Proがクリエイター向けなら無印iPadはエンタメ向けです
「iPadっていろんなモデルが発売されていて選びにくい」という人は多いのではないでしょうか。ということでまずはラインナップおさらいしておきましょう。
まず、現行のiPadには、mini4と第5世代iPad(以下無印)、10.5インチPro、12.9インチProの4モデルがあります。
iPad mini4(2015)
実勢価格:4万9460円(128GB)
このうち、携帯性に優れた8インチiPad。発売当初は人気を集めたmini 4も、今では2年落ちモデルです。iPhoneの大画面化が進んだこともあり、存在価値はやや薄れつつあります。
また、性能やコスパもAndroidで優れた機種が多く、積極的にはオススメできません。
iPad(2017)
実勢価格:4万820円(32GB)
5万2700円(128GB)
一方で、無印iPadの買いモデルが第5世代モデル。ディスプレイ品質は旧モデルのiPad Air2にやや劣るもののそれと引き換えに大幅なコストダウンに成功しています。10インチタブレットでは一番人気です。
第5世代iPadのCPUは、mini4やAir 2のApple A8シリーズよりも新しいA9を搭載しています。しかし、実勢価格はmini4やAir 2より安いので、第5世代iPadの性能コスパは極めて高いといえます。
iPad Pro
12.9インチ(2017)
実勢価格:9万3740円(64GB)
10万5620円(256GB)
12万9380円(512GB)
シリーズの最上位にして最大サイズのiPad。B5原寸がすっぽり収まるディスプレイサイズはイラスト製作などクリエイティブな使い方に適しています。タブレットとしては異質な存在で、液晶サイズを考えれば小さくて軽いですが、気軽に持ち歩けるサイズは超えています。
プレゼン目的や大きい作業面積の必要なクリエイターなど、明確な目的がなければ持て余しかねません。
iPad Pro 10.5インチ(2017)
実勢価格:7万5380円(64GB)
8万7260円(256GB)
11万1020円(512GB)
一方で、10.5インチモデルはノートPCを上回る携帯性と第2世代12.9インチモデルと同等の処理能力を兼ね備えたパフォーマンスモデル。専用のキーボードやペンにより一歩進んだタブレットの“今”を体感できます。
また、アクセサリを追加することで、さらに便利に使えるのもProならではの強みです。
Apple
Apple Pencil
実勢価格;1万1660円
Apple Pencilは数あるデジタイザーペンの中でも最上位の性能を誇ります。ぜひこちらを選びたいところです。
Apple
Apple Smart Keyboard
実勢価格:1万9220円(10.5インチ用)
2万300円(12.9インチ用)
使わないときはカバーとしても使える純正キーボード。ショートカットも豊富で超実用的です。
Apple
レザースリーブ
実勢価格:1万5800円(10.5インチ用)
1万8800円(12.9インチ用)
Proシリーズでペンとキーボード、そして本体を同時に持ち歩くなら「レザースリーブ」が便利。やや窮屈感はあるが全部収まります。
タブレットPCの弱点は、細かいタッチ入力と長文の入力ですが、iPad Proなら、高価にはなりますが、純正キーボードとApple Pencilで解決できます。
以上の4モデルのうち、12.9インチProはサイズ的に異質と考えれば、現時点におけるiPadのメインストリームは無印と10.5インチのProで、実際、売れ筋になっているのも、この2機種です。
無印と10・5インチProは液晶サイズがほぼ同じということもあり、外観はよく似ていますが、価格差は約2倍と無視できません。これは、Proが高いというよりも無印がコストダウンに成功して安くなりすぎたことが原因です。
この2機種の差は、細かく挙げれば多々ありますが、最も注目すべきは、すでに解説したとおり、iPad Proは専用のデジタイザーペン「Apple Pencil」に対応することです。実際に、ProとApple Pencilを同時に購入する人が多く、ビジネスやアート分野など「創る」用途で使われています。
一方、無印iPadは従来のタブレット同様にスマホより大きな画面でネットや電子書籍、動画などを楽しむ「見る」用途に適した一台といえます。
したがって、家庭で楽しむなら、リーズナブルな無印iPadで十分ということになります。そこで、以降では無印iPadでどんなことができるのか見て行きましょう。
コスパ優先なら圧倒的に「無印」Officeもタダで使えます
iPad史上最高のコスパモデルといわれる“無印”の新iPad。32GBとストレージこそ少ないものの、、高速なA9チップとTouch ID(指紋認証)、フルHDを超える高解像度(2048×1536)モニター搭載といった仕様で4万円はアンドロイドと比べても割安と言えます。
また、見逃せないのが、マイクロソフトのOffice Mobileがタダで使えるということです。
Officeの料金は画面サイズで決まります。したがって無印iPad9.7インチで無料版の「Office Mobile」が利用できる一方、10.5インチのProは 年間1万2744円のOffice 365 Soloに加入する必要があるのです。
Word、Excelに加え、PowerPointも使えます。仕事を自宅に持ち帰るなど、用途がグッと広がります。
無印iPadは安いだけじゃなくディスプレイも鮮やかです
ディスプレイの品質の目安となるのがsRGBカバー率。100%ならネット上のコンテンツの色をほぼ正確に再現できるということです。無印iPadのディスプレイは反射防止コーティングが省略されているなどProには劣るもののsRGBカバー率100%を超えており基本性能は高いといえます。
iPad Proと、格安タブレット2機とで比較してみました。
色の再現性:無印iPad
色の再現性:iPad Pro 10.5インチ
色の再現性:ZenPad 10(2301ML)
色の再現性:MeidaPad T3 10
色の再現性:iPad Pro 10.5インチ
色の再現性:ZenPad 10(2301ML)
色の再現性:MeidaPad T3 10
色の再現性:ZenPad 10(2301ML)
色の再現性:MeidaPad T3 10
色の再現性:MeidaPad T3 10
iPadの2機種は青の抜けがよく発色も鮮やかです。一方で、格安帯のZenPadやMedia Pad はややくすんで見えます。
視野角:無印iPad
視野角:iPad Pro 10.5インチ
視野角:ZenPad 10(2301ML)
視野角:MeidaPad T3 10
視野角:iPad Pro 10.5インチ
視野角:ZenPad 10(2301ML)
視野角:MeidaPad T3 10
視野角:ZenPad 10(2301ML)
視野角:MeidaPad T3 10
視野角:MeidaPad T3 10
青空、花の描写とも無印iPadは明るめです。グラデーション描写はiPad Proに及ばないが不満を感じないレベル。一方で、格安機は明らかに視野角が狭いことがはっきり分かりました。
そんな無印iPadにあえて苦言を呈するなら、ディスプレイの色合いを自動調整できないことです。
iPad Pro
無印iPad
無印iPad
環境光に合わせて発色や明度を調整できる「True Tone」機能は非搭載のため、白熱灯など色が偏っている照明下ではProの方が見やすくなります。
それでも、価格差を考えると我慢できる範囲でしょう。画質自体は文句のつけようがなく、さすがフルHD以上の高解像度といったところです。
イラつかずにゲームするなら無印iPad一択です
Appleが独自開発しているAシリーズチップはグラフィックが強力。ベンチマークをとってみると価格や性能が近いZenPadの上位機「ZenPad 3S 10」にも大差をつけています。つまり、無印iPadはゲーム端末としても優秀なんです。
ちなみに、ゲーム機としてタブレットを使う場合は、Air 2もなかなかの性能です。
先ほどのベンチマークを見ても分かるとおり、Air 2と無印iPadの差は大きくありません。Air 2と無印iPadでゲームをプレイしてみると爆発シーンなどでAir 2のほうがほんの少しカクツキが大きいように感じますが、体感を損ねるほどではありませんでした。
むしろ、Air 2の方が本体が1.4mmも薄く軽量などメリットもあるので、Air 2ユーザーは無理に買い替える必要はありません。
純粋にウェブ、動画、写真、読書、ゲームを楽しむデバイスを選ぶのなら、この価格帯では最高の完成度に到達しているといえます。
アクセサリに互換性があるので初代Airからの乗り換えに最適です
無印iPadのサイズは iPad Airとまったく同じなので、iPad Airのアクセサリーを流用できるというメリットがあります。ボリューム調整ボタンの配置が異なるため、ケースは例外ですが、キーボードなど、実用的な周辺機器は流用が可能。iPad Airからの乗り換えにピッタリです。
F.G.S
iPad air 専用Bluetooth3.0搭載
ワイアレスキーボードケース
実勢価格:2680円
純正キーボードは高価なので、Airユーザーでこのキーボードを愛用している人はそのまま使うとおトクです。
32GBモデルの足りない容量はストレージで補いましょう
無印iPadで値段を抑えたいとなると32GBモデル一択となるわけですが、高画質の動画を保存するとあっという間に容量オーバーになってしまいます。そこで利用したいのがクラウドやストレージサービスです。代表的な4つのサービスを比較しました。
Apple
iCloud
50GB:130円/月
200GB:400円/月
2TB:1300円/月
GB単価:最安0.6円
Dropbox
Dropbox
1TB:1200円/月
GB単価:最安1.2円
Microsoft
Onedrive
50GB:249円/月
1TB:1274円/月
GB単価:最安1.2円
Apple
iCloud
100GB:250円/月
1TB:1300円/月
2TB:2600円/月
GB単価:最安1.3円
4つのストレージを比較したところ、GB単価はiCloudがダントツに安いことが分かりました。無印iPadの32GBと128GBの値段差は1万円。容量差は64GBなので、iCloudの200GB/月400円を契約したほうがお得感があります。
横置きでステレオにならないときはBluetoothスピーカーで解決できます
無印iPadのスピーカーはステレオにも関わらず片側のみに2基搭載される仕様。横置きすると音が左右のいずれかに偏ってしまいます。
Anker
Sound Core 2
実勢価格:4999円
そんなときは、Bluetoothスピーカーを導入しましょう。Ankerの「 Sound Core2」は5000円以下とリーズナブルながら、迫力ある音質で人気のモデルです。
以上、iPadシリーズの選び方について解説しました。純粋にウェブ、動画、写真、読書、ゲームを楽しむデバイスを選ぶのなら、無印iPad一択です。この価格帯では最高の完成度に到達しています。