スパイスカレーが簡単に作れるテクニックって?
スパイスを使った本格的なカレーって美味しいけど、作るのは難しそうだと思っていませんか? でも、実は難しい技術は不要。炒めて煮るだけで作れちゃうんです。
そこで、『MONOQLO』ムックの「スパイスカレーの便利帖」から、素材に合わせたスパイスの黄金比や人気店のプロ直伝のレシピなど、自宅で簡単に作れるスパイスカレーのテクニックを教えます。
スパイスで作る、おうちカレー黄金比
カレー粉じゃ物足りないという人は、スパイスを単品で買い、自分でミックスする本格的なカレー作りに挑戦してみましょう。
ここではスパイス中級編として、基本となるチキンカレーを軸に、ビーフ、ポーク、ラムといったちょっとクセのある肉など、さまざまな食材ぴったりのスパイスの調合を伝授します。
今回は、3つの定番スパイスを使って作る「ベジタブルカレー」です。
ベジタブルカレーの基本と応用
インドには大勢のベジタリアンが存在します。日本や西洋のそれと決定的に違うのは、一部のストイックな宗派を除いて、 ほとんどは家代々の伝統であり、生家がたまたまそうだから。
ただ、最近は海外からの情報により、ベジタリアンをアイデンティティとして意識する人が増えているのも事実です。
それでは、野菜カレーの基本スパイスと黄金の比率を紹介します。
ベジタブルカレーのスパイスの黄金比
- ターメリック……小さじ1
- クミンシード……小さじ1/2
- コリアンダー……小さじ1/2
スパイスのそれぞれの役割は?
ターメリック:基本は外せない
ベジタブルカレーでは、ターメリックの比率がチキンカレーやビーフカレーよりもやや高いのが特徴です。これが野菜の旨みと甘さを引き立てるポイントに。色も黄色く鮮やかになります。
クミンシード:野菜に個性をプラス
今回はパウダーで使っていたクミンシードをホールにチェンジ。あっさり味の野菜カレーに、しっかりとした太い柱を立てます。
コリアンダー:華やかさはこれ
コリアンダーも基本のスパイス。野菜だけじゃ物足りないときも、コリアンダーの華やかさが十分な満足感を与えてくれます。
レッドペッパーはお好みで
辛さ控えめに「小さじ1/5」から試してみてください。
ベジタブルカレーは、インドでは毎日食べるおかず、もしくは副菜としてメインのカレーに添えられるような位置付けです。
肉より多様な野菜のバリエーション
よく食べられる肉の種類が、チキン、ラム、ビーフ、ポークの4種類であることに対して、野菜は種類が豊富。それだけカレーの種類もたくさんあります。
トマトはカレーのベース。長ねぎやオクラ、なす、きのこ類、うり類などは、ぶつ切りにしてたっぷり入れるとおいしいです。
インドで人気の食材No.1は「豆」
インドではタンパク源として全員が豆をよく食べていて、ベジタリアンはほぼ毎回食べています。つまり飽きがこないんです。インドの豆料理はどれも味が濃厚なのも特徴的。ヘルシーなのでダイエットにもぴったりです。
また、日本に輸入されているインド料理に使う豆は約20種類。手軽な価格も魅力です。
金時豆のカレーの作り方
それでは、基本のスパイスをふまえて、インドで大人気の「金時豆のカレー」のレシピを紹介します。
<材料>※3〜4人分
- 金時豆(水煮缶)……240g
- たまねぎ……中1個
- トマトの水煮缶……200g
- にんにく……2片
- しょうが……1片
- サラダ油……大さじ2
- 塩小さじ……1/2
- ※金時豆(水煮缶)の塩分量に応じて調整してください
- バター……大さじ1
- 水……400ml
- フレッシュコリアンダー……適宜
- 先に紹介した、ベジタブルカレーの基本スパイス
<作り方>
STEP1:クミンシードを火にかける
フライパンにサラダ油とクミンシードを入れ、弱火で加熱します。
STEP2:たまねぎを炒める
クミンシードから小さな泡が出てきたら中火にし、粗みじん切りしたたまねぎを炒めます。
STEP3:にんにく、しょうが、トマトを入れる
たまねぎがきつね色になったらすりおろしたにんにく、しょうが、トマトを加えて炒めてください。
STEP4:パウダースパイスと塩を入れる
残りのスパイスと塩を入れ、さらに炒めます。
STEP5:水を加える
水を2回に分けてゆっくりと加え、フタをして弱~中火で20分ほど煮ます。
STEP6:金時豆を加える
水気を切った金時豆を加え、ヘラやマッシャーなどで軽くつぶしながら混ぜましょう。
STEP7:バターを加える
バターを加え、塩で味を調えて完成です。
豆をつぶしてとろみをつけているのでパンにのせてもおいしいですよ!
水煮の缶詰を使うからすぐできる
金時豆は海外ではレッドキドニービーンズと呼ばれ、サラダなどによく使われる食材。最近はスーパーでも多く取り扱われています。豆は茹でるのに時間がかかりますが、缶詰ならそのまま入れるだけと簡単です。
おわりに
以上、金時豆のスパイスカレーの作り方でした。
今回作ったのは最もポピュラーな野菜カレーのひとつで、主に北インドで愛されている豆のカレーです。
カレーに詳しい人は「ダールマッカニー」という名前を聞いたことがあるかもしれません。本来は「ブラックウーラッド」という豆もミックスして作りますが、日本では手に入りにくいので、レッドキドニービーンズだけで仕上げてみました。
ベジタリアンもそうでない人も、インドでは豆をよく食べますが、その中で特にごちそうなのがこのレシピ。スーパーリッチなダルカレー(豆のカレー)といえます。何がリッチなのかというと、バターをたっぷり使っているところ。インド人はバターやギーが大好きなので、このレシピの3倍くらい入れちゃいます。
つまり、それだけ増やしてみてもよいのですが、ちょっと胃もたれしそうなので、コレくらいで。ごはんはもちろん、バターロールや食パンなども相性がいいです。
ぜひ、試してみてくださいね。
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クミンシードのプチプチ感が、クセになります!