自転車そもそも、バイク用のナビゲーションシステムってなに?

そもそも、バイク用のナビゲーションシステムってなに? イメージ

すっかり定着しているカーナビと比べると、バイク用ナビの認知度はかなり低いといえます。実は以前から製品としては存在していたのですが、バイク専用というわけではなく、さまざまな場面で使えるポータブルナビが主流でした。

現在では、バイク専用に開発された製品もありますが、利用しているユーザーはほんの一握りといった状況です。

自転車バイク用ナビゲーションシステムの種類は?

バイク用ナビゲーションシステムは、大きく分けて以下の2種類に分類ができます。

1.バイク専用ナビゲーションシステム

バイク専用ナビゲーションシステムは、その名の通りバイクで利用することを目的として開発された製品です。取り付けられる場所に限りがあるため、5インチ程度のディスプレイを搭載した製品が多く、振動に強い構造で設計されています

また、突然の雨でも壊れないよう、標準で防水性能を備えています

1.バイク専用ナビゲーションシステム イメージ
バイク用品専門店の南海部品が開発した「NANKAI バイク・ナビゲーションシステム(ZENRIN)NNV-022」や、スマホと連携して地図を表示できるデイトナの「モトスマートモニター」などが代表的な製品ですが、価格は約5万円以上と高価なのが難点です。

2.汎用型ポータブルナビゲーションシステム

一方、バイク専用ではありませんが、車でもバイクでも自転車でも使えるのがポータブルナビゲーションシステムです。

こちらはバイク専用ではないため、取り付けには別売りのアダプターが必要だったり、取り付けキットがそもそもないこともあるため、取り付けに手間取ることがあります。

防水対応も製品ごとにまちまちで、特別振動に強い構造というわけでもありません。

2.汎用型ポータブルナビゲーションシステム イメージ
パナソニックのポータブルカーナビ「ゴリラ」シリーズや、ドラレコやレーダー探知機で有名なユピテルの「MOGGY」シリーズなどが代表的な製品で、バイク専用ナビよりも若干安く、4万円以下で手に入る製品もあります。

現在の主流はスマホホルダー+スマホ

上記の2種類がバイクで使えるナビゲーションシステムですが、どちらもやはり数万円クラスと高価。これに対し、現在主流となっているのが「スマホホルダー」の活用です。

スマホやナビアプリの普及にともない、数千円で購入できるスマホホルダーはかなり手軽です。

八橋秀行
家電批評編集部 編集部員
八橋秀行 のコメント

普段のツーリングはもっぱらスマホホルダーでスマホをナビがわりに使っています

現在の主流はスマホホルダー+スマホ イメージ

 しかし、バイク用スマホホルダーはAmazon等の格安品は簡易な構造のものが多く、振動をしっかり吸収できるか不明な製品が多くあります。

これに精密機器であるスマホを付けて長時間走れば、振動によって最悪の場合スマホが壊れるリスクや、脱落の危険も考えられます。

デイトナやサインハウスなどの有名バイク用品メーカーの中には、振動吸収ユニットを搭載している製品もありますが、振動リスクを確実にゼロにするのは難しいでしょう。

自転車「Beeline Moto」の実力は?

株式会社プロト「Beeline Moto」

ビーライン BeeLine Moto イメージ1
  • ビーラインBeeLine Moto
  • 実勢価格: ¥27,500
直径
49.8mm
厚み
18.6mm
重量
30g
充電時間
1.5時間(約)
防水機能
IP67防水
対応機種
iPhone iOS 13以降/Android 8.0以降
接続方式
Bluetooth 4.0 LE
連続使用時間
バックライト消灯時 30時間/バックライト点灯時 10時間

「Beeline Moto(ビーライン モト)」はイギリスの二輪好きが集まって始まったプロジェクトで、まず自転車用の「BeeLine」が発売。その後、バイク向けの「Beeline Moto」が登場しました。

国内ではバイク用品やパーツを扱う株式会社プロトが、2023年1月より正規に取り扱いを開始したバイク用ナビゲーションガジェットです。

株式会社プロト「Beeline Moto」 イメージ

本体は非常にコンパクトなのでハンドル回りに取り付けても邪魔にならず、次に曲がる方向と曲がるまでの距離をスタイリッシュに表示してくれます。 

株式会社プロト「Beeline Moto」 イメージ2 

行き先の設定は、ペアリングしたスマホに入れた専用アプリで行います。スマホをバイクに装着する必要がないので、バイクの振動や雨、真夏の直射日光などにより、スマホが故障する心配がないのが最大の利点です。

自転車テスト1:バイクには簡単に取り付けられるの?

結果:2種類のマウントが同梱されており、取り付けは簡単!

キットには本体の他、汎用ストラップマウントと汎用モジュラーマウントの2種類のマウントが同梱されています。さらに、専用充電ケーブルと六角レンチ、クイックスタートガイドが付属しています。

結果:2種類のマウントが同梱されており、取り付けは簡単! イメージ
※本画像は公式サイトより引用

それでは実際の取り付け方法を見てみましょう。

汎用ストラップマウントの場合

汎用ストラップマウントの場合 イメージ

汎用ストラップマウントを使う場合は専用の台座に2本のストラップを引っかけ、ストラップがクロスするようにバンドルバーの下を通して固定します。

汎用ストラップマウントの場合 イメージ2

様々な径のハンドルに取り付けられるよう、長さが違う2種類のゴムリングが付属しています。

汎用モジュラーマウントの場合

汎用モジュラーマウントの場合 イメージ

ハンドルバー以外の場所に取り付ける場合は、汎用モジュラーマウントを利用します。マウントには強力な粘着パッドが付いており、好きな場所に取り付けが可能。付属の六角レンチでマウントの角度も調整可能です

八橋秀行
家電批評編集部 編集部員
八橋秀行 のコメント

汎用モジュラーマウントは取り付け簡単で粘着力も強力ですが、経年劣化による脱落は少し不安ですね

別売りのマウントも数種類用意されています!

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ
※本画像は公式サイトより引用

株式会社プロト
Beeline Moto ユニバーサルバーマウント
実勢価格:4840円

対応ハンドル径:直径22.2、25.4、31.75mm
本体重量:112g

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ2

ユニバーサルバーマウント」はハンドルバーへの固定に最適な専用マウントです。六角レンチを使ってベース部分をハンドルバーに固定するため、ストラップが切れて落ちる心配がありません。

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ3

ベース部分を固定したら、後は本体をベースにセットするだけ。角度の調整はネジを緩めて行うためやや面倒ですが、汎用ストラップマウントのような心許なさはありません。 

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ4
※本画像は公式サイトより引用

株式会社プロト
Beeline Moto ユニバーサルミラーマウント
実勢価格:4840円

対応ミラー径:直径10~16mm
本体重量:158g

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ5
※本画像は公式サイトより引用

ハンドルバーではなく、ミラーのステーに固定したい場合は「ユニバーサルミラーマウント」を使用します。直径10~16mmのステーに対応しており、ロック部分中央のネジを緩めることで角度調整が可能です。スクーターなど、ハンドルバーがない車種に最適です。 

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ6
※本画像は公式サイトより引用

株式会社プロト
Beeline Moto ラムマウントアダプター 1インチボール
実勢価格:3630円

対応スマホホルダー:ラムマウント
本体重量:36g

別売りのマウントも数種類用意されています! イメージ7
※本画像は公式サイトより引用

すでにラムマウントを使っているユーザーであれば、ベースとアームをそのまま使い、スマホを装着する「Xグリップ」部分をラムマウントアダプターに替えるだけでBeeline Motoが装着可能になります。

自転車テスト2:スマホとの連携は簡単にできるの?

結果:ペアリングも目的地設定も簡単!

Beeline Motoを利用するには、専用のスマホアプリが必要となります。

iPhone向けには「Beeline Bike Navigation」Android向けには「Beeline」という名前で無料アプリが用意されているので、まずは専用アプリをスマホにインストールします。

結果:ペアリングも目的地設定も簡単! イメージ

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証)

Beeline Bike Navigation(iOS)

Beeline(Android)

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ

アプリを起動したら、まず移動方法を「自転車」か「バイク」から選びます。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ2

次の画面でBeeline Motoとペアリングを行います。本体が近くにあって電源が入っていると自動検出されるので、下のリストに表示された本体をタップします。 

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ3

本体と接続されると確認ウィンドウが表示されるので、「ペアリング」をタップ。これで本体とのペアリング設定は完了です。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ4

目的地を設定するには、メイン画面右下にある「目的地を探す」をタップします。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ5

マップが表示されるので名称や住所などで検索し、目的地として設定します。

なお、マップはGoogleマップを利用しているので、地図データの更新は一切不要です。

走行ペースは「高速」か「楽しい」かを選ぶことができ、選択すると目的地までの所要時間が算出されます。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ6

なお、右上の「オプション」を開くと、ルートの保存や共有も可能です。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ7

さらに「希望のルート」を開けば、高速道路や有料道路、フェリーの利用をオン/オフできます。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ8

もとの画面に戻り、「Go」をタップすればナビが開始されます。

なお、「Go」ボタンの上にある「コンパス」をタップすると、曲がる場所などは案内されず、目的地の方向と距離だけが表示される「コンパスモード」を利用することもできます。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ9

これでナビが開始されました。

走行時には進行方向が矢印で示され、矢印の下には次に曲がる場所までの距離が表示されています。

矢印の横にある丸は次に曲がる方向を示しており、画面上部のメーターは全行程内でいまどのくらいの位置にいるかが判断できます。

なお、場所により、走行レーンや分岐マップが表示されることもあります。

八橋秀行
家電批評編集部 編集部員
八橋秀行 のコメント

ナビ設定はGoogleマップやYahoo!地図とほぼ変わらずで簡単でした!

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ10

ちなみに、ルートから外れてしまっても、すぐにルートの再検索が行われるので安心です。目的地に到着した際は、本体の上ボタンを押せばナビが終了します。

▼アプリのダウンロードはこちら(今回はiPhone向けアプリで検証) イメージ11

なお、ナビ終了後に走行ルートは自動保存されるので、メイン画面の「ライド履歴」からいつでも確認できます。

自転車テスト3:本体の使い勝手は?

結果:ボタン4つなのでグローブのままでも操作しやすい

結果:ボタン4つなのでグローブのままでも操作しやすい イメージ

本体の操作ボタンは上下左右の4つだけ。ボタン同士が離れているのでグローブを付けたままでも、押し間違えることなく操作できます。

結果:ボタン4つなのでグローブのままでも操作しやすい イメージ2

上部の黄色いボタンは長押しで電源のオン/オフができ、電源オンの状態で短く押すことでバックライトのオン/オフを切り替えられます。

左右のボタンは画面切り替えとなっており、ナビ画面以外にも、走行距離や走行時間、バッテリー残量、速度などを表示できます。

下ボタンは強制的にルートの再検索や設定画面での項目選択に利用します。

結果:ボタン4つなのでグローブのままでも操作しやすい イメージ3

本体の操作は単純で分かりやすいのですが、専用の充電ケーブルにセットして行うため、充電しながら利用することができません

充電機能付きマウントがあれば便利なのですが、現時点では販売されていないようです。

自転車テスト4:実際に走行してみた感想は?

結果:広い道や一般道の使い勝手は◎。入り組んだ都心部では使いづらいかも

実際に使ってみた感想としては、都心部以外での使用なら右左折表示も問題なく使えました

陸橋やバイパスに入る際は車線移動の指示も出るので分かりやすいです。ただ、都心部の移動は路地や右左折が多く、表示情報だけで目的地にたどり着くのは難しく感じました

天候によるのかもしれませんが距離の誤差もあり、テスト時には表示よりも20mほど手前で曲がる必要がありました

結果:広い道や一般道の使い勝手は◎。入り組んだ都心部では使いづらいかも イメージ

スマホを使ったナビとの決定的な違いは、やはり地図が表示できるかどうか。次にどこを曲がるのか、陸橋に入るのか、といった情報が視覚的に入ってこないので不便に感じる場面もあります。また、到着予定時間や残りの距離が分からないのもちょっと不安です。

とはいえ、精密機器であるスマホをバイクに付けなくていいのは、やはり安心感があります。

近年、スマホの値上がりも激しいので、最新機種を使っている人ほど安心できるでしょう。スマと比べてかなりコンパクトでスタイリッシュなのも好評価です。バイク用ガジェットとしては十分楽しめる製品といえます。

八橋秀行
家電批評編集部 編集部員
八橋秀行 のコメント

スマホをつけない分、ハンドル周りがスッキリするのはかなり嬉しい! 国道やバイパスなどの広い道や郊外の走行は全く問題なく使えました。目的地が都心部の店舗や、山の中の入り組んだ場所ではナビの情報だけではやや苦戦しました。

自転車株式会社プロト「Beeline Moto」のテスト結果まとめ

最後に、株式会社プロと「Beeline Moto」のおすすめポイントとがっかりポイントをまとめてみました。

株式会社プロト「Beeline Moto」

家電批評: 新製品ベストバイ[リボンなし]ビーライン BeeLine Moto イメージ1
  • ビーラインBeeLine Moto
  • 実勢価格: ¥27,500

総合評価: 4.13

取り付けやすさ
 4.50
設定の手軽さ・操作性
 5.00
ナビの見やすさ
 3.50
使い勝手
 3.50
おすすめポイント
  1. 2種類のマウントが同梱されており、取り付けが手軽
  2. 別売りのマウントもあり、取り付けの自由度が高い
  3. スマホをつけない分バイクの見た目がスッキリする
  4. スマホをバイクに付けない安心感は大きい
  5. 専用アプリが分かりやすく使いやすい
  6. Googleマップを利用しているので更新が不要
がっかりポイント
  1. 同梱のマウントだと経年劣化による脱落が怖い
  2. 地図が表示されないため、入り組んだ都心部の走行では不便な場面がある
  3. 到着時刻や残りの距離がわからない
  4. 路地が多い都市部ではたどり着けないこともある
  5. 充電しながら使えない
  6. 価格がやや高め
直径
49.8mm
厚み
18.6mm
重量
30g
充電時間
1.5時間(約)
防水機能
IP67防水
対応機種
iPhone iOS 13以降/Android 8.0以降
接続方式
Bluetooth 4.0 LE
連続使用時間
バックライト消灯時 30時間/バックライト点灯時 10時間

「Beeline Moto」は、バイクの見た目がスッキリするのはもちろん、スマホをバイクに取り付けなくて済むという安心感が大きな魅力です。高価な最新のスマホを使っている人であれば、振動や脱落による故障を防止する意味でもアリでしょう。ただし、実際にGPS衛生とやり取りをしてルートを確認しているのはスマホ本体なので、スマホのバッテリーは消耗するので注意が必要です。

本体はバイクに取り付けやすく強固に固定されるものの、汎用ストラップマウントと汎用モジュラーマウントどちらも経年劣化による脱落が気になるところです。より長く強固につけたいなら、別売りのユニバーサルバーマウントの購入をおすすめします。

バイク用ガジェットとしてはかなり面白いとは思いますが、価格はやや気になるところ。もちろん、バイク用ナビと比べると安いのですが、情報量の面ではバイク用ナビやスマホの方が圧倒的に有利です。とはいえバイクにスタイリッシュさを求める人、スマホをバイクにつけることに抵抗がある人ならおすすめできます。