「謎」アマゾンって?

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「謎」アマゾンとは、Amazonで売っている「なんやコレ?」な謎製品に雑誌『家電批評』が独断と偏見でつけた名前です。本連載では、そんな製品たちをイジって……あ、ガチレビューします!!

今月の「謎」アマゾン:ニニアンドキノ「パーフェクトペット」

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ニニアンドキノ
パーフェクトペット
スヤスヤ息をしてるようにお腹が動くぬいぐるみ
柴犬 (大)
実勢価格:9980円

サイズ・重量:W36×D20cm×H12cm・約1.2kg
電源:単一乾電池1本(稼働期間 約3カ月)
※Amazonのリンク先は「コーギー(大)」です。

Amazonのレビューは?

レビュー総数は、アマゾンを見た時点で30件/星評価は4.2。

そして、以下のようなレビューが見られました。

  • いつも寝てばかりいるから物足りなさもあるが、実際に犬を飼っているのに近いものがある。
  • まるで飼っていた柴犬が生き返ったように呼吸をしながら眠っているようです。

30代男性が犬のぬいぐるみをレビュー

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さて、今回の製品は犬のおもちゃ。これを家電と言っていいのか怪しいですが、「電池で動くんだから家電みたいなもんでしょ(by『家電批評』編集長)」との意味不明な言葉を信じ、いろいろやっていこうと思いますよ……。

と、言いたいんですけど、困ったことにあんまりイジリようがないんですよね。だってこれ、単一電池1本で寝息(というか限りなくモーター音に近い「ヴー」という音)をたてるぬいぐるみでしかないですから。

そう、こちらのワンちゃんはですね、ただのぬいぐるみなんですよ(いやマジ、買ってから気づいたわけじゃありませんよ、ホントホント)。

ソニーのaiboや、“ペットのようなロボット”でおなじみのLOVOTとはわけが違います。コミュニケーションとかは取れないです。

30代男性が犬のぬいぐるみをレビュー イメージ2

……いや、どうでしょうね。何か念じたり、心の底から想えば心が通じる可能性がないとは言えませんが、少なくとも30代長髪バンドマン崩れのライターである僕にはそんな芸当は無理でした。

で、あたりまえですが、ホントに寝てるだけ……

で、あたりまえですが、ホントに寝てるだけ…… イメージ

まぁ一応お腹のあたりは動きます

呼吸するときのムーブを模した動きなのですが、呼吸しているというよりは、ただ単純に上下しているってな感じで、機械感丸出し。

ぱっと見こそお昼寝中のすやすや子犬っぽく見えますが、犬らしいぬくもりにかけるというか。実家がずっと犬を飼っていて、そんな環境の中で育った僕としては物寂しさを感じるわけです。

とはいえワンちゃんですから、膝に置いて撫でたりもしてみます。顔と顔を突き合わせて、鼻コスコスさせたりもしました。なぜだか自分にもわかりませんが、このワンちゃんを「高い高い」させながら、「おいおい、落ちるぞ、危ないから暴れるなよぉ」と声を出してもみました。

でもダメなんです。毛並みは毛羽立っている感じで触り心地がイマイチだし。いい感じに(というか一切)高い高いで暴れてもくれないし。撮影したカメラマンさんは「肉球が柔らかくない!」とご立腹でした。

で、あたりまえですが、ホントに寝てるだけ…… イメージ2

あと、撮影をニヤケ面で見ていた編集者の「おひさまのニオイとかするんじゃないですか(笑)?」とのアドバイスを受けて、この子のお腹に僕の顔を埋めたりもしましたね。

残念ですが、ビニールみたいなニオイしかしない! というか、寝てる姿をキープするためなのか、本体が妙に固いのもいただけない。

で、あたりまえですが、ホントに寝てるだけ…… イメージ3

また、電源のオンオフがないので、一度電池を入れたら電池切れになるまでそのままです。

もっとモフモフふわふわだったら「こんなにかわいいのに、この子の命は単一電池一本分で終わってしまうんです(泣)」とか書こうと思ったのに、とんだライター潰し犬ですよ。もう。

ここが謎ポイント:飼い主証明書がついてくる!!

ここが謎ポイント:飼い主証明書がついてくる!! イメージ

そんなことを考えていたら、はたと気づいたのですよ。なんと「飼い主証明書」も同梱されているじゃないですか。自分で名前を付け、署名をして世界に一枚の証明書を作れます。これはいいですね。

この証明書は『家電批評』の編集者(山)が、スマホで英語の筆記体を調べつつ書いてくれましたよ。「上手くないですか!」とご機嫌でした。「自分で書けよ」ってツッコミはなしで。

人はパーフェクトペットの夢をみるか
 

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ただ、触っているうちに頭をよぎったんです。SF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』のことを。

作中では“電気羊”などの人工の動物が、人間とアンドロイドの違いを示すものの一つとして登場します。要は、人間はアンドロイドと違い感情移入ができるから人工とはいえ動物を飼いたがるという理屈なわけです。

また、これはどれだけ技術が進歩しても他者や外部(例えば電気羊など)との関係の中でしか「自分が何者なのか」を認識できない、いわば「自己」の曖昧さを示すものでもあります。

人はパーフェクトペットの夢をみるか  イメージ2

何が言いたいかというと、今回のパーフェクトペットだって同じようなものでは、ということです。

製品のレビューを見ると、すごく可愛がっている人もいるみたいですし、僕だってもっとリアルな作りだったら……というだけで、こういう製品の存在自体が「信じられない!」ではないので。

人はパーフェクトペットの夢をみるか  イメージ3

昨今、ペット業界に厳しい視線が向けられていますが、今後もこの流れが進めば、生体の販売が完全に禁止になり、電気羊のようなリアルな人工ペットだって出てくるかもしれません。「そこまでして動物を飼いたがる人いないでしょ」と思われる方もいるかもしれませんが、個人的には飼う人がたくさん出てくるのではと思っています。

だって、実際に生きていなくてもペットの世話をしてその関係の中で「これが自分だ」という安心感を得られればそれでいい話なので。パーフェクトペットは、ひょっとしたら「生活がラクになる!」とか、そういった枠を飛び越え、人間の存在に問いかけてくる製品だった、と言えるのかもしれません。

まとめ:SF小説とからめた考察を披露すると、それっぽくまとまる

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というわけで、書くことがあまりに何にもなかったので、知ってるSF小説とこじつけて文字数を稼いで原稿料をぼったくってみた感じでした。

今月は以上です。では、また次回!