すべて3ステップで完結!“作りおきの素”のキホン
「時間がない」「面倒くさい」「献立を考えたくない」……料理は手間や時間がかかるものだと思っているなら、すぐに試してほしいのが「作りおき」。今回は、肉や魚、野菜などを味付けしたり下処理して冷凍保存した「作りおきの素」と、カンタンなのに手抜き感ゼロのプロ直伝のアレンジレシピを紹介します。
「作りおきの素」は3ステップで完成! 週末に仕込んで冷凍保存しておけば、あとはメインディッシュもおかずもすぐに完成。冷蔵庫にある素材ばかりだから、今すぐマネできちゃいます。
作りおきの素→調理までの流れ
作りおきの素をつくって冷凍
3ステップで素材に味付けしてジッパーバッグなどの保存袋へ。使いやすい分量にわけたり、バットに乗せて冷凍します。
調理方法1:常温解凍&冷蔵
基本は、凍ったジッパーバッグをバットの上に置き、常温で解凍。完全に解凍したら調理するまで冷蔵室で保管します。
調理方法2:直接調理
煮込み料理などには、作りおきの素を解凍せずに凍ったまま投入します。
今回はおやつ編として、2種類の「スイーツの素」を紹介します。
卵黄の作りおきの素「湯せん卵液の素」
<材料>
・生クリーム……300ml
[A]
・卵黄……6個分
・グラニュー糖……100g
・バニラエッセンス……少々
・塩……ひとつまみ
<作り方>
1 ボウルにAを入れ、泡だて器でなめらかになるまでまぜます。
2 生クリームを加えてさらにまぜます。
3 ジッパーバッグに2を入れて、空気を抜きながら平らにならしてジッパーの口を閉じ、冷凍します。
ポイントは「マチなしのジッパーを選ぶ」こと! マチなしだと冷凍するときに場所を取りません。
アレンジレシピ1:ベリーのクラフティ
ちょっとしたスイーツが欲しくなった時は、「湯せん卵液の素」を使えばフランスの焼き菓子が片手間でもできちゃいますよ。作り方は甘酸っぱいベリーやりんごなどを飾って、オーブンで焼き上がりを待つだけ!
食事作りのついでに作れるほどカンタンに憧れのオシャレスイーツが完成するので、急な来客時のおもてなしにもピッタリです。
<材料>※4~6個分
・ブルーベリー、クランベリー……各8~12粒
・湯せん卵液の素……200ml
<作り方>
1 小さめの耐熱容器に「湯せん卵液の素」を流し込みます。
2 ブルーベリーとクランベリーを2粒ずつのせます。
3 余熱した160℃のオーブンで20分焼いたら完成です。
「素を容器に流し込んでベリーを飾るだけ」という手軽さなので、子どもでもカンタンに作れちゃいます。あとはオーブンに入れるだけなので、時間がない時でも作れちゃいます。
ベリーがない場合はりんごでもおいしくできます。
アレンジレシピ2:リッチフレンチトースト
食パンを「湯せん卵液の素」に浸して保存しておけば、忙しい朝でもサッと焼くだけでワンランク上のフレンチトーストが手軽に作れます。トーストのふわふわ感と、卵液に入った生クリームのコクとバニラエッセンスの香りがたまりません。ホテル気分を味わえる優雅な朝食になりますよ。
<材料>※2人前
・食パン(4等分にする)……1枚
・バター……適量
・はちみつ、メープルシロップ、ベリー類など……適量
・湯せん卵液の素……200ml
<作り方>
1 ジッパーバッグに「湯せん卵液の素」と食パンを入れ、卵液が食パンにしみ込むまで冷蔵庫で保存します。
2 フライパンにバターを熱し、1を両面焼きます。
3 焼き色がついたらお皿に盛り、お好みではちみつやメープルシロップをかけ、ベリー類を飾ったら完成です。
ポイントは「食パンを卵液に浸して冷蔵庫に保存する」こと! 液がパンにしっかりとしみ込み、ふわふわの食感になります。あとは焼くだけなので忙しい朝でもサッと作れちゃいますよ。
レシピ考案:平尾由希さん
アレンジレシピ3:クレームブリュレ
「湯せん卵液の素」と低温調理器具を使えば、ほったらかしにするだけで贅沢気分が味わえる本格スイーツが作れます。表面はパリパリ、中はとろとろの、お店のようなハイレベルのクレームブリュレを自宅で楽しめますよ。
低温調理器具がない場合は、湯せんができる「ポリ袋アイラップ」を使っても作れます。
<材料>※2~3人前
・粗糖(きび砂糖)……大さじ2
・湯せん卵液の素……200ml
<作り方>
1 「湯せん卵液の素」を鍋に入れて、低温調理器で83℃に設定し、1時間過熱します。
※低温調理器がない場合はアイラップに卵液を入れ、湯せんで80℃前後に保ちましょう。
2 耐熱容器に移してラップをし、冷蔵庫で3時間休ませます。
3 粗糖をふったあと表面をバーナーであぶり、焦げ目をつけたら完成です。
ポイントは「バーナーであぶる」こと! このちょっとしたひと手間が大切なんです。最後にガスバーナーで粗糖を焦がしてパリパリの表面にすることで、仕上がりのクオリティがかなりアップしますよ。
レシピ考案:平尾由希さん
作りおきレシピに便利なアイテム2選
作りおきの素は鮮度を保つ保存袋が欠かせません。ジッパー付きが便利ですが、保存する食材や湯煎にかけるレシピの場合はアイラップも使えますよ。
おすすめ1:ダブルジッパーのジップロック
旭化成ホームプロダクツ
ジップロック(R)フリーザーバッグ M
実勢価格:475円/30枚
サイズ:縦189×横177×厚さ0.06mm
※Amazonのリンク先はパントリーの商品です。
大定番の旭化成ホームプロダクツ「ジップロック(R)フリーザーバッグ」です。ダブルジッパーで鮮度ばっちり! ジッパー付きならこれが最強といえます。
おすすめ2:ジッパーなしで高コスパのアイラップ
岩谷マテリアル
アイラップ マチ付き
実勢価格:110円/60枚
サイズ:縦350×250×マチ40×厚さ0.009mm
※Amazonはセット販売ページに移動します。
岩谷マテリアル「アイラップ マチ付き」はジッパーがないので結んで使います。このまま湯煎にも使えるので便利です。
いちごの作りおきの素「いちごピューレの素」
<材料>
・いちご……1パック(約250g)
・砂糖……大さじ3
<作り方>
1 いちごはヘタを取り、2㎝角に切り、耐熱ボウルに砂糖とともに入れてまぜ、ラップをして電子レンジで2分加熱します。
2 ラップを外し、全体をまぜたら再度ラップをして、突沸しないよう様子を見ながら1~2分加熱します。
3 ジッパーバッグに2を入れ、空気を抜きながら平らにならしてジッパーの口を閉じ、冷凍します。
いちごピューレは、一度作ったら6か月間冷凍保存可能です。旬の時期にたくさん作って冷凍しておくことをおすすめします。
アレンジレシピ1:いちごのムース
「いちごピューレの素」を使えば、見た目も美しいスイーツがレンジでチンするだけで完成します。ソース作りの時間が大幅に削減できるうえ、粉ゼラチンを使うことでメレンゲも不要になり、簡単にムースが作れます。
いちごの果肉がどっさり入ったムースは高級感も満点! パーティーに出したくなるような、見た目も味も人に自慢できる極上ムースができますよ。調理はあっという間なので来客時にピッタリです。
<材料>※4個分
・生クリーム……100ml
・砂糖……30g
・粉ゼラチン……5g
・ミント……適量
・いちごピューレの素……240g
<作り方>
1 「いちごピューレの素」は耐熱性の器に入れ、電子レンジでひと煮立ちするまで加熱します。飾り用に大さじ2程度の素を、別容器にとっておきます。
2 1が熱いうちに粉ゼラチンをふり入れてしっかりとまぜて溶かします。ゼラチンが溶けたら別の器の底に氷水をあてて、まぜながら冷やします。
3 別のボウルに生クリーム、砂糖を入れてしっかりと泡立てます。そして2を加えてまぜあわせ、カップに分け入れます。冷蔵庫で1時間冷やし、固まったら1で取り分けたいちごピューレをかけ、仕上げにミントを添えたら完成です。
ポイントは「熱々のうちにゼラチンを入れてしっかり溶かす」こと! ソースをレンジから取り出したら、すぐにゼラチンを投入してください。粉が見えなくなるまでしっかり溶かしましょう。
レシピ考案:風間章子さん
アレンジレシピ2:いちごのカップケーキ
「いちごピューレの素」を使えば、思い立ったときに果肉ごろごろのいちごケーキが手早く作れます。ホットケーキミックスで簡単にお安くできちゃいますよ。
素は半年保存できるので、値の張るいちごは旬の冬から春先の安い時にまとめ買いして作っておくことをおすすめします。これならシーズンオフでもいちごのスイーツが楽しめますね。
<材料>※6cmのマフィン型6個分
・バター……60g
・卵……1個
・牛乳……50ml
・ホットケーキミックス……150g
・いちごピューレの素……120g
<作り方>
1 バターは電子レンジで10~20秒ほど加熱して溶かします。
2 ボウルに卵と牛乳、「いちごピューレの素」、ホットケーキミックス、溶かしバターの順に加えて、その都度しっかりとまぜあわせます。
3 カップの6分目を目安に2を入れて、180℃に予熱したオーブンで20分焼いたら完成です。
ポイントは「その都度まぜる」こと! 材料を投入するたびにまぜることで分離を防いでくれます。溶かしバターは最後に入れましょう。
レシピ考案:風間章子さん
手間と時間のかかるスイーツの下ごしらえも、「素」を作りおきしておけばあとは混ぜたりレンジで加熱したりするだけで簡単に仕上げられちゃいます。忙しいときのおもてなしやパーティーにもピッタリですね。
▼サーモンがあったらコレ作り置き!
流れをマスターすればカンタンにできます!