<外部サイトでご覧の方へ>
見出しなどのレイアウトが崩れている場合があります。正しいレイアウトはthe360.lifeオリジナルサイトをご確認ください。
※本記事は過去に配信した記事を再編集したものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。
最近よく耳にする「PD充電器」の失敗しない選び方、教えます
外出せず自宅にいるときでも、スマホやタブレットを使っていると充電切れは気になりますよね。充電しながら使うと熱を持ちやすいのでよくありません。そんなときに用意しておきたいのが「PD対応」の充電器です。
「USB PD」とは「USB Power Delivery」の略で、USBを利用した急速充電の規格のひとつ。USB Type-Cを利用しており、最大100Wまで電力を供給することができます。
これまでのUSB Type-Aは10W程度しか給電できませんでしたが、それと比べてより短時間で充電を完了できます。また、接続した機器を自動判別するのが大きな特徴で、それぞれの機器に適切な電力に調整して給電できます。
ちなみに、Appleの最新スマホ「iPhone 11 Pro/11 Pro Max」には、高速充電に対応した18Wの充電器が付属しています。実はこれも「USB PD」を採用しており、ほかにも「iPad Pro」や「MacBook Pro」にもそれぞれ、18Wと61WのUSB PD対応充電器が付属しています。
アップル(Apple)
18W USB-C 電源アダプタ A1720
実勢価格:3080円
USB PD出力:最大18W(DC 5V/3A・9V/2A)
高速充電規:PD 2.0
USB PD対応充電器を買う前に知っておきたい10のコト
充電が短時間で済むのは有り難いのですが、もともと専門的な表記だらけでわかりずらかった充電器のスペックが、PD対応でさらに難解になっています。安いと思って買ってみたけど、全然速くない……なんてことになる前に、まずはキホンや選び方をマスターしておきましょう。
なお、電気の単位である「V(ボルト)」「A(アンペア)」「W(ワット)」ですが、「V(ボルト)」は「電圧」を表します。電気を押し出す力のことで、一般家庭では最大100Vとなります。
「A(アンペア)」は「電流」、電気の流れる量を表します。「W(ワット)」は「電力」で、実際に消費される電気エネルギーを表しており、「W(ワット)」は「V(ボルト)」×「A(アンペア)」で算出することができ、数値が大きいほど高出力で、消費電力が大きいということになります。
01.Type-Cの供給電力は従来のUSBの約10倍です
これまで一般的だったUSB端子は「Type-A」という形状で、給電能力は5V×2.4Aで最大12Wでした。
これに対して、「Type-C」を利用したUSB PDでは、20V×5Aの最大100Wまで給電できます。当然ながら、供給できる電力が大きいほうが、より高速に機器を充電できるという仕組みです。
なお、「USB Type-A」の給電能力は5V×2.4Aで最大12Wといいましたが、これは充電用ケーブルとしての最大値で、パソコンなどに搭載しているUSB端子の規格としては、5V×1.5Aの7.5Wが最大値となります。
02.USB Type-Cの機器でもPD対応とは限りません
現状では、USB PDはUSB Type-C端子でしか利用できません。でも、PDはあくまでもオプション機能なので、Type-CならすべてUSB PD対応というワケではありません。
よくSwitch対応と書かれたPD充電器を見かけますが、Switch自体はPDへの正式対応を公表しておらず、あくまでも各社のテスト結果をもとにした表記でしょう。
Switchの充電器はもともと、本体のみの単独充電時には5V、ドック接続時には15Vと2種類の給電が可能です。この電圧がPDの規格の一部と一致するため、PD対応だと思われがちです。
03.PD充電器だけではPDは利用できません
USB PDでの急速充電は、PD対応充電器だけでは行えません。充電する機器側もUSB PDに対応している必要がありますが、さらにUSB PDに対応したUSB Type-Cケーブルも必要です。
USB Type-Cケーブルを購入する際には、必ず「PD対応」や「USB Power Delivery対応」という表記を確認しましょう。
04.PD対応USB Type-Cケーブルにも種類があります
USB PDに対応したUSB Type-Cケーブルには、さらに2種類が存在しています。それが、3A対応ケーブルと5A対応ケーブルです。
USB PDでは、60W以上の給電には5A対応ケーブルが必要となります。とはいえ、現状では安全面を考慮して、60Wの製品までしか販売されていません。このため、3A対応ケーブルがあればこと足りますが、もしノートPCへの給電がメインなら、先を見越して5A対応ケーブルを買っておくのも手でしょう。
なお、今回のテストでは3A対応、5A対応による電力の差はまったくありませんでした。
なお、混同しがちですが、USB Type-Cはあくまでも形状の規格で、USB 2.0や3.0といった転送速度を表すUSB規格とは別モノです。
USB Type-CケーブルにもUSB 2.0の製品と3.0の製品といったUSB規格違いの製品がありますが、給電能力には関係ありません。なお、各USB規格の転送速度は以下のとおりです。
05.PD充電器は機器に合わせて電力を自動調整します
USB PDには、接続機器を自動判別して、それぞれに適切な電力に調整する機能が搭載されています。同じ充電器と同じケーブルを使っていても、接続する機器によって電力が変化するのです。
そのため、充電器を選ぶ前に充電したい機器が必要とする電力を、きちんと把握しておくことが大切です。なお、機器によっては使用状態やバッテリーの減り具合で、必要とする電力が変わる機器も存在します。
たとえば、Switch Liteなら最大15W、iPhoneなら最大18W、iPadはサイズや世代によって30Wや45W、MacBook Proなら61Wとなります。
06.充電器ごとに供給できる最大電力は違います
USB PDの対応電力は、最大で20V×5Aの100Wです。ただし、安全性なども考慮し、現状では1ポートあたり60Wの製品が最大となります。
充電器はW数が大きくなるほど、本体サイズも大きくなります。このため、持ち歩きに便利だからと小型のものを購入してしまうと、必要な電力を供給できない可能性があります。サイズはもちろん重要ですが、充電したい機器に必要な電力に合わせて選ぶのが正解です。
なお、上の「05」でも説明しましたが、PD対応充電器は機器に合わせて電力が変わります。このため、スペックには複数の電力が表記されています。
充電器の出力部分に並ぶ電圧(V)と電流(A)の組み合わせが対応電力です。最大W数が明記されていない製品の場合でも、一番大きな数字のかけ算で割り出せます。この場合は、20V×3Aで60Wが最大電力となります。
07.複数ポートの製品では電力は振り分けられます
充電器によってはPD対応ポートを複数搭載しているものもあります。この場合、充電器の最大電力は各ポートに振り分けられます。
たとえば、最大36Wの充電器の場合、スマホ2台を同時に充電すると、18W×2台でもう最大電力を使い切ってしまいます。このため、スマホとタブレット(30W)を同時に接続すると電力不足となり、少なくとも片方は急速充電できないことになります。
08.USB Type-A付きの最大電力には要注意!
PD対応ポートに加えて、USB Type-Aポートも搭載されている製品の場合には注意が必要です。USB Type-AポートはPD対応ポートとは電力が別系統になっている製品が多いのですが、両方を足した電力が大きく記載される傾向にあります。
例えばこの場合、PD対応ポートで45Wの給電できるように見えます。でも、よく読んでみるとPD対応ポートの供給電力は29Wです。このように、PD対応ポートのみの電力は製品の電力よりも小さいことがほとんどなので、しっかり確認しましょう。
09.PD充電器には大きく3つのタイプがあります
USB PD対応の充電器を選ぶ際はまず、どんな用途で使いたいのかをハッキリさせるのがポイントです。PD充電器は本体サイズで大きく3つに分けられますが、目的や用途で最適な製品は変わってきます。
小型タイプは携帯性を重視しているため、電力は18Wと小さめの製品がほとんどです。スマホ充電用にはベストですが、タブレットではやや電力不足となります。また、電源プラグが折りたためない製品もあります。
持ち歩きも可能な中型タイプはプラグが折りたためる製品がほとんどで、電力も30~60Wとタブレットでも十分使えます。ノートPCにも最適です。
コードタイプの充電器は電力が大きく、ポート数も充実しています。持ち歩きにはやや不便ですが、デスクまわりに据え置くならこれが最適でしょう。
10.高速充電/Quick Charge/PowerIQはPDとは別モノ
USB PD以外にも、さまざまな急速充電規格が存在しています。Appleの「高速充電」、Qualcommの「Quick Charge(QC)」、Ankerの「PowerIQ」などが有名ですが、これは各社がそれぞれ定めた充電技術でUSB PDとは別モノです。
でも、Appleが近年採用しているUSB Type-Cを利用した高速充電は、中身はUSB PDです。また、Quick Chargeも4以上ならば、USB PDと互換性があります。
PowerIQも3.0でUSB PDに対応していますが、これは実は急速充電技術ではありません。機器を判別して利用する急速充電規格を切り替える技術がPowerIQです。
30以上のPD充電器をガチテストしました!
これまでPD充電器選びの基礎知識や注意点を解説しましたが、選び方はわかっても、実際どうなのかは使ってみないとわかりません。
そこで、今回は30台以上のPD対応充電器を集めて、一斉にテストしました。今回はその中から、「小型・高出力タイプ」のおすすめ充電器をピックアップします。
接続機器は、「iPhone 11 Pro」「初代iPad Pro」「2019 MacBook Pro(13インチ)」「ニンテンドー Switch」「ニンテンドー Switch Lite」の計5台。それぞれの機器を接続して、通電チェッカーで電圧と電流を計測しました。
それでは、このテスト結果をもとに選出した「小型&高出力タイプ」のオススメを紹介していきましょう。複数買って自宅のコンセントに挿しておけば、家の中のどこでも爆速で充電できちゃいますよ!
持ち運びやすさと出力を両立するRAVPowerの薄型45W
ラブパワー(RAVPower)
45W USB充電器 RP-PC104
実勢価格:3999円
最大出力:45W(DC 5V/3A・9V/3A・12V/3A・15V/3A・20V/2.25A)
ポート数:PD×1
プラグ形状:折りたたみ式
高速充電規格:USB PD 3.0
サイズ・重量:80×56×16mm・82g
プラグは折りたたみ式で本体の形状も薄型なので、持ち歩きやすいでしょう。
ただし、電源に差した際には結構ジャマになることがあります。電源タップによっては、隣の差込口が使えなくなってしまいます。
給電テストの結果
iPhoneの充電時はやや電力が低いですが、iPadやMacBookでもしっかり充電できます。15Vに対応しているので、Switchでも安心して使えるでしょう。
以上、PD充電器のオススメ製品紹介でした。
家にいるときでも、スマホやタブレットの充電切れは大きなストレス。コレさえあれば、いつでも急速充電できちゃいます。