ウイスキーの専門家におすすめ紹介と解説を依頼しました!
ステイホーム期間、家飲みの機会が増えた人もいるかと思いますが、毎回缶のお酒だと味気ないですよね。
もし体に気をつかうなら、ビールや日本酒といった醸造酒よりもプリン体の少ない、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒がオススメ。
しっぽり本格的にお酒を楽しむなら、かっこいいウイスキーのボトルを家にキープしたいところですが、初めて買うとなるとたくさん種類があって迷ってしまいます。
そこで今回は、ウイスキーを多数取り揃える酒販店「リカーマウンテン銀座777」にお邪魔し、初心者におすすめのウイスキー20商品を教えてもらいました!
店内には、定番品から高級品までいろんなウイスキーがところ狭しと並んでいます。珍しいおつまみやワインの品揃えも豊富で、さながら洋酒のテーマパークといったところ。
解説してくれたのは、店長の新美氏。ウイスキーの品評会「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」の審査員を務めるなど、ウイスキーに関する知識に精通したプロフェッショナルです。
毎日嗜むほどのウイスキー愛好家で、資料上の情報だけでなく、実際に己の舌で味わった感想を交えてワクワクするような提案をしてくれます。
まずは覚えておきたい!ウイスキーの基礎知識
では、初心者におすすめのウイスキー20選の紹介に入る前に、まずは基本的なウイスキーの知識から学んでいきましょう!
ウイスキーの種類
【左】シングルモルトスコッチ「グレンモーレンジィ オリジナル」
【右】ブレンデッドスコッチ「デュワーズ ホワイト・ラベル」
ウイスキーは、主に以下の2種類に大別されます。
・シングルモルトウイスキー:原材料に大麦麦芽のみ使用。蒸留所ごとの個性を楽しめます。
・ブレンデッドウイスキー:トウモロコシや小麦などの穀物を使用したグレーンウイスキーとシングルモルト原酒を混ぜて作ったもの。飲みやすく万人受けするような味わいに仕上げられています。
世界で消費されるウイスキーの8割以上はブレンデッドと言われていますが、いまのウイスキーブームはシングルモルトなんだとか。
樽の違い
【左:シェリー樽を使用】カバラン ソリスト シェリー カスクストレングス
【右:バーボン樽を使用】カバラン ソリスト EXバーボン カスクストレングスシングルモルトウイスキー
ウイスキーは、蒸留した原酒を樽に詰めて熟成させるため、樽がウイスキーの味に与える影響は大きいと言われています。熟成によく使用される樽の種類は以下の通りです。
・アメリカンホワイトオーク樽:ウイスキー樽に使用される代表的品種です。バーボンやスコッチのほか、ワインやシェリーなど幅広く使用されています。
・バーボン樽:バーボンの熟成に使用した後の熟成樽を「バーボン樽」と言います。スコッチウイスキーなどの熟成に広く使われています。バーボン樽で熟成されたウイスキーは、バニラのニュアンスが感じられ、色は薄め。
・シェリー樽:シェリーの熟成に使用した後の樽を「シェリー樽」と言います。シェリー樽で熟成されたウイスキーは、ラムレーズンや黒糖のようなふくよかな甘みが感じられ、ウイスキーの色は濃く仕上がります。シェリー樽は流通数が少ないぶん、バーボン樽よりも高価。シェリー樽を使用した銘柄では、スコッチの「マッカラン」が有名です。
・ミズナラ樽:ミズナラは、主に日本で使用される樽材で、ジャパニーズウイスキーに使用され評判が広まったことにより、海外のウイスキーでも一部使用されるようになりました。有名どころでは、ブレンデッドスコッチの「シーバスリーガル ミズナラ」。また、ミズナラ樽は水分が漏れやすいため、長期間の熟成には向かないともいわれています。
ウイスキーの産地といえばココ!世界の有名“5大ウイスキー”って?
初心者におすすめのウイスキー20商品は、世界的なウイスキー生産国5つを含むかたちでピックアップしていただきました。代表的な5つの産地のウイスキーの特徴をチェックしましょう。
スコッチ(スコットランド)
糖化から発酵、蒸留、熟成までスコットランドで行われたウィスキー。麦芽を乾燥させる際に燃料として薫かれる泥炭(ピート)に由来する独特の香り(スモーキーフレーバーなどと呼ばれる)が特徴のひとつですが、銘柄によってピート香の強さはまちまち。なかにはノンピートの銘柄もあります。
また、バーボン樽やシェリー樽を使用することが多いですが、一部アメリカンホワイトオークの新樽を使用する場合も。使用する水は軟水~中硬水です。
人気銘柄には、以下のものがあります。
・シングルモルトスコッチ:マッカラン、グレンフィディック、ボウモア、ラフロイグ、グレンリベット
・ブレンデッドスコッチ:ジョニーウォーカー、バランタイン、デュワーズ、カティーサーク、シーバスリーガル
アイリッシュ(アイルランド)
アイルランド共和国および北アイルランドで生産される、穀物を原料とするウイスキー。スコッチが2回蒸留なのに対し、アイリッシュは3回蒸留が基本。原料由来の風味が薄くなりますが、そのぶん飲みやすくてスムースなのが特徴です。
アメリカン(アメリカ)
アメリカンウイスキーの種類は以下に大別されます。また、アメリカンウイスキーは全て内側を焦がしたオーク新樽で熟成する必要があります。(コーンウイスキーは除く)
・バーボン:原材料に占めるトウモロコシの割合が51%以上と法律で決まっています。その他の副原料としてライ麦と大麦麦芽を使うのが一般的で、バーボンには硬水を使用。
・テネシーウイスキー:バーボンウイスキーのなかでも、テネシー州でつくられており、蒸溜直後にサトウカエデ(シュガーメイプル)の炭で濾過してから貯蔵するチャコールメローイング製法でつくられているものをテネシーウイスキーと呼ぶことが出来ます。
・コーンウイスキー:トウモロコシの割合が80%以上のウイスキー
・ライウイスキー:ライ麦の割合が51%以上ウイスキー
カナディアン(カナダ)
カナディアンウイスキーは生産量の7割以上がアメリカで消費されているといわれています。
トウモロコシ、ライ麦、大麦麦芽といった穀物を原料とし、酵母によって醗酵を行い、カナダ国内で蒸留を行うこと。容量700リットル以下の樽を用いて熟成を行うこと。最低でも3年以上の熟成期間を経たものであること、といった定義がなされています。
トウモロコシを原料とするベースウイスキーにライ麦などを原料とするフレーバリングウイスキーをブレンドした、ブレンデッドウイスキーが主流になっており、ライトでスッキリとした味わいが人気です。
ジャパニーズ(日本)
日本の酒税法は課税を目的とするためのもので、蒸留器や樽熟成、熟成年数や生産場所などの規定がありません。そのため、国産、外国産を明確にする必要がないのが現状です。
「角」や「トリス」、「ブラックニッカ」といった定番のブレンデッドウイスキーは安価で流通しているものの、近年需要の高まりから、「山崎」、「白州」、「竹鶴」、「響」といったジャパニーズウイスキーの価格はどんどん上がっています。
リカーマウンテン銀座777では、「山崎」や「白州」の問い合わせが多く、入荷したら即日完売することもザラだったそうです。
専門家が厳選!初心者におすすめのウイスキー20選
スコッチ・アイリッシュ・アメリカン・カナディアン・ジャパニーズの5大ウイスキーに台湾を加えたおすすめウイスキー20製品について、以下5つの指標で味を評価しました。
1:フルーティー:リンゴや洋梨、柑橘系といったフルーツのニュアンス
2:スパイシー:舌がヒリつく感じ
3:ウッディー:樽の熟成感、木の香り
4:スモーキー:ピート(泥炭)に由来する煙のような香り。燻製感。
5:ボディ(味の厚み):コクや深みなどを総合した飲み応えの印象
今回は、手の届きやすい「6000円台以下」の金額設定で20製品をチョイス。ウイスキーを普段あまり飲まないスタッフも、全てストレートで試飲してみました。
それでは、おすすめのウイスキー20選を“専門家の見解”と“ウイスキー初心者の感想”とともに振り返ってみましょう!
【スコッチ1】バーテンダー御用達!「デュワーズ ホワイトラベル」
バカルディ ジャパン
デュワーズ ホワイト・ラベル 700ml
実勢価格:1699円
原産国:スコットランド
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★☆☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★☆☆☆☆
- スモーキー: ★★☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★☆☆☆☆
スコッチのおすすめ1つ目は、「バーテンダーに最も愛されているブレンデッドスコッチ」との呼び声が高い「デュワーズ ホワイト・ラベル」です。今回唯一のブレンデッドスコッチとしてエントリーしました。
甘く華やかな香りとスムースな飲み口が特徴です。
華やかで軽やかな香りを味わうにはハイボールがおすすめです。サッポロの公式サイトでは、「ハイボールの起源」との記載があります。
【スコッチ2】樽の個性が生きている「ザ・グレンリベット12年 ファーストフィル」
ザ・グレンリベット12年
ファーストフィル 700ml
実勢価格:5180円
原産国:スコットランド
アルコール度数:40%
※Amazonリンク先は並行輸入品です。
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★★☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
スコッチ2つ目は、「グレンリベット12年 ファーストフィル」です。「ファーストフィル」とは、新樽で熟成させたバーボンやシェリーなどを払い出した後の最初の樽のことで、樽の個性がしっかりと出ているのが特徴です。
ファーストフィルで熟成後に払い出したものは「セカンドフィル」、セカンドフィルを払い出したものは「サードフィル」……となり、回数を重ねるにつれて樽が原酒に与える影響は弱くなっていきます。
▼【左】スタンダード 【右】ファーストフィル
ウイスキーの色を比べてみると、ファーストフィルはスタンダード品よりも深い色味です。
スタンダードのグレンリベット12年もスムースでバランスの取れた味わいですが、ファーストフィルはバーボンの熟成に使用されたアメリカンオークのファーストフィルのみを使用しているため、バニラや蜂蜜のニュアンスもしっかり感じられます。
【スコッチ3】世界で人気の三角ボトル「グレンフィディック12年」
サントリースピリッツ
グレンフィディック12年
スペシャルリザーブ 700ml
実勢価格:3319円
原産国:スコットランド
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
スコッチ3つ目は、世界中で人気のあるシングルモルトのうちのひとつ「グレンフィディック12年 スペシャルリザーブ」です。先ほどのグレンリベットと「世界一売れているシングルモルト」の座を巡り競い合っている蒸留所だそうです。
かつて主にブレンデッドウイスキーが飲まれていた時代に、クセがあって飲みにくいとされていたシングルモルトとして初めて世に売り出したのもグレンフィディックだと言われています。
特徴的な三角ボトルは、ウイスキーを作るのに必須の要素「火」と「水」と「土」を表していると言われています。また、隙間なく梱包できるため輸送効率がよいのだとか。
洋ナシやレモンのようなフルーティーさとクリーミーな口当たりが特徴です。
【スコッチ4】昼下がりに飲みたい「グレンモーレンジィ オリジナル」
MHD モエヘネシーディアジオ
グレンモーレンジィ オリジナル 700ml
実勢価格:3940円
原産国:スコットランド
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★☆☆☆
スコッチ4つ目は、「グレンモーレンジィ オリジナル」。スコットランドで最も背の高い5.14メートルのポットスチルを使っていることでも有名です。垂直に長い管を通ることで、重たい成分は上がりきれずに落ち、軽いフローラルな華やかな成分だけが次の工程に進むため、軽やかな味わいになります。
ボトルの印象そのまま、オレンジのような爽やかな柑橘系の香りと軽やかでスムースな口当たりが特徴です。
柑橘系のほか、バニラやアーモンドなどのクリーミーなニュアンスもあります。天気の良い昼下がりからでも飲めるような華やかなウイスキーですね!
【スコッチ5】シェリー樽由来のふくよかな甘み「アベラワー10年」
アベラワー10年 700ml
実勢価格:3499円
原産国:スコットランド
アルコール度数:40%
※Amazonリンク先は並行品です。
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★★☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★★☆
スコッチ5つ目は、「アベラワー10年」。熟成にはバーボン樽とシェリー樽をバランスよく使用しており、あたたかみのある味わいです。
ラムレーズンやバニラのような甘い香りと、ライムのようなほのかな柑橘系の香りの非常にバランスのいい1本です。
このぐらいふくよかで厚みのある味なら、ストレートでも十分に楽しめます。
【スコッチ6】ナッティで深みのある「グレンドロナック12年」
アサヒビール
グレンドロナック12年 700ml
実勢価格:6347円
原産国:スコットランド
アルコール度数:43%
※Amazonリンク先は箱入りです。
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★★☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★★☆
スコッチ6つ目は、あの有名な「マッカラン」と並び称されるシェリー樽熟成のシングルモルト「グレンドロナック12年」です。
楽天で人気の商品販売サイト「酒類の総合専門店フェリシティー」では「ハイランドモルトの入門編」としてイチオシされています。
フルーティーですが、マッカランと比べると後口はややドライでナッティ(※)なニュアンスが感じられるのが特徴です。
※ナッティ:ナッツのようなニュアンス
ドライレーズンやドライフルーツのほか、ナッティで深みがあって、厚みのあるカカオのニュアンスが出てきますね。
【スコッチ7】フレッシュな塩気を感じる「クライヌリッシュ14年」
MHD モエヘネシーディアジオ
クライヌリッシュ14年 700ml
実勢価格:5800円
原産国:スコットランド
アルコール度数:46%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★☆☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★★★☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
スコッチの7つ目は、ラベルの猫が可愛らしい「クライヌリッシュ14年」です。
フルーティーな味わいの中にほんのりスパイシーさや、オイリーでワクシー(※)なテイストがバランスよく感じられるのが特徴です。
※ワクシー:ワックスのニュアンス
【スコッチ8】全英オープンゴルフの公式ウイスキー「ロッホローモンド12年」
都光
ロッホローモンド12年 700ml
実勢価格:4290円
原産国:スコットランド
アルコール度数:46%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★☆☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★★☆☆
- スモーキー: ★★★☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★★☆
スコッチ8つ目は、日本初の洋酒品評会「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」において2年連続「スコッチシングルモルト12年以下」部門最高賞に選ばれた「ロッホローモンド12年」。
全英オープンゴルフ公式ウイスキーでもあり、リカーマウンテン銀座777では、ゴルフコンペの景品として購入するお客様も多いのだとか。
柔らかな甘みとほのかにスモーキーなテイストが特徴です。
【スコッチ9】甘くて飲みやすいアイランズモルト「アラン10年」
ウィスク・イー
アラン10年 700ml
実勢価格:4890円
原産国:スコットランド
アルコール度数:46%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
スコッチの9つ目「アラン10年」は、アラン島でつくられるウイスキー。
2019年にパッケージデザインが現在のものにリニューアルされ、蒸留所名が「アイル・オブ・アラン蒸溜所」から「ロックランザ蒸溜所 (Lochranza Distillery)」に呼称が変更されました。
蜜のような甘みとリンゴやシトラスのようなフルーティーさが特徴。バニラやヘーゼルナッツのナッティなニュアンスもあります。
島でつくられるウイスキーは特徴的なものが多いなかで、結構甘い部類に入りますね。初心者の人にはハイボールで飲むのにぴったりですし、もちろんストレートでも◎。
【スコッチ10】アイラ島ど真ん中・スコッチの定番「ボウモア12年」
サントリースピリッツ
ボウモア12年 700ml
実勢価格:3958円
原産国:スコットランド
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★★★★★
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
スコッチ10番目は、スコットランド西岸沖のアイラ島でつくられるウイスキー「ボウモア12年」。ネットのスコッチおすすめ人気ランキング記事でもつねに上位に食い込む定番品です。
アイラ島のウイスキーは基本的にスモーキーなものが多いですが、北へ行くほどモルトが軽め、南へ行くほど重いと言われています。ボウモアは島のちょうど真ん中に位置し、「アイラ島の全容を知るのにもってこい」と言われています。
いわゆるピーティーでスモーキーな味わいですが、スモーキーさの中にフルーティーなテイストも感じられるので、アイラの入門としてはぴったりな1本です。
僕は甘くてフルーティーと思っちゃう。ボウモアはスモーキーでも軽い方で、ちょっとハチミツのような甘さがあります。家で映画とか観ながらずっと飲んでいられます……。
【アイリッシュ1】世界最古を謳う蒸留所のシングルモルト「ブッシュミルズ10年」
アサヒビール
ブッシュミルズ10年 700ml
実勢価格:3390円
原産国:アイルランド
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★☆☆☆
アイリッシュのシングルモルト「ブッシュミルズ10年」は、ノンピートの大麦麦芽のみを使用し、アイリッシュ伝統の3回蒸溜によるスムースな口当たりが特徴です。
諸説ありますが、ブッシュミルズは世界最古のウイスキー蒸溜所を謳っており、ボトルのボディには「1608(年)」の刻印がデザインされています。
色合いは薄め。主にバーボン樽で最低10年以上熟成することにより、バニラや蜂蜜のようなニュアンスが感じられます。
【アイリッシュ2】複雑な味わい「レッドブレスト12年」
ペルノ・リカール・ジャパン
レッドブレスト12年 700ml
実勢価格:5880円
原産国:アイルランド
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★☆☆☆
アイリッシュ2つ目の「レッドブレスト12年」は、アイルランド伝統の製法でつくられる「シングルポットスチルウイスキー」。
フルーティーさのなかにスパイシーさも感じられる複雑な味わいです。
【アメリカン1】冬小麦のまろやかさ「メーカーズマーク」
サントリースピリッツ
メーカーズマーク 700ml
実勢価格:2690円
原産国:アメリカ
アルコール度数:45%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★★★☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
今回エントリーしたアメリカンウイスキーはすべてバーボンです。バーボンの1つ目は、小栗旬さんのCMでも有名な「メーカーズマーク」です。
一般的なバーボンはトウモロコシ以外にライ麦を使用しますが、メーカーズマークは冬小麦を使用しており、ふくらみのあるまろやかな口当たりが特徴的です。
蓋の封ロウは手作業で施されており、店頭に並ぶ1本1本の垂れ方が違います。新美氏が蒸留所を見学した際、作業員の方の手捌きの速さに驚いたそうです。
参考:サントリー公式サイト
https://bar-navi.suntory.co.jp/contents/mmryuugi/06/
「S」「Ⅳ」のロゴマークにはヒストリーが隠されていると言われています。流星がぐるりと取り囲む軌跡の4つの途切れ目は、バーボンの生産が止まっていた時期を表しているという説が。「南北戦争」「禁酒法時代」「第一次世界大戦」「第二次世界大戦」という苦難の時代を物語っているのではないかと言われています。
こうしたウンチクも、ウイスキーの楽しみのひとつですね。
【アメリカン2】濃く華やかなフレーバー「ワイルドターキー8年」
CTスピリッツジャパン
ワイルドターキー8年 1L(1000ml)
実勢価格:3646円
原産国:アメリカ
アルコール度数:50%
※リカーマウンテンのリンク先は700mlの商品です。
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★★★★
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★★☆
アメリカン2つ目は、「ワイルドターキー8年」です。蒸溜時のアルコール度数を低めに設定することによる原料由来の豊かなフレーバーが感じられます。
重厚でインパクトのある味わいが印象的。容量は200ml、700ml、1000mlと展開されています。
【アメリカン3】ガツンとくる飲みごたえ「オールドグランダッド114」
オールドグランダッド114
実勢価格:2869円
原産国:アメリカ
アルコール度数:57%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★★☆☆
- ウッディー: ★★★★★
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★★☆
アメリカン3つ目は「オールドグランダッド114」です。「114」とは、アメリカでのプルーフ(アルコール度数)を指します。アメリカのプルーフを半分にすると、日本でのアルコール度数(57度)となります。
加水せずに樽から直接詰められることによる豊かな味わいと、57度という高いアルコール度数を感じさせないまろやかさが特徴のバーボンです。
結構ガツンときますけど、57度あるとは思えないぐらい飲みやすいです。やっぱり加水していない分、味に厚みがあります。
【アメリカン4】驚くほどスムースな「ノアーズミル」
ノアーズミル 700ml
実勢価格:5990円
原産国:アメリカ
アルコール度数:57.15%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★★★☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★★☆☆
アメリカン4つ目は、少数の樽をバッティングしてつくられるスモールバッチバーボン「ノアーズミル」です。ワインのようなボトルが印象的。
高い度数の割にはソフトな口当たりで驚くほどにスムースです。
【カナディアン】ドライな飲み口の定番「カナディアンクラブ」
サントリースピリッツ
カナディアンクラブ 700ml
実勢価格:1089円
原産国:カナダ
アルコール度数:40%
※Amazonリンク先ではプレゼントにぴったりなタンブラーセットも取り扱いがあります。
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★☆☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★☆☆☆☆
カナディアンのおすすめは、王道ブレンデッド「カナディアンクラブ」です。カナディアンウイスキーの代表的ブランドといったらコレ。1000円前後と挑戦しやすい価格帯となっています。
カナディアンの特徴であるスムースさ、クリーンでドライな飲み口です。すっきりした味わいとほのかな甘みはハイボールに合います。
容量展開は700ml、1000ml、1750mlです。
ちょっとスパイシーですよね。
【ジャパニーズ1】軽めでバランスのいい味わい「イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル」
ベンチャーウイスキー
イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル 700ml
実勢価格:4840円
原産国:日本
アルコール度数:46%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★☆☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★★☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★☆☆☆☆
ジャパニーズの1つ目は、人気のイチローズモルトの定番品「イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル」。5大ウイスキーをブレンドしたワールドモルトで、非常に飲みやすくバランスのいい味わいです。
薄くて綺麗な色をしています。
軽い飲み口で、ハイボールにおすすめです!
【ジャパニーズ2】華やかなアロマを感じる「シングルモルト宮城峡」
アサヒビール(ニッカウヰスキー)
宮城峡 700ml
実勢価格:5080円
原産国:日本
アルコール度数:45%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★★
- スパイシー: ★☆☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★☆☆☆
ジャパニーズの2つ目は、ニッカ「余市」と双璧をなす「宮城峡」です。
力強く男性的とも評される余市に対して、こちらは軽やかで華やかな香りと軽快な味わいから、女性的とも評されるモルトです。
軽やかながら、口に広がるふくよかな甘みも感じられます。
ピートがしっかり効いてスモーキーで力強い余市に対して、宮城峡は甘く華やかで、フローラルな感じもあります。
【台湾】南国仕込みの新興ウイスキー「カバラン ディスティラリーセレクト」
リードオフジャパン
カバラン ディスティラリーセレクト 700ml
実勢価格:4950円
原産国:台湾
アルコール度数:40%
▼味わいの評価
- フルーティー: ★★★★☆
- スパイシー: ★★☆☆☆
- ウッディー: ★★☆☆☆
- スモーキー: ★☆☆☆☆
- ボディ(味の厚み): ★★☆☆☆
ウイスキー新興国・台湾より、「カバラン ディスティラリーセレクト」がエントリー。昨今、様々な品評会で高い評価を得ている台湾のシングルモルト「カバラン」のスタンダードな1本です。
カバランは、2015年のワールドウイスキーアワードで「ソリスト ビーニョ・バリック カスクストレングス」がシングルモルト世界一の称号を獲得。いま注目の蒸留所です。
アルコール感を感じさせないまろやさな口当たりと甘みがあり、同蒸留所の特徴であるトロピカルフルーツのニュアンスも感じられます。
ウイスキーは冷涼な場所で作られるイメージがあると思いますが、1年中涼しいスコットランドでは熟成が穏やかに進むのに対して、カバラン蒸溜所のある台湾北東部の宜蘭県は、夏は暑く冬は寒いため、熟成が短期間でダイナミックに進むと言われています。
思わず人に言いたくなる!ウイスキーこぼれ話
ウィスキーの特徴とともに、博識な新美氏から、人についつい話したくなるウィスキーにまつわる小ネタを教えていただきました。
スコッチに多い「グレン○○」の意味とは?
スコッチウイスキーは名前に「グレン」と付くものが多いですが、「グレン」とは、ゲール語で「谷」を表しているそうです。ゲール語で、「グレンリベット」は「静かなる谷」、「グレンフィディック」は「鹿の谷」という意味です。
重税を逃れるために蒸留所が谷間に隠れてつくっていたという、ウィスキーの密造酒としての歴史が関係していると言えるでしょう。
樽に詰める前のウイスキーって透明なんです
こちらの写真の3本は、滋賀県「長濱蒸留所」のウイスキーです。一見すると「あれっ?」と違和感を感じるかもしれませんが、左端のボトルもじつはウィスキー。なかなか見る機会はありませんが、蒸留して樽詰めする前のウィスキーは無色透明なんです。
【左端】長濱ニューメイク ライトリーピーテッド
【中央】シングルモルト長濱 バーボンカスク カスクストレングス バッチ0007
【右端】シングルモルト長濱 オロロソシェリーカスク カスクストレングス バッチ0149
加水前のアルコール度数は59度。本当に荒々しい麦のアルコールという感じで、面白いウィスキーです。
あなたの好みは?プロが伝授するウイスキーの飲み方
ウイスキーは、飲み方によって香りや味わいがガラリと変わり、1本で様々な楽しみ方ができるそう。
今回は、新美さんに4通りの飲み方(作り方)を実践していただきました。
用意したものは以下の通りです。
道具:ロックグラス、タンブラー、テイスティンググラス、アイスペール、アイス用トング、マドラー
割材など:かち割り氷、炭酸水、水(常温)、水(冷えたもの)
飲み方1:ロック
使用したウイスキー:シングルモルトスコッチ「ロッホローモンド12年」
1:ロックグラスに氷を入れる
2:ウイスキーを氷の上に注ぐ
今回は目分量ですが、シングルなら30ml、ダブルなら60ml注ぎます。初心者は少なめから始めてみましょう。
3:数回ステアして(かき混ぜて)なじませる
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はい! 超絶ムーディーな1杯が出来上がりました。
飲み方2:ハイボール
続いては、みんな大好きハイボール! 居酒屋でジョッキでガブガブいくのもいいけれど、スマートなタンブラーでしっぽりやるのもアリじゃないですか?
使用したウイスキー:ブレンデッドスコッチ「デュワーズ ホワイト・ラベル」
1:氷をフチの高さまで入れ、マドラーで混ぜる
ウイスキーを注ぐ前に、グラスを冷やします。触った温度感と、グラスが白く曇るのがひとつの目安です。
2:溶けた氷の水をグラスから出し、適宜氷を足す
このままウイスキーと炭酸を注いでしまうと、味が薄まる原因に。溶けた氷の水分は捨て、カサが減った分の氷を足しましょう。氷をたくさん入れることで、グラスの中が冷えて氷が溶けづらくなります。
3:ウイスキーを注ぎ、軽くステア
4:炭酸水を氷に当てないように注ぎ、軽くステア
この時、ぐるぐるかき混ぜるとせっかくの炭酸が抜けてしまうので、注意しましょう。氷を持ち上げ、くるっと1回転させる程度で十分です。
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清涼感たっぷりのハイボールが完成!!
飲み方3:トワイスアップ(トゥワイスアップ)(水割り)
ウイスキーと水、1対1で割るトワイスアップ(トゥワイスアップ)。水で割ることでウイスキーの香りや味わいに広がりが生まれます。
使用したウイスキー:シングルモルトスコッチ「ロッホローモンド12年」
1:ウイスキーを注ぐ
シングルなら30ml。目分量でテイスティンググラスの3分の1程度注ぎます。
2:常温の水を注ぐ
冷えた水を使うと香りが飛んでしまうので、より香りを楽しみたいなら常温の水を使いましょう。
また、ウイスキーより水を多く入れてしまうと味のバランスが崩れてしまうため、分量に気をつけてください。
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トワイスアップ(トゥワイスアップ)の完成です。
僕は基本ストレートで飲むのですが、水を入れるときは1滴か、ペットボトルの蓋1杯分程度。それだけでも香りの変化を楽しめますよ。
飲み方4:水割り(氷を入れて)
日本では食中酒として飲まれることも多い水割りの作り方をご紹介します。
1:氷を入れてグラスを冷やす
ハイボールを作るときと同様に、氷をグラスのフチの高さまで入れてかき混ぜ、グラスを冷やします。余分な水分は捨て、減った分の氷を足してください。
2:氷に触れないようにウイスキーを注ぎ、軽くステア
ここまでは、ハイボールの手順とほぼ一緒です。
3:水を注いでステア
冷えた水割りを楽しむなら、水も冷やしたものを使いましょう。水割りの場合は、軽くというよりもちゃんとかき混ぜましょう。仕上げにマドラーで氷を持ち上げます。
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水割りの完成です。
ウイスキーを思い思いに楽しもう!
以上、初心者向けのウイスキー20選でした。産地や味わい、文化的背景など、ウイスキーを選ぶポイントは様々。
第一印象で「飲みにくい!」と感じたウイスキーも、飲み方を変えればまた違った表情を見せてくれる面白さがあります。
自分で嗜む用に、大切な人へのギフト用に、とっておきの1本を選んでいろんな飲み方を楽しんでみてくださいね!
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バニラや蜂蜜に加え、タンジェリンのようなクリーミーな甘みがあります。水割りでも、ロックでも、そのままストレートでも◎。加水してもバランスが崩れないので、飲み方を選ばずに楽しめますよ。