青森県発! 運だめしができる当物駄菓子

みなさんには、駄菓子屋さんの思い出はあるでしょうか。昭和の子どもの駄菓子屋さんの醍醐味は、「くじ付き駄菓子」でした。

くじのタイプは2種。きなこ棒のように、食べた後に串が赤ければもう1本もらえるタイプと、お金を払ってくじを引き、くじの結果でもらえるものが決まるタイプ。

青森県・津軽地方の定番くじ付き駄菓子「イモ当て」は後者です。

駄菓子屋さんでお金を払って、当て紙と呼ばれる台紙でくじを引けば、あんドーナツの大きさが決定します。当たりは「親」の文字で、商品は大きなドーナツを半分に切ったもの。ハズレは「子」の文字で、小さなドーナツ。

なぜかくじの台紙である当て紙には、ギロリと睨みを利かせる閻魔大王の姿が!

佐藤製菓「プチ・イモ当て」

佐藤製菓「プチ・イモ当て」 イメージ

佐藤製菓
「プチ・イモ当て」
実勢価格:1242円

※佐藤製菓の直売所と通販、年末年始などは津軽主要スーパーでも販売

佐藤製菓「プチ・イモ当て」は、そんな駄菓子屋さんのイモ当てが家庭でも楽しめるようになったものです。

駄菓子屋のワクワク感が味わえる

駄菓子屋のワクワク感が味わえる イメージ
箱に入っているドーナッツ(大)

大きなドーナツは、中身のあんが見えるように、半割りに。もちろん半分でも、「親」は「子」よりも 約1.6倍の大きさなのでご安心を。黄色のあんからは、いかにもホクホクのさつまいもの香りがしてきそうです!

食品雑貨イモが助けた大王の歴史

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弘前公園の桜(青森県弘前市)

津軽地方では、くじ付きの駄菓子を「当物(あてもの)」と呼んできました。青森市周辺では「あん玉当て」が主流ですが、この「イモ当て」を作る佐藤製菓は、弘前市の当物メーカー。実は同社、「イモ当て」よりも歴史のある津軽特有の当物、「大王当て」を青森で唯一製造しています。

「大王当て」は、「閻魔大王が、当たり、ハズレを決める」もの。

イモが助けた大王の歴史 イメージ2
箱にはいっているドーナッツ(小)

津軽地方では、昔から子どもの道徳教育に、寺に伝わる「地獄絵図」を使う文化がありました。当たるお菓子は「練り切り」。地獄とはまるで逆の、美しい花をかたどった優美な和菓子です。「親」と「子」のほか特大の「大王」があります。

「あん玉」文化の青森市周辺でも「イモ当て」がヒット

昭和30年代はさまざまな津軽当物が複数社で製造され、ピークを迎えていましたが、次第に姿を消したそうです。

危機感を持った同社は、昭和40年頃、子どもにとってさらに魅力的な、あんドーナツが当たる「イモ当て」を開発。すると津軽の「大王当て」が浸透しなかった「あん玉」文化の青森市周辺でも、「イモ当て」がヒット。これが生き残った理由です。

このとき、「大王当て」の当て紙のデザインが生かされ、「イモ当て」にも閻魔大王が睨みを利かせているのです。そして近年、「プチ」サイズが登場。家庭で楽しめるようになりました。

「プチ・イモ当て」の楽しみ方

「プチ・イモ当て」の楽しみ方 イメージ

箱にはクジと、大3個、小8個のドーナツが入っているので、子どもの集まりなどにどうぞ!

1:くじを引き、ピンクの紙の「親」(当たり)、「子」 (ハズレ)を確認
2:親は大きいドーナッツ、子は小さいほうが食べられる

あんの正体は白いんげんから作った白あん

大きなドーナツは、中身のあんが見えるように、半割りに。もちろん半分でも、「親」は「子」よりも約1.6倍の大きさなのでご安心を。

黄色のあんからは、いかにもホクホクのさつまいもの香りがしてきそう。でも、さつまいもは1ミリも使っていません。あんの正体は、大王当てと同じ白いんげんから作った、白あんなのです。それなのに不思議とイモよりもイモらしい素朴で愛すべきたたずまい。

家族や友だちと集まる機会があるならば、イモ当てで運試しはいかがでしょうか。

ご当地スーパーという秘境を旅し、ご当地食品という珍獣を発見、捕獲する感動はクセになりますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。