『ニッポンのラジオきき』とは
日本全国に数多あるラジオ番組ですが、AM、FMだけでなく各局、さらには時間帯や番組でその色はさまざま!
家電批評の人気連載『ニッポンのラジオきき』では人気の番組やパーソナリティはもちろんのこと、地元の人がひっそりと楽しんでいる「実はとっても魅力的」な番組とパーソナリティにスポットを当てています。
インタビュアーはラジオ「聴き」の専門家・ラジオレコメンダーのやきそばかおるさんです。
今回のパーソナリティは?
静岡放送、SBSラジオで今春スタートしたワイド番組『日曜ヒマするあなたに送る ヌンヌンヌーン!』(日曜お昼12時〜14時)。今回は同番組でアルコ&ピース酒井健太とともに活躍する、滝澤悠希アナウンサーと近江由佳アナウンサーにインタビューを敢行!
滝澤アナは岩手めんこいテレビでニュースキャスターを務めたあと、SBSに入社。話し方からして真面目だが、少し変わった部分が顔をのぞかせることがある。
近江アナはNHK松山放送局を経てSBSに入社。よく笑い、プライベートのこともなんでも話す。
年齢も雰囲気も全く異なる3人。両アナウンサー及びリスナーに対する酒井の絶妙なイジリと、リスナーからの秀逸なメールが番組を面白くしている。今回は番組の魅力を中心に滝澤アナ、近江アナにお話をうかがった。
酒井さんにイジられることで輝く
やきそば:『ヌンヌンヌーン』は前身番組『まだ帰りたくない大人たちへ チョコレートナナナナイト!』(チョコナナ ※1)のあとに始まりましたが『チョコナナ』は意識しましたか?
近江アナ:ディレクターの中尾さんからは「あえて『チョコナナ』の雰囲気は意識しないでください」と言われました。『ヌンヌンヌーン』が始まるにあたってそこまで緊張していたわけではないですが、中尾さんの一言に救われました。
やきそば:初回の放送のときに緊張気味の滝澤さんをよそに、近江さんが過去の恋愛についてあけすけに話していたので、チョコナナを聴いていたリスナーの多くは「ここまでオープンにするんだったらイジってもいいんだ」と感じたかと思います。
近江アナ:『ヌンヌンヌーン』ではなるべく自分の素をさらけ出すようにしています。
やきそば:近江さんが自分のことをオープンに話したときに酒井さんや滝澤アナがツッコミを入れてストッパーの役割をしていますが、近江さんはそれでも話し続けることがありますよね(笑)。
近江アナ:「おふたりがしっかりしているから私はいいや」と思ってます。すべてをさらけ出そうと思っているわけではないけど、『ヌンヌンヌーン』では交通情報のように真面目に情報を伝えるとき以外は、アナウンサーではないように思われたいです。
やきそば:ふたりのキャラクターが被らないところがいいですね。ふたりが似ていると収集がつかないので…。
滝澤アナ:酒井さんは特に近江さんをイジることが多いですが、酒井さんがイジるとイジられた相手が輝くからすごいです。
近江アナ:たとえ悪口っぽく言われても嫌な気持ちにならないんですよ。むしろ「今、イジられた!」って好きになっちゃいます。酒井さんは愛があるから、相手が損をしないイジリ方をします。加えて番組を聴いている人が嫌な気持ちにならないラインを考えている気がします。
滝澤アナ:酒井さんがこれほどリスナーの皆さんに愛されているのは、ラジオを聴いている皆さんに誠実に向かいあっているからでしょうね。
(※1『チョコナナ』)2019年4月〜2022年3月に放送。番組のパートナーは、のちに酒井の人生のパートナーとなった矢端名結(当時はSBSアナウンサー)。
リスナーから反応がある幸せ
近江アナ:今朝、番組が始まる前に酒井さんと「サウナしきじ」(※2) に行きましたが、ちょうどリスナーさんが来ていて、酒井さんはその方の自転車に乗ってました(笑)。
やきそば:“近所のお兄ちゃん”という感じですね。
滝澤アナ:芸能人だからと気張っているところもなくて、家族やまわりの方をとても大切にしてらっしゃいます。母の日の放送では「お母さんに感謝の言葉を伝えて」と言ってくださいました。
近江アナ:良い人だから間違っても「ガーシーチャンネル」で名前が出ないタイプです(笑)。私たちも頑張って酒井さんと一緒に『ヌンヌンヌーン』を盛り上げたいです!
やきそば:静岡のリスナーの皆さんの印象はいかがですか?
滝澤アナ:私は初めてのラジオ番組なのでまだ勉強中ではあるのですが、とても楽しいです。『ヌンヌンヌーン』の中継先にリスナーの皆さんが遊びに来てくれたり、近江さんがカレーを作ったときは「私もカレーを作りました」という方もいらっしゃいました。自分が呼びかけたことでリスナーの皆さんが反応してくれるほど幸せなことはありません。あと、岩手でもたくさんの方がラジコで聴いてくれているのも嬉しいです。
近江アナ:『ヌンヌンヌーン』はスピード感がものすごく速いことに驚きました!言ったばかりの発言に対してリスナーの皆さんが素早く反応してくれて、一層面白くなりますよね!
(※2:「サウナしきじ」)「サウナの聖地」と呼ばれている施設のひとつ。SBSの近くにあるため酒井はよく通っている。
「コイツで大丈夫?」と思われないように(滝澤アナ)
やきそば:滝澤さんはこれまで報道をメインに仕事をされていましたが『ヌンヌンヌーン』に出演することが決まったときの気持ちはいかがでしたか?
滝澤アナ:時を同じくして『LiVEしずおか』のキャスターを務めることも決まっていたため「果たして僕で大丈夫だろうか?」と心配でした。初回から緊張していましたし、約2カ月経った今でも緊張しています。
近江アナ:私たちは新人アナウンサーではないから、まわりの皆さんから「これぐらいできるでしょ?」と思われると緊張しますね(笑)。
滝澤アナ:プレッシャーを感じるので、むしろ“新人アナウンサー”と思われるくらいのほうがいいかもしれません(笑)。『LiVEしずおか』も最初は不安でした。アンカーはスタッフが取材してきた内容を最後に発信する重要な役割を担っているので、まわりの信頼がないとできない仕事なんです。だから「コイツで大丈夫?」と思われないようにしようと思っていたんですけど、実際は報道部の皆さんが温かく受け入れてくださいました。
やきそば:SNSで拝見しましたが、滝澤さんの誕生日にはイジられてましたね。
※画像は当時の放送より
滝澤アナ:実は誕生日に何も予定がなかったので「このまま何もないと寂しい」と思ってスタッフに「金曜、誕生日なんですよ」とこっそり告げたんです。
近江アナ:ぬかりがない!(笑)。
滝澤アナ:しかも「31」と書かれたプレートがついた「しらす丼」まで用意してくださいました。
やきそば:酒井さんからはラコステのポロシャツをプレゼントされていましたよね。
滝澤アナ:「ラコステが似合いそう」という理由でした(笑)。酒井さん、偉大すぎです!
求められている役割をキッチリと(近江アナ)
やきそば:近江さんはまわりからどんな性格だと言われますか?
近江アナ:子どもの頃から理不尽なことが好きではなくて、いじめられている子がいたら、いじめっ子とケンカして勝つようなタイプでした。
やきそば:なるほど! 静岡放送の方からは原稿の読み方が非常に上手だということも聞きました。
滝澤アナ:近江さんのうまさは社内でも評判になってます。
近江アナ:やめてくださいよ(笑)。
やきそば:番組で求められている役割をきちんと果たしている気がします。
近江アナ:分析されると恥ずかしいです(笑)。上手かどうかは別として、上手に読めるようにはなりたいです。あと、ラジオとテレビでは雰囲気が違いますし、テレビの真面目な番組では間抜けな発言をしないように空気を読める人になりたいです。
やきそば:いいですね! では『ヌンヌンヌーン』に対する今後の展望を教えてください。
滝澤アナ:酒井さんが好きで聴いてくださる方が多くて、そのおかげで僕のInstagramのフォロワーの数がビックリするほど増えたんです。だから少しでもリスナーと酒井さんに恩返しができたらと思っています。
近江アナ:自由でNGがない番組にしたいと思っています。人を傷つけるのはダメだけど、それ以外の部分で放送でやってはいけないと言われていることを崩したいです。
滝澤アナ:もう崩してますよ!(笑)。
今月の聴きたい番組:『日曜ヒマするあなたに送る ヌンヌンヌーン!』
SBSラジオ
毎週日曜日12:00〜14:00生放送
アルコ&ピース・酒井健太とSBSアナウンサー・近江由佳&滝澤悠希の3人で日曜ひるラジオ! “国王”の第二形態を聴き逃すな!
というわけで、今回の『ニッポンのラジオきき』はいかがだったでしょうか? また次回もお楽しみに。