カブキグラスってなに?
一般的な双眼鏡のように手持ちではなく、顔にフィットするメガネタイプの双眼鏡。手に持たないハンズフリーの開放感と高いレンズ設計による明るくクリアな画質が魅力です。
双眼鏡を手に持たないので不快なブレはほとんど起きず、安定感はバツグン。最短距離から無限遠までピントが合うのもカブキグラスの特徴です。倍率は4倍なので、小劇場~中規模ホールぐらいが最適でしょう。
ちなみに、カブキグラスは特許と意匠を登録しているほか、広島G7サミットの贈呈品にも選ばれたという華々しい実績もあります。
カブキグラスの特徴は?
特徴1:ハンズフリー
メガネタイプの双眼鏡なので、従来の双眼鏡とは違って両手が自由に使えるハンズフリー。アイドルのコンサートなら片手にうちわ、反対の手でサイリウムを持って応援なんてことができます。
また、目線を下げればカブキグラスのすきまから肉眼で物が見えるので、観劇やコンサートのパンフレットを確認することもできます。
特徴2:ピントが手前から奥まで合う
カブキグラスにはピント調整のダイヤルがありません。これはその必要がないからです。
ピントの合う最短距離は約7m。その7mから無限遠までピントを調整することなく、カブキグラスで見たものにピントが合うように設計されています。
特徴3:小型なのに像が明るくクリア
対物レンズには有効径13mmと小型レンズを使用していますが、双眼鏡の視野の明るさ表すひとみ径は3.25mmとまずまずの明るさです。
実際に覗いてみるとスペック以上に明るく感じるので、舞台の暗いシーンでも見えにくいと感じる事は少ないです。
また、像がクリアで解像感も高く、対象物をくっきりと確認できます。コンパクトなのに凄いなと感心します。
2023ライブ鑑賞向け双眼鏡ベストバイと比較!
今回は、サンテプラス「カブキグラス」の実力をチェックするべく、家電批評が選ぶ2023年ライブ鑑賞向け双眼鏡No.1決定戦にてベストバイだった2製品と比較!
エントリークラスのベストバイに輝いたニコン「ACULON T02 8×21」とミドルクラスのベストバイだったケンコー・トキナー「ウルトラビューEX コンパクト 8×32」と比べてみました。
応援歴30年以上のジャニーズファン、ジャニヲタ・エヴァンジェリスト みきーるさん、数々のコンサートを取材する音楽ライター ナカニシキュウさん、舞台観劇が大好きな家電批評編集の土屋慶祐に、3つの双眼鏡を検証してもらいました。
テスト項目は以下の7つです。
テスト1:ブレの少なさ(8/10点)
両手で構えたときはもちろん、動いているものを追うときや、片手でサッと構えたときを想定してブレの大小を確認します。
テスト2:明るさ(10点満点)
双眼鏡を覗いたときの対象の明るさを確認します。
テスト3:クリアさ(10点満点)
見える像の解像感やキレがあるか、歪みや色のムラがないかを確認します。
テスト4:覗きやすさ(10点満点)
視界の広さや、見える像の大きさによる満足感を確認します。
テスト5:操作性(10点満点)
ピント調整や視度調整、目の幅に合わせやすいか、メガネの有無による見やすさを評価します。
テスト6:持ちやすさ(5点満点)
コンサートや観劇を想定して、両手または片手で覗きながら重さ・大きさを評価します。
テスト7:携帯性(5点)
ケースに入れたときのサイズ・重量を評価します。
以上の合計60点満点で検証します。
各双眼鏡の見え方は?
検証結果の発表の前に双眼鏡の倍率の確認や実際の像の見え方はどうなのかを写真で比較してみましょう。距離15mと30mでの見え方を確認します。
距離15m
カブキグラス
ニコン
ケンコー・トキナー
カブキグラスの倍率は4倍なので像はかなり小さく見えます。明るさはニコンと同等かそれ以上に感じます。どの双眼鏡もクリアで解像感は高く、周辺の歪みも少ないです。
距離35m
カブキグラス
ニコン
ケンコー・トキナー
35mにもなるとカブキグラスで見た対象物はとても小さくなりました。解像感はどの双眼鏡も15m時と変わらず良好な結果。コントラストはニコンがやや落ちている印象です。
それでは、以上を踏まえてさっそく評価へとまいりましょう!
双眼鏡のおすすめは?
演劇やオーケストラなどを見るならサンテプラス「カブキグラス」
- サンテプラスカブキグラス
- 実勢価格: ¥36,630〜
- ブレの少なさ
- 明るさ
- クリアさ
- 覗きやすさ
- 操作性
- 持ちやすさ
- 携帯性
顔にフィットするメガネタイプの双眼鏡。手に持たないハンズフリーの開放感と高いレンズ設計による明るくクリアな画質が魅力です。
4倍の倍率なので、アリーナやドームなどの大きい箱には向きませんがホールや劇場など小〜中くらいの箱に適しています。
- おすすめポイント
-
- ハンズフリーで両手が自由になる
- ピント調整が不要
- 手ブレがなく、ブレが最小限
- がっかりポイント
-
- 視線だけを動かすと周囲が暗く見える
- 重量
- 92g
- 倍率
- 4倍
- 対物レンズ有効径
- 13mm
- アイレリーフ
- 12mm
- 見掛け視界
- 50°/225m
- 焦点距離
- 7m~無限遠
- 防水機能
- なし
- 型番
- KG-L413BLK
テスト1:ブレの少なさ(8/10点)
手に持たないので手ブレはありません。双眼鏡の手ブレはとても不快で乗り物酔いをしたような状態になることも。それがないのはとてもいいです。
リズムを取ったときの振動や顔を動かすと多少のブレは起こりますが気になるほどではありません。
ブレの少なさはニコンやケンコー・トキナーより優れています!
テスト2:明るさ(7/10点)
十分な明るさなので明るい屋外ならまず問題はありません。舞台でもよほど照明が暗くならいない限り暗いと感じるシーンはありませんでした。
「小さいのに明るい!」という印象で、ニコンよりも明るくケンコー・トキナーの双眼鏡に近いイメージです。
テスト3:クリアさ(8/10点)
かなりクリアな見た目で解像感は高いです。倍率が4倍とそれほど高くないので、視野もそこそこ広く奥行き感や立体感があります。
テスト4:覗きやすさ(6/10点)
メガネタイプなので覗きやすさは悪くないです。ただ、眼幅調節や高さ調節が難しく、これらの調整がうまくできないとケラレで視界周辺が暗くなってしまいます。
また、視線を左右上下に動かすと同様にケラレます。視線はまっすぐで頭を動かすようにするとケラレにくいです。
慣れてくると双眼鏡がずれないので見やすくなります。
テスト5:操作性(9/10点)
操作する部分は眼幅の調節だけで操作は難しくはありません。ただし、調整幅は大きくないので眼幅が合わない人がいるかも。
操作とは言えませんが鼻あての幅も調節できます。ピント合わせの必要がないのは大きなメリットです。
また眼幅と鼻パッドを調整すれば、形状記憶で以後、設定をする手間がないのも嬉しいポイント。
テスト6:持ちやすさ(4/5点)
メガネタイプなので手が疲れることはありません。両手が自由に使えるのも高評価です。しかし、掛けやすさは人によって大きく変わるでしょう。
鼻や耳の形状が合わず、鼻すじが痛くなったり双眼鏡の重さで下にずれてしまったりする場面もありました。
テスト7:携帯性(5/5点)
ケースの大きさは一般的なメガネケースの1.5倍程度でとてもコンパクトです。バッグに入れて持ち歩いても苦になりません。
手に持たなくていいのはコンセプトとしていい! ブレもほとんど感じませんでした。画質に関しては明るく解像感も高いので表情を細部まで確認できます。ライブに持っていくにはちょうどいいサイズだと思います。ただ、使いはじめのセッティングが難しいと感じました。目線を鼻あてで合わせることや眼幅の調整が合いにくい。眼幅は調節範囲が狭く、私の眼幅には合わなかった点は残念でした。
世田谷パブリックシアターの3階A列で舞台を見てきました。4倍だとまだ遠いのかなと思っていましたが、役者一人分の全身が視界いっぱいに見える倍率でちょうどいいと感じました。気になったのはピント。舞台上の暗いところと明るいところではピントが合いづらく、思ったところにピントが合わないこともありました。また、長時間付けているとかなり目が疲れます。時々外して目を休める必要がありますね。劇場でレンタルがあれば積極的に使いたい双眼鏡です。
アイドルやロックコンサートならニコン「ACULON T02 8×21」
- ニコンACULON T02 8x21
- 実勢価格: ¥7,599〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥8,091〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥7,950〜
- ブレの少なさ
- 明るさ
- クリアさ
- 覗きやすさ
- 操作性
- 持ちやすさ
- 携帯性
カメラやレンズで有名なニコン製の双眼鏡です。
視界は良好でとてもクリア。倍率は8倍なので球場などの大きなホールには向ききませんが、手のひらサイズで軽量なので片手で持って推しを応援できます。
選べるカラーバリエーションは6色です。
- おすすめポイント
-
- ズボンのポケットにも入るコンパクトサイズ
- 明るくクリアな視界
- カラーバリエーションが豊富
- がっかりポイント
-
- 薄暗いシーンでは見にくいと感じる場面も
- 外装がややチープで安っぽい
- 幅
- 104mm
- 奥行
- 34mm
- 高さ
- 87mm
- 重量
- 195g
- ひとみ径
- 2.6mm
- 実視界
- 6.3°
- 見かけ視界
- 47.5°
- レンズコーティング
- ◯
- 倍率
- 8倍
- 対物レンズ有効径
- 21mm
- アイレリーフ
- 10.3mm
- 最短合焦距離
- 3m(調整をしていない正視眼の場合)
- 型番
- BAA860WA
テスト1:ブレの少なさ(7.3/10点)
それなりに手ブレはしますが不快というブレではありません。
テスト2:明るさ(6.3/10点)
好天の屋外などでは十分な明るさです。薄暗いシーンでは少し見えづらいかなと感じる場面もありました。
テスト3:クリアさ(7.3/10点)
同価格帯の双眼鏡ではかなりクリアな画質です。歪みも少なく見やすい視界です。
テスト4:覗きやすさ(7.3/10点)
8倍とそれほど倍率は高くないので視界は広く、像全体が見えやすいです。
テスト5:操作性(7.7/10点)
ピントダイヤルが回しやすく、見る対象物を変えても即座にピントを合わせられます。
テスト6:持ちやすさ(4.7/5点)
手に馴染むデザインでとても持ちやすいです。片手でラクラク持てるのも◎
テスト7:携帯性(5.0/5点)
コンパクトかつ軽量なのでテストした3製品の中では1番持ち運びがしやすかったです。
カラフルでかわいい双眼鏡。巾着袋が付属するのは移動に便利。片手で持ちやすく、会場のシートにおいても転がりにくい形状が◎。想像よりも大きな視界で満足できる明るさでした。ただ、薄暗いシーンではやや見にくいと感じる場面もあり。色のにじみも少しありました。
小型で軽量なので重さで手が疲れることもなく、手ブレも気になりませんでした。視界はこのクラスとしては明るさ解像感ともに十分です。ライブなどに熱中していると双眼鏡が邪魔になったりしますが、ポケットに入るサイズなのはいいですね。
とにかく軽くて持ち運びに最適! 明るさは観劇用途でも十分利用できます。ピント合わせは動きがあるとやや苦労します。
演者を高画質で見たいならケンコー・トキナー「ウルトラビューEX コンパクト 8×32」
- ケンコーウルトラビューEX コンパクト 8×32
- 実勢価格: ¥24,480〜
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- ブレの少なさ
- 明るさ
- クリアさ
- 覗きやすさ
- 操作性
- 持ちやすさ
- 携帯性
ケンコー・トキナー「ウルトラビューEX コンパクト 8×32」はコンパクトなサイズながら対物レンズの有効径が32mmと大きいのが特徴。
独自レンズ構成の高い解像力、フルスペックのプリズムシステム(誘電体多層膜、フルマルチコーディング、フェイズコート)で明るくクリアな視界が魅力です。
ボディは水深1m相当(10分間)の防水設計なので突然の雨などでも大丈夫。外装が抗菌仕様なのもうれしい。
- おすすめポイント
-
- 解像感が高くクッキリとした視界
- 急な悪天候でも安心な防水設計
- わずか2mの最短焦点距離
- がっかりポイント
-
- デザインがザ・双眼鏡といった古臭いイメージ
- 対物レンズキャップがややキツめで装着しにくい
- 幅
- 108.5mm
- 奥行
- 49.5mm
- 高さ
- 124mm
- 重量
- 375g
- ひとみ径
- 4mm
- 実視界
- 8.3°
- 見かけ視界
- 60.3°
- レンズコーティング
- ◯
- 倍率
- 8倍
- 対物レンズ有効径
- 32mm
- アイレリーフ
- 15.2mm
- 最短合焦距離
- 2m
- 防水機能
- ◯(IPX7)
- 型番
- ULTRA-VIEW EX COMPACT 8X32
テスト1:ブレの少なさ(7.7/10点)
手ブレはしますが、気になる感じではありません。不快なブレではないのでブレによる酔いはありませんでした。
テスト2:明るさ(8.0/10点)
薄暗いシーンでも肉眼で見ているのとほとんど変わらず違和感なく見えます。
テスト3:クリアさ(9.0/10点)
とてもクリアで解像感は高いです。立体感もあり劇場の雰囲気をありのまま伝えます。
テスト4:覗きやすさ(8.3/10点)
視界が広くとてもみやすいです。アイカップをねじることで長さの調節ができ、メガネを掛けた状態でも快適に見ることができます。
テスト5:操作性(8.0/10点)
眼幅調節や視度調節はしやすい。ピントを合わせるダイヤルは大きくスムーズに回転します。
テスト6:持ちやすさ(4.3/5点)
双眼鏡を持ったときのバランスがよく、重さをあまり感じません。
テスト7:携帯性(4.5/5点)
ニコンほど小さくはありませんが、結構コンパクトなので携帯性は良好です。
手ブレはほとんど感じませんでした。明るいシーンはパキッとした鋭角的な解像感で、暗部でもクリアな視界は◎。
視界が広く、このクラスで唯一ケラレがありませでした。明るさは十分で日中の屋外での使用に不満はありません。操作性もよく、何も考えず快適に操作できました。
カブキグラス、ニコンと比べて明るさやクリアさは相当違います。持ち運びに関しては劣りますが、より高画質を求めるユーザーはこれ一択です。
【まとめ】カブキグラスはハンズフリー、ブレはほぼない、ピントが自動で重宝します。
検証結果はいかがだったでしょうか。
カブキグラスのユニークなデザインは購入する人を選ぶと思いますが想像以上に使い勝手の良さが光る双眼鏡でした。
明るさや見やすさは合格点以上ですし、なんといってもハンズフリーはとても楽です。
観覧する自分が結構動くような場面にはあまり向きませんが、着席してみる演劇やクラシックコンサート、スポーツ観戦などには最適だと思います。
ナイターをカブキグラスで見ました。明るさ、クリアさは申し分なし! 特定の選手をロックオンして観戦するなどは快適な視界で良好な視界を得られました。ただ、球や走る選手を追いかけると視線が先に動いてしまい、視界のフチがぼやけてしまうこともありました。掛けっぱなしは鼻すじの目頭のあたりが痛くなってつらいので時々休憩が必要。ユニークな形状なだけに周りからの視線が気になりました。