かなりの長距離をカバーできる高倍率ズームが特徴です
スマホやコンパクトデジカメにはないカメラの魅力のひとつが高倍率のズーム機能でしょう。子どもの運動会や、野生動物の撮影には必須の機能です。でも、一般的な一眼レフカメラの高倍率ズームレンズは高価なものが多く、なかなか手が出しづらい。
ネオ一眼は、サイズこそ一眼レフと同等ながらレンズの着脱ができません。ただ、その分高倍率のズームレンズをはじめから搭載し、コスパ的には優れていることが多いのが特徴です。
一眼レフカメラと違い、場面に応じてレンズの使い分けができない分、一台で遠近をカバーできるスペックになっているため、「高倍率ズーム」「一台で済ませたい」という希望のある人にとって検討しやすいジャンルとなっています。
今回はパナソニックのDC-FZ85と、ソニーのDSC-RX10M3の2台を実際に使用して、ネオ一眼の実力に迫ってみたいと思います。
AWB補正はバッチリで料理に強いでも暗い場所は弱点です
パナソニック
DC-FZ85
実勢価格:3万2597円
サイズ・質量(約):W72.0×H114.0×D113.0mm・435g(電池含む)
4K技術による高画質撮影機能などが特徴のパナソニックのDC-FZ85は20~1200㎜(光学60倍)レンズを搭載しています。
そのレンズはボディと一体型になっているにも関わらず、バッテリーを含めても約376gと驚きの軽さ。女性にも扱いやすいのが魅力です。
性能ですが、AWB補正はかなり優秀です。料理が美味しそうに撮れます。
一方で、遠いところの飛行機だとノイズが強くなりました。
暗所でもブレずに撮れるものの、ノイズは多めです。
600mmの鬼ズームは魅力!AF速度と暗所に難あり
ソニー
DSC RX10M3
実勢価格:13万1980円
サイズ・質量(約):W132.5×H94.0×D127.4mm・約1051g(本体のみ)
続いては、24~600㎜(光学25倍)のレンズを搭載したソニーのDSC RX10M3。センサー性能もよく、高倍率のズームで撮影しても解像感を維持していました。
ただ、本体はかなり大きくて、持ち運びが大変です。
先述のとおり、望遠にもかかわらず画質は驚くほどクリアです。これなら対象に近づかなくても十分撮影できます。
AFスピードはゆっくり合わせるタイプ。したがって、1度合わせたピントの変更が難しい場合があります。
一方、夜間の撮影は少し苦手でしょうか。本来ない色の粒子が現れるカラーノイズが多めに出てしまいました。
平均的な機能を求めるよりも超望遠重視の一台としてオススメ
検証の結果、高倍率ズーム性能の実力については疑う余地はありませんが、AF性能や高感度撮影については、メインで使うには物足りない印象でした。ズーム以外の画質にもこだわりたい人には、「万能モデル」とまでは言えなそうです。
ただ、あくまでズームを重視したいという人には、一眼レフの望遠ズームを買うよりもコスパは高いこともあります。一長一短の部分も含めて、購入を検討してみてください。