糖質・プリン体が気になる人には「本格焼酎」がおすすめ
長引く巣篭もり生活で体のことが気になる……それでも日々の晩酌は楽しみたい! そんな人におすすめしたいのが、糖質・プリン体ゼロの焼酎です。
ひと口に焼酎といっても、膨大な種類があり、原材料や製法によって香りや味わい、飲み方はさまざまです。まずは、焼酎の基本的な分類から確認してみましょう。
焼酎の種類「甲類」「乙類」ってなに?
焼酎には「甲類」「乙類」といった表示がありますが、具体的にはこのような違いがあります。
焼酎甲類
宮崎本店
キンミヤ焼酎 25° 720ml
実勢価格:684円
一般に廃糖蜜や酒粕などを原料とした発酵液をもとに、連続式蒸留器で蒸留して高純度エタノールを生成し加水したもので、日本の税法上はアルコール度数36%未満。
何度も蒸留を行うため、アルコールの純度が高くなります。原料本来の風味は薄めなので、いわゆる「酎ハイ」のベースとして、炭酸・ジュース・お茶などで割って使用されることが多いです。
人気の銘柄:宝酒造「宝焼酎」、宮崎本店「キンミヤ焼酎(キッコーミヤ焼酎)」、サントリー「鏡月」、眞露「JINRO」など
焼酎乙類(本格焼酎)
鳥飼酒造
吟香鳥飼 米 25° 720ml
実勢価格:2255円
米、麦、芋、そば、黒糖、栗などを原料とし、単式蒸留器で蒸留し造られる焼酎。日本の税法上はアルコール度数45%以下。
基本的に1回のみの蒸留であるため、原料本来の風味や旨みが生きているのが特徴で、南九州地方が特産地として有名です。沖縄県特産の米麹を使用した蒸留酒「泡盛」も本格焼酎に分けられます。
人気の銘柄(米):鳥飼酒造「吟香鳥飼」(熊本)、高橋酒造「白岳しろ」(熊本)
人気の銘柄(麦):三和酒類「いいちこ」(大分)、二階堂酒造「大分むぎ焼酎 二階堂」(大分)、佐藤酒造「佐藤麦」(鹿児島県)
混和焼酎
アサヒビール
麦焼酎 かのか(焼酎甲類乙類混和)25° 1800ml 紙パック
実勢価格:978円
※amazonパントリー対象商品です。
甲類と乙類を混和したもので、甲類と乙類のどちらが多いかで呼び名が異なります。
乙甲混和焼酎:乙類を50%以上95%未満混和したもの。乙類100%の匂いやクセの強さを和らげ、飲みやすさを追求しています。
甲乙混和焼酎:乙類を5%以上50%未満混和したもの。安価で風味のある銘柄が大手メーカーより発売されています。
芋焼酎の特徴や選び方
今回は、本格焼酎のなかでもとくに人気が高く、銘柄の種類も豊富な「芋焼酎」にスポットを当てたいと思います。
2021年に創業100周年を迎える国内最大級の酒屋チェーン「なんでも酒やカクヤス」を訪問し、おすすめの芋焼酎を教えてもらいました。
お話をうかがったのは、カクヤスで焼酎・日本酒などの仕入れを担当している吉川誠さん。
百貨店でお酒のバイヤーをしていた際に、和酒の魅力に目覚め、地酒の専門店「銀座酒蔵検校(けんぎょう)」に転職。そこで沢山の和酒を扱い経験を積んだ後、カクヤスの和酒バイヤーを務めています。
それでは、本題のおすすめ芋焼酎を紹介する前にまず、芋焼酎を選ぶ際に知っておきたい基礎知識から振り返っておきましょう。
「白」「黒」「黄」など麹の違いに注目してみよう
芋焼酎に使用される麹はほとんどが米麹で、主に以下の3種類がよく使われています。
黄麹:日本酒造りにも使われる黄麹仕込みの芋焼酎は、すっきりとしてフルーティーな香りが特徴。かつては黄麹が焼酎造りの主流でしたが、黒麹と白麹の台頭でややマイナーな存在になりました。
黒麹:泡盛に使われる麹菌を起源とする黒麹は、芳醇なコクと強い風味、キレのある味わいが特徴です。「黒霧島」や「黒伊佐錦」など、名前に「黒」のつく銘柄に使用されています。
白麹:黒麹の突然変異から誕生した麹菌で、黒麹よりもややマイルドな飲み口に仕上がります。
芋本来の旨みや香りを堪能したいなら、黒麹仕込みがおすすめ。白麹仕込みはお湯割りに向いています。このほかにも、芋麹を使用した芋100%焼酎も増えてきていますね。
原料のさつまいもにもいろんな種類がある
芋焼酎に使用されるさつまいもの種類で代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
黄金千貫(こがねせんがん):もっともポピュラーな品種で、他のさつまいもよりもデンプンを多く含み、香りと甘さのバランスのよさが特徴。
紅さつま:主に鹿児島県で生産されている品種で、芋本来の甘みを感じられる仕上がりに。
金時芋:のどごしはキレよく、ほのかな甘みを感じる仕上がりに。
安納芋:糖度が高く、やさしい香りと上品な甘さが引き立つ焼酎に仕上がります。
紫芋:希少性の高い品種で、甘く華やかな香りが立ち、上品な味わいに。
焼き芋仕込みの焼酎も、甘く香ばしい香りで人気ですよ。
仕込み方によっても仕上がりが異なる
焼酎の蒸留の手法は主に以下の2つ。
減圧蒸留:蒸留器内の気圧を低下させることで、蒸留器内のエタノールの沸点温度が低下。低温での蒸留が行われ、雑味の少ない仕上がりに。
常圧蒸留:減圧しない伝統的な蒸留方法。クセが強く、風味豊かに仕上がる。
スッキリとした味わいが好みなら「減圧蒸留」、力強い味わいが好みなら「常圧蒸留」をチェックしてみてくださいね。
酒屋が選ぶ「おすすめ芋焼酎10選」の評価基準は?
今回は、各販売サイトやカクヤスで購入可能な芋焼酎のなかから、さまざまな特徴をもつ10商品を厳選。
「飲みやすさ」「香りのよさ」の2つの基準を設け、それぞれ5段階で芋焼酎の味わいを評価してもらいました。
それでは以上を踏まえ、早速おすすめの本格芋焼酎10選へと参りましょう!
霧島酒造「黒霧島EX(イーエックス) デリシャスペンタゴン 芋 25°」
霧島酒造
黒霧島EX(イーエックス) デリシャスペンタゴン 芋 25° 900ml
実勢価格:1006円
アルコール度数:25%
産地:宮崎県
原料:さつまいも(九州産)、米こうじ(国産米)、霧島裂罅水(キリシマレッカスイ)
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★☆
- 香りのよさ: ★★★☆☆
おすすめの芋焼酎1つ目は、霧島酒造の「黒霧島EX(イーエックス) デリシャスペンタゴン」です。
各販売サイトの人気ランキングでは、同社の「黒霧島」「赤霧島」「白霧島」といった主要銘柄がつねに上位に食い込んでいます。
焼酎の美味しさにつながる要素「あまみ」「うまみ」「まるみ」に、黒霧島の特徴である「トロッと」「キリッと」を加えた5つの味わいを最大限引き出したのが「黒霧島EX」。
ラベルに描かれている五角形(ペンタゴン)は、黄金比の美味しさ「デリシャスペンタゴン」を表しています。
黒霧島ならではのキレのよさはそのままに、芋臭さではなく、いい意味での芋の美味しさや優しい甘い香りを感じられます。ロック・水割り・お湯割りなど、そのものを味わえる飲み方がおすすめですね!
霧島酒造「茜霧島 芋 25°」
霧島酒造
茜霧島 芋 25° 900ml
実勢価格:1293円
アルコール度数:25%
産地:宮崎県
原料:さつまいも(九州産)、米こうじ(国産米)
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★★
- 香りのよさ: ★★★★★
おすすめの芋焼酎2つ目は、同じく霧島酒造の「茜霧島 芋 25°」。以前は年2回のみ入荷しすぐ売り切れてしまうような限定品でしたが、近年は定番商品となり全国で人気を博しています。
オレンジ芋「玉茜」と、香りを際立たせる「芋の花酵母」で仕込まれた芋焼酎は、桃やオレンジのような香りと、フルーティーで綺麗な甘みが感じられる飲み口です。
芋焼酎が苦手という方や、焼酎初心者の方にもおすすめです。ぜひロックやソーダ割で華やかな香りを楽しんでください。
濱田酒造「濱田 だいやめ 芋 25°」
濱田酒造
濱田 だいやめ 芋 25° 900ml
実勢価格:1228円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:さつまいも(鹿児島県産)、米麹(国産米)
麹:黒麹仕込み
蒸留方法:減圧蒸留
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★★
- 香りのよさ: ★★★★★
おすすめの芋焼酎3つ目は、濱田酒造「濱田 だいやめ 芋 25°」です。
独自の熟成技術から生まれた「香熟芋」によるライチのような華やかな香りが驚くほど広がる芋焼酎です。
おすすめの飲み方はソーダ割り。ライチを思わせる香りはインパクト大ですが、意外と甘さはスッキリしているので食中酒として楽しめます。おしゃれな味わいで、今時の芋焼酎という感じですね。
本当にライチの香りがするのか、後日「だいやめ」を購入して香りを嗅いでみたところ、確かにライチのような甘い香りが感じられました。疑ってすみません。
透明のプラスチックカップに注いでブラインド調査を社内で実施すると、6名中5名が「ライチの香りがする」と回答。飲み慣れている1名は「泡盛」と惜しい回答でした。
雲海酒造「木挽ブルー 芋 25°」
雲海酒造
木挽ブルー 芋 25° 900ml
実勢価格:959円
アルコール度数:25%
産地:宮崎県
原料:さつまいも(南九州産)、日向灘黒潮酵母
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★★
- 香りのよさ: ★★★☆☆
おすすめの芋焼酎4つ目は、鮮やかな青色ラベルが印象的な雲海酒造「木挽ブルー 芋 25°」です。もとは九州限定商品でしたが、人気に火が着き発売から約半年で全国で発売されるようになりました。
宮崎県日向灘で採取された独自の酵母「日向灘黒潮酵母」を使用した本格芋焼酎は、すっきりキレのある甘味と、爽やかな口当たりが特徴です。アルコール度数は25度のほか、20度のものも展開されています。
「木挽ブルー」は個人的にすごく好きな芋焼酎ですね。香りは華やかすぎず、強すぎず、スイスイ進んでしまいます。爽やかなミネラル感も感じられるので、ソーダ割りにぴったりだと思います。
西酒造「富乃宝山 芋 25°」
西酒造
富乃宝山 芋 25° 720ml
実勢価格:2030円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:薩摩芋(鹿児島県産 黄金千貫)、米麹(黄麹/国産米)
蒸留方法:常圧単式蒸留
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★☆
- 香りのよさ: ★★★★☆
おすすめの芋焼酎5つ目の西酒造「富乃宝山 芋 25°」は、2000年代前半からの本格焼酎ブームの火付け役とも言われる、とても有名な芋焼酎です。
日本酒にも使用される黄麹仕込みのフルーティーで華やかな香り。口当たりはなめらかでキレもよく、飲みやすい芋焼酎です。
いわゆる「フルーティー焼酎」の先駆けですね。こちらはぜひ、ロックやソーダ割りでどうぞ。
佐多宗二商店「XX(ダブルエックス)晴耕雨読 芋 25°」
佐多宗二商店
XX(ダブルエックス)晴耕雨読 芋 25° 720ml
実勢価格:1425円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:さつま芋(南薩産黄金千貫)、米麹(国産)、米(国産)
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★☆
- 香りのよさ: ★★★☆☆
おすすめの芋焼酎6つ目は、佐多宗二商店「XX(ダブルエックス)晴耕雨読 芋 25°」。
米焼酎を20%ブレンドした、なんとも珍しい一品です。商品名の「XX(ダブルエックス)」はローマ数字で20を意味します。
芋の甘味と旨味に米焼酎の爽やかさが調和した、食中から食後まで楽しめる芋焼酎です。
おすすめの飲み方はロック・水割り・ソーダ割りです。
濱田酒造「赤兎馬 芋 25°」
濱田酒造
赤兎馬 芋 25° 720ml
実勢価格:2140円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:さつまいも(鹿児島県産黄金千貫)、米麹(国産米)
麹:白麹仕込み
蒸留方法:常圧蒸留
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★☆
- 香りのよさ: ★★★☆☆
おすすめの芋焼酎7つ目は、発売20周年を迎えた濱田酒造「赤兎馬 芋 25°」です。商品名は、三国志に登場する名馬の名前に由来します。
淡麗にして重厚な新感覚の芋焼酎。芋の甘味をしっかり感じつつも、まろやかで飲みやすい仕上がりとなっています。
味わい的にはわりとクリアですが、後から芋の旨みがジュワーッとやってきます。お芋の余韻を楽しむなら、ロックやお湯割りで飲んでいただきたいですね。
濱田酒造「魯山人 長期樫樽貯蔵 芋 25°」
濱田酒造
魯山人 長期樫樽貯蔵 芋 25° 720ml
実勢価格:1561円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:さつまいも(鹿児島県産黄金千貫)、米麹(国産)
麹:白麹仕込み
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★☆
- 香りのよさ: ★★★★☆
おすすめの芋焼酎7つ目は、カクヤスオリジナル焼酎濱田酒造「魯山人 長期樫樽貯蔵 芋 25°」。
樫樽由来のバニラの様な甘い香りと芋の香りが絶妙に調和した、甘くまろやかな味わいが特長です。
樽由来のバニラ香に淡い琥珀色の液色も相まって、ウイスキー感覚でも楽しんでいただける、リッチな味わいの芋焼酎です。ロックやソーダ割りがおすすめ!
長島研醸「さつま島美人 芋 25°」
長島研醸
さつま島美人 芋 25° 900ml
実勢価格:1039円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:さつまいも、米麹(国内産)
麹:白麹仕込み
蒸留方法:常圧蒸留
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★★☆
- 香りのよさ: ★★★☆☆
おすすめの芋焼酎9つ目は、昔から親しまれているロングセラー商品長島研醸「さつま島美人 芋 25°」です。
鹿児島県の最北端にある町「長島町(ながしまちょう)」の5つの蔵元(宮内酒造・宮乃露酒造・長山酒造・杉本酒造・南洲酒造)の焼酎をブレンドして造られる芋焼酎は、まろやかな甘みのある味で、クセがなく飲み飽きしません。
芋本来のうまさ・甘さがありながら、あんまり主張も強すぎず、ずっと飽きずに飲み続けられる芋焼酎ですね。ロックでもいいですし、お湯割りでだらだら飲むのも乙です。
丸西酒造「深海うなぎ 芋 25°」
丸西酒造
深海うなぎ 芋 25° 720ml
実勢価格:1288円
アルコール度数:25%
産地:鹿児島県
原料:さつま芋(黄金千貫)、米麹(国産米・タイ産米)
麹:黒麹仕込み
蒸留方法:常圧蒸留
▼参考評価
- 飲みやすさ: ★★★☆☆
- 香りのよさ: ★★★☆☆
おすすめの芋焼酎10点目は、「うなぎ」のラベルが印象的な丸西酒造「深海うなぎ 芋 25°」です。
丸西酒造のある鹿児島県志布志市有明町は、うなぎの生産量が日本一で、蔵で使用している水とうなぎの養殖池の水は同じものなのだとか。
ラベルにもこだわりがあり、知的障害者福祉作業所の皆さんが牛乳パックを再利用した和紙を使用し、1本1本手張りで仕上げています。
昔ながらのかめ壺仕込みで、芋のしっかりとした香り・コク・旨味が楽しめる飲みごたえのある芋焼酎です。
今回の10商品の中ではいちばん芋焼酎らしい、昔ながらの味わいかと思います。ロックやお湯割りなど、芋本来の風味を感じられる飲み方がオススメです。
おわりに
以上、和酒バイヤーおすすめの芋焼酎10選でした。香りが華やかな今時の芋焼酎から、昔ながらの飲みごたえのある芋焼酎まで、バリエーション豊富でしたね。
この記事を参考に好みの1本を見つけて、ぜひいろんな飲み方を楽しんでみてくださいね。
単体で飲んでもいいですし、食事ともすごく合わせやすいのが焼酎の魅力だと思います。また、お酒のなかでも価格がお手頃でコスパも◎。焼酎をあまり飲んだことがないという人も、これを機にぜひトライしてみてほしいです!
なんでも酒やカクヤスのご紹介
首都圏と大阪を中心に店舗を展開する酒販店「なんでも酒やカクヤス」は、カクヤス店舗の配送エリア内ならお水1本から当日無料配送や屋外への配送にも対応。また、オンラインショップでは4700円以上の購入で首都圏(1都7県)への配送料が無料となっています。(カクヤス店舗配送エリアを除く)
なんでも酒やカクヤス オンラインショップ
https://www.kakuyasu.co.jp/
カクヤスでは、各種焼酎セットも販売しています。ギフトや飲み比べ用に、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
製法や原材料の芋によって味にバラエティがあって、クラフト感が感じられるところですかね。銘柄も豊富ですし、飲み比べる楽しみは、焼酎のなかでも随一ではないでしょうか。