Wi-Fiが遅いと思ったら まず見直したい「設置場所」
自宅のWi-Fiスピードに不満がある場合、ルーター自体の性能や元回線の遅さなど、色々な原因が考えられます。でも、見落としがちなのが「場所」の問題。
そこで今回は、ルーターの置き場所に注目して検証を実施。2階建ての一軒家を貸し切り、ルーターの設置場所で、各部屋の速度がどのように変化するかを測定。驚くべき結果となりました。
ルーターは「高さ」の違いで影響大 最大30倍以上の差が出ました!
検証では50cmごとに高さを変えていき、最高で200cmまで計測したところ、場所によっては30倍以上もの差がありました。
グラフにある「5GHz」と「2.4GHz」というのは、ルーターが出す電波の種類のようなもので、接続するスマホやパソコン側で選べます。
5GHzの方が基本的には高速ですが、壁などの障害物が多い場合は2.4GHzの方がつながりやすいこともあります。
ルーター近くで通信するなら高さ100cmが安定
ルーターが置いてある、同じリビングで計測した場合の結果です。距離が近いためか、そこまで大きな差は出ませんでしたが、それでもムラがなく、一番バランスが良いのは100cmの高さでした。
ルーターから遠い部屋では高さ150cmが速い
壁を3枚へだてた、同じ階で一番ルーターより遠い子ども部屋で計測。圧倒的に150cmの位置でスピードが出ました。階数が1フロアのみのマンション住まいなら、この高さがベストポジションでしょう。
最大30倍はココ! 階数違いは200cmが断トツ
階数違いで計測した場合は、一番高い位置の方が速度が出ました。一番遅い高さと比べるとなんと30倍もの差に。ただし、他のフロアでの計測では、200cmだとムラがあるので、常にセッティングする位置としてはオススメしません。
検証には「BlackmagicDisk Speed Test」を使用。PC2台でソフトを起動して、1台をルーターと有線LANで接続し、もう1台は測定場所から無線LANで接続。PC2台の間でデータの送受信を5回行い、平均のデータ転送速度を算出後、Mbpsに換算しました。なお、各部屋での測定結果ごと、速度1位は赤、最下位は青で表示しています。
肝心の「置き方」はどうする? 斬新過ぎる設置アイディアがコレ
高さが速さに影響することがわかっても、普通はルーターの高さなんて、そんなに簡単に変えられません。そこでご提案したいのが、ホームセンターで揃う2×4(ツーバイフォー)を利用した設置アイディアです。
これ、ちょっと大がかかりに見えるかもしれませんが、実はすべて合わせても3000円程度で揃えられます。
SPF材(2X4)
実勢価格:378円
ディアウォール
実勢価格:1480円
中間ジョイント
実勢価格:871円
柱とするのはDIY素材として人気のSPF材(2X4)。さらに工具要らずで柱が作れるディアウォールと、2x4材の長さが足りないときに使う中間ジョイントも用意しましょう。
準備が出来たらいざセッティング 壁に穴を開けないので賃貸でもOK
天井に合わせてSPF材をカットします。ホムセンのカットサービスを利用するとよいでしょう。SPF材の上下にディアウォールを装着すれば、頑丈な突っ張り棒となり、柱の増設が実現できます。この方法なら壁や天井を傷つけないので、賃貸物件でも柱が増設できます。
背面などにフック付きのルーターであればビスで柱に引っ掛けられます。
高所にルーターを置くにあたり、壁で悪目立ちするLANケーブルは、ケーブルカバーを使ってスッキリとさせます。両面テープで接着できるので設置は簡単。カバーにケーブルを入れてから設置するのがコツ。かさばるケーブルでのつまずき防止にも有効です。これもホームセンターで300円程度で購入できます。
ディアウォール柱と壁の間には1cm以下の隙間ができるので、そこに電源コードを潜り込ませれば配線をキレイに隠せます。
ここまでやるかは置いといて とりあえず高さは気にしてみよう
今回の検証結果からも、ルーターの高さが通信速度に与える影響は少なからず見受けられました。特に、同室内であれば150cm以上の高さに設置することは非常に有効です。
2×4(ツーバイフォー)を設置するかは置いといても、極端に高すぎたり低すぎがりする位置にルーターを置いてある人は、少し移動するだけで、意外と速度は改善する可能性はあります。
また、部屋や階をまたぐ場合、ルーターからの距離はもちろん、間に入る遮蔽物も影響してきます。その場合、使用する部屋の優先順位をつけて、優先度の高い部屋での速度を重視するとよいでしょう。
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