ホーム高圧洗浄機でできることは?

高圧洗浄機でできることは? イメージ

階段に駐車場、ブロック塀など、家の外まわりは日々風雨にさらされるため、年月の経過とともにほこりや砂で黒ずんでいきます。

この汚れ、人の手で落とそうとしても時間がかかるだけで、しかも簡単にはキレイにできないやっかいもの。大掃除になるのは面倒だからと放置している人も多いのではないでしょうか。

そんな人におすすめしたいのが、「高圧洗浄機」です。

高圧洗浄機でできることは? イメージ2

高圧洗浄機とは、取り込んだ水に圧力を加えて噴射し、水の勢いで汚れを洗い流す掃除道具。清掃対象となる汚れは、主にコンクリートの地面や壁、ベランダなどについた泥や砂。水流を調節すれば洗車や庭の散水、窓や網戸にも使用できます。

また、高圧洗浄機は水が派手に噴射して消費量が激しそうですが、実は通常のホースでの掃除の1/3の水量で済みます。さらに水の力だけで汚れを落とすので、環境にも優しいエコな掃除道具なんです。

しかし、いざ購入となると、高圧洗浄機は大きさや形状もさまざまでどれがいいのか迷ってしまいますよね。

そこで、雑誌『家電批評』がマンションや戸建てなど一般家庭用に使いやすい軽量・コンパクトな最新タイプ4製品を徹底比較。初心者も使いやすいおすすめを探しました。

ホーム高圧洗浄機、安い製品と高い製品の違いは?

高圧洗浄機は価格違いのバリエーションが多いですが、この違いは主に以下の3つです。

  • 噴射する水の圧力(=パワー)
  • 内部機構の高性能化による本体の大きさ
  • 付属品の数

高額な上位機ほど最大圧力や静音性が高くなり、ノズルやホース、洗車用ブラシといった付属品が増えていきます。

アイリスオーヤマ製品の場合

アイリスオーヤマ製品の場合 イメージ

アイリスオーヤマ
FIN-901
実勢価格:3万8970円

アイリスオーヤマ製品の場合 イメージ2

アイリスオーヤマ
SBT-512N
実勢価格:2万5530円

▼2製品のおもな仕様の比較

仕様 FIN-901 SBT-512N
最大吐出圧力 10.5Mpa 8.5MPa
最大吐出水量 350L/h 約280L/h
サイズ 約W30×D30×H84cm W40.5×D31×H52.5cm
重量(※1) 17.5kg 9kg
動作音(※2) 62.0dB 69.0dB
付属品 主要パーツ、水道ホース、吸水ホースほか、全13個 主要パーツ、給水タンクほか、全12個

※1:本体、パーツ込みの重量
※2:暗騒音が「60dB」の場合、編集部調べ

アイリスオーヤマ「BT-512N」と比べて、上位機のアイリスオーヤマ「FIN-901」は最大圧力が高いうえ、水冷モーター採用で動作音は環境音と同等レベルの静かさを持ちます。

一方で本体サイズは縦方向に約30cm大きく、本体は約8kgも重くなっています。

ホーム高圧洗浄機の選び方は?

高圧洗浄機は水に圧力を加えて噴射するだけなので、どの製品を選んでも“大失敗”ということはありません。

しかし、自分のニーズにより合った製品が欲しいのなら、「電源タイプ」「吐出圧力」「ノズル」「収納性」「静音性」に注目。

特にオプション販売しているノズル以外は高圧洗浄機の本体に関わる項目なので、しっかりと確認しておくことをおすすめします。

1:電源タイプをチェック

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電源コード式

電源コード式は、コンセントにコードをつないで使用するためパワーが大きいのが特徴。バッテリーを気にせず長時間使うことができます。

本体が大きくかさばりますが、外壁や庭、洗車など広い範囲を掃除するのに最適。電源コードはできるだけ長いものを選ぶのがおすすめです。

充電式(コードレス)

充電式はバッテリーが内蔵されているため、電源がない場所でも使うことができます。

電源コード式に比べパワーは弱く、連続運転時間も限られますが、小型で軽量なタイプが多いので取り回ししやすいです。移動しながらの掃除や狭い範囲の掃除に向いています。

2:給水方式をチェック

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給水方法は大きく水道直結式(水道接続式)・給水タンク式・自吸式の3種類。製品によっては複数の方式に対応している機種もあります。特徴を理解して、使用する場所、シーンにあわせて選びましょう。

水道直結式(水道接続式) 

水道接続式は最も主流の給水方法で、水道の蛇口にホースをつなげて直接水を供給します。水の量を気にせず長時間使用できるので、外壁や車の掃除におすすめ。

ホースが短い製品の場合、水道から離れた場所だと届かないことがあるので購入前にチェックしておきましょう。

給水タンク式

給水タンク式は、本体にタンクが内蔵されていて、そこに水を溜めて給水します。タンクの容量によって使用時間が変わりますが、給水ホースが要らないので水道がない場所でも使用することが可能。本体に持ち手やタイヤがあると持ち運びがラクになります。

タンクが大きいと多くの水を確保できますが、その分重くなり持ち運びにくくなるので気をつけましょう。

自吸式

自吸式は、バケツやタンクに溜めた水を汲み上げて給水します。給水ホースがないため、タンク式同様に水道のない場所でも使用可能。本体と水を溜める容器が分かれているので移動には不向きですが、タンクレスなのでコンパクトなものが多いです。

風呂の残り湯や川の水を使えば水道代を節約できるというメリットがあります。

3:水圧をチェック

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噴射する水の圧力の強さを表すのが、この吐出圧力。この数値が大きいほど洗浄力が高いといえます。頑固な汚れを落としたい場合は吐出圧力が高い製品がおすすめです。

4:ノズルの種類をチェック

水の噴き出し口であるノズルには、圧力固定の「直噴タイプ」と圧力調整が可能な「可変タイプ」があります。

▼直噴タイプ

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▼可変タイプ 

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メーカーや製品によっては、ランスと呼ばれるノズルとガンを中継する柄の部分が一体型になっている場合も。

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ノズルは本体付属の種類が多いほど高圧洗浄機の活用の幅が広がります。複数の用途で使うつもりなら、付属ノズルにも注目しましょう。

5:収納性をチェック

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洗車で毎週使うという人でない限り、高圧洗浄機の使用頻度は年に数回程度。収納場所の余裕がないのに大型の製品を選んでしまうと、置き場所に困ってしまいます。本体の大きさやパーツの収納方法なども要チェックです。

なお、高圧洗浄機には本体のほかに、以下のようなパーツがあります。

本体

本体 イメージ

高圧洗浄機の本体です。どの製品も「電源スイッチ」「高圧ホース接続口」「電源コード」「取水口」の4つがあります

高圧ホース

高圧洗浄機本体からガン部分に水を送る専用ホース。太さ、長さ、硬さは製品ごとに異なり、準備・片付けにも影響します。

ランス

ノズルとガンを中継する、いわゆる柄の部分。ランスが長いと水噴射時のガン全体の安定性が上がりますが、狭い場所での取り回しが悪くなります。

ガン

この部分にある“トリガー”を握ると、水が噴射します。ガン部分の握りやすさも、使い勝手に影響を及ぼします。

6:静音性をチェック

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高圧洗浄機はモーターの冷却方式で動作音の大きさが異なります。安価な製品に多い「空冷式」は動作音が大きく、高価な製品に多い「水冷式」は動作音が静かです。

周囲が閑静な住宅街など使用時の騒音が気になる人は注目しておきたいポイントといえます。

ホーム家庭用の高圧洗浄機4製品を徹底比較

家庭用の高圧洗浄機4製品を徹底比較 イメージ

今回は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで購入できる、高圧洗浄機メーカーの代表的なブランド「ケルヒャー」「アイリスオーヤマ」「ボッシュ」「京セラインダストリアルツールズ(旧リョービ)」から、軽量・コンパクトなタイプの人気4製品をピックアップ。以下の項目で徹底比較しました。

テスト1:汚れ落ち(洗浄力)[配点30点]

洗浄能力のテストは、ここ10年、掃き掃除しかしていない駐車場で実施。コンクリート製の「地面」の砂汚れ、「壁」の黒ずみ、ブロック塀に生い茂った「苔」に、各高圧洗浄機の水を噴射。掃除前後の汚れ落ち具合を評価しました。

▼地面

テスト1:汚れ落ち(洗浄力)[配点30点] イメージ

▼壁

テスト1:汚れ落ち(洗浄力)[配点30点] イメージ2

▼苔

テスト1:汚れ落ち(洗浄力)[配点30点] イメージ3

なお、検証場所ごとで汚れ具合が異なるため、有利・不利の点は評価する際に調整しています。

評価ブレをなくすため同一人物が検証しました

評価ブレをなくすため同一人物が検証しました イメージ

付属ノズルが複数ある製品は洗浄力が高いほうを選択。可変ノズルしかない製品は効率を考慮し、中間設定としました。また、掃除対象とノズルとの間隔は約15cmをキープし、水は一筆書きをするように噴射しています。

テスト2:使用準備[配点10点]

テスト2:使用準備[配点10点] イメージ

初回および2回目以降の使用準備のしやすさを評価。給水の接続やガンの組み立て、高圧ホースの接続しやすさを見ています。

テスト3:使い勝手[配点20点]

テスト3:使い勝手[配点20点] イメージ

組み立て後のガンの重さや握りやすさ、噴射時の反動など、掃除中の扱いやすさを評価。また、付属ノズルの放水種類の豊富さも評価に含めています。

テスト4:取り回し[配点5点]

テスト4:取り回し[配点5点] イメージ

本体重量や電源コードの長さから、掃除中の本体移動がしやすいかを評価。また、掃除中のガンの取り回しを考慮し、高圧ホースの長さも評価に加えています。

テスト5:水道代[配点5点]

テスト5:水道代[配点5点] イメージ

水を10分間噴射し続け、たまった水の重さ(=容量)から水道代を試算。料金が低い製品ほど高評価としました。

テスト6:電気代[配点5点]

テスト6:電気代[配点5点] イメージ

水道代と同様、水を10分間噴射し、その際の消費電力から電気代を試算。こちらも料金が低い製品ほど高評価にしています。

テスト7:収納性[配点15点]

テスト7:収納性[配点15点] イメージ

分解した各パーツが本体まわりに収納できるか、収納後の全体のサイズがコンパクトで省スペースかどうかを評価。また、後片付けのしやすさも収納の一環として評価に含めています。

テスト8:静音性[配点5点]

テスト8:静音性[配点5点] イメージ

動作時の騒音が周囲にどれくらい聞こえるかを考慮し、本体から5m離れた位置で水噴射時の騒音レベルを測定。騒音レベルが低い製品ほど高評価としました。

テスト9:付加価値[配点5点]

タンク給水など独自機能や、本体に同梱されている付属品の豊富さを評価。水道側のホースやバンド、カップリングが付属するといったように、製品購入後にすぐ使えるものは高評価にしています。

それでは、テスト結果を高評価だった順に発表します。

ホーム家庭用高圧洗浄機のおすすめ1位は?

第1位ボッシュ「EA110」

ボッシュ「EA110」 イメージ 
王冠アイコン

ボッシュ
EA110
実勢価格:1万4500円

サイズ・重量:W38.0×D15.5×H29.0cm・3.8kg
動力:モーター式
給水方式:水道直結式、自給式
常用吐出圧力:非公表
最大許容圧力:10.5MPa
常用吐出水量:非公表
最大吐出水量:330L/h
消費電力:1300W
圧力ホース長:6m
電源コード長:5m

水道代(10分間):8.9円
電気代(10分間):4.5円

▼テスト結果

総合得点 汚れ落ち 使用準備 使い勝手 取り回し 水道代 電気代 収納性 静音性 付加価値
85/100点 29/30点 9/10点 18/20点 4/5点 3/5点 3/5点 12/15点 3/5点 4/5点

総合評価:A

総合評価Aで見事1位に輝いたのは、汚れ落ちと使い勝手で他製品を制し、収納性でも高評価を得たボッシュ「EA110」でした。

総合評価:A イメージ

汚れ落ちは、地面、壁面、苔の3カ所の汚れをすべてをきちんと落とせており、厚めにこびりついていた苔も吹き飛ばしてしまいました。

▼ノズルの種類と水流

【ロータリージェット】

総合評価:A イメージ2

・水流

総合評価:A イメージ3

【450ml フォーム】

総合評価:A イメージ4

・水流

総合評価:A イメージ5

【バリオジェット】

総合評価:A イメージ6

・水流(LOW)

総合評価:A イメージ7

・水流(MID)

総合評価:A イメージ8

・水流(HIGH)

総合評価:A イメージ9

ボッシュ「EA110」は最大吐出圧力が10.5MPaと他製品より高いため、これも好結果につながったといえます。

総合評価:A イメージ10

ボッシュ「EA110」の勝因は、洗浄能力だけではありません。検証機の中では最多の3種類のノズルを同梱。本製品を購入するだけで家の外まわりから洗車までまかなえる点も勝利の要因となりました。

実は他のメーカーも洗車まで想定した複数のノズルを同梱している製品があるのですが、ほとんどは高額な上位機。それを1万円台で提供しているボッシュ「EA110」はコスパの面でも優秀です。

弱点は水道・電気代と静音性がやや劣ることですが、これも許容範囲です。

高い洗浄性能に充実したアタッチメント、良好な収納性と、ボッシュ「EA110」は初心者が初めての高圧洗浄機として買うのに最適の一台といえます。

【汚れ落ち】高い本体性能とノズルの力で汚れがきれいスッキリ

検証で使ったのは、洗浄能力が高いロータリージェットノズル。本体の吐出圧力の高さもあいまって、3カ所すべての汚れをきれいに落としました。特に苔の落ち方は圧巻。厚く覆われていた苔だけでなく、その下もスッキリ汚れが落ちていました。

▼地面のビフォーアフター

【汚れ落ち】高い本体性能とノズルの力で汚れがきれいスッキリ イメージ

表面の砂がなくなって床の白さが戻りました。

▼壁面のビフォーアフター

【汚れ落ち】高い本体性能とノズルの力で汚れがきれいスッキリ イメージ2

濃い黒ずみもきれいに取れています。

▼苔のビフォーアフター

【汚れ落ち】高い本体性能とノズルの力で汚れがきれいスッキリ イメージ3

厚めの苔もごっそり吹き飛ばしました。

【準備】高圧ホースの接続はガンも本体も挿すだけ

【準備】高圧ホースの接続はガンも本体も挿すだけ イメージ

高圧ホースの先端はプラグ式になっていて、ガン側も本体側もプスッと挿し込むだけで接続できます。取り外しも、近くのレバーを倒して引き抜くだけと簡単です。

【使い勝手:1】ガンホルダーがあるので地面に置かなくて済む

【使い勝手:1】ガンホルダーがあるので地面に置かなくて済む イメージ

本体側面にはガンホルダーを搭載。ランス付きの長いガンも安定して収まり、立ったままスッと挿して作業を中断できます。ホルダーがない製品とは異なり、中断時にガンを地面に置かなくて済むのはうれしいです。

【使い勝手:2】グリップ付きのトリガーで放水時も握りやすい

【使い勝手:2】グリップ付きのトリガーで放水時も握りやすい イメージ

トリガー中央部にグリップがあり、他製品よりも握りやすいのが特徴。一方でトリガーのストロークが深く、反発力も強めなため、握り込むのにはやや力を要します。

【取り回し】電源コードが本体上から伸びていて動かしやすい

【取り回し】電源コードが本体上から伸びていて動かしやすい イメージ

ボッシュ「EA110」は電源コードが上部から伸びているため、本体移動時のコードの取り回しが良好。本体下部から電源コードが出る製品はコードの根元近くが地面に擦れて傷みがちですが、ボッシュ「EA110」ならその心配が少ないです。

【収納性】パーツ一式が本体にすべて収まる

【収納性】パーツ一式が本体にすべて収まる イメージ

ボッシュ「EA110」は、ガンホルダーに電源コード、本体の持ち手にガン、中央下部の空間に高圧ホース、背面に3種類のノズル+ランスと、高圧洗浄機側の全パーツがすべて収まる考え抜かれた設計になっています。

もちろん、本体自体もコンパクトで収納性は抜群。全ノズルを本体に収納しておけるので交換もしやすく、使い勝手の面でも優れています。

ここが残念:高圧ホースの収納場所が意外と狭くて入れにくい

ここが残念:高圧ホースの収納場所が意外と狭くて入れにくい イメージ

収納性が抜群にいいボッシュ「EA110」。ところが高圧ホースだけはホース自体が硬めなのと収納場所が想像以上に狭いこともあって、入れにくいのが難点。慣れるとすんなり収められるようになりますが、それまではストレスかもしれません。

第2位ケルヒャー「K MINI」

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ケルヒャー
K MINI
実勢価格:1万8593円

サイズ・重量:W23.3×D28.0×H29.5 cm・3.9kg
給水方式:水道直結式、自給式
最大許容圧力:9MPa
最大吐出水量:330L/h
消費電力:1000W
圧力ホース長:5m
電源コード長:5m

水道代(10分間):6.3円
電気代(10分間):3.6円

※AmazonはAmazon限定セット販売ページです。

▼テスト結果

総合得点 汚れ落ち 使用準備 使い勝手 取り回し 水道代 電気代 収納性 静音性 付加価値
79/100点 23/30点 10/10点 12/20点 4/5点 4.5/5点 4/5点 15/15点 4/5点 2.5/5点

総合評価:A

高圧洗浄機の老舗・ケルヒャーの「K MINI」は、総合評価Aでしたが惜しくも2位に留まりました。

付属ノズルが可変タイプ一本のみのため、汚れ落ちの結果が物足りない印象でしたが、さすがは高圧洗浄機を知り尽くした老舗。ガンは短めながら軽量で握りやすく使い勝手は良好でした。

▼ノズルの種類と水流

【ショートバリオスプレーランス】

総合評価:A イメージ

・水流(LOW)

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・水流(MID)

総合評価:A イメージ3

・水流(HIGH)

総合評価:A イメージ4

さらに、軽量・コンパクトタイプの製品ということで本体&パーツをまとめたときの大きさは検証機中で最も小さく、収納性は抜群。女性でもラクに持ち運びができます。

室内の収納にも入るコンパクトさに小さめの動作音と、集合住宅にも向きます。

総合評価:A イメージ5

実際に使用して感動したのは、付属の高圧ホース。実は高圧洗浄機は、準備や後片付けが意外と面倒で、特に高圧ホースは硬い素材のものが多いため展開したりまとめたりする時間が意外とかかります。

その点、ケルヒャー「K MINI」の高圧ホースは細くしなやかで柔らかいため、準備や後片付けが面倒を感じないほど簡単に済みます。洗車や玄関掃除など、使用頻度の高い用途で高圧洗浄機の購入を考えている人なら、ケルヒャー「K MINI」はまさにうってつけの製品といえます。

洗浄能力こそ、1位のボッシュ「EA110」と比べると物足りないですが、収納性や扱いやすさを重視するなら、こちらを選ぶのもアリです。

【汚れ落ち】ノズルの圧力設定が最大でも洗浄性能は少し物足りず

検証は可変ノズルを「HIGH」にして実施。地面や壁面はおおむね落ちましたが、ノズルの性能も影響してか物足りない印象。また、苔は厚く覆われている部分が一筆書き1回の洗浄では落としきれませんでした。

▼地面のビフォーアフター

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おおむね取れたましたが汚れが薄く残る部分もありました。

▼壁面のビフォーアフター

【汚れ落ち】ノズルの圧力設定が最大でも洗浄性能は少し物足りず イメージ2

汚れが濃い部分もきちんと取れています。

▼苔のビフォーアフター

【汚れ落ち】ノズルの圧力設定が最大でも洗浄性能は少し物足りず イメージ3

苔が厚い部分は落とせず残ってしまいました。

【準備】高圧ホースが柔らかで準備&片付けがラク

【準備】高圧ホースが柔らかで準備&片付けがラク イメージ

本体とガンを接続する高圧ホースは製品ごとに専用品が付属しますが、なかでもケルヒャーのホースは細くて柔らかく、まとめやすさが格別。女性でも簡単にまとめられ、準備・後片付けが苦になりません。

【収納性】ガンや高圧ホースがコンパクトにまとまる

【収納性】ガンや高圧ホースがコンパクトにまとまる イメージ

ガンとランス、高圧ホースは付属のアクセサリ収納ケースにすべて収納可能。ケースは本体背面に着脱できるうえ、持ち手付きでラクに運べます。

【使い勝手】ガンが短いので水はねで濡れることも

【使い勝手】ガンが短いので水はねで濡れることも イメージ

ケルヒャー「K MINI」のガンはランス取り付け後でも50cmと短いのが難点。掃除場所によっては跳ね返った汚水が腕や体にかかって汚れることがあります。

第3位アイリスオーヤマ「SBT-512N」

アイリスオーヤマ「SBT-512N」 イメージ

アイリスオーヤマ
SBT-512N
実勢価格:1万2800円

サイズ・重量:W40.5×D31.0×H52.5 cm・9.0kg(本体、パーツ込み)
給水方式:タンク式、水道直結式、自給式
最大許容圧力:8.5MPa
最大吐出水量:約280L/h
消費電力:1000W
圧力ホース長:10m
電源コード長:3m

水道代(10分間):6.3円
電気代(10分間):2.7円

▼テスト結果

総合得点 汚れ落ち 使用準備 使い勝手 取り回し 水道代 電気代 収納性 静音性 付加価値
75.5/100点 28/30点 4/10点 14/20点 3/5点 4.5/5点 5/5点 8/15点 4/5点 5/5点

総合評価:A

A評価で3位にランクインしたのはアイリスオーヤマ「SBT-512N」でした。

最大の特徴は水道直結とタンク式の給水方法を採用している点。水源が近くにない場所(ベランダや駐車場など)でも付属のタンクから給水して使えるのが大きな魅力です。タンク給水時は洗剤が使用でき、50℃までの水温に対応しています。

▼ノズルの種類と水流

【ターボランス】

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・水流

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【拡散可変ランス】

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・水流(LOW)

総合評価:A イメージ4

・水流(MID)

総合評価:A イメージ5

・水流(HIGH)

総合評価:A イメージ6

洗浄力も全体2位と申し分なく、2本のノズルで幅広い用途に使えます。水道・電気の消費量が少ないエコな製品なのも魅力です。

総合評価:A イメージ7

一方、パーツが本体まわりにまとめられず収納性は今ひとつ。また、水がたっぷり入ったタンクは重いうえ、10mの圧力ホースはまとめるのが大変と、準備・後片付けで評価を下げましたがタンク式給水に魅力を感じるなら買いといえます。

【汚れ落ち】回転する水流で強めの汚れもきっちり落とした

ターボランスで洗浄した結果、どの場所も元の白さが戻っていて汚れ落としの能力は高いことがわかります。

▼地面のビフォーアフター

【汚れ落ち】回転する水流で強めの汚れもきっちり落とした イメージ

黒っぽい地面に白さが戻りました。

▼壁面のビフォーアフター

【汚れ落ち】回転する水流で強めの汚れもきっちり落とした イメージ2

壁の黒ずみもキレイに落としました。

▼苔のビフォーアフター

【汚れ落ち】回転する水流で強めの汚れもきっちり落とした イメージ3

張り付いた苔はほぼ取り切っています。

【使い勝手】掃除場所に合わせて給水方法を変更可能

【使い勝手】掃除場所に合わせて給水方法を変更可能 イメージ

付属のタンクに水を貯めて給水すれば、水道が遠い場所でも手軽に掃除ができます。タンクは約23ℓの容量で7分の噴射が可能です。

【使い勝手】掃除場所に合わせて給水方法を変更可能 イメージ2

もちろん、他の製品と同様に水道直結式でも給水できます。

【収納性】ガンまわりが収納できず……

【収納性】ガンまわりが収納できず…… イメージ

高圧洗浄機本体は付属のタンクに収納しますが、ガンやランス、高圧ホースの収納場所がないのが残念です。収納に気を使わないとパーツが行方不明になる恐れがあります。

4位:京セラ インダストリアルツールズ「KJP-1210」

4位:京セラ インダストリアルツールズ「KJP-1210」 イメージ

京セラ インダストリアルツールズ
KJP-1210
実勢価格:1万2680円

サイズ・重量:W37.4×D18.0×H41.1cm・5.2kg
給水方式:水道直結式、自給式
最大許容圧力:8MPa
最大吐出水量:約462L/h
消費電力:1200W
圧力ホース長:6m
電源コード長:2.5m

水道代(10分間):7.7円
電気代(10分間):5.4円

▼テスト結果

総合得点 汚れ落ち 使用準備 使い勝手 取り回し 水道代 電気代 収納性 静音性 付加価値
64/100点 22/30点 7/10点 11/20点 3/5点 3.5/5点 2/5点 9/15点 4/5点 2.5/5点

総合評価:B

4位はB評価の京セラ インダストリアルツールズ「KJP-1210」。汚れ落ちはやや物足りないものの問題はなく、準備や片付け、使い勝手も合格点です。

広島に本社を置く産業機器メーカー、リョービは事業を2018年に京セラへ売却。「京セラインダストリアルツールズ」製品には本体に「RYOBI」の文字が記されている製品もあります。

▼ノズルの種類と水流

【バリアブルノズルランス】

総合評価:B イメージ

・水流(LOW)

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・水流(MID)

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・水流(HIGH)

総合評価:B イメージ4

付属品は最小構成で過不足なく、コンパクトで持ち運びや収納性は良好ですが、コードやホースがダラッとして外見が今ひとつと、高圧洗浄機としては性能は劣らないけど上位の製品と比べると抜けた特徴がないというのが、正直な印象です。

よほどの価格的優位がない場合は選択肢に入りません。

総合評価:B イメージ5

付属ノズルも可変タイプ1本のみですが、水圧を幅広く調整できるので、強固な汚れ落としから散水まで使えて汎用性は高いです。

【汚れ落ち】壁面以外はツメの甘さが目立った

ノズルは「HIGH」寄りの「MID」に設定(※)。壁面こそ汚れをキレイに落としましたが、地面は少しくすんだ感じ、苔は取りきれない部分が多めでした。

※HIGHは水流の範囲が狭いため同じ可変ノズルのケルヒャーと同等の幅に調整

▼地面のビフォーアフター

【汚れ落ち】壁面以外はツメの甘さが目立った イメージ

汚れはうっすらと残っている印象でした。

▼壁面のビフォーアフター

【汚れ落ち】壁面以外はツメの甘さが目立った イメージ2

全体的に汚れをキレイに落としています。

▼苔のビフォーアフター

【汚れ落ち】壁面以外はツメの甘さが目立った イメージ3

ところどころに苔がのこっていました。

【準備】初回は接続に工具を使う

【準備】初回は接続に工具を使う イメージ

ガン側の高圧ホースはナットで固定します。2回目以降は外す必要がないため面倒なのは初回だけ。工具は付属するので準備不要です。

【収納性】各パーツは本体周りに収まる

【収納性】各パーツは本体周りに収まる イメージ

ガン、ランス、高圧ホースは左側、電源コードは右側に格納可能。本体は重めですが、サイズが小さいので収納性は良好です。

ホーム洗浄力不足は洗い方の工夫でカバーできる

高圧洗浄機の洗浄力は掃除対象とノズル先端の距離が狭まるほど強く、広がるほど弱くなります。そのため、洗浄力が物足りない製品でも距離の調整で若干のカバーが可能です。ただし、製品ごとに適正距離がある点には注意してください。

ケルヒャー「K MINI」の場合

ケルヒャー「K MINI」の場合 イメージ

上の写真はケルヒャー「K MINI」で、床面からノズル先端までの距離を測りながら噴射したときの洗浄後の様子。距離が短くなるほど洗浄の幅が狭くなる代わりに汚れ落ちが増し、逆に離れるとあまり落とせていません。

汚れ落ちが悪いなと思ったら対象とノズル先端の距離を調整してみましょう。

ホームまとめ:家庭用なら使い勝手や収納性で選ぶのが正解

以上、家庭用の高圧洗浄機のおすすめランキングでした。いかがでしたか?

高圧洗浄機は洗浄能力の高さが求められがちなため、高額で大型な製品より吐出圧力が落ちる傾向にある軽量・コンパクトな製品は選択肢に入りづらいことが多いです。

しかし今回、「軽量・コンパクト」というテーマで検証を実施したところ、自宅の駐車場、敷地を囲う塀、道路の側溝の汚れなら、軽量・コンパクトな製品で十分ということがわかりました。

しかもこれらの汚れは、一度掃除するとしばらく放置していても目立ちません。つまり、“高圧洗浄機で毎週洗車”なんていう使い方をしない限り、高圧洗浄機の出番はむしろ少ないのです。

まとめ:家庭用なら使い勝手や収納性で選ぶのが正解 イメージ

実は今回、参考用として吐出圧力が高いけど大型で重たい高圧洗浄機も使ってみましたが、軽量・コンパクトな製品と比べても、洗浄能力の差は体感的には微々たるもの。むしろ重くて準備は大変だし、本体が大きいので置いておくと邪魔でした。

洗浄能力の差や使用頻度を考慮すると、家庭用なら洗浄能力よりも使い勝手や収納性で選ぶのが正解です。

まとめ:家庭用なら使い勝手や収納性で選ぶのが正解 イメージ2

今回1位のボッシュ「EA110」は洗浄能力、使い勝手、収納性の3つがすべて良好で初心者でも満足できます。使い勝手やより高い収納性を優先するなら、ケルヒャー「K MINI」もおすすめです。

家庭用高圧洗浄機のおすすめ:ボッシュ「EA110」

家庭用高圧洗浄機のおすすめ:ボッシュ「EA110」 イメージ 
王冠アイコン

ボッシュ
EA110
実勢価格:1万4500円

サイズ・重量:W38.0×D15.5×H29.0cm・3.8kg

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