10.5インチはアイパッドの完成形妥協なき進化で最も満足できる一台です!
Apple
iPad Pro
10.5インチ
実勢価格(64GB):7万5384円(Wi-Fi)/9万1584円(SIMフリー)
実質負担額(セルラー版、64GB):3万3696円(docomo)/2万9288円(au)/2万7720円(SoftBank)
サイズ・質量:W174.1×H250.6×D6.1mm・469g
プロセッサー:A10X Fusion
Apple
Smart Keyborad
実勢価格:1万9224円
サイズ・質量:W25×D18.7cm・約244g(実測値)
まずはiPadシリーズ初の10.5インチサイズからレビュー。ちなみに、同時に発表されたスマートキーボードの出来が大変良いため、セットで使うのがオススメです。
新しいiPad Pro 10.5インチは従来の9.5インチモデルより性能が倍増!
新しいiPad Pro 10.5インチモデルは、初代の9.7インチ Proから処理能力が大きく向上。ストレージは64GB、256GB、512GBと倍増、メモリも2GBから4GBへ増強されています。なお、基本的な性能や機能は12.9インチモデルと統一されています。
キーボード込みでも22cm程度の奥行きで設置可能。カフェの机など狭い場所で使うには10.5インチがベストです。
従来モデルよりもベゼルが狭くなっていますが、親指での誤タッチもなく、いつも通りに操作できます。また、新iPad Proではスピーカーが4基搭載され、縦画面でも横画面でもステレオ再生が可能です。音質はこもりが抑えられておりクリア。映画やドラマを楽しむには十分です。
画面のリフレッシュレートも120Hzに倍増。つまり1秒間に画面の内容を最大120回更新できるということです。スクロール操作などが眼に見えてスムーズになっているのがわかります。
Apple
Lightning-SDカードカメラリーダー
実勢価格:3200円
(現在品切れ中です)
従来はUSB 2.0互換だったLightningですが、12.9インチと10.5インチのProではUSB 3.0互換にアップグレード。SDカードリーダーの読み込みが速くなっています。
編集者の実録レポート10.5の持ち運びやすさに惚れました!
筆者は普段、iPad Pro 12.9インチの初代を愛用しています。主な用途は雑誌の誌面の下書きをApple Pencilで書くことですが、正直なところ、それ以外の用途ではちょっと持てあまし気味でした。端的に言えばデカすぎるのです。
例えば、寝転がって映画やドラマを鑑賞しようとしても12.9インチは692g(新モデル)もあります。これでは片手持ちがつらく、結局iPhoneで視聴することもしばしばでした。また、混雑した電車内や机が狭いカフェでも使いづらいのも問題です。その点、10.5インチは12.9インチより200g以上軽く、片手持ちも十分可能。電車内でも邪魔にならず使いやすいのです。
そして、驚きだったのがスマートキーボードの優秀さ。使う前は、10.5インチサイズだと小さすぎて打ちにくいのでは、と思っていました。しかし、実際には個々のキー同士の間隔が十分にあり、またしっかりキーが沈み込むので打ち間違いも少なく快適に入力することができます。変換候補の表示も素早く、パソコン以上に快適では?と感じるほど。これは予想外の驚きで、打ち合わせや会議でのメモや取材といった用途では10.5インチで十分、というのが偽らざる実感です。
また、印象的だったのは動作に引っかかりがほとんどないこと。ベンチマークでは圧倒的な性能を叩き出し、過剰性能とも思えるiPad Proですが、そのぶんあらゆる操作が快適なのです。
旧9.7インチ用のスマートキーボードは英語配列でしたが、新しい10.5インチ用のものは日本語配列に変更。また、配列だけれなく打ち心地も大きく向上しています。12.9インチにスマートキーボードを足すと1kg近くなりますが、10.5インチならスマートキーボード込みでもわずか713g。これならノートPCよりかなり軽いので、ノートPCのサブ機としてもオススメできます。
新iPad Proと同時に発表されたレザーケースは、やや窮屈になりますがスマートキーボードを装着した状態で収納が可能。Apple Pencilもやっと格納できるようになっています。
iPhone 7と同じ1200万画素のカメラ。4Kビデオも撮影できます。iPhone 7同様にレンズが飛び出すのはちょっと残念なポイント。
「12.9」を選ぶべき人のキモはApple Pencilにありました!
Apple
iPad Pro 12.9インチ
実勢価格(64GB):9万3744円(Wi-Fi)/10万9944円 (SIMフリー)
実質負担額(セルラー版、64GB):5万1840円(docomo)/4万6560円(au)/4万5000円(SoftBank)
サイズ・質量:W220.6×D305.7×H6.9mm・677g
プロセッサー:A10X Fusion
Apple
Apple Pencil
実勢価格:1万1664円
サイズ・質量:W175.7×Φ8.9mm・20.7g
バッテリー駆動時間:12時間
Apple Pencilでイラストや設計図を書いたり複雑なノートを作り込むといった場合は携帯性を犠牲にしても12.9インチ版が断然オススメ。B5判なら原寸で作業ができ、画面を2分割して資料を見ながらデザインすることも容易です。
10.5インチ版と12.9インチ版でイラストアプリを使い比べると、10.5インチ版では拡大縮小や画面を回転させる動作が頻繁に必要となります。画面が小さくなれば、それだけ効率が落ちるということです。
新旧iPad Proの12.9インチモデルを比較した場合、最大の改善ポイントはディスプレイです。輝度も色再現性も一目でわかるほど向上し、iPad Pro 9.7インチで初採用された「True Tone」機能も追加されています。ディスプレイの見え方は屋外の自然光、蛍光灯、白熱灯といった環境光に左右され、その差を自動的に補正してくれるのがTrue Toneです。
なお、SIMフリー版には、12.9インチモデルでは初の「Apple SIM」を内蔵しています。これは「eSIM」と呼ばれるソフトウェアSIMを実装する仕組み。日本ではauとソフトバンクのプリペイド回線を申し込むことが可能です。画面をタップしていくだけで5分ほどで契約できます。
Apple Pencilの書き味は向上ただし、前モデルでも十分でした
前述したように、新iPad Proは画面を1秒間で最大120回書き換えるようになりました。そのため、Apple Pencilの遅延も0.02秒へと短縮。旧iPad Proでは素早く線を引くと、線の始点と終点の間の中間部分で描画が遅れていましたが、新iPad Proは中間部分もペン先にしっかり追従するようになっています。
しかし、書き味を劇的に変えるほどではありません。というよりも、初代からApple Pencilは完成度が高く、イラスト用途にも十分実用的なレベルに到達していたため、違いがわかりにくいと言えます。
なお、イラストレーターの安倍氏によると、Apple Pencilの弱点はペン先だそうです。幸いペン先は付け替えできるので、摩擦に強いペン先や細いペン先が今後発売されれば書き味がさらに紙に近くなるかもしれません。現状、Surface Penのほうが先端が尖っていて1px単位の狙いがつけやすいとのこと。
「中間部分の描かれ方は、旧Proが“バサっ”新Proが“ヌルっ”という感じです」(イラストレーター・漫画家 安倍吉俊氏)
いかがでしたでしょうか。大幅にパワーアップしたiPad Proは、インチの違いでターゲットが異なると、編集部ではジャッジしました。10.5はそれこそ万人にオススメできるクオリティ。それに対して、12.9はよりクリエイター色が濃くなっています。
もちろん12.9も前述したようなメリットを持っていますが、多くの人にオススメできるという点では、10.5を推したいと思います。