スマホ用魚眼レンズ8点勢揃い! 写りや歪みなどを徹底検証
魚眼レンズは撮影対象が大きく歪曲して見えるのが特徴です。また目に見える範囲ほぼ全てを撮影することができる画角の広いレンズです。建物の全景を収めたり、ユニークな写真を撮りたい時に使えます。
通常のスマホカメラで撮影した写真と比較してみます。通常は……
このような感じです。
魚眼レンズを使うと……
このように面白い世界観のある写真が撮れます。魚眼レンズは一眼レフだと10万円以上する特殊レンズなので、気軽に手を出すことが難しいですが、スマホレンズであれば数千円で手に入るのもうれしいところ。
検証では、以下の5項目の点で、どれだけ優れているかをA~Cで評価しました。
価格:実売価格をチェック
写り:鮮明に写っているかで判断
歪み:レンズによって歪みが生じているかを確認
画角:被写体が写る範囲の広さを評価
使用感:スマホへのホールド感など使い勝手をジャッジ
使ったスマホは、28mm相当のレンズを搭載したiPhone7です。撮影時は純正のカメラアプリを利用しました。数枚撮影してもっとも画質の良かったモノで評価しています。
それではテスト結果をご紹介します!
【A+】魚眼の王道を行く高画質! 「Anker」のレンズセット
一番評価が高かったのは、「Anker」のレンズセットでした。なんといっても高画質っぷりが格別なんです。
Anker
A7300011 3点セット
実勢価格:1999円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
さすが光学用ガラスレンズと思わせる、端までシャープでヌケのいい画像が特徴です。魚眼レンズは歪みから逃げられませんが、高画質をうたう「Anker」は四隅までシャープ。水平に気を付けてシャッターを切れば、晴れた日なら誰でも傑作が撮れそうです。
自撮りしても、面白い写真が撮れます。(モデル:優耶)
スマホに装着すると、このようになります。金属ボディで、クリップはかためなのでズレにくいのも高評価でした。
【A】画角は広いが周辺部が甘い 「3COINS」のレンズセット
「3COINS」のレンズセットは、端のピントは甘いのですが、コスパがよいレンズでした。
3COINS
SELFIE LENS
CLIP LENS SET 3点セット
実勢価格:540円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
円周に金色のリングが写り込んでしまうのが残念でした。また、中心部の画質は良好ですが、端に近付くにつれピントが甘くなりました。しかしコスパを考えればかなり良いレンズです。
スマホに装着すると、このようになります。小型軽量ですが、クリップのスマホ側にゴムがなく滑りやすいのが少し残念でした。
【A-】広めの画角でヌケいい青空 「Pintaik」のレンズキット
「Pintaik」のレンズキットは、広めの画角だったのが印象的。
Pintaik
カメラレンズキット 4in1
実勢価格:1399円
(現在ネットでの在庫はありません)。
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
優等生的なレンズですが、左右の端に行くと像がやや流れるのが惜しいところです。ヌケのいい青空が撮影できました。
スマホに装着すると、このようになります。クリップは同キットの広角レンズと共有なので、使用するたびに交換しなければならないのは面倒でした。立派なセミハードケースが付属されています。
【A-】画角は広くシャープな画質 「TaoTronics」のレンズセット
「TaoTronics」のレンズセットは、魚眼レンズらしいヌケのいい写真が撮れました。
TaoTronics
カメラレンズキット
3点セット TT-SH014
実勢価格:1599円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
画角は広く、シャープな印象ですが、左右の端と中央部より下の解像度が低下する傾向がありました。
スマホに装着すると、このようになります。付属クリップはひとつだけなので、広角レンズを使用する場合はいちいち取り替える必要があります。
【B】対角魚眼風の画角! 「ELECOM」のレンズセット
「ELECOM」のレンズセットは独自の視点が切り取れます。
ELECOM
P-SLMRD 3点セット
実勢価格:2130円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
円周魚眼レンズなのですが、スマホのレンズに付けると上下がトリミングされて、対角魚眼風の比率になります(円周魚眼と対角魚眼については後述しますので、そちらもご覧ください)。左右の端に近付くと、像は流れないがピントが甘くなるのが少し残念でした。
スマホに装着すると、このようになります。小型軽量の金属ボディです。緩衝材入りのセミハードケースが付属されています。
【B】中央はいいが周辺部が残念 「Qtop」のレンズセット
「Qtop」のレンズセットは、周辺部分がややモヤッとしてしまうのが残念でした。
Qtop
カメラレンズ
キット 3点セット
実勢価格:1288円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
左右の端に近付くと画像がモヤッとするのが残念です。またレンズの内面反射により、太陽光線のフレアーも出てしまっています。中央部のピントはシャープで、解像度も高かったです。
スマホに装着すると、このようになります。クリップが頑丈な作りで、ズレにくいのが嬉しいところです。
【B】画角狭めで枠はボンヤリ 「Tecbillion」のレンズ
「Tecbillion」のレンズは画角が狭く、外周の円の境界線が曖昧な線になるのも気になりました。
Tecbillion
クリップ式レンズ 3in1
実勢価格:696円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
他製品と比較すると画角は狭かったです。また中心部に解像度の低下が見られ、モヤッとするのが残念でした。
スマホに装着すると、このようになります。レンズもクリップも軽量ですが、しっかり装着できました。
【番外編】238度撮影可能! 隠れ対角魚眼レンズ発見
魚眼レンズには2つの種類があります。ひとつは、円形の画面に180度を写す「円周魚眼」、もうひとつは長方形の画面に180度を写す「対角魚眼」です。
「円周魚眼レンズ」で撮影した写真がこちら。
回りに円の黒い縁が出ています。円周魚眼は月夜や星景写真を撮るのにオススメです。
「対角魚眼レンズ」で撮影すると、このようになります。
対角魚眼は、奥行きや立体感を生かした風景写真を撮るのに適しています。
販売されているほとんどのスマホレンズが円周魚眼なのですが、探してみると公称238度の“超広角”対角魚眼レンズがありましたのでご紹介します。
AUKEY
PL-WD02 超広角レンズ
238° 0.2
実勢価格:3299円
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
実際に装着して撮った写真と評価はこちらです。
これはかなりのインパクトなのでは! 端にあるビルは内側に傾くように写り込みます。広く写るので、自分の指が写らないように撮影する必要がありますのでご注意を。一眼でも撮れない特殊な世界が撮影できます。
面白い写真が簡単に撮れる魚眼レンズの比較テストをご紹介しました。魚眼レンズは、目に見える範囲すべてを撮影できますが、逆に言えばすべてが小さく写ることになります。撮りたいモノを超アップにしないと面白い写真にならないので、撮影時にはその辺を気をつけてみてください。
魚眼の歪曲収差をうまく使って、いつもの写真を変えてみませんか?