おいしく焼けるホットサンドメーカーが知りたい!
『家電批評』編集部の調査によると、年間2000台しか売れない「ホットサンドメーカー」が、2020年は数カ月で約2万台売れたとのこと。その理由についてネットでは、コロナ自粛はもちろん、インフルエンサーによるホットサンドメーカーを使った簡単で食欲をそそるレシピ動画が大人気だから、と分析されています。
▼リロ氏プレゼンツ!ホットサンドメーカーで作るバズ飯はこちら
豚肉に卵とパン粉をまぶして焼いてカツ風にしたり、
トロトロチーズとウインナーの相性は抜群!
レシピ動画ではガスコンロ用のホットサンドメーカーが使われていますが、一般的には忙しい朝に使うことが多いので火加減をみるのは正直面倒です。
そこで今回は、ガスコンロ並みにおいしく焼ける電気式のホットサンドメーカーを探すべく、徹底比較を行いました。
ホットサンドメーカーの種類は?
大きく分けて「直火式」と「電気式」の2種類があります。当記事でご紹介するのはすべて電気式となりますが、それぞれのメリットやデメリットをおさえておくことをおすすめします。
使用できるシーンや適した使い方、手入れの仕方や価格など異なる点が多くあります。少し細かいですが、購入前には必ずチェックしておきましょう。
直火式
直火式は自宅だけでなくキャンプやアウトドアなど、野外で使用できる点がポイントです。使い方は、パンと具材を挟んで直火で焼くだけ。電気式に比べてかなりシンプルです。また直火式の場合、ほとんどの商品が上下を分離させることができます。そのため持ち運びや収納にも便利で、丸洗いも可能。フライパン単体としても使用できる場合が多いこともメリット。価格も電気式に比べてお手頃なものが多いです。
しかし、注意しなければいけないのは火加減です。好みの焼き上がりを調整できると考えるとメリットとも言えるのですが、中まで火が通っているか、焦げていないかを確認しながら焼くという手間があります。完璧な焼き上がりのコツを掴むまでに少々時間がかかるのが難点です。またIHには対応していない商品が多いため、使用できる熱源を確認する必要があります。
電気式
具材を入れてスイッチONにするだけで、作ることが可能なのが電気式です。手間がかからずに火も使用しないため、子どもとの調理も楽しめます。直火式と異なる点として、野外での使用はできません。ですが屋内でのアクティビティにはぴったりです。ホームパーティーなどでも活躍するでしょう。
スイッチを入れるだけという手軽さなので、時間のない朝のごはんづくりにも役立ちます。同時に2枚を焼けるものを選べば、家族全員分の朝食を手間なく作ることができます。プレートの差し替え可能な商品を使えば、ワッフルなどのさまざまな料理に活用できます。
デメリットとしては、直火式よりも機能性が優れているため少々価格があがるという点があります。多機能な分大きいため、保管しておく場所も考える必要があります。加えて、電気式は本体の丸洗いができません。商品選びの際は、「プレートの取り外しは可能か」「洗いにくくないか」などに着目しましょう。
ホットサンドメーカーの選び方って?
実際に購入する際、とくにはじめてであれば「何を基準に選べばいいの?」と迷ってしまう人も少なくないはずです。商品によって特徴はさまざまで、よく調べずに選んでしまうと「思っていた調理ができなかった!」と後悔してしまうかも。事前にどのようなタイプのものがあるのかを把握し、選ぶ際の基準にしましょう。
ここでは、実際に購入する際に見ておくべきポイントを5つご紹介します。
一度に何枚焼けるか
今回は1枚焼きの商品を比較しましたが、電気式ホットメーカーのなかには、プレート内に仕切りがある「2枚焼き」の商品もあります。2枚焼きができると、家族の人数分焼き上げるのにも効率的です。家族の人数が多い場合や、なるべく手早く作りたいという方におすすめです。
耳まで焼けるか
食パンの耳まで焼き上げることができるか、も選ぶ際に見ておきましょう。耳までカリッと焼き上げられるタイプは、耳をカットする手間が省け、食材を無駄にすることなく食べられる点でおすすめです。耳がある分、満足感も増すはずです。
耳なしタイプだと、耳がない分焼き上がりが速い傾向にあるというメリットもあります。食パンの耳が苦手だという方には耳なしタイプがおすすめです。しかし仮に耳なしタイプを購入した場合、そこに無理やり耳アリの食パンを挟むと故障の原因になるので注意してください。「どちらか選べない」という場合は、耳まで焼けるタイプのものを選んでおくといいでしょう。
厚みのボリュームはどれくらいか
せっかくなら、具沢山にして豪華なオリジナルホットサンドを作ってみたいですよね。どれくらいのボリュームのホットサンドを焼くことができるかは、メーカーや製品ごとに異なります。
薄い8枚切の食パンしか挟めないものもあれば、4枚切の厚めの食パンでも挟めるものもあります。こちらも無理にサイズに合わないボリュームの具材を挟むと、故障の原因になります。実際の使用シーンをイメージして、適切な商品を選んでください。具沢山のホットサンドを作りたい方は、どれくらいの厚みに対応しているかを先に確認しておくと良いですよ。
パン以外の食材も焼けるか
プレートを取り替えるだけでワッフルやたこ焼きなど他の調理ができるタイプは、料理の幅が広がるので便利です。プレートが付属している商品や後からプレートを買い足す商品など、種類もさまざまなのでチェックすることをおすすめします。
【評価方法】ホットサンドメーカー5製品の実力を料理研究家が徹底比較
Amazonなどのネット通販や家電量販店で購入できるホットサンドメーカー5製品を集め、弊社の検証部門「LAB.360」にてテストを実施します。
▼テストした5製品はこちら
・ブルーノ ホットサンドメーカー シングル
・ヤマゼン ホットサンドメーカー YSB-S420
・アイリスオーヤマ マルチサンドメーカー IMS-703P-W
・レコルト プレスサンドメーカー プラッド
・ラドンナ TOFFY ホットサンド&ワッフルメーカー K-HS2
テストしたのは、「使い勝手」、「手羽先の出来」、「ホットサンドの出来」、「温度のムラ」、「手入れのしやすさ」の5項目。スーパーエコごはん研究家の桃世真弓氏にご協力いただき、ガスコンロ並みにおいしく焼ける逸品を探してテストしました。
それでは、気になるテストの結果を発表します!
何でも美味しく焼ける! ブルーノ「ホットサンドメーカー シングル」
イデアインターナショナル
ブルーノ
ホットサンドメーカー シングル
BOE043-RD
実勢価格:6320円
サイズ:W135×D246×H96mm
質量:約1300g
コード長:約1.1m
定格消費電力:550W
電源:AC100V
ベストバイに輝いたのは、ブルーノ「ホットサンドメーカー シングル」。欲しい機能が全部あってガスコンロ並みにおいしく焼けちゃいます。
▼テスト結果
- 使い勝手: ◎
- 手羽先: ◎
- ホットサンド: ◎
- 温度のムラ: ◎
- 手入れのしやすさ: ◎
【テスト結果】使い勝手:◎
10分までのタイマーが付いていて、加熱時間の微調整ができます。
至ってシンプルな内部構造。熱ムラのなさがスゴいです。
キッチンに置いてもかっこいいデザインなうえ、脚にコードが巻けて自立する収納のしやすさも◎。
【テスト結果】手羽先の出来:◎
脂がよく落ちて皮がパリパリ! 中はふわっと仕上がっています。
【テスト結果】ホットサンドの出来:◎
溶けたチーズが中まで行き渡り、耳もカリカリしていておいしい!
まるでガスコンロで焼いたようです。
【テスト結果】温度のムラ:◎
233℃の高温がムラなくパンに伝わるのがおいしさのヒミツ。まさにガスコンロ並み! 全体がまんべんなく高温になっており、ムラがほとんどありません。
高熱なうえ、プレート内にムラがほとんど生じていないのがすごいです。
【テスト結果】:手入れのしやすさ:◎
プレートはレバーをスライドさせるだけでワンタッチで外せるうえ、お湯で汚れがほとんど落ちます簡単に外せて洗えます。
ブルーノ「ホットサンドメーカー シングル」が1台あれば、ホットサンドはもちろん、挟んで焼けばなんでもうまいので絶品キャンプ飯を家で超手軽に味わえますよ!
ふわもち感が素晴らしい 山善「ホットサンドメーカー YSB-S420」
山善(YAMAZEN)
ホットサンドメーカー
YSB-S420
実勢価格:4482円
ジューシー感を求めるなら、ヤマゼン「ホットサンドメーカー YSB-S420」。内部がドーム状でパンにたくさんの具を詰めて焼けるのがウリ。対流のおかげで5機種中唯一「ふわもち感」がありました。
▼テスト結果
- 使い勝手: ○
- 手羽先: ◎
- ホットサンド: ◎
- 温度のムラ: ○
- 手入れのしやすさ: ○
【テスト結果】使い勝手:○
スイッチが右下に付いており、サーモスタットで切れる仕組みです。
【テスト結果】手羽先の出来:◎
皮が適度にパリッとし、肉に水分があってオーブンで焼いたかのようにふっくら。蒸気が内部で対流し、肉がジューシーで蒸し焼きのように仕上がります。
【テスト結果】ホットサンドの出来:◎
水分が適度に残り、もっちりした歯触り。チーズもよく溶けました。
【テスト結果】温度のムラ:○
中心部はかなり高温ですが、奥はあまり熱くなっていません。
【テスト結果】手入れのしやすさ:○
プレートは外せませんが、溝が少ないので拭き取りやすいです。
全体的に悪くない アイリスオーヤマ「マルチサンドメーカー IMS-703P-W」
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
マルチサンドメーカー
IMS-703P-W
実勢価格:5100円
アイリスオーヤマ「マルチサンドメーカー IMS-703P-W」は、使い勝手も手入れのしやすさも◯。パンの耳を切らなければ入らないのが面倒ですが、しっかり焼けます。
▼テスト結果
- 使い勝手: ○
- 手羽先: ○
- ホットサンド: ○
- 温度のムラ: ○
- 手入れのしやすさ: ◎
【テスト結果】使い勝手:○
スイッチが上面についているので、わかりやすくて押しやすいです。
【テスト結果】手羽先の出来:○
付属のワッフルプレートで調理。皮がややぐにょっとします。
【テスト結果】ホットサンドの出来:○
パンの耳は切る必要がありますが、しっかりと焼けていました。
【テスト結果】温度のムラ:○
全体的に高温で、特に中央部の温度が高くなっていました。
【テスト結果】手入れのしやすさ:◎
取り外しレバーを引くとプレートが浮き、外しやすいです。
パンのパサつきが気になる レコルト「プレスサンドメーカー プラッド」
ウィナーズ
レコルト
プレスサンドメーカー プラッド
RPS-2
実勢価格:4890円
レコルト「プレスサンドメーカー プラッド」は、パン、手羽先ともにパサつきがありイマイチでした。
▼テスト結果
- 使い勝手: ○
- 手羽先: △
- ホットサンド: ○
- 温度のムラ: ○
- 手入れのしやすさ: △
【テスト結果】使い勝手:○
右下にスイッチがあり、赤いので視認しやすいです。
【テスト結果】手羽先の出来:△
普通に焼けていますが、骨からの身離れも味もいまひとつ。骨からの身離れがイマイチです。
【テスト結果】ホットサンドの出来:○
左手前があまり焼けず、パンもややパサついてしまいました。
【テスト結果】温度のムラ:○
中央は高温ですが、底面手前側と奥に熱が行き渡らない箇所があります。
【テスト結果】手入れのしやすさ:△
プレートが外せないうえ、溝に汚れがたまって拭きにくいです。
焼きムラが気になります ラドンナ TOFFY 「ホットサンド&ワッフルメーカー K-HS2」
ラドンナ
TOFFY
ホットサンド&ワッフルメーカー K-HS2
実勢価格:4637円
ラドンナ TOFFY 「ホットサンド&ワッフルメーカー K-HS2」は、スイッチがないのがネック。手羽先の仕上がりもホットサンドの仕上がりもイマイチでした。
▼テスト結果
- 使い勝手: △
- 手羽先: △
- ホットサンド: △
- 温度のムラ: ○
- 手入れのしやすさ: ◎
【テスト結果】使い勝手:△
スイッチがなく、コンセントの抜き挿しでオン・オフします。
【テスト結果】手羽先の出来:△
焼けてはいますが皮がぐにょっとしており、肉にもしまりがありません。
【テスト結果】ホットサンドの出来:△
焼きムラがあり、奥は熱々ですが手前はぬるいです。チーズは溶けました。
【テスト結果】温度のムラ:○
端はやや熱にムラが生じますが、中央部はかなり高温になります。
【テスト結果】手入れのしやすさ:◎
上下のプレートロックのスライドでプレートがそれぞれ外せます。
パン以外のレシピも
ホットサンドメーカーでは、パン以外にもさまざまな調理が可能です。たとえば、ホットケーキやお好み焼きなども美味しく仕上がりますよ。
まずホットケーキの作り方としては、通常のレシピ通り「粉・牛乳・卵」といった材料を流し込みます。その後スイッチを入れるだけです。非常に簡単ですが、フライパンでは作れないような厚みのあるホットケーキが完成します。写真映えするようなホットケーキを作りたい方にもおすすめのレシピです。
お好み焼きも、通常のレシピ通りで作ることができます。具材を混ぜたら、流し込んで焼きましょう。普段であればひっくり返す手間がありますが、両面がプレートのためそのまま完成までノンストップで行うことができます。
他の調理に対応するかどうかの事前確認は必要ですが、ホットサンドメーカーを購入したらパン以外の料理も楽しんでくださいね。
ベストバイはブルーノ「ホットサンドメーカー シングル」でした
以上、「ホットサンドメーカー」おすすめ5選でした。
ジューシー感を求めるならヤマゼンもアリですが、パンの耳を切らないといけないのはちょっと面倒かも。おいしいうえにソツがないブルーノがやはりベストバイでした。
タイマーなど、ブルーノはとてもよく考えられています。