「どの手帳を選べばいいか」をバッチリ解決

現代人にとって、今や生活に欠かせないアイテムとなったスマホ。スケジュール管理をスマホのアプリで行っている人も多いでしょう。しかしその一方で、従来の手帳も書店や文具店で大量に陳列されており、根強い人気があることがうかがえます。
手帳には、「スマホで文字を打つよりも速く書き込める」「文字に大小をつけたり、絵や表を入れて情報を見やすくできる」「スマホで電話をしながら使える」などといった便利な点がたくさんあります。それが、今も手帳が愛されている理由なのです。
しかし、手帳は数え切れないほどの種類があるので、いったいどれを選んだらいいのか分からないという人もいるでしょう。そこで本特集では、手帳のプロにさまざまな観点から手帳をチェックして点数をつけてもらい、ランキングにまとめました。これを読めば、自分に合った手帳がきっと見つかります!
“手帳のプロ”はこうして使ってます
手帳を使ったことがない人は、「別にスマホで十分でしょ?」と思うかもしれません。そんな方にご紹介したいのが、本記事を監修した3人の“手帳のプロ”による手帳の活用実例です。これを見れば、「実際に使ってみたら、やっぱり手帳は便利なんだ!」ということが実感できるのではないでしょうか?
おりひかいくいさんのメイン手帖

「日本手帖の会」代表・おりひかさんの愛用手帳。カレンダー状のスケジュール表で、ひと月の予定がひと目で確認できます。書き込む言葉は略語を多用して、スッキリと見やすくまとめられています。また、休日には蛍光ペンを引き、しっかり有効活用できるようにマーキングしています。
おりひかいくいさんの旅行記録用の手帳


旅行記録用の手帳には、持ち歩くのにちょうどいいサイズのものを使用。旅の思い出を書き留めるだけでなく、旅行先で入手した記念のラベルなどを貼り付けることもできます。また牛革素材のカバーは、旅行を重ねて使い込むうちに、風合いが高まっていくのが魅力的ですね。
おりひかいくいさんの「日本手帖の会」用の手帳

大きい手帳には、1年間のスケジュールや記録を記入。見直す機会が多いものなので、ていねいな字で書いて見やすくしています。
福島槙子さんの手帳

こちらは文具プランナー・福島さんの愛用手帳。無地の手帳に日付入りの付箋を貼って、スケジュール帳としてかわいくアレンジ。上のほうにToDoを書き、予定と紐づけてタスクを管理しています。また、その日の気分によってペンを使い分けています。
納富廉邦さんの手帳


目利きライター・納富さんは、ざっくりとしたスケジュールはスマホで管理しながら、細かい内容は手帳に記入しています。手帳はメモに使うのはもちろん、万年筆の試し書きをして、書き心地をチェックするのにも便利とのこと。
今回の比較項目
今回は以下の4つの項目について採点を行い、その合計点で手帳をランキングしました。
書きやすさ
書き込むスペースの大きさが適切で、文字が書きやすいかどうかを評価。スケジュールが立て込んでいても、苦労せずに書き込めるか、といったことも確認しました。
見やすさ
書いたスケジュールなどが、パッと見て分かるかどうかを評価。裏写りして見えにくくならないか、インデックスで見たいページにすぐに飛べるか、といったこともチェックしました。
デザイン性
手帳の中身とカバーが、ビジネスシーンで使用するのに適したデザインかどうかをチェック。実際の価格以上に高価に見えるものは、評価が高くなっています。
使いやすさ
ペンホルダーや収納ポケットがあるかどうかなど、使いやすくするための工夫がされているかどうかを評価。机の上だけでなく、手に持ったままで記入できるか、といったこともチェックしました。
それではさっそくビジネス手帳おすすめランキングの発表です!
【1位】直感的に見やすく書ける!「NOLTY U」


日本能率協会マネジメントセンター
「NOLTY U(ココナッツ ブラウン)」
実勢価格:1870円
サイズ:188×118mm
レイアウト:月間&週間
総合評価:S
▼こんな人におすすめ
●重たい手帳を持ち歩きたくない人
●手帳初心者から使い慣れた人まで
▼テスト結果
書きやすさ | 8.3/10 |
見やすさ | 8/10 |
デザイン性 | 7.3/10 |
使いやすさ | 6.7/10 |
合計 | 30.3/40 |

細長くてスリムな形が手に馴染みやすいですね。罫線が時間軸になっているので予定が書き込みやすいです。
ベストな理由1:年間目標の確認を促す鳥


1カ月の終わりには、鳥のイラスト(バードサイン)が描かれています。これは、年間目標の振り返りを促すためのサインです。
ベストな理由2:狙ったページにスグ飛べる


後ろの方にあるメモページの左上にはナンバリングが振られており、ページの端には各月のインデックスがカラフルに色分けされています。これらの工夫により、見たいページにすぐ移動することができます。
ベストな理由3:持ちやすい絶妙なサイズ

188×118㎜のB6サイズは、ややスリムで手にしっくり馴染む大きさです。バッグからサッと取り出して、持ったまますぐに書けます。
スタンダードスタイルで万人に勧められます!

ランキングの1位に輝いたのは、「NOLTY U」でした。見開きで1週間が見渡せるスタンダードなレイアウトなので、初心者でも迷うことなく使いこなせるはず。罫線が薄いドットになっているため、罫線を気にせず自由に書くことができます。
1日につき罫線が3ラインあるので、複数の予定が重なっても書きやすく、見やすいです。左側の日付けの下にある余白にはちょっとしたメモを書くことができ、両ページの下側のフリースペースは週単位のToDoなどを書くのに最適です。
また、紙質が良好で、万年筆でもボールペンでもスラスラ書けるところもポイントです。
【2位】パッと開けるインデックス付き!「NOLTY キャレル B6 ウィーク2」


日本能率協会マネジメントセンター
「NOLTY キャレル B6 ウィーク2」
実勢価格:1870円
サイズ:188×133mm
レイアウト:月間&週間(交互)
総合評価:A+
▼こんな人におすすめ
●前後数週間の予定をしっかりチェックしたい人
▼テスト結果
書きやすさ | 7/10 |
見やすさ | 6.7/10 |
デザイン性 | 7.7/10 |
使いやすさ | 6.7/10 |
合計 | 28.1/40 |

スマホだと月間スケジュールは小さくなりますが、この手帳なら俯瞰しやすいです。
ランキング第2位は「NOLTY キャレル B6 ウィーク2」でした。1位の「NOLTY U」と違うのは、月間ページの間に週間ページが挟まっていること。月間と週間のスケジュール表を交互にチェックできるため、直近のスケジュールを確実に把握しておきたいという新入社員や若手社員にオススメです。
週間のスケジュール表は時間軸で細かく分けられているので、予定が詰まっている人もしっかり書き込めます。また、インデックスがついているので、開きたいページをすぐに見つけられるのも利点です。
月間と週間の予定が交互


見開き1カ月ページのあとに、見開き1週間ページが続きます。前後数週間の予定をしっかり確認したい人にはぴったりです。
【3位】1日1ページだから自由にたっぷり書ける「ほぼ日手帳 オリジナル カラーズ」


ほぼ日
「ほぼ日手帳 オリジナル カラーズ(ブラック×クリアブルー)」
実勢価格:4400円(カバー1980円 本体2420円)
サイズ:117×165mm
レイアウト:1日1ページ
総合評価:A
▼こんな人におすすめ
●プライベートなことまでいろいろ書き込みたい人
▼テスト結果
書きやすさ | 8/10 |
見やすさ | 6/10 |
デザイン性 | 6.3/10 |
使いやすさ | 7.3/10 |
合計 | 27.6/40 |

自由に書き込めるので、たくさん書きたい人向き。万年筆で書きやすいのもうれしい!
第3位は、手帳を開くのが楽しくなる工夫が満載の「ほぼ日手帳 オリジナル カラーズ」でした。
ビジネス用にもプライベート用にも適した手帳で、「1日1ページ」が大きな特徴。薄い紙を使っているので、かさばることもありません。長期的なスケジュールではなく、日々の進捗を書く人、1日の出来事をたくさん書く人に特にオススメです。自由に書けて、あとで日記感覚で読み返せます。
また、豊富に用意されたカバーを取り替えたり、各ページに書かれた「日々の言葉」を読めるのも、楽しめるポイントです。
カバーは機能性バツグン


2つの輪にペンを通す形のペンホルダーがあり、ペンを通すことでカバーを留められます。また、中にはポケットがたくさんあり、収納スペースは十分です。
【4位】シンプルなデザインで思うがままに書ける「EDiT 1日1ページ B6変型 スープル」


マークス
「EDiT 1日1ページ B6変型 スープル」
実勢価格:3740円
サイズ:183×123mm
レイアウト:月間+1日1ページ
総合評価:A
▼こんな人におすすめ
●オシャレなデザインの手帳に日々の出来事を書きたい人に
▼テスト結果
書きやすさ | 7/10 |
見やすさ | 6.3/10 |
デザイン性 | 7.3/10 |
使いやすさ | 6.7/10 |
合計 | 27.3/40 |
第4位は「EDiT 1日1ページ B6変型 スープル」でした。福島さんが「見せるための手帳と言ってもいいくらい洗練されている」と語るように、手帳の作りが美しく、ムダのないシンプルなデザインがカッコいい! 1日1ページタイプなので、日々の生活体験をライフログとして記録できます。
スケジュール表に記載された時間表示は6〜21時ですが、上下のスペースが空いているのでその他の時間帯も書き込めます。一番下にはToDo欄があり、その日にやるべきこともチェックできます。
ただし、ビジネスマンにとってはToDo欄が足りない、週や月を俯瞰できない、日記帳に見える、といった点で不満に思う人もいるかもしれません。
洗練されたたたずまい

ポリウレタン樹脂製のカバーデザインはシンプルで、ゴムバンドつきなので手帳が勝手に開くのを防いでくれます。中の紙とは一体型になっており、使っているうちに紙がズレることもありません。
【5位】バランスがよく誰でも使いやすい「No.232 フェルテ(R)2 」


高橋書店
「No.232 フェルテ(R)2(黒)」
実勢価格:1540円
サイズ:182×128mm
レイアウト:月間+週間
総合評価:A
▼こんな人におすすめ
●いろいろな手帳を使ってみたけどシックリいかなかったときに
▼テスト結果
書きやすさ | 6.7/10 |
見やすさ | 6.3/10 |
デザイン性 | 6.3/10 |
使いやすさ | 7.3/10 |
合計 | 26.6/40 |
第5位は、手帳で有名な高橋が販売する「No.232 フェルテ(R)2」。月間ページと週間ページを備え、誰でも使いやすい優等生タイプの手帳です。メモ&アドレスが別冊になっており、別の手帳に引き継げる点も便利です。
また、カバーはヘリ留め金具付きで、補強するとともにデザインのワンポイントになっています。
ミシン目で切り取れるメモ

メモページには切り取り用のミシン目が入っていて、メモしたものを誰かに手渡したり、伝言を残したりできます。
【6位】複数のプロジェクトを管理しやすい「フォープランダイアリー 2022年 A5サイズ 」


レイメイ藤井
「フォープランダイアリー 2022年 A5サイズ(ウィークリー・2ウィークス・4プランリスト)」
実勢価格:1980円
サイズ:152×215mm
レイアウト:月間+週間
総合評価:A
▼こんな人におすすめ
●家族の予定や複数のプロジェクトをまとめておきたい人に
▼テスト結果
書きやすさ | 8/10 |
見やすさ | 7/10 |
デザイン性 | 5/10 |
使いやすさ | 6.3/10 |
合計 | 26.3/40 |
第6位の「フォープランダイアリー 2022年 A5サイズ(ウィークリー・2ウィークス・4プランリスト)」は、左ページが月間ブロック、右ページが4項目のリスト式という、独特のスタイルを採用している手帳です。
使う人を選びますが、納富さんは「複数の項目を一覧で見られ、フリーランスにはとても使いやすい」とお気に入り。予定を一括で管理したい人にはピッタリです。
また、情報ページも充実しているにもかかわらず、薄いので荷物になりません。
カジュアル寄りの色使い

ページは黒一色ではなく、青や赤のカラーも使われています。土日がひと目でわかり、1週間の予定を書きやすいです。
【7位】古風なデザインで安心感がある「Appoint E1651 1週間+横罫」


ダイゴー
「Appoint E1651 1週間+横罫(2022年1月始まり A5 ブラック)」
実勢価格:2200円
サイズ:210×148mm
レイアウト:月間+週間
総合評価:B+
▼こんな人におすすめ
●独特の昭和感があるデザインが懐かしくて気に入れば
▼テスト結果
書きやすさ | 6.7/10 |
見やすさ | 6.7/10 |
デザイン性 | 6.7/10 |
使いやすさ | 5.3/10 |
合計 | 25.4/40 |
第7位は「Appoint E1651 1週間+横罫」。エンボス加工の黒いカバー、オーソドックスな書体、赤色の月表示など、全体的に古風なデザインでまとまっているところは好みが分かれそうです。
にじみが少ない紙を使っているので、万年筆ユーザーには一度試してみて欲しい一品。また、2色のしおりがついているのも便利です。
さりげない赤いステッチ

カバーの周囲に縫われた赤いステッチが、デザインに絶妙なアクセントを加えています。
【8位】24時間の予定をびっしり書き込める「ジブン手帳Biz 2022」


コクヨ
「ジブン手帳Biz 2022」
実勢価格:3520円
サイズ:217×138mm
レイアウト:月間+週間
総合評価:B+
▼こんな人におすすめ
●「時間を無駄にしたくない」という超忙しいビジネスマンに
▼テスト結果
書きやすさ | 6.3/10 |
見やすさ | 6.3/10 |
デザイン性 | 5.7/10 |
使いやすさ | 7/10 |
合計 | 25.3/40 |
第8位は「ジブン手帳Biz 2022」。見開き1週間で、縦軸が24時間ぶん振り分けられており、かなり細かく管理できます。どの時間が空いているかがひと目で分かり、短時間でびっしりスケジュールを組む人にはピッタリです。
ただし、人によっては方眼の色が濃くて見にくかったり、深夜帯の幅の狭さが気になったりするかもしれません。
外側に収納ポケット

カバーには大きめのポケットがついています。入れたものをすぐに取り出せます。
【9位】月間と1日を同時に管理できる「セパレートダイアリー B6 デイリー&マンスリー 」


伊藤手帳
「セパレートダイアリー B6 デイリー&マンスリー(ベーシックカバー ショコラブラウン)」
実勢価格:3980円
サイズ:B6
レイアウト:月間+1日1ページ
総合評価:B+
▼こんな人におすすめ
●管理を効率化したい人に
▼テスト結果
書きやすさ | 5.7/10 |
見やすさ | 6/10 |
デザイン性 | 7/10 |
使いやすさ | 6.3/10 |
合計 | 25.0/40 |
第9位は「セパレートダイアリー B6 デイリー&マンスリー 」。上下2段を別々に開けるという、おもしろい特徴があります。
新しいスタイルを試してみたい上級者用の手帳で、使いこなすには慣れが必要です。ビジネス用途だと、今どの日のスケジュールを見ているのかがわからなくなる恐れがあるので、その日の振り返りや趣味用の手帳として使った方がいいでしょう。
上下2段に分かれた構造

上下2段に分かれている特殊な仕様は、仕事をしつつ趣味の活動をしている人に合いそうです。
【10位】手にリングが当たるのが気になる「No.217 エリートプランナー・ブロック」


博文館新社
「No.217 エリートプランナー・ブロック」
実勢価格:1507円
サイズ:A5
レイアウト:月間+週間
総合評価:B
▼こんな人におすすめ
●昔からのファン向け
▼テスト結果
書きやすさ | 5.3/10 |
見やすさ | 6/10 |
デザイン性 | 5.7/10 |
使いやすさ | 5.3/10 |
合計 | 22.3/40 |
第10位は「No.217 エリートプランナー・ブロック」。文字の書体は見やすく、スケジュール欄に横罫が入っていて使いやすいです。
ただし右利きだと、左ページを書くときに中央のリングが手に当たってしまい、書きにくさを感じます。その点を許容できるなら、手帳選びの選択肢に入れてもよいでしょう。
180度フラットに開く

リング式なので開きやすく、誌面が平らになります。
【11位】使うことがステータスと感じられる「マンスリーダイアリー スケジュール+ノート」


モレスキン
「マンスリーダイアリー スケジュール+ノート(LARGE 13×21㎝)」
実勢価格:3850円
サイズ:130×210mm
レイアウト:月間
総合評価:B
▼こんな人におすすめ
●オシャレな手帳がほしい人
▼テスト結果
書きやすさ | 5/10 |
見やすさ | 3.7/10 |
デザイン性 | 8.3/10 |
使いやすさ | 4/10 |
合計 | 21.0/40 |
今回、最下位となってしまったのは「マンスリーダイアリー スケジュール+ノート」でした。ブランド力の高いモレスキン製なので、人によっては使っているだけで満足感を得られるでしょう。
ただし、紙やゴムひもの質はよくなく、日付けの位置や英語表記などにクセがあることには注意しておきましょう。
横罫が下まで入ったのは◎

過去の同モデルの商品と比較して、下の方まで横罫が入るようになり、使いやすくなりました。
おわりに
以上、2022年のビジネス手帳のおすすめランキングでした。
今回は4項目の合計点で順位をつけましたが、総合評価が低くても、特定の項目の得点が高い手帳もありました。順位だけでなく、それぞれの特徴も参考にして、ぜひ自分に合った1冊を選んでみてくださいね。
また、360LiFEでは個性が光るこだわり手帳4選の記事も公開しています。こちらもぜひご覧ください!
この判型がとてもいいですね。製本もしっかりしていて、書きやすくて使いやすい。使う人のことをよく考えていますよ。