水栓工事不要の食洗機は“卓上型”が増えてます!
家事にかける時間や夫婦の家事分担は大きな問題ですよね。そんななか、「現代の三種の神器」と呼ばれているのがロボット掃除機、全自動洗濯乾燥機、そして食器洗い乾燥機(以下、食洗機)です。
なかでも食洗機は、時間と水を圧倒的に節約できること、また高温の水で洗うため、汚れ落ちが良いことから、住宅の新築やリフォームの際に導入を考える人も多いようです。しかし、キッチンに直接取り付けるビルトイン式が主流で、高価なこと、場所を取り収納スペースが少なくなってしまうことがネックでした。
ですが最近は、手軽な卓上型の食洗機が増えています。特に、水道と直接つなぐ必要がないタンク式は、設置の自由度が高くキッチンの限られたスペースを活用することができます。
知っておきたい食洗機の種類
まず、卓上型には「タンク式」と「分岐水栓式」があり、食洗機の種類は大きく分けて以下の3つです。
【卓上型】
・タンク式
工事なしで簡単に設置できるのが最大のメリット。排水ホースをつなげば、届いてすぐに使えます。5リットル程度の水ですすぎまででき、大幅に節水できます。
・分岐水栓式
専用の分岐水栓で水道とつなぐ必要があります
工具を持っている場合は自分でも行えますが、DIYに慣れていない人は業者に依頼した方が安心です。
【ビルトイン式】
一度に大量の食器が洗えますが、卓上式に比べ本体が高価で、設置工事にも費用がかかります。また、キッチンのサイズにより、機種選択の幅が狭まることも。
本当にキレイになる食洗機は?卓上型の3機種をテスト
前述でもお伝えしたように、卓上型の食洗機は水栓工事がいらないので設置が簡単。さらに、排水を受けるバケツさえ置ければ、水道のそばでなくてもいいんです。なによりタンクに水を入れるだけで、洗いから乾燥まで行ってくれてラクチン! 食器洗いのストレスから解放されます。
そこで、雑誌『家電批評』では、「サンコー」「パナソニック」「シロカ」の卓上型食洗機3製品を集め、比較検証を行いました。
テスト方法
3人家族の一般的な食事を想定し、様々な食器を3点ずつ集めてカレーやご飯など食材の汚れをつけました。
汚れをつけた食器は、JEM(日本電機工業会)の基準よりも厳しい1時間半という時間をおいて、各モデルの最も強いモードで洗浄。洗浄率はJEMの規格に従い、目視で汚れ落ちを評価しています。
▼検証に使用した食器と食材はこちら
1:大皿…カレーライス
2:茶椀…ご飯
3:汁椀…わかめの味噌汁
4:グラス…トマトジュース
5:フォーク…目玉焼きの黄身
6:箸…カレーライス
運転コースや運転時間などの「実測値」をはじめ、「キレイさ」「使いやすさ」などあらゆる視点から徹底的に検証を実施。どの製品が一番使いやすく洗浄力が強いのか、かなり厳しい条件でテストを行いました。
それでは、その結果を「洗浄率」順で紹介します!
強力洗浄で洗い残しゼロ!サンコー「ラクア」
サンコー
水道いらずのタンク式
食洗機ラクア
実勢価格:2万9800円
タイプ:タンク式、分岐水栓式
サイズ:W410×H440×D410mm
重量:13kg
消費電力:850W
洗浄モード:6コース(通常洗浄、スピード、エコ、強力洗浄、水洗い、乾燥)
▼実測値
- 運転コース: 強力洗浄
- 運転時間 : 2時間31分
- 消費電力 : 0.49kWh
- 排水量 : 6.62L
圧倒的な洗浄力を発揮したのが、サンコー「水道いらずのタンク式 食洗機ラクア」でした。とにかく「キレイ!」の一言。
この仕上がりなら、予洗いも仕上げ洗いも不要。3万円を切る価格で、コスパも最高です。
検証結果1:キレイさ[洗浄率91.7%]
ダブルノズルの強水流が庫内をまんべんなく回り、ほぼ完全に汚れを落としました。頑固なカレーや卵の黄身もほぼ完全にクリア。グラスもピカピカに仕上がり、大満足です!
▼食器の汚れ落ち
ダブルノズルで庫内上下からお湯を噴射し、食器のすみずみまで汚れを落としてくれます。伏せたコップの中にまでしっかりお湯が届くのが超優秀でした。
検証結果2:使いやすさ
洗い残しなしの理由の一つは、庫内かごの仕切りの間隔が適度に空いていること。適当に並べても食器同士が重なることなく、水流がしっかり届きます。
また、庫内を2段に分け、スプーンなど小物を寝かせて置けるアイディアが光りました。立てて入れるタイプよりも小物同士が重ならず、上段ノズルからの水流がよく回って汚れをガンガン落とします。長い菜箸などが置けるのもうれしいポイントです。
設置の自由度も高く、排水用バケツさえあれば、どこにでも置けて手軽です。
短時間でもキレイに洗える!パナソニック「NP-TCR4」
パナソニック
NP-TCR4
実勢価格:5万2399円
タイプ:分岐水栓式
▼実測値
- 運転コース: 標準
- 運転時間 : 1時間35分
- 消費電力 : 0.43kWh
- 排水量 : 8.17L
パナソニック「NP-TCR4」は、洗浄時間が短くてもキレイに洗い上がりました。庫内はやや狭いため、長い菜箸は入りません。奥行きがコンパクトで◎
検証結果1:キレイさ[洗浄率75.0%]
重なってしまった大皿の一部に汚れが残ってしまい、洗浄率は75%にとどまりました。茶椀や箸についたご飯もやや苦手でした。グラスや汁椀は洗い残しなく底までクリアです!
▼食器の汚れ落ち
検証結果2:使いやすさ
庫内が狭く、コップが転んでしまうことも。並べ方に注意が必要です。
分岐水栓式なので設置場所を選びますが、比較的スリムです。
しつこい汚れには工夫が必要 シロカ「SS-M151」
シロカ
SS-M151
実勢価格:4万9800円
タイプ:タンク式、分岐水栓式
▼実測値
- 運転コース: 念入り
- 運転時間 : 2時間7分
- 消費電力 : 0.42kWh
- 排水量 : 5.33L
3製品中、最も少ない水量、消費電力で健闘したシロカ「SS-M1513」。残り時間の表示や、タンクの水の量をお知らせするなど使いやすさは好評でした。
検証結果1:キレイさ[洗浄率45.8%]
ご飯粒は残りましたが、カレーはほとんど落ちました。グラスは底までお湯が回らず洗い残りに。汁椀はキレイになりました。しつこい汚れは、水につけておくなど工夫が必要です。
▼食器の汚れ落ち
検証結果2:使いやすさ
皿の間隔は狭め。仕切りをたためば大きなお皿も入ります。
分岐水栓・タンク両用で設置場所の自由度が高いです。
サンコー「ラクア」強し! 即売り切れの実力はガチでした
まだ身近な家電とはいえない食洗機。「本当にキレイになるの?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、サンコーの「ラクア」なら心配ご無用です。卓上型の人気機種との比較では圧倒的な洗浄力を発揮し、汚れがこびりついた食器も、驚くほどピカピカに洗い上げました。
また、かごの仕切りに余裕があり、食器の間に水が回る十分な間隔が開けられるのも高ポイント。さらに、庫内を上下2段に分け、スプーンなどの小物を寝かせて置けるアイデアが秀逸です。
ほかのモデルは小物を立てるタイプで、どうしても小物同士が重なってしまいます。しかし、寝かせるタイプなら重なることがないため、しっかり汚れを落とすことができるのです。
設置場所を選ばないことや、女性でも移動できるサイズ感も、食洗機導入のハードルを下げてくれます。さまざまな心配りが効いている「ラクア」は、現在品切れしているほど大人気。早めの予約がおすすめです!