ソニーの「NHKが映らないテレビ」 その正体はAndroid TVでした

「NHKが映らないテレビ」の発端は、今年6月に行われたソニーの株主総会。株主からの提案ということで、ネットでも大きな話題となりました。

ソニーの「NHKが映らないテレビ」その正体はAndroid TVでした イメージ

※画像は公式サイトより

ある意味、今一番需要が高まっているとも言えるテレビの一つかもしれませんが、注意しておきたいのは、多くの人が最初に想像した「他の民放は通常通り見れるけど、NHKだけは映らない」というものではないという点。

つまり、「NHKだけが映らない」わけではなく、地上波という意味では「NHKだけでなく他の民放番組もすべて見ることができない」というものだということです。

すなわち「NHKが映らないテレビ」とは、「ネット接続機能がついたモニター(Android TV)」で、ソニーでは、「業務用液晶モニター」としています。これにAndroid対応のアプリ、たとえば地上波の配信を見ることのできるアプリ「TVer」をインストールすれば、一部番組の録画配信を見ることができるという仕組みです。

ネットで噂の「NHK対策テレビ」 コレがソニーのBRAVIAです

そのネットでバズった「NHKが映らないテレビ」がこちら。ソニーのBRAVIAシリーズであるこのモニターは、法人向けの販売となっているため、基本的に店頭で購入することはできません。

ソニー:液晶モニター 法人向けBRAVIA:BZ35F/BZシリーズ

ソニー
液晶モニター 法人向けBRAVIA
BZ35F/BZシリーズ

とはいえ、それでもNHK対策をしつつ、地上波番組を見たいという人にとっては、十分すぎる機種といえます。しかし、実際にこのモニターならば本当に受信料を払わなくてもいいのでしょうか? ズバリ、NHKに聞いてみました!

気になる受信料についてNHK直撃! モニターで録画を見るのは有料?

早速、NHK受信料の問い合わせ窓口に尋ねると、「チューナーが内臓されてないモニターで『録画』を見る分には、料金のお支払いいただく必要はございません」とのこと。つまり、「録画された地上波の配信を見る分にはOK」という返事をもらうことができました。

現在、TVerでの配信は放送終了後しか行われていないため問題はなさそうですが、アプリのシステムが変われば今後NHK側の対応が変わる可能性も否めないので、これからはくれぐれも注意が必要です。

4KモニターとFire TVがあれば ソニー以外でもNHK対策できます!

現時点でのNHKの見解としては、「チューナーが内臓されてないモニターで地上波の録画を見るのであれば、受信料を払わなくてもよい」ということがわかりましたが、実はコレ、問い合わせしたソニー製品ではなくても、モニターにネットを接続することさえできれば、ほぼ同じことを再現できるんです。

鍵となるのは、家電批評でも何度も取り上げた「Fire TV」のようなセットトップボックス。これらのデバイスとチューナーのついてない通常のモニターを組み合わせれば、先に挙げた「ネット接続機能がついたモニター」が出来上がります。

Amazon:Fire TV

Amazon
Fire TV
実勢価格:8980円

プライムビデオやネットフリックスといったネットコンテンツはもちろん、Fire TVなどのデバイスに基本的についているスマホやタブレットとの画面共有機能を使えば、TVerをモニターに表示させることも可能。

4KモニターとFire TVがあればソニー以外でもNHK対策できます! イメージ

Fire TVの機能を使って民放配信のアプリをミラーリングすれば、NHK以外の番組配信を視聴することができます。

4KモニターとFire TVがあればソニー以外でもNHK対策できます! イメージ2

AV機器評論家 大橋伸太郎氏も「ややノイズは目立ちますが、カラーシーンは端麗でバランス良好」と、まずまずの評価でした。

「NHK対策テレビ」が欲しい人向け モニターランキングを発表します!

ということで、ソニーのBRAVIAが買えなくてもほぼ同じことを再現できることがわかりました。そこで、件の「NHKが映らないテレビ」が欲しい人に向けて、編集部では売れ筋の4Kモニターのテストを実施。その結果を受けて、ランキングを作成してみました!

解像度はすべて4Kとなっているので、最新コンテンツにも対応しています。単純な映りはもちろんのこと、メインのテレビの代わりとしての使い勝手や、NHK対策を効率よく行うためのコスパも踏まえた評価を付けましたので、ぜひ参考にしてみてください。

にじみが少なくバランスが良い! 最もテレビに近いアイオーデータ

最もテレビ感覚で見られる、“テレビじゃない4Kモニター”が、こちらのアイ・オー・データ EX-LD4K 431DB。モニターとして大型の43インチサイズであり、非常にテレビに近い映りとなっています。

アイ・オー・データ:EX-LD4K 431DB:モニター

アイ・オー・データ
EX-LD4K 431DB
実勢価格:6万1665円
サイズ:W970×H217×D597mm
重量:9.1kg(スタンドあり)
スタンド:取り外し可能
最大表示解像度:3840×2160
パネル:TFT42.5型ワイド,LED・ハーフグレア・ADSパネル
年間消費電力:149.9kWh

現行人気の4Kモニターを集め、Ultra HDブルーレイやストリーミングでの映りを比較してみたところ、もっとも「テレビ的」だったのが、このアイ・オー・データ。

にじみが少なくバランスが良い!最もテレビに近いアイオーデータ イメージ

画質という点では、光のにじみが少ないバランスの良い絵が評価され、4K出力時のコントラストも高い評価を受けました。Fire TVなどを駆使して、テレビの代わりとして使いましょう。

長時間見ても疲れにくいBenQ 適度な色乗りでゲームにも最適です

2位はBenQ EL2870U。4Kモニターとしての映りは標準的な一方、色乗りが適度になっていて、テレビ用途のほか、ゲームなどでの長時間視聴などを意識するなら、こちらがおすすめです。

BenQ:EL2870U:モニター

BenQ
EL2870U
実勢価格:4万8889円
サイズ:W658×H477×D150mm
重量:5.7kg
サイズ:27.9型ワイド
応答速度:5ms(GTG1ms)
解像度:4K UHD(3840×2160)
パネル:TN
端子:DP1.4、HDMI2.0×2、スピーカー付
HDR:対応

長時間見ても疲れにくいBenQ適度な色乗りでゲームにも最適です イメージ

全体的に白っぽく浮いてしまうところもありますが、映画などの視聴にも十分耐えうる画質。長時間見ても疲れにくく、適度な色乗りで楽しめます。ゲームモード搭載でPS4用にもおすすめ。

一人暮らしのNHK対策には 映画やゲームもこなせてお手頃なLG

3位のLGの24UD58-Bは、映画やゲームなどオールラウンドにこなす一台。価格的にも4Kモニターとしてはかなりお手頃なので、一人暮らしにはおすすめです。

LG:24UD58-B:モニター

LG
24UD58-B
実勢価格:5万3796円
サイズ:W554×H421×D202mm
重量:4.0kg(スタンドあり)
サイズ:23.8インチ
パネル:IPS
解像度:3840×2160

4位: 映りが良くても価格はテレビ級!
NHK対策としては少し迷うEIZO

4位はEIZO EV2785-BK。BD映画視聴に対応する画作りはさすがの一言。一方、27インチながら、本格的な4Kテレビが買える価格なので、NHK対策による節約目的としては少し迷うところではあります。

EIZO:EV2785-BK:モニター

EIZO
EV2785-BK
実勢価格:11万2309円
サイズ:W611.4×H545.2×D230mm
重量:8.2kg(スタンドあり)
サイズ:27インチ
パネル:IPS
解像度:3840×2160

5位: ちょうど良いサイズのエイサーは
フォーカス感が甘いのがややネック

5位にはエイサーがランクイン。本機はHDR対応ですが、フォーカス感が甘いのがネック。とはいえ、32インチのモニターが欲しければ選択肢に入れておきましょう。

エイサー:ET322 QKwmiipx:モニター

エイサー
ET322 QKwmiipx
実勢価格:4万4796円
サイズ:W729.7×H529.4×D246.7mm
重量:6.78kg(スタンドあり)
サイズ:31.5インチ
パネル:VA、非光沢
解像度:3840×2160

4KモニターとAmazon Fire TVがあれば、「NHKが映らないテレビ」が再現できることがわかりました。しかし、多くの制約があるのも事実。それでも「受信料を払いたくない! 」という人は、ぜひ試してみてほしいです。