【基本1】「広角」と「望遠」スマホぽいのが広角です
ズームレンズでは、人間の視野と同程度の範囲を写す「標準」を基準として、それより広い範囲を写す「広角」と狭くなる「望遠」での撮影が可能。それぞれの特徴を把握して、シーンにあった焦点距離を選択してあげるのが大切です。
広角:焦点距離は28mm
焦点距離が短く、撮影範囲が広いのが特徴。また、被写体の遠近感を強調して写し出せるという性質もあります。なお、スマホのカメラはほとんどが広角レンズです。
標準:焦点距離は50mm
人間の視野と同程度の広さを撮影できます。見た目に近い画のため、のっぺりした印象になることもあります。
望遠:焦点距離は75mm
遠くの物を大きく写すことができます。画角が狭く望遠は距離が縮まって写る圧縮効果があります。
では、レンズのスペックを見ると表示されている「24-70mm」というのはどういったものでしょうか。
これは「広角端」「望遠端」を表示したもので、広角端というのは、ズームレンズの焦点距離の最小の値。「24-70mm」なら24mmとなります。一方で、「望遠端」とはズームレンズの焦点距離の最大の値。「24-70mm」なら70mmとなります。なお、広角端はワイド端、望遠端はテレ端とも言います。覚えておきましょう。
【基本2】1.4や2.8とか5.6…レンズの性能はF値で決まる
レンズのF値(絞り値)はレンズの明るさを示します。この明るさはレンズを通過する光の量をコントロールする「絞り」で決まります。絞りは動物や人間の目にある瞳孔のようなもので絞りを開くとたくさんの光を取り込めるんです。レンズの明るさは絞りを一番開いたときのF値(開放F値)のことです。
そして、明るいレンズほどF値が低く、きれいによくぼけた写真が撮れます。同じ焦点距離のレンズなら、F値が小さいほど大きなぼけを楽しめますが、レンズは大きくなり価格も高くなってしまいます。一般的にF2.8以下を明るいレンズと言います。
反対にF値が大きいレンズは明るいレンズに比べあまりぼけませんが、価格も抑えられコンパクトで持ち運びが容易です。
たとえばこれら2種類のレンズ。
F4のズームレンズ
キヤノン
EF24-70mm F4L IS USM
実勢価格 :13万8800円
F2.8のズームレンズ
EF24-70mm F2.8L II USM
実勢価格 :18万3752円
F値が小さい下のレンズがより明るいということになります。
また、ズームレンズでは「F2.8-5.6」のような明るさ表記をよく見かけますが、これは広角端の開放F値は2.8と明るいもののズームしていくごとに開放F値が暗くなり、望遠端ではF5.6になることを示します。このようにF値が変わるズームレンズはF値固定のズームレンズより価格やコンパクトさで有利になります。
【基本3】F値を変えるとボケ具合も変わります
さきほども書きましたが、「絞り」とは、レンズを通る光の量を調節する機構です。F値を上げ下げさせることで写真の明るさとボケ具合を調整できます。同じ焦点距離ならF値を小さくするとボケが大きくなります。そして、シャッター速度やISO感度が同じならF値を小さくするほど写真が明るくなります。
F2.8
F値を小さくして絞りを開いた状態で撮影。ピントがあっている被写体以外の部分では、ぼけ具合が大きくなっています。
F22
F値を大きくして絞りを小さくした状態で撮影。F2.8で撮影したときに比べて、背景がくっきりと写し出されています。
【基本4】シャッター速度って手ぶれ防止にも効果的
シャッターが開いてから閉じるまでの時間を示す数値がシャッタースピード。シャッタースピードが速い(開いて閉じるまでの時間が短い)と動きの早い被写体を止めて撮影することができます。シャッター速度が速いほど手ぶれも被写体ぶれも抑えられるというわけです。
シャッタースピードを変えるとここまでの差が出ます。
シャッタースピード:1/250秒
シャッタースピードが速いほど動く被写体を止めて写すことができます。写真に車のフォルムまでしっかり捉えられています。
シャッタースピード:4秒
シャッタースピードが遅いと、動く被写体が流れて写ることになります。写真の車のライトも、流れた状態で写っています。遅いシャッタースピードでは手ぶれしやすくなるので注意が必要です。
【基本5】ISO感度暗い場所では臆せずUP!
100、200、400……という倍々の数値で表されることが多い規格。この数値が高いほど、光を感じる度合いが強くなり、暗所でも明るい写真を撮影することができます。また、感度を上げると写真の明るさを保ったままシャッター速度をアップできます。ただし、ISO感度を上げすぎるとノイズが増え写真のシャープさや色乗りが失われてしまう問題もあります。
また、数値が高ければ、シャッタースピードを速くすることができるため、動体を写し止めたいときにも役立ちます。
【基本6】ISO感度、絞り、シャッター速度で「露出」が決まります
「露出」とは、撮像素子にレンズを通した光をさらすこと。受光量を調節する「絞り」と、受光の時間を調節する「シャッタースピード」「ISO感度」で、「露出」が変わってきます。受光量が多いと明るくなり、少ないと暗い写真になります。
たとえば光を水道の水としたとき、絞りとシャッタースピードを調節して、コップギリギリに水を溜めるのが適正露出となります。一方でコップの水が足りないときは露出アンダー、コップの水があふれるときは露出オーバーとなります。非常に重要な要素ですのでしっかりおさえておきましょう。
【基本7】写真の色合いはホワイトバランスで調整できる
ホワイトバランスは白いものがしっかり白く写るように写真の色合い(色温度)を調整する機能です。オートホワイトバランスに設定しておけばカメラが自動で調整してくれますが、「曇天」や「日陰」、「蛍光灯」などの環境に合わせて使い分けるとより忠実な色合いになります。
また、「曇天」にして夕焼けの赤みを強調したり、夜景撮影時に「蛍光灯」にして夜空や町の明かりに青色を載せたりと、エフェクト的な使い方もできるんですよ。
【基本8】背景をぼかしたいなら単焦点レンズが効果的
単焦点レンズとは、ズームレンズのように焦点距離を変えることができず、単一の焦点距離に固定されているレンズのことです。
ズームレンズに比べて開放F値を小さくしやすいため、明るく背景をぼかして撮影することができます。また、レンズの構成枚数が少ないため、逆光に強くて小型軽量というメリットもあります。
ズームレンズよりも色収差や、画像のゆがみなどが少なく、ぼけを活かした写真を撮りやすいのが特徴です。
【基本9】カメラの画質はイメージセンサーで決まる
レンズから入ってきた光を電気信号に変換する部品のことを「イメージセンサー」と呼びます。大きさによりさまざまな規格があるのが特徴。例えば、フルサイズは35mm判フィルムと同サイズのイメージセンサーのことです。APS-Cやフォーサーズは35mmフィルムよりも小さくなります。イメージセンサーが大きいほど高画質になり、ISO感度を上げても綺麗な写真が撮れます。
フルサイズ(36×24mm):キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックス、ライカなどが採用
APS-C(23.6×15.8mm):キヤノン、ニコン、ソニー、富士フイルム、ペンタックス、ライカ、シグマなどが採用
フォーサーズ(17.3×13mm):オリンパス、パナソニックが採用
1型(13.2×8.8mm):レンズ交換式ではニコンが採用
1/2.3型(5.9×4.4mm):レンズ交換式ではペンタックスが採用
※ カメラメーカーごとに微妙にサイズは異なります
【基本10】マクロ(接写)って一眼カメラは苦手なんです
レンズをできるだけ被写体に近づけて撮影する接写のことをマクロ撮影と呼びます。花や虫などの撮影に向いている撮影手法です。ただ、イメージセンサーが大きい一眼カメラはマクロ撮影が苦手。マクロレンズという接写用のレンズを用意しないといけません。一方、コンパクトデジカメはマクロ撮影が得意。カメラの撮影モードに「マクロモード」が備わっています。
「マクロモード」はこのアイコンで表示されていることがほとんどです。
【基本11】ファインダーあるとナシでは撮りやすさが段違い
ファインダーとは目で構図を決めたり、ピントを合わせたりするための覗き窓のこと。一眼レフは光学式、ミラーレスは電子式という方式を採用します。
光学式は一部の上位機だけ視野率100%ですが、電子式はすべて視野率100%となります。ミラーレスカメラでは省略する機種もあります。撮影に集中しやすくなるほか、カメラの背面モニターが見にくくなる逆光下や晴天の屋外でも快適に撮影できるがファインダーの大きなメリットです。
光学式
電子式(EVF)