200MHz 1万9670円
PC5-48000 48000MB/秒 DDR5-6000 6000MHz 1万6970円
PC5-44800 44800MB/秒 DDR5-5600 5600MHz 1万1970円
PC5-41600 41600MB/秒 DDR5-5200 5200MHz 1万2562円
PC5-38400 38400MB/秒 DDR5-4800 4800MHz 1万1220円

※表は2023年11月のもの

表内の参考価格は「16GB・2枚組」の製品の最安値です。2023年11月現在では、「PC5-51200」のメモリが「PC5-49600」のメモリよりも安くなっています。

メモリを購入する際の注意点は?

メモリは規格の種類や枚数などの販売形態にさまざまな違いがあり、PC自作の初心者がパーツを選ぶ際に特に混乱しがちなパーツです。メモリを選ぶ際には、「デュアルチャネル機能で高速化」「OCの効果は体感しにくい」という点に気を付けましょう。

とはいえ、現在はメモリの相性問題が発生する可能性が低く、マザーボードに対応するメモリを選ぶ、という基本さえ押さえておけば特に困ることはありません。

デュアルチャネル機能で高速化

メモリは容量が重要と考え、16GBのメモリ1枚と8GBのメモリを2枚では性能に差はないと思いがち。しかし、実際はそうではありません。

現在流通しているマザーボードの多くは、メモリを2枚連動させて高速化する「デュアルチャネル」機能が備わっていて、16GBのメモリを1枚装着するより、8GBのメモリを2枚挿したほうがデータ転送速度が向上します。

同じメモリを同色のスロットにセットして使用する
同じメモリを同色のスロットにセットして使用する PC用メモリおすすめ イメージ

どのスロットにメモリを差し込めばデュアルチャネル機能を利用できるかは、マザーボードのマニュアルで確認しましょう。スロットが色分けされている場合は、同じ色のスロットに同種のメモリを装着することで利用可能です。

OCの効果は体感しにくい

メモリはCPUと同じように、動作周波数をオーバークロック(OC、動作周波数を引き上げて性能を上げること)して使えます。

ただし、上でも述べているようにメモリの動作周波数向上はPCの動作速度を大幅に改善するものではなく、動作の不安定化やパーツ寿命の低下といったデメリットが目立ってしまいます。メモリのOCは、自作PCに慣れたマニア向けの選択肢です。

OCの効果は体感しにくい PC用メモリおすすめ イメージ

メモリのOC向け専用のクーラーもありますが、取り付けると他のパーツとケース内で干渉しやすく、組み込みのハードルは高くなってしまいます。

メモリの相性保証は重要?

かつては他の機器(主にマザーボード)との相性問題が発生しやすいパーツとされたメモリですが、近年は問題が起こりにくくなっています。しかし、高額なメモリを購入するのであれば、念のため相性保証のあるリテール品がオススメです。

メモリの相性保証は重要? PC用メモリおすすめ イメージ

パソコンPC用メモリのおすすめは?

PC用メモリのおすすめは? PC用メモリおすすめ イメージ

「パーツの理解は深まったけど、やっぱり間違いのない製品を買いたい!」そんな人に向けて、雑誌『自作PC 最強バイブル 2024』の中で紹介されたドスパラ店員によるおすすめ製品ランキングを公開します!コストパフォーマンスの高い製品を中心に選出されているので、お財布にも優しいです。

第1位ドスパラ「ドスパラセレクト D4D3200-16G2A2」

PC用メモリおすすめ ドスパラ ドスパラセレクト D4D3200-16G2A2※画像はドスパラ公式のもの イメージ1

※画像はドスパラ公式のもの

  • ドスパラドスパラセレクト D4D3200-16G2A2
  • 検証時価格: ¥7,980
容量
32GB(16GB×2)
規格
DDR4-3200
速度
PC4-25600

第2位G.SKILL「F4-3600C19D-16GSXWB」

PC用メモリおすすめ G.SKILL F4-3600C19D-16GSXWB※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • G.SKILLF4-3600C19D-16GSXWB
  • 実勢価格: ¥6,580
容量
16GB(8GB×2)
規格
DDR4-3600
速度
PC4-28800
型番
【AMZ】F4-3600C19D-16GSXWB

第3位ADATA「AX4U32008G16A-DW50」

PC用メモリおすすめ ADATA AX4U32008G16A-DW50※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • ADATAAX4U32008G16A-DW50
  • 実勢価格: ¥6,480
容量
16GB(8GB×2)
規格
DDR4-3200
速度
PC4-25600
LED
搭載
型番
AX4U32008G16A-DW50

4位: ドスパラ「ドスパラセレクト D5D4800-16G2A」

PC用メモリおすすめ ドスパラ ドスパラセレクトD5D4800-16G2A※画像はドスパラ公式のもの イメージ1

※画像はドスパラ公式のもの

  • ドスパラドスパラセレクトD5D4800-16G2A
  • 検証時価格: ¥11,220
容量
32GB(16GB×2)
規格
DDR5-4800
速度
PC5-38400

5位: Corsair「CMK32GX4M2E3200C16」

PC用メモリおすすめ Corsair CMK32GX4M2E3200C16※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • CorsairCMK32GX4M2E3200C16
  • 実勢価格: ¥10,400
容量
32GB(16GB×2)
規格
DDR4-3200
速度
PC4-25600
型番
CMK32GX4M2E3200C16

6位: クルーシャル「CT2K16G4DFRA32A」

PC用メモリおすすめ クルーシャル CT2K16G4DFRA32A※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • クルーシャルCT2K16G4DFRA32A
  • 実勢価格: ¥9,980
容量
32GB(16GB×2)
規格
DDR4-3200
速度
PC4-25600
型番
CT2K16G4DFRA32A

7位: シー・エフ・デー販売「W4U2666CS-8G」

PC用メモリおすすめ シー・エフ・デー販売 W4U2666CS-8G※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • シー・エフ・デー販売W4U2666CS-8G
  • 実勢価格: ¥4,974
容量
16GB(8GB×2)
規格
DDR4-2666
速度
PC4-21300
型番
W4U2666CS-8G

8位: G.SKILL「F5-5600J3636D32GX2-TZ5RK」

PC用メモリおすすめ G.SKILL F5-5600J3636D32GX2-TZ5RK※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • G.SKILLF5-5600J3636D32GX2-TZ5RK
  • 実勢価格: ¥33,200
容量
64GB(32GB×2)
規格
DDR5-5600
速度
PC5-44800
LED
搭載
型番
F5-5600J3636D32GX2-TZ5RK

9位: G.SKILL「F4-3600C18D-32GTZN」

PC用メモリおすすめ G.SKILL F4-3600C18D-32GTZN※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • G.SKILLF4-3600C18D-32GTZN
  • 実勢価格: ¥14,880
容量
32GB(16GB×2)
規格
DDR4-3600
速度
PC4-28800
LED
搭載
型番
F4-3600C18D-32GTZN

10位: Corsair「CMW16GX4M2E3200C16W」

PC用メモリおすすめ Corsair CMW16GX4M2E3200C16W※画像はAmazonより イメージ1

※画像はAmazonより

  • CorsairCMW16GX4M2E3200C16W
  • 実勢価格: ¥8,263
容量
16GB(8GB×2)
規格
DDR4-3200
速度
PC4-25600
LED
搭載
型番
CMW16GX4M2E3200C16

パソコンまとめ:おすすめメモリでCPUの性能を活かそう

以上、PC用メモリのおすすめランキングでした!

PC用ゲームシーンでは近年、メモリの要求容量が増えており、ゲーム実況配信者などには32GB以上が人気です。

1位のドスパラ「ドスパラセレクト D4D3200-16G2A2」は手が届きやすい価格でおすすめです。

今回の選び方やランキングを参考に、自分の目的に合った最適なPC用メモリを見つけ出してください!

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