スパイスカレーが簡単に作れるテクニックって?
スパイスを使った本格的なカレーって美味しいけど、作るのは難しそうだと思っていませんか? でも、実は難しい技術は不要。炒めて煮るだけで作れちゃうんです。
そこで、『MONOQLO』ムックの「スパイスカレーの便利帖」から、素材に合わせたスパイスの黄金比や人気店のプロ直伝のレシピなど、自宅で簡単に作れるスパイスカレーのテクニックを教えます。
スパイスで作る、おうちカレー黄金比
カレー粉じゃ物足りないという人は、スパイスを単品で買い、自分でミックスする本格的なカレー作りに挑戦してみましょう。
ここではスパイス中級編として、基本となるチキンカレーを軸に、ビーフ、ポーク、ラムといったちょっとクセのある肉など、さまざまな食材ぴったりのスパイスの調合を伝授します。
今回ピックアップするのは、肉だと重たいなという気分のときにぴったりな「シーフードカレー」です。
シーフードカレーの基本と応用
インドの東部から南部にかけて、またスリランカなど漁業がさかんな沿岸地域では、サバやアジに似た魚、マグロやマナガツオなど、日本でもおなじみの魚がいっぱいで、シーフード料理が豊富にあります。
シーフードカレーは、肉だと重たいな……でも、しっかりたんぱく質を摂りたいな、という気分のときにぴったり。肉と野菜の中間をつなぐような存在といえます。
シーフードカレーの基本スパイスと黄金比
- カレーリーフ……小さじ1
- フェヌグリークシード……小さじ1
- フェンネルシード……小さじ1
- マスタードシード……小さじ1
- コリアンダー……小さじ1.5
- ターメリック……小さじ1
スパイスそれぞれの役割は?
ターメリック:やや少なめの配合でOK
シーフードカレーの場合は、ターメリックは少なくても大丈夫です。抗菌作用があるギリギリの量を狙いましょう。理想をいえば、もっと減らしてもいいくらいです。
コリアンダー:個性的なスパイスをまとめる
爽やかな香りのコリアンダーは、肉のカレーと同じくらいの分量で。コリアンダーが入ることでほどよいとろみがつき、個性的なスパイスをひとつにまとめてくれます。
フェンネルシード:さわやかな風味を醸し出す
クミンを使わず、代わりにフェンネルシードを使います。魚介類独特の生臭いにおいを消して、爽やかさを出してくれるスパイス。魚やエビの魅力を引き出します。
マスタードシード:プチプチとした食感が魅力的
油と一緒に加熱すると、パチパチと弾ける特性を持ちます。プチプチとした食感と香ばしさが楽しく、ついもう一口食べたくなってしまう魅惑のスパイスです。
フェヌグリークシード:魚介の臭いを緩和させる
油で加熱すると、キャラメルのような甘い香りがするスパイス。インドでは「メティ」と呼ばれています。甘みを加えながら、魚介特有の臭みを吸収する効果があります。
カレーリーフ:彩りにもなるハーブ系スパイス
加熱すると、柑橘系の爽やかでフレッシュな香りに。生の場合は、テンパリングして仕上げに注ぎ入れるのがおすすめですが、乾燥タイプならスターターにします。
レッドペッパーはお好みで
シーフード料理は通常辛くするものですが、ここではまず「小さじ1/4」ほどを入れ、好みで調節するのがいいでしょう。レシピによっては、グリーンチリで辛さを足すこともあります。
いろいろな魚介をカレーにしてみよう
インドでは、おもにエビと魚をよく使っていますが、日本には魚介が豊富にあるので、いろいろトライすると楽しみが広がります。肉や野菜のカレーに比べて調理時間が短いのも魅力です。
プロ直伝のスパイスの使い方
シーフード料理のスターターには通常マスタードシードを使うことが多いです。ほのかな辛みがシーフードとよく合うのと、防腐作用の期待ができるのが特徴です。
日本で入手できるマスタードは3種類あり、辛みの強さはブラック、ブラウン、イエローの順ですが、お好みで加えてみてください。
今回はホールの3スパイス、「フェヌグリーク」「マスタードシード」「フェンネル」をスターターとして使用します。いちばんはじめに油とともにフライパンに入れ、じっくり加熱して香りを移すのがポイントです。
シーフードミックスのカレーの作り方
日本のスーパーで手軽に買えるシーフードミックス。面倒な魚介の下処理もしなくてすむし、安くていつでも買える……こんな便利な食材を見逃す手はありません。
ということで、基本のスパイスをふまえて、30分で手軽に作れる「シーフードミックスのカレー」のレシピを紹介します。
<材料>※3〜4人分
- 冷凍シーフードミックス……350g
- たまねぎ……中1個
- にんにく……2片
- しょうが……1片
- トマトの水煮缶……200g
- サラダ油……大さじ2
- 塩……小さじ1/2~
- ※シーフードミックスの塩分に応じて調整してください
- ココナッツミルク……200ml
- シーフードミックスの茹で汁……400ml
- フレッシュコリアンダー……適宜
- 先に紹介したシーフードカレーの基本スパイス
<作り方>
STEP1:ホールスパイスを火にかける
フライパンにサラダ油とマスタードシードを入れて弱火で加熱し、パチパチと弾けてきたらフェヌグリークシード、フェンネルシードを入れ、30秒ほどしたらカレーリーフを入れます。
STEP2:たまねぎを炒める
中火にし、粗みじん切りしたたまねぎを炒めます。
STEP3:にんにく、しょうが、トマトを入れる
たまねぎがうっすらと色づいたら、すりおろしたにんにく、しょうが、トマトを加えて炒めます。
STEP4:スパイスと塩を入れる
残りのパウダースパイスと塩を入れ、さらに炒めましょう。
STEP5:シーフードミックスの茹で汁を入れる
シーフードミックスの茹で汁を2回に分けてゆっくりと加え、フタをして弱〜中火で20分ほど煮ます。焦がさないようにときどき混ぜましょう。
STEP6:ココナッツミルクを入れる
表面に油が浮いてきたら塩で味を調え、ココナッツミルクを加えてよく混ぜます。
STEP7:シーフードミックスを加える
シーフードミックスを入れ、5分ほど煮たら完成です。シーフードミックスが縮まないようにさっと煮ればOKです。
魚介のカレーにもフレッシュコリアンダーはテッパン! 細かく切って仕上げに散らそう!
プロのポイント:元のシーフードミックスの性質で塩分量を加減する
シーフードミックスは水600ml(分量外)で、あらかじめ8分茹でておきましょう。メーカーによって含まれる塩分量が違うので、味見をしながら加える塩の量を決めていきます。
茹で汁はあとでカレーに使うので、とっておいてください。
おわりに
以上、シーフードカレーの基本スパイスと黄金比の紹介と、それを活用したシーフードミックスを使ったスパイスカレーの作り方でした。
シーフードミックスは、なぜかアミノ酸や塩などを添加している場合がほとんどです。先に下茹でをして、取れたスープを味見してから、塩分を調整するようにしましょう。慣れてくると好みのメーカーが見えてくるのも面白いところです。
シーフードカレーをよく食べるのは、東部のベンガル沿岸地域から南部一帯にかけて。カレーの場合はココナッツミルクを合わせるのが定番です。
このキレイな黄色を出すには、たまねぎを炒めすぎないこと。そのぶんココナッツミルクで甘みやコクを補うことにもなるので心配はいりません。シーフードとココナッツミルクはベストコンビです。
ぜひ、試してみてくださいね。
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生のカレーリーフは仕上げに使いますが、ドライは最初に入れてOK。