「謎」アマゾンって?
「謎」アマゾンとは、Amazonで売っている「なんやコレ?」な謎製品に雑誌『家電批評』が独断と偏見でつけた名前です。本連載では、そんな製品たちをイジって……あ、ガチレビューします!!
今月の「謎」アマゾン:ジャパンスマイル「冷暖タイプスリムタワーファン」
ジャパンスマイル
冷暖タイプスリムタワーファン 温冷風扇
xr-d046jr-uv-sv
実勢価格:1万4980円
サイズ・重量:W21×D21cm×H82cm・約4.5kg
風量調節:8段階(冷)3段階(暖)
コードの長さ:約1.3m
Amazonのレビューは?
レビュー総数は、アマゾンを見た時点で4件/星評価は2.7。
そして、以下のようなレビューが見られました。
- 風力に文句がないが、静音で書いている割に、ガタガタと大きな音が出て、 かなりうるさい。
このシルエット、どこかで見た気がする
Amazonを見ていると、ときどき「えっ、これダイソンの製品じゃね?」ってなること、ありますよね。
ダイソンに限らず、他の大手メーカーの製品に、限りなく見た目が似ているモノってけっこう多いです
往々にしてその手の製品は中国製の激安家電かつ、50%以上の確率で「令和●年最新版」とついており(本連載ライター調べ)、令和最新版のたしなみとでも言わんばかりに、激長な商品名がついています。
まぁ、商品名の長さはさておき、ヒット商品のそっくりさんを作りたくなる気持ちは、わからんでもないわけです。まったく見知らぬ製品よりも、形だけでも有名品に似せれば「これ、買ってみようかな」という気分にさせられますから。
かくいう僕もエッチ本出版社の編集だった頃、レトロゲームのムック本が売れているということに便乗して、パクった本を数冊作りましたし。
制作会議の際にドヤ顔で類似誌の売り上げを出して、会長とかの前で「最低でも赤(字)になることはないです!」と大見栄を切ったのが懐かしいですね!
ただ3冊目で大赤字を叩き出し、二度とその手の本を作れなくなりましたが。
本家のテストに便乗してみたよ(『家電批評』読んでね!)
今回扱うジャパンスマイルの扇風機ですが、冷暖兼用で何とお値段1万4980円!
パクリ......あ、オマージュ? インスパイア? 元と思われるダイソンの、半分どころか3分の1の価格です。モデルによってはそれ以下の超低価格。
見た目はダイソンをひと周り小さくした感じで、一丁前に本体部分に表示がついていたりと、ソックリ。フィルターの取り外しも可能です。
ただ、いくら似てるとはいっても、肝心なのは性能。安いのである程度の粗は仕方ないとしても、実力はいかほどなんでしょうか? 最低限、夏の暑さをしのぐ程度ことはできるんでしょうか?
ということで『家電批評』の扇風機特集のテストに便乗して風量から騒音、使い勝手にいたるまで、あれやこれやテストしてみました。
したがいまして、そちらの特集を読んでから今回の記事は読むように。基準なんかを知ってた方がわかりやすいと思いますし、いちいちここで説明するスペースないんで、すまん。
これはアレだ、涼しさはアレですよ……
ということで、まずは風ムラの少なさや風量などの評価は以下です。
- 風ムラの少なさ......7/10
- 最大風速......4/10
- 風量......2/10
- 風当たり......6/10
- 涼感......2/5
ムラは少ないけれど、そもそも風量や風速が物足りないので、あんまり涼しくない。
参考までに風速1位の製品と、比べるとこんな感じです。
<最大風速>
- アイリスオーヤマサーキュレーター扇風機KSF-DCV181T......6.4(m/s)
- ジャパンスマイル冷暖タイプスリムタワーファン......3.3(m/s)
体感テストでも、一番多かったのが「自然の風っぽい」という感想。まぁ、要はそよ風みたいで涼しさが物足りないってことです。せっかくの扇風機なんだから、自然界では味わえないハイパワーで涼みたいところですが(僕だけ?)これは残念......。
また、静音性や消費電力の評価はこんな感じです。
- 静音性......2/10
- 消費電力......2/10
騒音値は本体前/60.6db、横/62.1db(暗騒音......前/41.4db横/44.9db)と割とうるさめ。掃除機的なブォーっという音がするので、数値以上に音が大きく感じます。風量が弱いのになぜ?
消費電力は1時間あたり0.0221kWh。これを元に計算すると1時間あたりの電気代は0.60円、1年では5224円と、燃費はイマイチ。あの程度の涼しさなら、もっと安くてもいんじゃないですかね。
リモコンは超絶オサレ(笑)で使いづらい
涼しさがイマイチなのは分かった。でも楽に使えるならそれはそれでありでしょ!ということで、使い勝手もチェック......したんですけど、ごめんなさい。普通に使いづらいです。
左右の首振り幅が80度と狭いとか色々あるんですけど、1番の難点はリモコン。何がやばいって、記号ばっかで、どこを押したら何が起きるのかが全く不明。ちょっと前に流行った(で、すぐ消えた)「クール」で「洗練」された「インテリア性の高い」デザインってやつでしょうか!? デザインした人のセンスにほれぼれしちゃいますね(棒)。
実家の父親とか、使い方絶対に覚えてくれなさそう。
あと反応が悪く、本体下部のおそらく受信機がある位置にリモコンを合わせる必要ありです。そういう手間が嫌だから、リモコン使うんじゃないんですかね......。表示が地味に見づらいのも、イマイチポイントです。
あと、本体ボタンでも操作できますが、電源・首振り・風量調整しかできず、モード調整などは不可と詰めが甘いのも気になりました。
サブ機としてなら使えるかも(苦し紛れ)......
ということで、まぁ扇風機としてはイマイチという結果に。
ただ値段は安く、羽なしで安全性は高いのでサブ機として子ども部屋に置くとか、そういう使い方ならアリかもしれません。実家で昔飼っていたカニンヘンダックスのドイルくんみたいに、毛が巻き込まれる事故も起きずにすみそう。
苦し紛れのフォローに思われるかもしれませんが、なぜこんなことを書いているかと言いますと、本連載を見た知り合い(not友人)から「君の文章はさぁ、製品に対するリスペクトがないよねぇ」と、したり顔で言われたからです。
元のダイソンも扇風機として見た場合に優秀かと聞かれると、けっしてそうではないんで。ただ、表示が見やすいとか、優れている点も多いですが。あ、組み立ては楽。箱から出すだけで超手間要らず!
えーとあとは......うん、すみませんやっぱりフォロー無理でした。
まとめ:というか扇風機って、謎でも何でもないよね
そもそも、今回は扇風機という時点で連載名らしからぬ王道な製品でしたので、イマイチツッコミどころがなく......じゃなくて、わかりやすい特徴というか個性がなくて、個人的にはテンションが上がらない感じでした。
ということで、次回は連載名に恥じない「謎」製品(高級水鉄砲とか)を扱おうかなと思います。まぁ『家電批評』はお金ないんで、「高すぎるんでやめてください」とか言われるかもしれないけど。
今月は以上です。では、また次回!