PCスピーカーのメリットは?
まずは、PCスピーカーのメリットを簡単に紹介します。
空間の広がりを感じられる音質
PCスピーカーとはアンプ内蔵でPCに直接接続するだけで手軽に高音質を楽しめるスピーカーのこと。
PC内蔵のスピーカーやイヤホンを使用する人も多いと思いますが、PCスピーカーを使用するメリットはなんといっても「高音質化」。
今回検証した3製品は2.0chのスピーカーで左右2つに分かれています。内蔵スピーカーとは段違いの音の広がりと高音質でクリアなサウンドを楽しめます。
PCスピーカーの選び方は?
しかし、どうやって選べばいいのでしょうか。PCスピーカーは安くて微妙なサウンドから高いプロ仕様のモニタースピーカーまであり、価格もピンキリです。
様々な価格帯があり、選ぶのは大変です…
そこで、まずはPCスピーカーの選び方を解説したいと思います。
①好みの音を見つける
普段、自分がどのような音楽を聴いているかによってスピーカー選びも変わってきます。
また、「迫力のある低音が好き」や「伸びやかな歌声を聴きたい」などの音の好みのために、スピーカーの周波数特性を把握しておくと参考になるでしょう。
周波数特性(音の傾向)
周波数特性とは、どのくらいの周波数の音をどれくらいの大きさで再生できるかを示すもの。再生できる周波数の範囲や、それぞれの周波数に対する感度はグラフで表示されます。
周波数特性の違いによって、同じ音楽でもサウンドから受ける印象がはっきり変わるため、重視すべき要素になります。
ドンシャリ(ロックやHIP-HOP向き)
低音(ドン)と高音(シャリ)が強調され、中音域が比較的少ないサウンド。低音は力強く迫力があり、高音は明瞭でシャープなのが特徴です。また、中音は、ボーカルなどが少し引っ込むように聞こえます。
リズム感が強調されて、ロックやダンスミュージックなど、ノリがいい音楽と相性がいいです。
ただし、長時間聴くと疲れる傾向があり、音源本来のサウンドを再現しているとは言えません。
かまぼこ型(ボーカル向き)
中音域が強調され、低音と高音がやや控えめなサウンド。ボーカルが前に出て聴こえて、歌声を楽しめます。また、各楽器の音色がクリアに聞き分けられ、バランスに優れているのも特徴。
ただし、低音と高音がないため、ロックやダンスミュージックを聴くと物足りなさを感じることも……。
フラット(原音に近いサウンドで聴きたい人向き)
楽曲本来のサウンドをできるだけ忠実に再現するため、周波数特性が平坦になっているサウンド。
高級のモニタースピーカーともなると楽器の音色やボーカルのニュアンスなど、細部までクリアに聞き取れます。
さらに、特定の音楽ジャンルに偏ることなく、幅広いジャンルの音楽を楽しめるんです。
しかし、録音の良し悪しが如実に表れてしまうのが難点です。
音像定位
音がどこから聞こえてきているのか、空間の中でどの位置で鳴っているのかを認識できるほど「音像定位がよい」とされています。
音像定位が正確なほど、立体感のある臨場感を味わえ、没入感が高まります。
音場
音場とは、音が存在している空間のこと。
音に広がりがあると、まるでコンサートホールで音楽を聴いているかのような臨場感を得られます。
ウォームかクールか
スピーカーの音色は、素材や構造、内部での音の流れ、箱の形状(エンクロージャー)によって傾向が変化します。
温かみのある、柔らかい音色である「ウォーム」と、クリアで鮮やかな音色である「クール」、その中間の「ニュートラル」に大きく分けられるでしょう。
ウォームなサウンドの特徴
- 一般的な人気が高い
- 聴き疲れしにくい(リスニングに最適)
- 女性ボーカルやアコースティックな楽器との相性が良い
クールなサウンドの特徴
- 音がシャープな印象
- スピーカーでは少なめ
- 解像度を追求し、余分な響きが削ぎ落とされている
②接続方式やタイプを確認
接続(入力)方式
デジタル(USBケーブル)
パソコンのUSBポートから出力するタイプ。
信号を送信する際のノイズや劣化が少なめです。ハイレゾ対応のものもあり、より高音質を実現できます。
アナログ(3.5㎜オーディオケーブル)
パソコンのヘッドホンジャックから出力するタイプ。
ノイズに弱いものの、製品が豊富で安価に買えます。
Bluetooth
無線接続なので、場所を選ばず利用できます。ただし、有線に比べ少なからず音質は劣化します。
大まかなタイプ
- リスニング系:音楽を楽しく聴けるように調整されたもので、長時間の使用でも疲れずに楽しめます。
- ゲーミング系:ゲーム向けに調整されていて、低音強めの傾向にあります。FPS向けに正確な音像定位を実現した製品が多いのも特徴。
- モニター系:楽曲本来のサウンドになるべく忠実かつ高解像度で再現することを目指しています。周波数特性はフラット傾向です。
サイズと出力も重要です
サイズ
スピーカーは大きくて重いほど、とくに低音の再生に有利。
しかし、デスク上に設置することを考えると、ある程度サイズに制約があるため、使いやすいサイズを選びましょう。
出力
出力は「W」の単位で表示され、出せる音の大きさの目安です。
お手ごろなPCスピーカー最新製品を徹底比較!!
今回は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで購入可能な人気・売れ筋のPCスピーカー3製品をピックアップしました。
テストにご協力いただいたのは、オーディオライターのゴン川野氏と、オーディオビジュアル評論家の野村ケンジ氏、オーディオ評論家で作曲家の生形三郎氏の3人。
一般的に音質を構成するといわれる「解像度」「聴こえやすさ」「音域のバランス」「音像定位」「ダイナミクス」に加え、PCスピーカーとして重視すべき「動画視聴」「Bluetooth接続した時の変化」も採点しました。
検証結果は、評価の高かったPCスピーカーからおすすめ順に発表します。それではどうぞ!
プレソナスが優秀な音像定位でベストバイに!
【1位】プレソナス「Eris E3.5BT(2nd Generation)」
- プレソナスEris E3.5BT(2nd Gen)
- 実勢価格: ¥15,400〜
- 解像度
- 解像度
- 聴こえやすさ
- 音域のバランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 動画視聴
- Bluetooth接続した時の変化
- おすすめポイント
-
- 豊かな中高域の解像度でボーカルがくっきり
- 規範的なバランスで、モニターとしても問題なし
- 正確な音像定位で動画鑑賞や制作にも使える
- 低音にパンチがあり、高音の抜けもバッチリ
- がっかりポイント
-
- Bluetoothで接続すると、解像度が落ちて持ち味が下がる
- 幅
- 140mm
- 奥行
- 164mm
- 高さ
- 210mm
- 重量
- 3.1kg
- 入力
- TRS、RCA、Bluetooth
- 型番
- ERIS35BT
音の傾向:ややかまぼこ型
量感も厚みがある中音で、実態感があります。低音は、サイズ的にかなり厳しい量感をバスレフオートで補っている印象があります
欲をいえばもう少し透明感の高音がほしいですが、聴き疲れはまったくなし。一方、低音はほかの帯域を邪魔することがあります
音像定位が素晴らしく、プロの映像制作にも使えるレベル
音像定位がバッチリセンターにあり、迫力あるサウンドが好印象。音楽・映画鑑賞だけでなく、映像制作の確認作業にも役立つスピーカーといえます。
2nd Generationで音の傾向が変わった
1st Generationは低音と高音が強めでドンシャリ傾向の周波数特性でしたが、2nd Generationでは低音がマイルドになり、ボリュームゾーンは中高音に変わっています。
【2位】エディファイア「MR3」
- エディファイア MR3
- 実勢価格: ¥14,980〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥14,980〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥14,980〜
- 解像度
- 聴こえやすさ
- 音域のバランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 動画視聴
- Bluetooth接続した時の変化
- おすすめポイント
-
- ピラミッドバランスで聴いていて心地のよい万人に受けるバランス
- 迫力のあるサウンドで、小音量でも躍動感のある音楽・映画体験が可能
- やや高域の鮮明さが失われますが、Bluetoothスピーカーでも十分実用性がある
- 低域に量感があってメリハリがある。高域も元気のいい音
- がっかりポイント
-
- やや大きめのエンクロージャーなので、もう少しインパクトがあってもいいかも…
- 幅
- 125.5mm
- 奥行
- 185mm
- 高さ
- 220mm
- 重量
- 3.86g
- 型番
- MR3
音の傾向:フラット
高域に滑らかさとつややかさがあり、女性ボーカルを魅力的に聞かせてくれる。レンジ感も広く、弱点が少ないモデルです
高域低域とのまとまりがいいのが功を奏してか、くっきりした声や演奏が楽しめます
聴きやすい音質で、設置による音変化も少なめ。ユーザーを選ばず楽しめるオールマイティのスピーカー
バランスが優れた音作りが魅力
音の粒立ちはそこまでなく、なめらかさやつやのある表現を楽しむスピーカーです。小音量でも迫力があって、大音量でもゆがまず再生が可能です。
Bluetooth接続に切り替えても心地よく楽しめる
無線接続にすると音質の劣化はありますが、スピーカーの音質傾向との相性がよく、弱点はほとんどありません。Bluetooth接続も選択肢のひとつと考えてもいいでしょう。
【3位】オーディオテクニカ「AT-SP105」
- オーディオテクニカ AT-SP105
- 実勢価格: ¥7,227〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥7,227〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥7,293〜
- 解像度
- 聴こえやすさ
- 音域のバランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- 動画視聴
- おすすめポイント
-
- USBから給電可能(ACコンセント不要)
- フルレンジユニットのおかげで音像定位はある程度はっきりしている
- 声の聞き取りやすさは確保できているので、テレビ番組やYouTube動画向き
- がっかりポイント
-
- サイズ的に、もう少し低音が出てもいい
- 近距離で聞かないと厳しい
- 幅
- 88mm
- 奥行
- 185mm
- 高さ
- 200mm(突起部除く)
- 重量
- 0.49kg(約、L側)、0.535kg(約、R側)
- 型番
- AT-SP105
音の傾向:ややかまぼこ
線が細く厚みのない中音と、厚みも量感もない低音。高音は抜けが悪く歪んでいます
中域重視のサウンドバランスで存在を感じられます。低音は量感が不足し、高音は伸びがありません
高音のクセが気になります。低音はフロントパネルのBASSで調整してみましたが、さらに音質で違和感が強まる結果となりました
USBから給電できる
USBケーブル1本で音声と電力をカバーすることができます。
PC周りは何かとケーブルが多くなることが多いので、デスクトップをすっきりできるのはうれしいところ。
まとめ:小さくても高音質! プレソナスが僅差でベストバイ
- プレソナス Eris 3.5BT 2nd Gen
- 実勢価格: ¥15,400〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥20,415〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥15,400〜
最新PCスピーカー3製品ランキングを発表しました。
PCスピーカーの評価は、「解像度」「聴こえやすさ」「音域のバランス」「音像定位」「ダイナミクス」といった音質を構成するさまざまなポイントが複合的に絡み合って決まります。ひとつだけ秀でていても、決して音質がいいスピーカーにはなりません。
最後に、3製品の特徴を簡単にまとめました!
ベストバイのプレソナス「Eris E3.5BT(2nd Generation)」
- 「ダイナミクス」と「Bluetooth接続」以外はすべて1位を獲得。
- 音のバランスを調節した前モデルからの正統進化
- パソコンで音楽や映画を最大限に楽しめる小型スピーカーを探している人におすすめ
僅差の2位となったエディファイア「MR3」
- 高・中・低音がバランスよく設計されていて、負けず劣らず優れたPCスピーカー
- 識者の野村氏も「サウンド調整が匠。この価格でこのクオリティは法外」と驚き
- Bluetooth接続で高音質の音楽や映画を楽しみたい人におすすめ
3位のオーディオテクニカ「AT-SP105」
- PC内蔵スピーカーを使い続けるよりははるかに音質はいいものの、少し物足りない結果に
- 使い勝手や価格面で気になったら候補に入れるのもアリ
このランキングを参考にして、自分に最適なPCスピーカーを選んでみてください!
なめらかではなく輪郭をしっかり描く高音と、よりクッキリした輪郭で聞こえる中音になっています