Androidタブレットの現状は?
AndroidタブレットはiPadと異なり性能差が激しく、ゆえに価格差も大きいのが特徴です。ガッツリと仕事に使えるハイエンドモデルもあれば、HD動画の再生がやっとという機種もまだあります。
そんなAndroidタブレットの最新事情は、ひとつ抜きん出たスペックの高級機Galaxyと、それ以外のミドルとローの間に中国メーカーが相次ぎ参入しているという状況です。
国内ブランドはほぼNECのみ
国内のAndroidタブレット市場は、ハイスペックよりミドルクラスが主戦場となっています。
高性能かつ高価格なGalaxyTabとレノボの一部機種以外は、ミドルクラス以下が中心。そして一般ユーザー向けに製品を展開している国内ブランドは、レノボと同一グループのNECのみというのが現状です。
ハイエンド:平均10万円台
▼サムスン「Galaxy Tab S8+」
サムスン
Galaxy Tab S8+
実勢価格:12万2300円
▼NEC「LAVIE Tab T12 T1295」
NEC
LAVIE Tab T12 T1295
実勢価格:11万5280円~
▼レノボ「Lenovo Yoga Tab 13」
レノボ
Lenovo Yoga Tab 13
実勢価格:6万7200円
ミドルクラス:平均5~6万円台
▼NEC「LAVIE T11 T1195」
NEC
LAVIE T11 T1195
実勢価格:6万1380円
▼シャオミ「Xiaomi Pad 5」
シャオミ
Xiaomi Pad 5
実勢価格:5万9800円
▼NEC「LAVIE Tab T10 T1075」
NEC
LAVIE Tab T10 T1075
実勢価格:5万3680円
エントリークラス:4万円以下
▼NEC「LAVIE T11 T1175」
NEC
LAVIE T11 T1175
実勢価格:4万4880円(検証時は3万9380円)
▼NEC「LAVIE T7 T0755」
NEC
LAVIE T7 T0755
実勢価格:2万2880円
▼VANTOP「VANKYO Matrixpad S10T」
VANTOP
VANKYO Matrixpad S10T
実勢価格:1万8480円
ミドルクラスに登場した3万円台タブレットの実力は?
一番の売れ筋は、やはり真ん中あたりの性能を備えるミドルクラスですが、実は物価高の影響を受けて以前よりも価格が上がってしまいました。
そんな中、今回紹介するシャオミの「Redmi Pad」とオウガ・ジャパンの「OPPO Pad Air」は3万円台で買いやすい最新Andoroidタブレットです。
気軽な日常づかい用としてどちらがおすすめなのか、画質や音質や性能を比較検証しました。
シャオミ「Redmi Pad」
シャオミ
Redmi Pad
実勢価格:3万9800円
サイズ:W250.38×D157.98×H7.05mm・445g
ディスプレイ:10.61インチ(2000×1200px)
ストレージ:64GB
メモリ:3GB
発売:2022年10月
▼テスト結果
総合点:3.1/5点
総合評価 | ベンチマーク | バッテリー容量 | ストレージ容量 | メモリ容量 | 画質 | 音質 | コストパフォーマンス |
B | 合格 | 良好 | 合格 | 微妙 | 合格 | 合格 | 良好 |
▼特徴
- メリット:長時間の動画視聴が可能
- デメリット:画面の視野角が若干狭い
オウガ・ジャパン「OPPO Pad Air」
オウガ・ジャパン
OPPO Pad Air
実勢価格:3万7800円
サイズ:W154.8×D245.1×H6.9mm・440g
ディスプレイ:10.3インチ(2000×1200px)
ストレージ:64GB
メモリ:4GB
発売:2022年9月
▼テスト結果
総合点:3.0/5点
総合評価 | ベンチマーク | バッテリー容量 | ストレージ容量 | メモリ容量 | 画質 | 音質 | コストパフォーマンス |
B | 微妙 | 合格 | 合格 | 合格 | 合格 | 合格 | 良好 |
▼特徴
- メリット:本体がひと回り薄くて軽い
- デメリット:発色の鮮やかさが足りない
シャオミとオウガ・ジャパンのタブレットの比較検証
1:画質テスト
もしや同じパネルを使ってる? 似た系統の発色でもわずかに差あり
両機種とも画面はIPS液晶で、フルHDより少し大きい2000×1200pxの解像度。見比べると発色の違いはありますが、その差は小さく、発色も似ていました。
画質比較は各機種の標準設定で行っているので、微妙な差がメーカーごとの違いに表れているようです。とはいえ一般的な動画視聴であれば、どちらのモデルでも体験に差はないです。
▼シャオミ「Redmi Pad」
画面の明るさは十分ですが、黒が少し浮いています。標準設定では発色も鮮やかとまではいきません
▼オウガ・ジャパン「OPPO Pad Air」
シャオミ「Redmi Pad」よりも少し明るさ重視の画質ですが、発色の鮮やかさや黒の締まりは物足りません。
2:音質テスト
価格なりと言えるまあまあの音
両機種ともドルビーアトモス対応のスピーカーを搭載しています。YouTube動画の視聴では、躍動感や音の広がりは一定のレベルをクリア。
しかしオウガ・ジャパン「OPPO Pad Air」の方は歌声の解像度が甘く、少しこもり気味に感じられました。音色はシャオミ「Redmi Pad」のほうが若干優秀です。
スピーカーは左右4カ所
スピーカーは両機種とも、本体を横持ちしたときに手が触れる部分にあります。両手持ちなどの際に手で塞ぐと音が変わってしまうので、スタンドなどを利用するといいでしょう。
設定メニューから視聴環境に合わせたチューニングが可能です。サウンド設定も簡単に変更できます。
3:性能テスト
基本スペックはともに低めです
性能面の比較では、どちらも基本スペックは低め。ベンチマークソフトを使ってCPUとGPU(グラフィック)性能をチェックすると、CPUのスコア差はあまりないものの、GPUには大きな差がありました。
ベンチマークテスト
Geekbench 5を使用してCPU、GPUのスコアを計測。GPU性能のスコア差は2倍以上あります。
参考スコア
Galaxy Tab S8+/CPU Single:1121・Multi:3095/GPU:6541
バッテリー持続時間
最大輝度でYouTube動画を再生してバッテリーの持続時間を実測。容量が違う分、シャオミ「Redmi Pad」のほうが長く再生できました。また両機種とも、バッテリー持続時間はメーカー公称値を下回りました。
ここは惜しい:スクロール時の描画が少し弱い
検証していて惜しかったのはオウガ・ジャパン「OPPO Pad Air」では、すばやくスクロールすると少し描画がブレるような感じがあったところ。なめらかさがもう一歩でした。
【まとめ】どちらも動画視聴目的なら十分アリ!
以上、シャオミ「Redmi Pad」とオウガ・ジャパン「OPPO Pad Air」の比較検証レビューでした。
正直、ハイエンドモデルには画質も音質も到底敵いませんが、動画を見るだけなら価格相応といえます。性能差はほぼないので、安くなったほうを狙うのがおすすめ。気軽な日常使いに最適です。
ただし防水ケースに入れて風呂での動画視聴用にするといった使い方をする場合、万一水没などのアクシデントが起きても受ける心理ダメージが少なくすみそうです。
▼使用目的別オススメ度
動画視聴 | 音楽聴取 | Web閲覧 | ゲーム |
3/5点(合格) | 3/5点(合格) | 4/5点(良好) | 1/5点(微妙) |
シャオミ「Redmi Pad」には上位モデルもあります
シャオミ
Xiaomi Pad 5
実勢価格:5万9800円
『家電批評』2023年1月号でハイコスパAndroidタブレットとしてベストバイに輝いたシャオミ「Xiaomi Pad 5」は、今回検証したシャオミ「Redmi Pad」の上位機に相当します。
『家電批評』2022年8月で取り上げたときの改定前の価格は4万円台前半でした。約4万円のシャオミ「 Redmi Pad」には低価格タブレット市場での存在感を維持する狙いがありそうです。
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「OPPO Pad Air」は音質を重視する使い方には向きません。