充電切れスマホ&タブレットの救世主は PD対応のモバイルバッテリー

仕事も趣味もスマートフォンやタブレットがないと困るという方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。

充電切れスマホ&タブレットの救世主はPD対応のモバイルバッテリー イメージ

でも、どんなに便利なツールでも充電が切れては元も子もありません。そんなとき、あると助かるのが急速充電規格USB Power Delivery対応(急速充電・以降PD対応)のモバイルバッテリーです。

USB PD対応モバイルバッテリーは最大100W出力対応で、スマホやタブレットを急速かつパワフルに充電可能です。

ちなみに、Amazonランキング1位で出力12Wのバッテリーと、出力18WのPD対応バッテリーとでiPad Proの充電時間を比較したところ、当然ながらPD対応のほうが高速でした。

充電切れスマホ&タブレットの救世主はPD対応のモバイルバッテリー イメージ2

しかも、前者はiPad Proの電源を入れた状態だと1時間で1%も充電できないという結果に……。

モバイルバッテリーを選ぶならばPD対応の方が良さそうということは何となくお分かりいただけたかと思います。でもPD対応の製品なら何でもいいかというと、そうでもありません。

充電切れスマホ&タブレットの救世主はPD対応のモバイルバッテリー イメージ3

そこで今回はベストなPD対応モバイルバッテリーを見つけるべく、10000mAhクラスと、iPad Proなら2回充電できる20000mAhクラスの製品を集めて比較テストを実施。おすすめ順ランキングを作成しました!

PD対応モバイルバッテリーの 失敗しない選び方ポイント

ひと口にPD対応モバイルバッテリー」と言っても、いろいろなタイプがあります。また、せっくPD対応のものを購入しても、場合によっては実力を発揮できないことがあります。

そこで、ランキング発表の前にPD対応バッテリーを選ぶ際にチェックすべきポイントをご紹介したいと思います。

ポイント①充電したいツールもPD対応?

せっかくPD対応のモバイルバッテリーを購入しても、充電したい機器(パソコン、スマホ、タブレット、ゲーム機など)がPD非対応だと、高速充電の恩恵は受けられません。

なのでPD対応モバイルバッテリーを購入を検討している方は、まずは自分が所有しているツールがPD対応か否かをチェックしてみてください。

●PD対応スマホの例
iPhone(8以降)、Pixel、Xperia、Galaxyなどのシリーズの一部製品

●PD対応ノートパソコンの例
MacBook、VAIO、dynabook、Lavie、Surfaceなどのシリーズの一部製品

●PD対応ゲーム機の例
ニンテンドースイッチ

●PD対応iPadの例
iPad Pro12.9インチ(第3世代)、iPad Pro 11インチ、iPad Pro 10.5インチ、iPad mini (第5世代)、iPad Air(第3世代)

※PD非対応のツールでも充電はできます。あくまでも高速充電ができないという話です。

ポイント②使用するケーブルもPD対応?

意外と見落としがちなのが、充電に使用するケーブル。USB PDのコネクタはUSB Type-Cと同形状ですが、ケーブルはUSB PD対応製品を用意する必要があります。

下の図はiPhone向けケーブルで比較した結果の例です。

ポイント②使用するケーブルもPD対応? イメージ

USB PD対応のApple純正品「USB-C Lightningケーブル(1m)」が最高電力12Wを記録したのに対し、Amazonで販売されていた格安のOthurgi「type c to lightning充電ケーブル(1m+1m)」は4Wしか出ませんでした。

効率的に充電したいなら、ケーブルもUSB PD対応が必要という訳です。また、iPhoneやiPadなどApple製品の充電に使うなら、Appleの純正ケーブルを選ぶのも確実です。

ポイント③アダプタもPD対応?

USB PD対応のUSB Type-Cポートは給電だけでなく充電にも対応しています。そのため、PD対応モバイルバッテリーは本体の充電時間も高速という特徴があります。

ポイント③アダプタもPD対応? イメージ

ただし、コンセントに挿す急速充電器(ACアダプタ)側もUSB PDの対応充電器である必要があります。

ポイント③アダプタもPD対応? イメージ2

基本的に充電器は付属していないので、PD対応のモバイルバッテリーを購入する際は、お手持ちの充電器の種類もチェックしてみてください。

機能性やスペックにも注目してモバイルバッテリーをより便利に

機能性やスペックにも注目してモバイルバッテリーをより便利に イメージ

失敗しない選び方のポイント以外に、機能性やスペックにも注目するとより便利になり、さらに失敗する可能性を抑えることがます。持ち歩くことが多く、困ったときに助けてくれるモバイルバッテリー。細かい点にも注目することで、幅広いシチュエーションで活躍してくれますよ。

重量とバッテリー容量のどちらを重視するのかで選ぶモデルが異なる

モバイルバッテリーを選ぶ上で、バッテリー容量を目安にする人は多いと思います。しかしバッテリー容量と重量の関係性まで注目して選ぶ人は多くはないでしょう。実はこの容量と重量の関係性こそが失敗を避けるポイントのひとつといえるのです。

基本的にバッテリー容量が大きくなるほど重量も重くなる傾向にあるので、自分が必要とする容量と、使用頻度や使うシチュエーションを考慮して選ぶ必要があります。

今回ご紹介するのは10000mAh以上の商品なので、今までにコンパクトモデルを使用していた方にとっては重いかもしれません。しかし、急速充電を考えると、少しの重さは目をつぶるというのが正直なところです。紹介項目に重量を記載していますので、重量が気になる方は少しでも軽いモデルをチェックしてください。

20000mAhを超えてくると、しっかりとした重さを感じるモデルも多く存在します。しかし、20000mAhクラスになるとノートパソコンを充電するのにもうってつけで、活躍してくれる幅がグッと広がってきます。スマホの充電も7~8回程度は可能になるので、より頼もしい存在となってくれるでしょう。

スマホやタブレットを数回充電するなら10000mAhで十分ですが、ノートパソコンの充電を視野に入れるなら20000mAhクラスでないと一抹の不安が残ります。

仕事用に持ち運ぶならポート数もチェック

仕事用に持ち運ぶならポート数もチェック イメージ

仕事用としてモバイルバッテリーを持ち歩くのであれば、ポート数のチェックもしておきましょう。営業や外回りなどの仕事の場合、プライベート用と社用のスマホを携帯することも少なくありません。そういったときに両方の充電ができれば、扱いやすい1台となってくれるでしょう。旅行などで複数人と一緒に使う場合も活躍してくれますよ。

ポート数を多く搭載しているモデルは、ポートごとに出力が決まっているタイプと、ポート全体で合計値が決まっているタイプの2タイプがあります。後者の場合、出力を計算しながら使用することになります。例えばポートが2つのとき、2つ同時に使用すると最大出力÷2の出力になります。充電速度にも関わるので、把握しておきましょう。

10000mAh・20000mAh PD対応バッテリー11種を比較

今回は持ち運びに便利な10000mAhのPD対応モバイルバッテリー5製品と、iPad Proを2回もフル充電できる20000mAhの6製品を集めて比較テストを行いました。

10000mAh・20000mAhPD対応バッテリー11種を比較 イメージ

▼テスト項目はコチラ

項目1:充電容量(30点)
約2A一定で連続放電したモデル試験で放電した容量の割合をチェックしました。

項目2:充電速度(30点)
バッテリー0%の状態のiPad Proを充電して、10%になるまでの時間を計測しました。

項目3:重量対効果(20点)
テスト項目1の数値を元に、バッテリー1gあたりの容量を算出しました。

項目4:出入力(10点)
PD接続時にカタログスペック通りの出力・入力になるかをチェックしました。

項目5:付加要素(10点)
PD以外の高速充電機能、ポート数、Type-Cケーブルなどの付属品の有無を評価しました。

それでは、まず10000mAhクラスのおすすめ順ランキングからご覧ください。

10000mAhクラスランキング TOP5

まずは10000mAhクラスランキングをご紹介します。

【10000mAhクラス】1位 アンカーは安定性バツグン!

10000mAhクラスでは、充電時間が最短だった人気メーカー・アンカーの「PowerCore 10000 PD」が1位となりました。

【10000mAhクラス】1位アンカーは安定性バツグン! イメージ

アンカー(Anker)
PowerCore 10000 PD
実勢価格:4999円

サイズ:約114×52×25mm
重量:約192g
PD入力:5V=3A、9V=2A、15V=1.2A
PD出力:5V=3A、9V=2A、15V=1.2A
PowerIQ出力:5V=2A
合計最大出力:28W

【10000mAhクラス】1位アンカーは安定性バツグン! イメージ2

PD出力:18W
容量:10000mAh
評価:76 / 100点


PDの出力も安定しており、充電容量も好成績。Type-A出力ポートはPowerIQに対応しています。コンパクトで、重量は100g台と軽量なので持ち運びにも便利です。

【10000mAhクラス】1位アンカーは安定性バツグン! イメージ3

なおこちらの商品は、よりコンパクトになった新モデル「PowerCore 10000 PD Redux」が発売中なので、“アンカー指名買い”の方はコチラもチェックしてみてください。

【10000mAhクラス】1位アンカーは安定性バツグン! イメージ4

アンカー(Anker)
PowerCore 10000 PD Redux
実勢価格:4299円

サイズ:約106x52x25mm
重量:約192g
PD入力:5V=3A / 9V=2A / 15V=1.2A
PD出力:5V=3A / 9V=2A / 15V=1.2A
Power IQ出力:5V=2.4A
合計最大出力:18W

【10000mAhクラス】2位 オーキーのPowerBank

【10000mAhクラス】2位オーキーのPowerBank イメージ

オーキー(AUKEY)
PowerBank PB-Y22
実勢価格:3499円

サイズ:107x69x24mm
重量:235g

PD出力:18W
容量:10000mAh
評価:70 / 100点


オーキーの「PowerBank」は充電容量で最高評価でした。もう少し本体が軽ければ、アンカーの評価に近付けそうです。

【10000mAhクラス】3位 オマーズのモバイルバッテリー

【10000mAhクラス】3位オマーズのモバイルバッテリー イメージ

Omars
モバイルバッテリー
実勢価格:2180円

サイズ:140×72×15.5mm
重量:236g
※Amazonでは現在、在庫切れです。

PD出力:18W
容量:10000mAh
評価:66 / 100点


充電容量と充電速度は上位2製品とほぼ同評価。価格は10000mAhクラスではAmazonで最安レベルでした。

4位: 【10000mAhクラス】4位
チーロのPower Plus 5

4位: 【10000mAhクラス】4位チーロのPower Plus 5 イメージ

チーロ(cheero)
Power Plus 5
実勢価格:3540円

サイズ:98×46×24mm
重量:205g

PD出力:18W
容量:10000mAh
評価:65 / 100点


205gと比較的軽量ですが、テストの結果この順位となりました。

5位: 【10000mAhクラス】5位
iWALKのモバイルバッテリー

5位: 【10000mAhクラス】5位iWALKのモバイルバッテリー イメージ

アイウォーク(iWALK)
モバイルバッテリー
実勢価格:2980円

サイズ:105×62×24mm
重量:200g

PD出力:18W
容量:10000mAh
評価:57 / 100点


Type-C充電ケーブルとmicroUSB充電ケーブルがあらかじめ内蔵されていて便利です。でもPD充電をする際は、別途、専用のType-Cケーブルを用意しなければいけい点が惜しい!

なお、編集部では以前他にも10000mAhクラスのPD対応モバイルバッテリーをテストしました。ランキングには入れませんが、そちらの結果も以下に記載します。

モバイルノートとの 相性がよかったOmars

モバイルノートとの相性がよかったOmars イメージ

Omars
10000mAh USB-C Power Bank
実勢価格:3980円

放電容量:10000mAh
サイズ:W113×H80×D22mm
重量:318g

ランキングでは品切れになっているOmarsですが、同社のこちらの製品はまだ販売されています。

USB PD対応コネクタのほかにUSB Type-Aコネクタがふたつあり、3台まで同時に充電ができました。

出力30Wに対応し、ノートパソコンには最適の相棒といえます。

NOVOOは小さくて軽量 さらに充電時間も速い!

NOVOOは小さくて軽量さらに充電時間も速い! イメージ

NOVOO
10000mAh USB C PD Power Bank
実勢価格:2380円

サイズ:約W72×H16.2×D145.5mm
重量:218g

3台までの同時充電に対応。スマートチャージ機能により、接続機器にあわせて最適な充電を行います。とにかく本体が薄くて軽いのも特長でした。

置くだけ充電のQi対応はいいが 肝心のPDが遅い

置くだけ充電のQi対応はいいが肝心のPDが遅い イメージ

AideaZ
Power Origin Air 10000mAh
実勢価格:3399円

サイズ:約W105×H62×D24mm
重量:212g

USB PDと置くだけで充電ができるQiの両対応で期待しましたが、残念ながら充電時間が長めでした。とはいえ、決して使えないほどではありません。Qi対応製品を探しているのなら選択肢に入るでしょう。

以上、10000mAhタイプのPD対応モバイルバッテリーランキングでした。続いて、20000mAhタイプ6製品のランキングをご覧ください。

20000mAhタイプランキング TOP6

続いて20000mAhタイプランキングのご紹介です。

【20000mAhクラス】1位 コチラもアンカーがベストバイ

20000mAhクラスのランキングでもアンカーが安定して好成績をおさめました。

【20000mAhクラス】1位コチラもアンカーがベストバイ イメージ

アンカー(Anker)
PowerCore+ 19000 PD
実勢価格:1万999円

サイズ:169×77×22mm
重量:426g
PD入力:5V / 3A、9V / 3A、15V / 2A、20V / 1.5A
PD出力:5V / 3A、9V / 3A、15V / 1.8A、20V / 1.35A
PowerIQ 2.0出力:5V / 3A、9V / 1.6A、12V / 1.25A
PowerIQ出力:5V / 2A

【20000mAhクラス】1位コチラもアンカーがベストバイ イメージ2

PD出力:27W
容量:19200mAh
評価:81 / 100点

【20000mAhクラス】1位コチラもアンカーがベストバイ イメージ3

ズバ抜けて高評価という訳ではありませんが、充電器とケーブルが付属していてコスパ面も優れています。

【20000mAhクラス】2位 モーフィーのpowerstation

【20000mAhクラス】2位モーフィーのpowerstation イメージ

モーフィー(mophie)
powerstation USB-C XXL
実勢価格:1万8480円

サイズ:150×83.8×23.2mm
重量:390g

PD出力:30W
容量:19500mAh
評価:76 / 100点


Apple Storeの取り扱い製品で充電時間はアンカーより速かったものの、付属品の差で惜しくも2位となりました。

【20000mAhクラス】2位 ラブパワーのRP-PB059

【20000mAhクラス】2位ラブパワーのRP-PB059 イメージ

ラブパワー(RAVPower)
RP-PB059
実勢価格:6899円

サイズ:172x80x20mm
重量:372g

PD出力:30W
容量:20100mAh
評価:76 / 100点


同率2位となったラブパワーの「RP-PB059」。iPad Proのバッテリーを10%まで充電するテストでは、12分16秒という好タイムを記録しました。20000mAhクラスの中では軽量な方で、コスパも悪くありません。

4位: 【20000mAhクラス】4位
ベルキンのBoost Charge

4位: 【20000mAhクラス】4位ベルキンのBoost Charge イメージ

ベルキン(Belkin)
Boost Charge
F7U063BTBLK-A
実勢価格:1万201円

サイズ:155×77.6×23mm
重量: 394g

PD出力:30W
容量:20100mAh
評価:74 / 100点


Appleと関係の深いベルキン製のバッテリー。充電容量・充電速度・出入力ともに安定していました。

5位: 【20000mAhクラス】5位
Tecnicproのモバイルバッテリー

5位: 【20000mAhクラス】5位Tecnicproのモバイルバッテリー イメージ

Tecnicpro
モバイルバッテリー
実勢価格:2999円

サイズ:180×80×20mm
重量:403g

PD出力:18W
容量:26800mAh
評価:68 / 100点


編集部が購入した当時は値段が2000円を切っていて、極端な安さが魅力だったのですが、出力18Wで充電時間も長め。性能はイマヒトツでした。

6位: 【20000mAhクラス】6位
LBELLのパワーバンク

6位: 【20000mAhクラス】6位LBELLのパワーバンク イメージ

LBELL
パワーバンク
実勢価格:3399円

サイズ:185×80×22mm
重量:464g

PD出力:18W
容量:25800mAh
評価:60 / 100点


出入力こそ安定していましたが、その他のテストでは軒並み低評価に……。464gという重さも気になりました。

以上、スマホ・タブレットの充電におすすめの「PD対応モバイルバッテリー」ランキングでした。10000mAhクラス・20000mAhクラスともにアンカーがベストバイの座をゲット! モバイルバッテリー選びに迷ったら参考にしてみてください。