AV機器まずデザインは申し分なし!
ソニーらしい「攻めたデザイン」

そもそも、この「Xperia Ear Duo」は左右をつなぐケーブルが存在しない完全ワイヤレスイヤホンというジャンルです。そして、注目すべきは、独特な形状。通常は耳を塞ぐはずのインナーイヤーヘッド部にスッポリと穴が空いています。じつはこの穴が「外音を聞きつつ音楽を聴く」という離れワザを可能にしているのです。さらにロゴが記された本体部は、タッチパッドになっていて、音声やヘッドジェスチャーと併用した操作が可能。見た目だけでなく、操作性にも物欲をくすぐる未来感がただよっています。

ソニー:Xperia Ear Duo:イヤホン

ソニー
Xperia Ear Duo
実勢価格:1万8992円
質量:本体のみ(左右各)約10.6g、充電ケース約76g
連続音楽再生時間:本体1回のフル充電で約4時間、さらに充電ケースで約12時間分の再生が可能

AV機器コツを掴めば装着感は快適
着けるじゃなく「耳たぶを挟む」

独特な形状を目にして、まず気になるのが装着方法ですよね。この製品は、カナル(耳栓)型のように耳穴に差し込んだり、イヤーフックで耳に掛けたりせず、耳の下から挟み込む方式を採用しています。一見、奇抜に見えますが、じつは人間工学に基づき、あらゆる耳の形にフィット。耳への負担も少ないのだとか。さらに外音を聞く際に役立つインナーイヤーヘッド部の穴には、耳ムレ防止効果も。

「下から挟むってどういう意味?」って人のためのカンタン装着法がコチラです▼

耳たぶを軽く持ち、本体の隙間に耳たぶを挟むようにして装着しましょう。

あとは位置を微調整して完了。カナル(耳栓)型のような圧迫感、耳掛けタイプによくある耳裏の痛みはありませんでした。また、下から挟むスタイルなのでメガネやマスクとの干渉が少ないのは嬉しいところ。でも、ピアスの場合、ピアス穴の位置によっては干渉するかもしれません。

AV機器ニュースの読み上げやLINE送信を
サポートしてくれます

Android端末なら、スマホとのペアリングに使用するアプリ「Xperia Ear Duo」内のアシスタント機能「Assistant for Xperia」を利用すれば、スマートスピーカーのようなこともできます。

◎Assistant for Xperiaでできること
時報や天気予報
不在着信の通知
着信メールやメッセージの読み上げ
予定の読み上げ
今日のニュースの読み上げ
通話の発信
メッセージの送信


さらに、LINEのスマートスピーカー「Clova」があれば、LINEのメッセージを声で送ることもできます。

AV機器デザインはいいし便利ですが…
「アレレ?」な弱点もチラホラ

使いたくなるデザイン、ストレスの少ない装着感は確かに魅力的です。でも使っているうちに「アレレ?」と感じてしまう製品の弱点を見つけてしまったのも事実。せっかくの挑戦的なプロダクト。さらなる進化を期待して、気になった弱点を3つにまとめてみました。

AV機器[弱点①]目玉機能に問題あり!
ジェスチャーは便利でも誤作動が

「Xperia Ear Duo」の目玉機能のひとつ。頭を動かして曲送り・巻き戻しなどができる「ヘッドジェスチャー機能」が、日常で効率的に機能するのか検証してみました。

検証をして気づいたのは、不規則な動きが多いと誤作動が発生してしまうこと。デスクワークなどでは、パソコンと机の上の資料を見比べる際など、すばやく首を動かしすぎると誤作動が発生していました。

ただ、「歩きながら」など、一定の規則的な動きが続く場面では誤作動はあまり起こりませんでした。誤作動さえ起きなければ、頭を上下左右に動かすだけで操作できる利便性は高いと感じました。

AV機器[弱点②]Androidでできても
iPhoneだとできないことがある

Android端末の人気シリーズ「Xperia」が銘打たれていることもあり、Android端末での使用を優先したつくりになっています。

◎通知やメールの読み上げ機能が使えない
iPhoneの場合は「Assistant for Xperia」ではなく、iOS向けのAIアシスタント「Siri」が使われるため、通知やメールの読み上げ機能は使えないので、注意が必要です。

◎目玉のヘッドジェスチャーにも制限が…
iPhoneでは着信への応答/拒否、音楽再生時の前後のトラックへのスキップのみに対応しているため、同製品のポテンシャルを最大限に活かしきれないのは残念な限り。

AV機器[弱点③]低音域に難あり……
あくまで「ながら聴き」に適したイヤホン

外音がモロに聴こえる構造のため、目を見張る高音質というわけにはいきませんが、音域のバランスは悪くないクオリティでした。ただ、気になったのは低音域の物足りなさ

評価をしてくださったのはこの方▼

東京音研放送サービス代表
原田裕弘氏

長年AM・FMラジオ局のスタジオ、中継、収録ミキサーを担当。局外中継、収録の際にはヘッドホンミキシングをしてきたため、ヘッドホン・イヤホンには強いこだわりを持ち、愛用機はモディファイして使用中。

原田 低音は少なくシャリンシャリン。安全性を含めランニングなどには有効ですが、音楽を楽しめるレベルではありません

音楽を純粋に楽しむというよりは、運動をしながらや通勤しながらなどの「ながら聴き」に適しているといえるでしょう。また、動画再生時の音声については、やや遅延はあるものの許容範囲で、リスニング自体にストレスはありませんでした。

以下は、同じくデュアルリスニングタイプのイヤホンで人気のAirPodsとの比較結果▼

残念ですが音質だけでなく、ほぼすべての項目でAirPodsが優る結果となりました。
これはつまり、iPhoneユーザーならAirPodsの購入を検討したほうが賢いという結果だといえますね。

また、細かいところでは、以下のような問題も発生していました。

◎音漏れはフツーにします
独自の音導管設計で音漏れを低減とのことですが、構造がオープンなので音漏れはします。電車で大音量は控えたいところですね。

◎タッチパッドが思うように動かない
左のタッチパッドで音声コントロールができるが、タップから反応までがワンテンポ遅れる。反応しないことも……。

◎iPhoneだと屋外での接続切れ頻発
Bluetooth接続は検証中、多くのシーンで安定しており、急に途切れることはなかった。ただし、iPhoneに接続して屋外で使用している際に、接続切れが頻発したことがあったのも事実。

AV機器ソニーらしい挑戦的プロダクト
でも「いま買い!」とは言えません

音質などを考えると、音楽を楽しむというより、通勤や運動中に音楽を聴きながら、着信やメッセージも確認したいという人に向いているといえます。また、ソニー独自の「下から耳たぶを挟む」装着法は耳との一体感も高まり「ながら聴き」をする上では嬉しいポイントですね。ただ「敏感すぎるジェスチャー感度」「iPhoneとの互換性」などはユーザーの利便性に直結する問題なので、改善の余地ありといえるでしょう。とはいえ、新たなジャンルでの初めの一歩としては、斬新かつ快適な装着感、未来感のある操作性などは十分評価できる点だといえます。今後のアップデートが今から楽しみです。