防水スプレーとは?
雨の日の通勤路で服や革靴、鞄がびっしょり。突然のゲリラ豪雨で、お気に入りのスニーカーが見るも無残な姿に。そんな経験、ありませんか?
天気予報をチェックしていても、予想外の雨からすべてを守るのは難しいものです。
だからこそ、雨が頻繁に降る梅雨を前に備えておくべきなのが、衣類や靴などに使える「防水スプレー」です。
ここ数年は新しい撥水成分が登場したり、ハイテク防水素材など対応できる素材が増えたりしています。
防水スプレーのメリットとは?
防水スプレーの1番のメリットは、衣類や靴などから雨を弾くということ。服や靴、カバンに吹きかけることで表面をコーティングし、水が内側に染み込むのを防ぎます。汚れ防止の効果もあり、季節問わずにいつでも使えるのが特徴です。また、簡単に使える点もメリット。ニクワックスをはじめとした撥水剤なども防水スプレーと同様の効果を持ちますが、手間がかかります。でも、防水スプレーは手軽なのに一定以上の撥水効果を持ちます。家庭でもできる貴重な撥水処理なのです。
防水スプレーのデメリットとは?
防水スプレーのデメリットは、防水スプレーに含まれている液体のすべてが防水に有効な成分ではないのと関連しています。使用する際、ガスをはじめとした防水に有効ではない成分を吸い込んでしまった場合、健康にリスクを伴います。こうしたリスクを考慮しながら、安全に取り扱うようにしましょう。
雑誌『MONOQLO』が防水スプレーを比較
防水スプレーは便利なアイテムですが、いざ購入しようと思っても、選び方がわからなくなりませんか。
さまざまなメーカーから多くの商品が発売されていて、どれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。そこで雑誌『MONOQLO』が、防水スプレーの人気製品を比較。
今回は、ベストバイを含め、過去にテストしたことのある王道製品から新製品まで11製品をピックアップ。雨からスニーカーやカバンを守ってくれるおすすめを探しました。
防水スプレーの選び方は?
防水スプレー選びに重要なのは「防水スプレーで何を雨から守りたいのか?」ということ。守りたいモノの素材によって、防水スプレーの成分との相性があります。
次に紹介する3つの注意点を参考に、素材や用途に合わせた製品を選びましょう。
選び方1:使用するアイテムに適しているか
防水スプレーには対象の素材とスプレーとの相性、向き不向きがあります。そこで、それぞれの素材に合わせて防水スプレーを選ぶことが肝になります。
衣類は布地製品用、革靴は皮革製品用、ゴアテックスは透湿防水生地用の防水スプレーを選ぶことがおすすめです。
注意点1:防水スプレーと撥水スプレーの違い
防水スプレーには、防水と撥水(はっすい)の2つのタイプがあります。
防水
素材の表面に皮膜を作り、繊維を上からカバー。通気性は低下してしまいますが、完全に水をシャットアウトします。
ゴムのようにすき間なくコーティングするイメージです。
撥水
水より細かい成分が繊維に浸透することで、繊維の目をふさがず通気性を保ったまま水を弾きます。
拭き取ることもできますが、押し付けるなどの圧力をかけると内側に染み込んでしまうので注意が必要。
ただ、ややこしいことに、メーカーによって防水と撥水の定義は曖昧になっているのが実情です。
注意点2:シリコン系を革靴に使うのはNG
防水スプレーに使用されている撥水剤の成分は、大別して2つのタイプがあり、シリコン系とフッ素系に分けられます。
このシリコン系とフッ素樹脂系の素材との相性をしっかりと守ることで、大事な服や靴を台無しにせず、雨から守ることができるんです。
フッ素系の防水スプレーのメリット・デメリット
フッ素系の防水スプレーのメリット
通気性を保つため、天然皮革や人工皮革系の靴や布系製品全般に使用できる傾向にあります。また、撥油性があるため、油汚れの付着を防ぐこともできます。
フッ素系の防水スプレーのデメリット
雨を弾く効果の持続性は低いです。また、原料費が高いのでシリコン系よりも値段が高めです。
シリコン系のメリット・デメリット
シリコン系の防水スプレーのメリット
フッ素系よりも持続力が高く、値段が比較的安いです。
シリコン系の防水スプレーのデメリット
素材の表面をコーティングすることにより、通気性が低下してしまうため、ゴアテックス素材では長所を生かしにくくなってしまいます。
また、革製品はシミになってしまうこともあり注意が必要です。
心配な方は商品裏側の使用用途とともに、成分表示を確認して選ぶようにしましょう。
注意点3:噴射範囲にも素材との相性がある
防水スプレーには、製品によって噴射範囲に違いがあります。雨から守りたいモノのサイズを加味して選びましょう。
今回のテストでは噴射範囲も検証したので、ぜひ参考にしてみてください。
狭い噴射範囲:靴などの小物向け
靴やカバンなどは、噴射範囲の狭いスプレーの方が内容する薬液をムダなく噴霧できます。周りも汚しません。
広い噴射範囲:衣類などの大物向け
噴射範囲が広い場合は衣類向き。ただし、まんべんなくスプレーできるからといって、サッとひと吹きは禁物です。
選び方2:速乾性は高いか
防水スプレーの撥水効果を十分に発揮させるためには、スプレーした部分が完全に乾く必要があります。つまり速乾性が高ければ高いほど便利で使いやすいといえるでしょう。
防水スプレーによっては乾燥時間が1分程度だったり、24時間かかるものもあったりとさまざまです。
急な雨で防水スプレーをかけたけど、乾かなかったからビショビショに……なんて事態を避けるためには、速乾性が高い防水スプレーを選ぶようにしましょう。
選び方3:効果は長持ちするか
撥水・防水効果がどのくらい続くか、という点も重要なポイントです。防水スプレーは摩擦に弱く、一度使用したら再び使用する前に防水スプレーをかけるのが一般的です。
しかし近年ではその必要が無いような、撥水効果が長持ちする防水スプレーも開発されています。
どの程度撥水効果が続くのかは商品によって異なりますので、効果が長持ちするか確認しましょう。
防水スプレーの人気商品を比較
今回は雑誌『MONOQLO』が、前の検証のあとに発売された新製品や、ホームセンターのPB製品やAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのネット通販など手に入りやすいものを含めた人気の防水スプレー11製品をピックアップ。
次の4項目のテストから、最強の1本を探しました。
テスト1:撥水性
革素材と布地の試験片に、製品の取扱説明書きに従った適切な方法で塗布した後、一定量のシャワー水をかけて撥水性を評価しました。
テスト2:撥水の持続力
「テスト1」を実施した試験片に、一定の重りを載せたスポンジを使い一定回数摩擦。摩擦による試験片表面の撥水性の変化を評価しました。
テスト3:噴射範囲
各製品指定の距離から、クラフト紙に1プッシュした際に塗布される液の直径を測定。円ではないものは一番長い部分を測定しました。
テスト4:使い勝手
モニターによる官能試験を実施。スプレーボタンの押しやすさ、缶の重さや握り心地、フタの開け閉めのしやすさなどを評価しました。
それでは、評価の高かった順に、おすすめの防水スプレーを紹介します。
防水スプレーのおすすめは?
実際に使ってみてわかった、防水スプレーのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||
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R&DM.モゥブレィ プロテクターアルファ オールマイティ撥水・防汚スプレー
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220ml |
スムースレザー(一般的な表革)、 起毛皮革(スエード、ヌバック、ベロア等)、型押し革、メッシュ革、オー ストリッチ、ペッカリー、合成皮革、布地、キャンバス、デニム、麻 などの靴、パンプス、ブーツ、バッグ、鞄、ジャケット、傘、ハイテ ク防水テックス素材など |
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ショップサクライLIKE A SNEAKERS 最強の防水スプレー
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220ml |
革靴、布靴、 起毛等の靴、水洗いまたはドライクリーニングできる生地 |
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DCM防水スプレー
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300ml |
ツヤ革(表革)、スエード、ヌバック(裏革)、キャンバス(布靴、スニー カー)、合成皮革、バック、傘、布地製品、衣類、透湿防水生地 |
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三協化学Lifoop 速乾防水スプレー
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200ml |
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HALDr.CLENZ 高機能 防水スプレー
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440ml |
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カインズ革製品にも使える防水スプレー
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300ml |
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Car ReuseSAMURAI Z1 防水スプレー
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440ml |
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ジュエルウォータープルーフ
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330ml |
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コロニルウォーターストップUVプロテクション
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400ml |
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コロンブスアメダス オールマイティプロテクティブスプレー
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420ml |
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AINEXTW.P.S. 防水スプレー
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420ml |
【1位】R&D「M.モゥブレィ プロテクターアルファ オールマイティ撥水・防汚スプレー」
- R&DM.モゥブレィ プロテクターアルファ オールマイティ撥水・防汚スプレー
- 実勢価格: ¥1,485〜
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 皮も布も撥水性は優秀
- 撥水の持続力も高い!
- ムラなく噴きつけられる!
- 内容量
- 220ml
- 使える素材
- スムースレザー(一般的な表革)、 起毛皮革(スエード、ヌバック、ベロア等)、型押し革、メッシュ革、オー ストリッチ、ペッカリー、合成皮革、布地、キャンバス、デニム、麻 などの靴、パンプス、ブーツ、バッグ、鞄、ジャケット、傘、ハイテ ク防水テックス素材など
【撥水性】ベストバイはダテじゃない! 抜群の撥水性でした
シミができた未使用と比べ、噴射後は水滴が小さな玉になりました。
ごく僅かな水滴が転がる程度のサラサラな状態を保ちました。
【撥水の持続力】摩擦後もまったく変わらない撥水性の高さに脱帽
他製品では摩擦後にシミができてしまったものもある中、モゥブレィの防水スプレーは革素材もキャンバス地も撥水力が落ちる変化はなく、優秀な持続力を発揮。
靴のつま先や鞄の取っ手など、こすれやすい部位に使っても安心です。
【噴射範囲】ワーストとの直径差は2.5倍以上もありました
11製品のうち、2位の噴射範囲直径を記録。ワースト製品と比べて2.5倍以上の差があり、1回で広い範囲に噴射できます。
液ダレもなく吹きつけムラも起きにくく、ジャケットなど大きなアイテムにスプレーする際も効率的です。
噴射の勢いも11製品の中でトップです。
【使い勝手】同じ容量の製品と比べても一番軽くて使いやすい
モニター一同、印象に残ったのは軽さでした。細身の缶は「握りやすく持ちやすい」という意見も全員一致。
スプレーボタンの押しやすさ、フタの開け閉めのしやすさ、ガスのニオイの無さも高評価。欠点が見当たりません。
【2位】ショップサクライ「LIKE A SNEAKERS 最強の防水スプレー」
- ショップサクライLIKE A SNEAKERS 最強の防水スプレー
- 実勢価格: ¥2,429〜
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 撥水性と撥水の持続力はベストバイと点差なし
- 皮にも布にも撥水性が高い
- がっかりポイント
-
- ニオイがキツめ
- 内容量
- 220ml
- 使える素材
- 革靴、布靴、 起毛等の靴、水洗いまたはドライクリーニングできる生地
- 型番
- 01
【撥水性】ベストバイと遜色のない撥水性でした
小さい玉のような水滴がポロポロと転がり、革にはまったくしみていません。
水滴を拭き取ったすぐ後に表面を触るとサラサラでした。レザー素材のスニーカーにも安心して使えます。
【撥水の持続力】キャンバス地の撥水力が持続!
キャンバス地の撥水の持続力が、ベストバイと遜色なかったのはこの製品だけ! 摩耗させても布に水が染みませんでした。
【噴射範囲】
最初の勢いが強めです。
【3位】DCM「防水スプレー」
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 使い勝手の良さと価格が魅力
- 噴射範囲と使い勝手も良い
- がっかりポイント
-
- 撥水性が少し弱め
- 内容量
- 300ml
- 使える素材
- ツヤ革(表革)、スエード、ヌバック(裏革)、キャンバス(布靴、スニー カー)、合成皮革、バック、傘、布地製品、衣類、透湿防水生地
【噴射範囲】
噴射の勢いは、ほどほどです。
【使い勝手】スプレーボタンが押しやすいと高評価
使い勝手の評価が高かった本製品。モニター全員が感じた特徴は、スプレーボタンが軽くて押しやすかったこと。形状も指にフィットするように窪みが深めで、押しやすくなっていました。
フタの開閉やガスのニオイなどにも大きなストレスはなく、納得の◯評価です。
スプレーボタンが軽い力で押しやすくスプレーしやすい。
【4位】三協化学「Lifoop 速乾防水スプレー」
- 三協化学Lifoop 速乾防水スプレー
- 実勢価格: ¥1,500〜
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 化学薬品メーカー製の実力は、撥水性も撥水の持続力も高評価!
- 摩擦に負けず撥水力を保った
- 缶が細身で握りやすい
- がっかりポイント
-
- 内容量は少なめ
- 内容量
- 200ml
【撥水の持続力】摩擦に負けない撥水力をキープ!
検証した製品中、撥水の持続力が10点満点だったものは8製品ありました。
本製品もそのひとつで、摩擦前後で水の弾き具合がほとんど変わりません。こすれやすいパーツにも使えます。
【噴射範囲】
スプレーの勢いは平均的です。
【使い勝手】小ぶりなサイズ感で使いやすさ評価は◯
モニター全員が缶の持ちやすさを高く評価しました。他と比べて缶が細身なので、握りやすいと好評でした。
内容量は少なめなので、靴や傘などの日常アイテム向きと言えそうです。
【4位】HAL「Dr.CLENZ 高機能 防水スプレー」
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- フタの開閉がしやすい
- 大容量でたくさん使う人向け
- 内容量
- 440ml
【4位】カインズ「革製品にも使える防水スプレー」
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- PBならではのお手頃価格
- スプレーボタンが押しやすい
- がっかりポイント
-
- キャンバス地の撥水性が弱め
- 内容量
- 300ml
【7位】Car Reuse「SAMURAI Z1 防水スプレー」
- Car ReuseSAMURAI Z1 防水スプレー
- 実勢価格: ¥2,480〜
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- 内容量
- 440ml
【7位】ジュエル「ウォータープルーフ」
【9位】コロニル「ウォーターストップUVプロテクション」
- コロニルウォーターストップUVプロテクション
- 実勢価格: ¥1,368〜
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- 内容量
- 400ml
- 型番
- collonil_wss200
【10位】コロンブス「アメダス オールマイティプロテクティブスプレー」
- コロンブスアメダス オールマイティプロテクティブスプレー
- 実勢価格: ¥1,500〜
- 撥水性
- 撥水の持続力
- 噴射範囲
- 使い勝手
- 内容量
- 420ml
- 型番
- 01006-amd2200
【11位】AINEXT「W.P.S. 防水スプレー」
【撥水の持続力】キャンバス地の表面に水分がうっすら残る
評価が10点満点の製品が多かったため一段階劣る印象。キャンバス地の表面に、より多くの水滴が残るように。
ただし、まったく効果がなくなってしまうほど持続力が低いわけではありません。
【使い勝手】
スプレーボタンが硬めで押しにくく、ニオイの強さも合わせて低評価になりました。
缶が太くて持ちにくいというモニターもいました。
酔いそうな位ガスのニオイが強かったです。
防水スプレーでのお手入れのやり方は?
最後に防水スプレーを使った、靴のお手入れのやり方を紹介します。
1:靴に付着しているホコリをブラシで落とす
靴紐をはずし、ブラシで表面のホコリや汚れを落とします。縫い目やシワなど、境目に汚れがたまりやすいので念入りに。
汚れ落とし用のブラシは毛が柔らかいものがおすすめです。
2:適切な距離で全体にまんべんなくスプレー
適切な距離・適切な量でスプレーを吹きかけます。かけすぎるとシミやムラになることがあります。
人体に害がある成分が含まれているので、必ず屋外で使用しましょう。
3:適切な時間、しっかり乾燥させる
直射日光の当たらない風通しの良い場所で、製品によって差はありますが、5〜30分ほど時間をかけてしっかり乾燥させましょう。
防水スプレーのおすすめ まとめ
以上、防水スプレーのおすすめランキングでした。
今回、11製品を実際に使って徹底検証した結果、ベストバイに選ばれたのはR&D「M.モゥブレィ プロテクターアルファ オールマイティ撥水・防汚スプレー」。
横から見た噴射範囲は一番勢いが強く、まんべんなくスプレーすることが可能です。ボトルの軽さとスプレーボタンの押しやすさで、使い勝手が高評価でした。
肝心の撥水性も、どの素材に対しても優秀な結果を残しました。
防水スプレーは自分の持ち物を雨から守れる便利な製品ですが、ガスは人体に害があるため、屋外での利用が必須です。必ず製品の注意書きをよく読んでから使用してください。
ぜひ、本ランキングを製品選びの参考にしてみてくださいね。
防水スプレーのおすすめ
R&D
M.モゥブレィ
プロテクターアルファ
オールマイティ
撥水・防汚スプレー
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スプレーボタンが押しやすかったです。