初心者でも手軽に始められる「エギング」
最初に、これから釣りを始められる方のために「エギング」について簡単に解説しておきましょう。
エギングは上の写真の「エギ」と呼ばれるルアーを使って主にアオリイカを狙う釣りです。エギは「餌木」という昔からある漁具を進化させたものです。
エギングのメインターゲットはアオリイカですが、他にもコウイカ(写真)やケンサキイカなど、さまざまなイカを釣ることができます。
エギングは堤防や磯、海岸などの岸から狙う「ショアエギング」(ノーマルエギング)とボートや船から狙う「ティップランエギング」の2種類があります。
どちらもタックル(道具)はじつにシンプルですが、ここではショアエギングのタックルを紹介しておきましょう。
基本的に必要な物はロッド(竿)、リール、ライン、ショックリーダー、エギの4つ。釣り道具がシンプルなので、初心者でも始めやすいのが「エギング」の特徴です。
なお、「エギングロッド」や「エギングライン」に関しては、以下の記事をご覧ください。
▼エギングロッドのおすすめランキング
▼エギングラインのおすすめランキング
ルアー釣りの中でも特殊な「エギ」の動かし方
エギングが他のルアー釣りと異なるのは、「シャクリ」という、独特な動かし方をすることです。下のイラストを見てください。
エギが着水したら底まで沈めて、シャクリ、つまりロッドをあおってルアーを跳ね上げます。その後フォール(=沈める)させ、またシャクリを入れる。この繰り返しになります。なお、イカは主にフォールするときに抱きついてきます。
ボートや船から狙う「ティップランエギング」という釣り方も
さて、先に触れた「ティップランエギング」ですが、岸からの釣りとは違って、キャストせず船の直下を狙います。水深は15~40m前後とかなり深く、そのためエギの重さも30~40gとかなり重くなります。(ショアからキャストするエギは3.5号で20g前後)
なおティップランとは釣りの最中、ティップ(穂先)が行ったり来たり(ラン)する様子から、その名が付きました。
遊漁船(釣り船)の場合、船長がポイントまで連れて行ってくれるため、自分で探す手間が省け、「とりあえずアオリイカを釣ってみたい」という初心者にもおすすめです。
ショアエギングとティップランエギングのエギはそれぞれタイプが異なるため、購入時は気をつける必要があります。今回はこの2つのタイプを分けてランキングを行いました。
さっそくですが、今回の第1位は……
さて、エギングの基本について説明したところで、ちょっと気が早いですが、今回のエギの第1位を紹介しておきましょう。
[ショアエギング第1位]
- ヤマシタエギ王 K ベーシック 3.5号 22g
- 最安価格: ¥930〜
- 型番
- 594621
ヤマシタの「エギ王Kベーシック」は、堤防や海岸などあらゆる場所で使える万能なエギです。カラーバリエーションも豊富で初心者にとくにおすすめ。
[ティップランエギング第1位]
- ヤマシタエギ王 TR サーチ 3号/3.5号
- 検証時価格: ¥1,365〜
ヤマシタの「エギ王 TR サーチ」は、ボートや船から釣る「ティップランエギング」で第1位でした。ティップランエギングのランキングは、記事の後半で紹介します。
エギで重要なのが沈下速度
聞きなれない言葉ですが、エギで重要なのが「沈下速度(フォールスピード)」と呼ばれるものです。エギのパッケージを見ると下のような表示があります。
サイズ(号) | 重量(g) | 沈下速度約 |
3.5 | 20 | 3.0秒/m |
沈下速度とは簡単に言えば、エギが沈むスピードのこと。上の表の場合「約3秒/m」なので、1m沈むのに約3秒かかることを意味しています。
エギの沈下速度は非常に重要です。これを把握しておけば、効率良くエギを沈めることができ、また根掛かりを回避するのにも役立ちます。
たとえば沈下速度が速いエギを写真のような浅場で使った場合、すぐに底に沈んでしまうので、根がかりがしやすくなります。逆に沈下速度が遅いエギを深場で使った場合、速く底まで沈めたいのに、なかなか沈んでくれないということになります。
エギのタイプを覚えておこう
エギは沈下速度の速い遅いによって4タイプに分かれます。それぞれの特徴と、タイプ別におすすめ商品を紹介します。
[ディープタイプ]
- シマノセフィア クリンチ ディープ フラッシュブースト 3.5
- 最安価格: ¥390〜
- 重量
- 23g(3.5号)
- 沈下速度
- 1.9秒/m
- 型番
- QE-D35V
着水後、もっとも速く底に沈むタイプ。水深10m以上の深場や、潮が速い場所で使うタイプ。ボートエギングなどでもよく使われます。沈下速度は3.5号で2秒/m前後です。(号数に関しては次の項で解説します)
[ベーシック]
- ダイワエメラルダス ステイRV ルアー
- 最安価格: ¥1,980〜
- 重量
- 25g(3.5号)
- 沈下速度
- 3.75秒/m
- カラー
- ケイムラ オレンジエビ
- サイズ
- 3、3.5、4号
初心者でも扱いやすい、もっとも一般的なタイプ。堤防、磯、海岸などあらゆる釣り場で使うことができます。沈下速度は3.5号で3秒/m前後です。なお、ダイワ「エメラルダス ステイRV ルアー」は、今回のランキングで第2位の商品です。
[シャロー]
- ヤマシタエギ王 K シャロー
- 最安価格: ¥958〜
- 重量
- 20g(3.5号)
- 沈下速度
- 6.0秒/m(約)
- 型番
- 594683
藻場や浅瀬など、根がかりが多い場所で使うタイプ。沈む速度が遅いため、深場での使用には向いていません。沈下速度は3.5号で6秒/m前後です。
[スーパーシャロー]
- 釣研エギスタ スーパーシャロー 3.5号
- 最安価格: ¥1,169〜
- 重量
- 15g(3.5号)
- 沈下速度
- 7〜8秒/m(約)
シャロータイプよりもさらに沈下速度が遅いタイプ。水深1m以下の場所で使うと効果的。沈下速度は3.5号で8秒/m前後です。
なお今回のランキングは「万能型」ということでベーシックタイプに絞ってご紹介します。
エギの号数(サイズ)は?
エギの全長は号数で表し、「1号=約3cm」です。つまり3.5号なら約10.5cmになります。サイズはイカの大きさに比例し、小型のイカ狙いや反応が渋い時なら、小さめサイズのエギを、大型狙いなら大きめのサイズのエギを使うのが基本です。
それぞれの特徴を下にまとめてみました。なお号数が大きくなると、それだけ重くなるので、同じタイプでも沈下速度が若干変わってきます。
2.5号
主に、秋の小型のアオリイカに対応したエギ。また他の季節でもアオリイカのベイト(餌)が小さいときに使用すると効果的です。
3.0号
中型に対応したエギ。3.5号で反応が悪い時に使うと効果的です。
3.5号
もっとも一般的で、汎用性が高いエギ。種類も多く、初心者はこのサイズからスタートするのがおすすめ。
4.0号
もっとも重量が重いエギ。風が強くキャストしにくい時や、遠投したいとき、また水深が深い場所で使うと効果的です。
アオリイカが小さい時でも大きい時でも基本は3.5号になりますが、明らかにサイズが小さいときなどはエギを小さめにするのも手だと思います。大きいエギは潮が緩めだけれど、しっかりとエギを潮に乗せたいといったときに使うのもよいでしょう。ただし大きめのエギはアピール力が増すなどのメリットがある反面、シャクリが重くなるなどのデメリットもあります。
エギのカラーは?
※画像はAmazonより
上の画像は今回の2位商品のカラーラインナップです。さまざまなカラーが発売されていてどれを選んでよいか迷ってしまうものです。
エギのカラーは「ベースカラー」(下地=ボディに巻かれたテープの色)と、その上に巻かれた「ボディカラー」(上に巻かれた表面の布地の色)の組み合わせで決まりますが、カラーのタイプは大きく4つに分かれます。
タイプ1:アピール系
ピンクやオレンジ。アピール力が強く、水が濁っているときや、天気が薄暗い時に有効。また夕マズメ、朝マズメなどにもよく使われます。
タイプ2:ナチュラル系
青や緑色など。活性が低い時や、水が澄んでいるときによく使われます。
タイプ3:ダーク系
茶や黒色など。日中の深場やナイトゲームで使うと効果的です。
タイプ4:夜光・ケイムラ系
紫外線に反応して発光したり、光を蓄えて発光したりするタイプ。アピール度を高めたいときに使います。
基本的に日中であれば、自分が見やすい色。イカが寄ってきた時に、どこまで追ってきているのかなど動きを視認する必要があるからです。他は夜に強い色、朝晩に強い色などがありますが、状況によって微妙に釣れる色が変わるので、自分がいいなと思った色から使うのがよいでしょう。ベースカラーは、朝夕はベースが赤っぽいもの、日中は潮が濁っているときにはゴールドといったセオリーがありますが、必ずしもそれが正解ではありません。
ラトル入りかどうかもチェック!
ラトルとは金属製の球のようなもので、エギの内部に入れることで、動かすと音を発するようになります。ラトル入りは潮が濁り気味だったり、ナイトゲームで水中が暗かったりといったときにアピール力を高めるために使用します。
▼ラトル入りのおすすめ
- ヤマシタエギ王 LIVE サーチ 3.5号
- 最安価格: ¥1,166〜
状況によってラトル入りが良い時と悪い時がありますが、たとえば秋などの好奇心旺盛なイカに対しては効果があります。逆にラトル入りだからイカが警戒してしまうこともあるので注意しましょう。
今回のエギの採点基準は?
先述の通り、今回は初心者の方へのおすすめということで「ベーシックタイプ」、「3.5号」に統一して10製品をピックアップ。検証は釣り歴30年のベテランテスター・山口剛氏とスタッフで、実釣や細部のチェックなどを行いランキング化しました。採点基準は以下の通りです。
検証1:扱いやすさ(配点40点)
初心者でも使いやすいか、遠投性能はどうか。フォールの姿勢の安定性、シャクリやすいかどうかなど、使い勝手全般をチェックしました。
検証2:作り(配点40点)
フィンやカンナ、シンカーなどの細部の作り、またアオリイカにアピールするための工夫はどうかなどをチェックしました。
検証3:コスパ(配点20点)
扱いやすさと作りを判断した上で、価格と性能が釣り合っているかどうかをチェック。また商品自体を手に入れやすいかどうかも評価に加味しました。
それではランキングスタートです!
(ショア)エギランキング
まずは、ショアエギングのおすすめランキングからご覧ください。
初心者からベテランまで幅広く使える「ヤマシタ」
- ヤマシタエギ王 K ベーシック 3.5号 22g
- 最安価格: ¥930〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 型番
- 594621
エギングの中では定番中の定番です。カラーもそれなりに豊富ですし、誰が使っても使いやすいエギですね。
飛行姿勢とフォールの安定感に優れた「ダイワ」
- ダイワエメラルダス ステイRV ルアー
- 最安価格: ¥1,980〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 25g(3.5号)
- 沈下速度
- 3.75秒/m
- カラー
- ケイムラ オレンジエビ
- サイズ
- 3、3.5、4号
比較的新しい部類のエギですが、フォールの姿勢を安定させやすい作りになっていたり、飛距離が出やすかったりと、さまざまな工夫が施されているエギだと思います。価格的にもお手頃なので、この順位にさせて頂きました。
ナチュラルな光でイカを誘う「DUEL」
- デュエルLQ(レンズ 透明布巻)
- 最安価格: ¥1,033〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 20g(3.5号)
- 沈下速度
- 3.0 秒/m(約)
- カラー
- ゴーストオーロライワシ
- サイズ
- 2.5、3、3.5号
- 型番
- A1780-GOIW
比較的昔からあるメーカーで、製品がどこでも手に入りやすいというメリットがあります。使い勝手も良いので初心者にとくにおすすめです。
第4位:フラッシング機能でアピールする「シマノ」
- シマノセフィア クリンチ フラッシュブースト 3.5号 QE-X35U
- 最安価格: ¥390〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 19g(3.5号)
- 沈下速度
- 3.7秒/m(約)
- カラー
- 002 Fライムブルー
- 型番
- QE-X35U
19gですが、遠投性にあまり関係ありません。フラッシュブースト機構搭載ですが、それが良い時もあれば、悪い時もあるので、4位の順位とさせて頂きました。アオリイカはアピール力が強すぎると逆にエギを嫌うこともあります。
第5位:刺さりの良いカンナを備えた「メジャークラフト」
- メジャークラフト 餌木蔵
- 最安価格: ¥748〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 21g(3.5号)
- 沈下速度
- 3.4~3.6秒/m(約)
- カラー
- #18 ケイムラピンク
- サイズ
- 2.5、3、3.5号
- 型番
- EGZ-3.5 #18 UV/PINK
他のメーカーさんに比べて新しめのエギになります。価格的にもやすいので使いやすいと思いますが、他のメーカーさんほどは実績がないので、今回は順位を下げさせて頂きました。
(ティップラン)エギランキング
ティップランの場合は、深場に沈めるため潮の影響などで沈下速度が変わるため、基本的に速度の表示はありません。ここからは、ティップランエギングのおすすめランキングを紹介します。
イカが聴きやすいラトル音を発する「ヤマシタ」
- ヤマシタエギ王 TR サーチ 3号/3.5号
- 検証時価格: ¥1,365〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
こちらもヤマシタのエギが1位でした。定番で使いやすく、底取りもしやすいので、初心者におすすめです。
オールラウンドタイプで使い勝手が良い「バレーヒル」
- バレーヒルスクイッドシーカー 30レギュラー
- 最安価格: ¥1,108〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 30g(3.5号)
- カラー
- #42RGナデシコ/ブルー
ティップランが始まった頃に発売された先駆け的エギですね。実績も高く、安定して釣れるエギだと思います。
オールマイティで使いやすい「ダイワ」
- ダイワエメラルダス ボートII ノーマルバージョン
- 最安価格: ¥981〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 30g(3.5号)
- カラー
- 赤-縞パープル
- サイズ
- 3、3.5号
- 型番
- 07210681
これも定番中の定番で、実績も高く、誰が使っても使いやすいと思います。値段もそれほど高くないので、今回ランクインとなりました。
第4位:水中での安定性に優れた「DUEL」
- デュエルEZ-Q フィンプラス TR
- 最安価格: ¥1,130〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 40g(3.5号)
- カラー
- 10 ケイムラレッドパープル
- サイズ
- 3、3.5号
- 型番
- A1742-KVRP
▼採点結果
- 扱いやすさ:38/40点
- 作り :38/40点
- コスパ :18/20点
- 合計 :94/100点
フィンの形や素材が特徴的で、安定姿勢が取りやすい作りになっています。安定したフォールなのでイカの反応も良く、好釣果が期待できるエギだと思います。
第5位:初心者でもストレスなく釣りがしやすい「シマノ」
- シマノセフィア アントラージュ シーグル 3.5号 フラッシュブースト
- 最安価格: ¥1,023〜
- 扱いやすさ
- 作り
- コスパ
- 重量
- 35g(3.5号)
- カラー
- 009 Fパープルエビ
- 型番
- QT-X02U
今回はフラッシュブーストが入ったものを取り上げましたが、入ってないアントラージュもあるので、状況や好みによって使い分けるとよいかと思います。
以上、エギのランキングでした。
獲物のアオリイカが掛かったときの強烈な引きや重量感、そして釣り人しか味わえない釣りたての食味が多くのアングラーを魅了しているエギング。ぜひ、お気に入りのエギを見つけて楽しんでくださいね。
普通はベーシックを使ってもらえばよいと思います。水深1~2mなど極端に浅い場所ならシャローを使う方がよいですね。ディープは潮が速い時など、底取りがしにくい場面で使うと効果的です。水深がある場所や、風が強い時などもディープが有効です。