丸ノコを選ぶときチェックすべきポイント
一口に丸ノコといっても、バリエーションは豊富です。丸ノコを選ぶとき、チェックすべきポイントを紹介します。
種類や付加機能
丸ノコは『手持ち型』『卓上型』に大別できます。それぞれ得意なこと・特徴は異なるので、自身の使い方に合うものを選ぶことが大切です。
手持ち型はハンドルを握って本体を動かし、部材をカットします。フリーハンドで扱える分操作性に優れていて、大きいものや長いものを切るのも得意です。持ち運びも簡単なため、自由度の高い作業を行えるでしょう。
一方卓上型は、台座付きの丸ノコです。据え置きで使うため、手持ち型よりも安定感があります。スキルがなくても精度の高い切断が可能という特徴があり、初心者は卓上型の方が扱いやすいかもしれません。
また丸ノコは、安全面に配慮された機能があると安心です。手を離すと刃の回転が止まる『自動ブレーキ機能』、手元を明るく照らす『LEDライト』などの有無もチェックしてみましょう。
ノコ刃の外径サイズ
ノコ刃の外径は、85mm・125mm・147mm・165mm・190mmなどがあります。数値が大きいほどノコ刃が大きく、厚みのある部材でもスムーズな切断が可能です。
丸ノコがどのくらいの厚みに対応できるかを見たいときは、『最大切り込み深さ』をチェックしましょう。
最大切り込み深さとは、丸ノコを90度と45度にセットした際に刃が届く深さをmmで示したものです。部材をスムーズに切断するためには、部材の厚み以上の切り込み深さが必要となります。
例えば約38mmの2×4材などを切断したい場合は、最大切り込み深さが38mm以上あるかどうかをチェックしなければなりません。
DIY用として使うなら、ノコ刃の外径は147mmか165mmで事足りるといわれます。細かい作業を行いたい場合は、125mm程度のものを選んでもよいでしょう。
電源の種類
丸ノコの電源方式は、AC電源タイプとバッテリータイプがあります。
AC電源タイプは、コンセントから安定した電源供給が可能です。作業中にパワーが落ちる心配がなく、必要な作業に集中できます。ただし『電源コードの長さ分しか動けない』『取り扱いを誤ると電源コードを切断する恐れがある』点には要注意です。
一方バッテリータイプは、コードがない分作業性が高く、丸ノコを持ったまま自由に場所を移動できるのが魅力です。一方でバッテリーが切れると作業できなくなるため、作業時間が制限されるのはデメリットといえるでしょう。
『安定性』を重視する人はAC電源タイプ、『作業性』を重視する人はバッテリータイプがおすすめです。
丸ノコで作業する際の注意点
丸ノコは便利なアイテムではありますが、使い方を誤ると大けがにつながります。
丸ノコで作業する際は、準備をしっかりと整えて危険な使い方をしないよう心掛けましょう。
装備を適切にそろえる
丸ノコを使用すると、大量の粉じんや木くずが出ます。作業中は必ずゴーグル・マスクを装着し、目や肺を守りましょう。
また丸ノコの使用中、刃に物が巻き込まれると大事故につながる恐れがあります。衣類の袖や裾などが刃に触れないようにしておきましょう。ロングヘアの人は、髪をきちんとしばっておくことも必要です。
なお軍手は生地がノコ刃に巻き込まれやすく、丸ノコの操作時には適しません。丸ノコを扱うときは、素手あるいは密着性の高い革手袋などを用意しましょう。
キックバックに注意
キックバックとは、丸ノコの刃が逆回転して後ろ向きに跳ね返る現象です。『刃が部材に挟まって進めない状態』で発生するケースが多いため、以下のような使い方は控えましょう。
- スペック以上の厚さの部材を切る
- 湿った部材を切る
- 刃を出し過ぎる
- 無理に進行方向を曲げる
- 極端に反りのある部材を切る
このほか切断された部材に刃が挟まって、キックバックを起こすこともあります。キックバックを完全になくすのは難しいため、『危険に備えながら作業する』ことが必要です。
万が一刃が飛んできたときに避けやすいよう、丸ノコの真後ろに立つのを避けたり、立って作業したりすることを守りましょう。
手持ち型のおすすめ丸ノコ
手持ち型の丸ノコは、初心者向けから上級者向けまでさまざまな製品がラインアップされています。
手持ち型の丸ノコから、人気の高いおすすめの製品を紹介します。
マキタ「165mm充電式マルノコ HS631DGXS」
※画像はAmazonより
マキタ
165mm充電式マルノコ HS631DGXS
実勢価格:6万8000円
サイズ(cm):約幅19.2×奥行28.6×高さ25.8
重量:約3.0kg
ノコ刃寸法:外径165mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>66mm、<45度切断時>46mm
電源:充電式
高品質な総合電動工具メーカー『マキタ』の手持ち型丸ノコです。大型ブラシレスモーターを搭載し、AC電源タイプ並みのパワーと安定性を誇ります。コンパクトボディで水平バランスを取りやすく、精度の高い切断が可能です。
本体には、固定・平行度調整の精度を高める機能やブロワ機能・切り込み深さ調整機能が付いています。切れ味が軽く耐久性も高い『鮫肌チップソー』も搭載されており、50×300mmの部材なら、1充電あたり約217本のカットが可能です。
丸ノコ初心者でも扱いやすく、質の高い作業を行えるでしょう。
HiKOKI「165mm丸のこ(ブレーキ付) FC6MA3」
※画像はAmazonより
HiKOKI
165mm丸のこ(ブレーキ付) FC6MA3
実勢価格:9020円
サイズ(cm):約幅21×奥行27.6×高さ23
重量:約3.2kg
ノコ刃寸法:外径165mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>0~57mm、<45度切断時>0~38mm
電源:AC電源
高剛性アルミベースを採用したAC電源タイプで、安定した作業が可能です。DIYチャンネルで人気のYouTuber『カミヤ先生』も、初心者向けの1台として推奨しています。
切り込み深さを自由に調整できる『切込み調整ワンタッチレバー』や、粉じんをまとめて排出する『後方排出方式』が搭載されており、機能に不足はありません。
ノコ刃の位置が調整できる『調整式ガイドピース』も付いており、初心者でも質の高い作業が可能です。
別売りのダクトアダプタで集じん機と接続して使えば、作業はより一層スムーズになるでしょう。
据え置き型のおすすめ丸ノコ
据え置き型は安定感があり、切断面も美しく仕上がるのが魅力です。据え置き型の丸ノコから、おすすめの商品を紹介します。
京セラ「卓上スライド丸ノコ ATSS192」
※画像はAmazonより
京セラ
卓上スライド丸ノコ ATSS192
実勢価格:3万9303円
サイズ(cm):約幅42×奥行75×高さ48
重量:約10.5kg
ノコ刃寸法:外径190mm
切断能力(mm):(テーブル回転0度/傾斜左45度)38×220
電源:AC電源
木材から合板・化粧板・アルミサッシのカットまで対応できる、プロ仕様のモデルです。ノコ刃の外径は190mmと大きめのため、厚みのある部材もスムーズに切断できるでしょう。
本体にはレーザーマーカーが付いていて、切断の目安となる墨線合わせも簡単です。
角度・傾斜を付けた切断ができるほか、部材を合わせた複合切断にも対応しています。1台でさまざまな部材加工に対応できるため、DIYの可能性が広がるでしょう。
付属品として、190mmチップソー ・ 集じん袋・スパナ・締付けハンドル・クランプが付いています。
髙儀「卓上丸鋸 TM-190A」
※画像はAmazonより
髙儀
卓上丸鋸 TM-190A
実勢価格:9641円
サイズ(cm):約幅39.5×奥行36×高さ39.5
重量:約5.0kg
ノコ刃寸法:外径190mm
切断能力(mm):(テーブル回転0度/傾斜左45度)高さ25×幅90
電源:AC電源
本体重量約5kgで、持ち運びにも対応する据え置き型の丸ノコです。ハンドルは本体横に付いており、操作性は抜群です。ブレーキも付属しており、初心者でも安心・安全に切断作業を行えます。
切断時はターンテーブルを回転させるだけで、角度の設定が可能です。直角切断はもちろん、角度切断・傾斜切断・複合切断にも対応します。
付属品として、粉じん・木くずの飛散を防ぐダストバッグのほか、ノコ刃交換用レンチ・六角棒レンチなどが付いています。
コードレス型のおすすめ丸ノコ
取り回しを重視したいのであれば、コードレス型の丸ノコをチェックしましょう。
コードレス型の丸ノコから、おすすめの商品を紹介します。
アイリスオーヤマ「充電式丸のこ 18V JSC140【バッテリー付き】」
※画像は楽天より
アイリスオーヤマ
充電式丸のこ 18V JSC140 【バッテリー付き】
実勢価格:1万4305円
サイズ(cm):約幅17.1×奥行32.7×高さ22
重量:約2.5kg
ノコ刃寸法:外径140mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>40mm、<45度切断時>27mm
電源:充電式
リチウムイオンバッテリー搭載の丸ノコです。定格電圧18Vのハイパワーで、AC電源タイプにも引けを取らない安定した作業を行えます。
本体は刃先が左側にくるデザインが採用されており、切断部分を目視しながらカットできるのが魅力です。握りやすいグリップとダブルロック機能も付いていて、初心者でも安全かつスムーズに部材加工を行えるでしょう。
傾斜切断・斜め切りに対応するほか、部材の厚みによって最大4cmまで切り込み深さを変えることも可能です。
ノコ刃は取り外しできるため、他メーカーのものに差し替えてもよいでしょう。
マキタ「 165mm充電式マルノコ HS610DRGX」
※画像は楽天より
マキタ
165mm充電式マルノコ HS610DRGX
実勢価格:6万7008円
サイズ(cm):約幅17.8×奥行26.7×高さ25
重量:約3.0kg
ノコ刃寸法:外径165mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>57mm、<45度切断時>41mm
電源:充電式
全長26.7cmとコンパクトで、取り回ししやすい丸ノコです。切り込みの深さやノコ刃の平行度を調整するガイドやツマミが付いていて、精度の高い切断作業が可能です。
本体に搭載されているバッテリーは、毎分5000回の高速回転を行うハイパワーブラシレスモーターです。コードレスでもパワー不足を感じにくい上、回転数は作業中の負荷に応じて変速します。
押し加減がよく分からない初心者でもキックバックが起こりにくく、不安なく作業に集中できるでしょう。
ブラックアンドデッカー「コードレス丸ノコ BDCCS18B 18V」
※画像はAmazonより
ブラックアンドデッカー
コードレス丸ノコ BDCCS18B 18V
実勢価格:9800円
サイズ(cm):約幅19×奥行33.5×高さ24.5
重量:約2.1kg
ノコ刃寸法:外径140mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>41.3mm、<45度切断時>34.9mm
電源:充電式(バッテリーは別売り)
アメリカの電動工具メーカー『ブラックアンドデッカー』の充電式丸ノコです。奥行33.5cmとコンパクトな上、重量は約2.1kgと軽量です。使う場所が制限されにくく、自由度の高いDIYを実現できます。
付属のノコ刃は140mmで、2×4材(最大41.3mmまで)の切断が可能です。切り込み深さの調節や最大50度までの切断角度調節もでき、多彩なカットを実現できます。
電圧18Vで安定したパワーもあり、コードレスのメリットをしっかりと享受できるモデルです。
ただし本体には、充電器・充電池は付属していません。必要があれば、別途購入を検討しましょう。
マキタ「125mm充電式防じんマルノコ KS002GRDX」
※画像は楽天より
マキタ
125mm充電式防じんマルノコ KS002GRDX
実勢価格:6万1866円
サイズ(cm):約幅18.7×奥行26.2×高さ24.8
重量:約2.9kg
ノコ刃寸法:外径125mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>47mm、<45度切断時>30mm
電源:充電式
最大40Vのバッテリー電圧で、ハイスピード・ハイパワーな作業が可能です。AC電源タイプにも負けない安定性があり、1回の充電でサイディングボード(厚さ14×幅455mm)約270枚をカットできます。
このモデルの特徴は、『スピードモード』『静音エコモード』を搭載している点です。
スピードモード時は、負荷や部材に合わせて切断スピードが自動調節されます。急激な回転数低下を防ぐ機能もあり、キックバックが発生しにくい仕様です。
また静音エコモードでは、回転数は一定に保たれます。大きな切断音が立ちにくく、屋外でも気兼ねなく作業できるでしょう。
AC電源のおすすめ丸ノコ
作業場にコンセントがあるのなら、AC電源タイプもおすすめです。
コードレスと比較して安価な製品が多いため、コスパ重視の人もニーズに合うものを見つけやすいでしょう。
TRAD「電気丸ノコ TCS-165A」
※画像は楽天より
TRAD
電気丸ノコ TCS-165A
実勢価格:6746円
サイズ(cm):約幅30×奥行22.5 ×高さ24
重量:約3.5kg
ノコ刃寸法:外径165mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>56mm、<45度切断時>39mm
電源:AC電源
本体重量約3.5kgで、取り回ししやすい丸ノコです。ノコ刃は0~45度の間で傾斜切断できるため、板材の留め接ぎなども簡単に行えます。
本体に付属するT型定規により、正確でスピーディーな切断が可能です。同じサイズの部材をいくつもそろえたいときなどは、特に重宝するでしょう。
また集じん用ジョイントアダプターを使えば、手持ちのバキュームクリーナーと接続して使えます。作業中の粉じん・木くずをしっかり吸い取ってくれるため、作業後の清掃が楽になります。
京セラ「丸ノコ MW-46A」
※画像はAmazonより
京セラ
丸ノコ MW-46A
実勢価格:5663円
サイズ(cm):約幅20.5×奥行24.3×高さ21.3
重量:約2.1kg
ノコ刃寸法:外径147mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>46mm、<45度切断時>30mm
電源:AC電源
2.1kgと軽量で、女性でも扱いやすいエントリーモデルです。無負荷回転数は3700min-1あり、シャープな切断を実現できます。二重絶縁で感電のリスクが少なく、アースを設置する必要がないのもうれしいポイントといえるでしょう。
ノコ刃は147/140mmに対応しており0~45度までの角度の調整が簡単です。切り込みの深さは0~46mmで設定でき、ニーズに合わせて作業できます。
『ソーガイドフェンス』も付いており、同じ幅の部材をたくさんそろえたいときも手間がかかりません。別売りのノズルセットと集じんホースを使えば、作業場を大きく汚さずに作業できます。
HiKOKI「深切り電子丸のこ C6MEY SKNB」
※画像はAmazonより
HiKOKI
深切り電子丸のこ C6MEY SKNB
実勢価格:2万4370円
サイズ(cm):約幅26.4×奥行30×高さ23.2
重量:約2.6kg
ノコ刃寸法:外径165mm
最大切り込み深さ:<90度切断時>66mm、<45度切断時>46mm
電源:AC電源
ACブラシレスモーターと高出力コントローラを搭載したハイスペックモデルです。切断スピードが速い上、厚みのある部材の切断もスムーズに切断できます。作業安定性が高く、加工のクオリティを一定に保てるのが魅力です。
本体はハンドルがノコ刃に近く、モーターの位置も低めに設計されています。操作性が高い上バランスを取りやすく、ムダな力を使わずに作業できるでしょう。
モーターの回転回数を抑える『サイレントモード』やブロワ機能、キックバックを軽減するシステムも搭載されており、使い勝手・安全面への配慮も行き届いています。
まとめ
丸ノコは、厚みのある部材をスピーディーかつきれいにカットしてくれる便利なアイテムです。
ニーズに合うものを選びたい場合は、「どのようなシチュエーションで使うか」「電源は確保できるか」「どのくらいの厚みの部材をカットするか」を明確にしておきましょう。
スペックは高いに越したことはありませんが、スペックの高さに比例して価格も高額になる傾向があります。初心者はあまり欲張らず、価格とスペックのバランスがよいものを選びましょう。
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