スパイスカレーが簡単に作れるテクニックって？
スパイスを使った本格的なカレーって美味しいけど、作るのは難しそうだと思っていませんか？ でも、実は難しい技術は不要。炒めて煮るだけで作れちゃうんです。
そこで、『MONOQLO』ムックの「スパイスカレーの便利帖」から、素材に合わせたスパイスの黄金比や人気店のプロ直伝のレシピなど、自宅で簡単に作れるスパイスカレーのテクニックを教えます。
スパイスで作る、おうちカレー黄金比
カレー粉じゃ物足りないという人は、スパイスを単品で買い、自分でミックスする本格的なカレー作りに挑戦してみましょう。
ここではスパイス中級編として、基本となるチキンカレーを軸に、ビーフ、ポーク、ラムといったちょっとクセのある肉にぴったりのスパイスの調合を伝授します。
今回ピックアップするのは、スパイスカレーの定番「チキンカレー」です。
チキンカレーの基本と応用
日本では鶏肉は安価で、いつでも手に入ることもあり、チキンカレーが大人気。料理がしやすくて、扱いがラクなのもいいですよね。本場のインドでは、レストランではもちろん、ノンベジ（＝肉を食べる人々）の家庭でも愛されています。
チキンカレーのスパイスの黄金比
- ターメリック……小さじ1
- クミン……小さじ1
- コリアンダー……小さじ1.5
今回ご紹介した配合は、家庭で簡単にスパイスをミックスしたカレーが楽しめるように、鶏肉の上品な旨みに対して、最低限の配合でできるように考えたものです。
スパイスの種類も少なく、手に入りやすいものばかりなので、初心者さんはまずコレからトライしてみてください。
チキンは味にクセがないので、そこまでたくさんのスパイスに依存しなくても大丈夫。深みを出したいときは、スパイスを足してみてもいいでしょう。
スパイスそれぞれの役割は？
ターメリック：カレーの色の由来
日本においてカレーとは何か、と考えたときに絶対外すことのできないスパイス。臭みをとる、雑菌の繁殖を防いで腐敗を防ぐ、色をつける、甘みをつけるなどさまざまな目的で使用します。
クミン：旨みの底を支える
カレーの3大要素のひとつ。バランスのよい深みと旨み、香りを醸し出すスパイス。色が茶色いので、配分を増やすと色の濃いカレーに仕上がります。素材によってはローストすることも。
コリアンダー：ふわっとした華やかさ
フレッシュコリアンダーの種子。甘みやふわっとした華やかな香りが特徴。肉の臭みを消す目的でも使います。よく煮るととろみがつき、ごはんとカレーが絡みやすくなります。
レッドペッパーはお好みで
レッドペッパーを入れるなら「小さじ1/4〜」。クセが少ないので少なめでOKです。
途中で加えて加熱すると全体に混ざってまろやかな辛さに、最後にかけると舌先に残るピリッとした辛さになります。
フレッシュハーブを最後にプラスするのがおすすめ
フレッシュコリアンダー（パクチー）のほか、しょうがやグリーンチリ（青唐辛子）もハーブの一種。仕上げにのせることで、鮮烈な風味を加えてくれます。
彩りも華やかになるので、お好みでいろいろ加えてみてください。細かく切って散らす、細く切って添えるなど、のせ方も腕の見せどころです。
プロ直伝！塩分は「雪塩」で調整する
雪塩
実勢価格：540円
塩は商品によって結晶の大きさが違うので、完全に溶けて混ざるように入れるタイミングが重要。粒子の細かい「雪塩」は、仕上げの塩分調整に最適です。
ココナッツチキンカレーの作り方
それでは、基本のスパイスをふまえて、人気のバターチキンカレーはおいしいけど、ちょっと重いなという人にもおすすめの「ココナッツチキンカレー」のレシピを紹介します。
＜材料＞※3〜4人分
- 鶏もも肉……400g
- たまねぎ……大1個
- ヨーグルト……70g
- レモン果汁……大さじ1
- にんにく……2片
- しょうが……1片
- トマトの水煮缶……200g
- ココナッツミルク……200ml
- サラダ油……大さじ2
- 塩……小さじ1〜1.5
- 水……200ml
- フレッシュコリアンダー適宜
- チキンの基本スパイス
＜作り方＞
STEP1：鶏もも肉をマリネする
鶏肉は皮を取って食べやすい大きさに切り、ヨーグルト、レモン果汁、ターメリックひとふり（分量含む）を加えてよく混ぜ、冷蔵庫で30分ほどおきます。
STEP2：たまねぎを炒める
フライパンに油を入れて熱し、粗みじん切りにしたたまねぎを入れてきつね色になるまで炒めます。焦げそうな場合は、フタをして弱火で蒸すか、少し水を加えるのがおすすめです。
STEP3：しょうがとにんにくを加える
しょうがとにんにくを、すりおろしながら加えてさっと混ぜます。おろしにんにくとしょうがは各小さじ2でもOKです。
STEP4：トマトを加える
トマトの水煮缶を加え、水気がなくなるまでしっかり炒めます。トマトの水煮缶はダイスカットを使いましょう。
STEP5：スパイスと「1」を加える
スパイスと塩を加え、全体をよく混ぜたら「STEP1」の鶏肉を加えます。
STEP6：水を加える
鶏肉の色が白くなったら水を加えてよく混ぜ、フタをして鶏肉にしっかり火が通るまで弱〜中火で15分ほど煮てください。焦がさないようにときどきヘラで混ぜましょう。
STEP7：ココナッツミルクを加える
ココナッツミルクを加えて混ぜ、フタをして表面に油が浮いてくるまで煮ます。最後に塩で味を整えればOK。器に盛り、お好みでざく切りにしたフレッシュコリアンダーを散らして完成です。
ごはんと一緒に盛り付けたら粗く切ったフレッシュコリアンダーを散らすとキレイ！
仕上げのひと手間：ココナッツミルクならヘルシーなのにまろやか
仕上げに加える水分は、ただの水でも普通においしく仕上がります。でも、ちょっと差をつけたいときは、ココナッツミルクが最適。バターを加えるよりもカロリーを抑えながら、コクを加えて甘みを引き出すことができます。色が白いもののほうが仕上がりもキレイです。
おわりに
以上、ココナッツチキンカレーの作り方でした。
今回作ったカレーは、あっさりしたチキンを使いつつも、少しコクのある味わいを目指しました。じつはコレ、インドのノンベジの間ではあまりにもポピュラーなレシピです。
全インドで食べられていると思いますが、あえて言えばバターチキンが北部で、ココナッツチキンは南部が本場。ココナッツミルクの量は、例えば当レシピの約半分から約倍までと、好みによってさまざまです。
日本では現在バターチキンが人気を呼んでいますが、カロリーが気になるとか、濃厚すぎると感じるときにはこれがオススメ。ココナッツミルクはヘルシーで、分量もアバウトでOK。多少増減しても、おいしく仕上がります。
また、今回はたまねぎを飴色になるまで炒めてみましたが、ココナッツミルクが甘さやコクを補ってくれるので、ここまで炒めなくても大丈夫。時短したいときは、半透明からきつね色になる途中くらいまで炒めれば十分です。
ぜひ、試してみてくださいね。
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ぜひ挑戦してもらいたいカレーです！