自転車バイクの振動でiPhoneが壊れる!? スマホホルダーを大検証
 

2021年9月15日、アップルがサポートページに掲載した内容に、多くのバイク乗りがザワつきました。その内容は、スマホホルダーを使って高出力バイクにiPhoneをマウント(台座などに物を固定すること。今回の場合はハンドル部分への固定を指す)した際、振動でカメラなどが壊れる可能性があるというもの。

アップルでは高出力バイクへの取り付けは推奨しておらず、振動が少ないバイクでも「防振マウント」の使用を勧めています。

そこで、今回は防振マウントがある製品や振動に強い構造の製品を中心に、バイク用スマホホルダー11製品を徹底検証してみました。

自転車【選び方】スマホホルダーは”低振動”で選ぶ!

バイク用スマホホルダーは3つのタイプがある

バイク用スマホホルダーは、スマホの装着方式によって「ワンタッチ型」「クランプ型」「ポーチ型」の3種類に大別されます。

ワンタッチ型はスマホの脱着が手軽で、防振モジュールを採用している製品も多め。ただし製品数は限られており、比較的高価です。

製品数が多いのはスマホを挟んで固定する「クランプ型」ですが、構造や価格はまちまち。アームにゴム製ボールジョイントが使われているものは、構造的に振動には強いものの、格安製品はほぼ振動対策がされていません。

全体的に振動に強いのは「ポーチ型」ですが、スマホをポーチに入れるため、操作しにくくなるという欠点もあります。

①最大振幅の比較

QUAD LOCK「ハンドルバーマウント V2」の振幅
デイトナ「SP CONNECT」の振幅

今回バイク用スマホホルダーの防振性能の検証を行って、もっとも振幅が大きかったのはワンタッチ型のQUAD LOCK「ハンドルバーマウント V2」(別売りの「アンチバイブレーションモジュール」を装着)でした。

その一方で、同じくワンタッチ型のデイトナ「SP CONNECT」(別売りの「アンチバイブレーションモジュール」を装着)は、振幅が小さめでした。同じタイプの製品でも、振幅には差があるようです。なおデイトナは、今回の検証で見事ベストバイに輝いています。

デイトナ
SP CONNECT MOTO MOUNT PRO

②防振機構を搭載した製品は思いのほか少ない!

今回の検証のため「防振マウント」について調べた結果、防振機構を搭載した製品はほんのひと握りであることがわかりました。上記の2製品以外には、「エフロック」「カエディア」のみ。防振モジュールが別売りでない製品は「エフロック」のみでした。

「エフロック ホークワン 強防振タイプ」は防振モジュールが最初から付いており、唯一別売りされていません。

コルハート
エフロック ホークワン 強防振タイプ

Amazonでも人気のカエディアは、同社製のバイブアブソーバー(1500円)に対応しています。

カエディア
クイックホールド

③「ポーチ」型ホルダーが”制振”に有利

今回の検証では、バイク用スマホホルダーにスマホを装着して、一定の振動を与えたときの、スマホの振動量(変位量)を計測しました。そこから、ワンタッチ型・クランプ型・ポーチ型それぞれの、防振性能の大まかな傾向がわかりました。

●ワンタッチ型:振動は製品でバラ付きアリ

【検証3製品の変位量…0.290~0.608㎜】

ワンタッチ製品は、振動に関してはバラ付きが大きい結果となりました。防振性能のトップもワーストもワンタッチ型でした。

●クランプ型:ゴムジョイントが振動を吸収!?

【検証5製品の変位量…0.39~0.470㎜】

クランプ型の製品はゴム製ボールジョイントを使っているものが多く、予想よりは振幅が小さめでした。

●ポーチ型:全体的に振動が小さい

【検証3製品の変位量…0.31~0.37㎜】

ポーチ型はポーチにクッションが付いているので、全体的にどの製品も防振性能は優秀です。

自転車今回の検証項目

今回の検証は、防振性能使い勝手の両面から行いました。

振動計測は、バイクのハンドル部にマルチバー(φ22㎜)を取り付け、そこにホルダーを装着。振動計センサーをiPhone12のディスプレイ面に固定し、エンジンをスタート。回転数が800~900rpm(※1)で安定したところでアイドリング時の振動値を計測し、スマホの振動量(変位量)が少ないほど高評価としています(※2)。なお、スマホ側の専用ケースがない製品は、近い条件にするため、アップル純正のシリコンケースを装着した状態でマウントしました。

※1…1分間で800〜900回転。
※2…一般機械振動のような一定の振動でないため、このような評価基準としています。

松下和矢
LAB.360(ラボドットサンロクマル)室長
松下和矢 のコメント

スマホにセンサーを固定して振動を測定しました。

【検証で使用した振動計】
昭和測器
Model-1332B-00F

機材協力:昭和測器株式会社
URL:http://www.showasokki.co.jp

それでは、いよいよバイク用スマホホルダーおすすめランキングの発表です!

第1位デイトナ「SP CONNECT MOTO MOUNT PRO」

王冠アイコン

デイトナ
SP CONNECT MOTO MOUNT PRO
実勢価格:合計1万5373円

※マウント(7955円)/スマホケース(3626円)/アンチバイブレーションモジュール(3792円)を使用

タイプ(型):ワンタッチ
対応ハンドルバー:直径22.2/25.4/28.6/31.7mm
材質:アルミ合金

総合評価:S

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
44点 12点 4点 5点 10点 9点 4点

バイク用スマホホルダーのベストバイに輝いたのは、デイトナ「SP CONNECT MOTO MOUNT PRO」でした。

防振性能はトップではないものの、高性能で使い勝手も抜群。さまざまなタイプのマウントキットが用意されており、バイクを選びません。

マウント側とスマホホルダー側の凹凸を合わせて、スマホホルダーを90°回転させればロックされます。スマホの脱着がとにかく手軽です。

マウント自体に振動減衰システムが内蔵されていますが、さらに「アンチバイブレーションモジュール」も付けられます。

マウントのタイプも豊富で、各ハンドルバーに対応したスペーサーが付属しているので、さまざまなバイクで利用できます。

ベストな理由:計測機器で振動が少なめと判明!

±0.385mm

「SP CONNECT MOTO MOUNT PRO」に別売りの「アンチバイブレーションモジュール」を装着して計測した結果、防振性能トップの製品ほどではありませんが、振幅は小さめでかなり優秀です。「バイクの振動でiPhoneが壊れなくなる」とは断言できませんが、少なくとも「壊れにくくなる」ことは確かでしょう。

ベストな理由:スマホの脱着が手軽&操作もしやすい!

●ハンドルへの装着は3分ほどで完了

「SP CONNECT MOTO MOUNT PRO」は使い勝手もかなり優秀です。スペーサーが同梱されているので、主要な4サイズのハンドルバーに対応しており、取り付けにかかる時間もほんの3分程度。ハンドルバー以外にも、クラッチ・ブレーキレバークランプに取り付けるタイプもあります。

ハンドルへの装着の流れ①:防振モジュールを取り付ける

ハンドルへの装着の流れ②:スペーサーのサイズを選択

ハンドルへの装着の流れ③:マウント部をハンドルに固定

ハンドルへの装着の流れ④:スマホを装着

落下が心配な場合はシリコンバンドを使えば、さらにしっかり固定できます。

アームの中間にあるボルトをゆるめれば、アームの角度を自由に調整することもできます。

●スマホの着脱は90°回すだけ

スマホを取り付ける場合は、マウント側の2本の出っぱりとスマホホルダー側の溝が合う角度でハメ込み、マウントにスマホをやや押しつける感じで90°回転。これだけでしっかりロックされます。

①スマホをハメる
②スマホを回す

ポーチ型と違って画面が表に出ているので、スマホが操作しやすいのも利点ですが、だからといって、走行中のスマホ操作は絶対にやめましょう。

●iPhone&Galaxy専用のスマホホルダーがある

iPhoneとGalaxyは専用スマホホルダーがあり、サイズもピッタリ。ただし、最新モデル用は登場までにタイムラグがあります。

デイトナ
SP CONNECT スマホホルダー
実勢価格:3626円~

なお、iPhoneとGalaxyではないスマホを取り付ける場合は、「ユニバーサルアダプター」を市販のケースなどに貼り付けて使う必要があり、やや面倒です。

まとめ

●買うべき理由

・ハンドルバー用だけでなく、さまざまな方式のマウントがラインナップされている
・振動減衰システム搭載で、さらに別売りの防振モジュールがある
・スマホをワンタッチで装着できて、装着時も操作しやすい

●見送る理由

・一般的なスマホホルダーと比べると価格が高い
・専用ケースが用意されているスマホが一部に限られる

▼デイトナ「SP CONNECT MOTO MOUNT PRO」の購入ページはこちら

第2位SYGNHOUSE「MOUNT SYSTEM」

SYGNHOUSE
MOUNT SYSTEM
実勢価格:2万5300円

※別売衝撃吸収ダンパーを使用/IPHONE 12/12 PRO用ケース使用

タイプ(型):クランプ
対応ハンドルバー:直径22.2/25.4/28.6/31.7mm
対応スマホサイズ:W120~175×H61~87×D最大13.5mm
材質:アルミ

総合評価:S

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
41点 12点 3点 5点 8点 10点 3点

▼最大振幅図

±0.398mm

2位はSYGNHOUSE「MOUNT SYSTEM」でした。

カッコいいアルミ削り出しのクランプ型ホルダーで、取り付け・脱着・操作がしやすく、使い勝手がいいです。セットのほか、ホルダー・アーム・マウント部をバラで選ぶことも可能。

高価ですが、アーム部分に使われているゴム性ボールジョイントが振動を吸収してくれます。また、振動吸収ユニットも発売される予定です。

スマホホルダーはスライド式で、スマホのサイズに合わせて自由に調節できます。

第3位QUAD LOCK「ハンドルバーマウント V2」

QUAD LOCK
ハンドルバーマウント V2
実勢価格:合計1万2870円

※マウント本体(6050円)/衝撃吸収ダンパー(3080円)/iPhone 12/12 Proケース(3740円)を使用

タイプ(型):ワンタッチ

▼マウント本体

▼衝撃吸収ダンバー

総合評価:A

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
38点 5点 4点 5点 10点 9点 5点

▼最大振幅図

±0.608mm

3位はQUAD LOCK「ハンドルバーマウント V2」でした。

取り付け・脱着・操作がしやすく、最新スマホ用ケースもすでに販売されています。ただし、別売りの「衝撃吸収ダンパー」を装着しているにもかかわらず、振幅が大きかったので、計測ミスを疑ったほどです。

第3位RAM MOUNTS「X-グリップパイプ RAMマウント」

RAM MOUNTS
X-グリップパイプ RAMマウント
実勢価格:5309円

※別売 バイブアブソーバー使用

タイプ(型):クランプ+バンド

総合評価:A

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
38点 11点 5点 3点 7点 9点 3点

▼最大振幅図

±0.433mm

同点で3位となったのは、RAM MOUNTS「X-グリップパイプ RAMマウント」でした。

取り付け・操作はしやすいですが、脱着はクランプ+ゴムでやや面倒。ゴムのボールジョイントを採用しているので、振動は少なめです。

5位: Umineko「NEKO-SHELL02」

Umineko
NEKO-SHELL02
実勢価格:1680円


タイプ(型):ポーチ
対応ハンドルバー:直径15~47㎜
対応スマホサイズ:最大W85×H150㎜
材質:ゴム

総合評価:B

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
34点 14点 5点 4点 4点 5点 2点

▼最大振幅図

±0.325mm

5位はUmineko「NEKO-SHELL02」でした。

クッション性が高いため振動が少なく、さらに防水性も高い、ポーチ型のバイク用スマホホルダーです。ポーチには4種類のサイズがあり、内側にポケットもあるのでスマホ以外のものも入れられます。

ポーチの内側にストラップがあり、スマホを窓部分に密着させられるので、操作のしやすさはポーチ型の中でこれが一番でした。

5位: カエディア「クイックホールド」

カエディア
クイックホールド
実勢価格:合計3798円

※マウント本体(2298円)/バイブアブソーバー(1500円)を使用

タイプ(型):クランプ+バンド

▼マウント本体

▼バイブアブソーバー

総合評価:B

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
34点 10点 3点 3点 6点 9点 3点

▼最大振幅図

±0.463mm

同じく5位につけたのが、カエディア「クイックホールド」でした。

Amazonランキングで1位を獲得した人気商品。カエディアの複数の製品で使える、汎用のバイブアブソーバー(1500円)が販売されています。しかしバイブアブソーバーは付け方が分かりづらく、付けてもそこそこ振動してしまいます。

7位: コルハート「エフロック ホークワン 強防振タイプ」

コルハート
エフロック ホークワン 強防振タイプ
実勢価格:8250円


タイプ(型):クランプ

総合評価:C

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
32点 9点 5点 2点 5点 7点 4点

▼最大振幅図

±0.470mm

7位はコルハート「エフロック ホークワン 強防振タイプ」でした。

防振モジュールが標準装備されていますが、振動はそこそこ。構造がやや複雑で、取り付けがちょっと面倒なのが気になりました。

8位: プレジュール「スマホホルダー」

プレジュール
スマホホルダー
実勢価格:2580円


タイプ(型):クランプ+バンド

総合評価:C

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
30点 11点 3点 4点 4点 7点 1点

▼最大振幅図

±0.428mm

8位はプレジュール「スマホホルダー」でした。

Amazonランキングにおいて、ノーブランドの格安製品の中でもっとも上位にある製品です。充電ケーブルは、バッテリー直取り用になっています。

8位: X-GUARD「ハンドルバーマウント」

X-GUARD
ハンドルバーマウント
実勢価格:合計2650円

※マウント本体(1450円)/ユニバーサル スマホホルダー(1200円)を使用

タイプ(型):ワンタッチ+バンド

▼マウント本体

▼スマホホルダー

総合評価:C

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
30点 15点 3点 4点 3点 2点 3点

▼最大振幅図

±0.290mm

同じく8位となったのがX-GUARD「ハンドルバーマウント」でした。

振動はもっとも少なめですが、スマホをシリコンバンドで固定するため、画面の一部が隠れて使いづらくなってしまうのが難点でした。

10位:デイトナ「バイク用スマートフォンケース2 クイックタイプ」

デイトナ
バイク用スマートフォンケース2 クイックタイプ
実勢価格:5032円

※別売ユニバーサル スマホホルダー4.7-6インチ使用

タイプ(型):ワンタッチ+バンド

総合評価:D

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
27点 14点 3点 2点 3点 3点 2点

▼最大振幅図

±0.310mm

10位はデイトナ「バイク用スマートフォンケース2 クイックタイプ」でした。

防振面では優秀ですが、ポーチ型なので操作はしづらいです。また、ハンドル取り付け部のクリップが、サイズ調整しづらいことも気になりました。

11位: タナックス「デジケースマウントAC-M」

タナックス
デジケースマウントAC-M
実勢価格:3787円


タイプ(型):ポーチ

総合評価:D

▼評価

合計
(50点)
防振性能
(15点)
ハンドル径の
対応(5点)
装着しやすさ
(5点)
スマホの着脱
(10点)
スマホの操作性
(10点)
その他加点
(5点)
26点 12点 2点 4点 3点 3点 2点

▼最大振幅図

±0.370mm

11位はタナックス「デジケースマウントAC-M」でした。

防振面ではなかなか優秀ですが、スマホは操作しづらいです。取り付け可能なハンドル径の対応が少ないのもマイナスポイント。

自転車おわりに

今回の検証では、製品により振動に意外と差が出ることが分かりました。ベストバイ製品は防振性能だけでなく、総合的な使い勝手も考慮して選出しましたが、高価なスマホを使っている場合は、防振性能を最優先に考えて選ぶのがベストでしょう。

とはいえ、今回検証に使用した製品は、プレジュールの製品以外はすべて国内メーカーのもので、そもそも防振性能が高めの製品ばかりです。それでも差はあるので、ノーブランドの格安製品は、まず選択肢に入れるべきではないでしょう。

なお、防振性能でトップはX-GUARDの「ハンドルバーマウント」でしたが、汎用ホルダーがほぼシリコンであることが大きな要因だと考えられます。ちなみに、表内の「その他加点」は、防水性能やマウントのバリエーション、アクセサリーなどを考慮しています。

というわけで、今回の検証により、「お高めのスマホを使うなら、防振や構造(使い勝手)を最優先に考えるべき」という結論が得られました。バイク用スマホホルダーを購入する際は、それを念頭に選んでみてください!

なお、360LiFEでは他にもバイク用品の記事を公開しております。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!