4K映像をキレイに見せるには精細感、色味など複数のポイントが重要
4Kにおける画質には、細かな精細感や雑味を抑えるノイズ処理、色味のバランスなど様々な要素がありますが、特に注目したいのが明暗の輝度差と階調の細かさです。当記事で比較している夜景の建物シーンなどで、暗い建物の壁面や周辺をしっかりと表現し明るい光源も自然な明るさを出す、こうした表現力が発揮できるものほど、より良好な4Kテレビと言えます。
ご覧の通り、同じ映像でもココまで見え方は異なります。パッと見る限りはドンキの4Kが明るく鮮やかに見えるかもしれませんが、実際の映像を細部まで見比べると細部の表現力に粗さが見える、色味が不自然に強調されるなど、色々と問題点も見えてきました。
なお、今回のテストではUltra HD Blu-rayソフト再生対応レコーダーをハイスピードHDMIケーブルで接続し、明暗2種類のソフトを再生。標準モードで視聴しました。
パナソニック
DMR-UBZ1
実勢価格:20万6383円
[1位]色のバランスはもちろん暗いシーンも見せる東芝!
東芝の50M510Xの画面は全体的にやや明るめながらきちんとステップが踏まれているため、色の濃淡が描き出されています。さらに線が細かく雑味が感じられないこともあって、画面内での遠近を不自然なく感じ取ることが可能です。
東芝
50M510X
実勢価格: 11万9340円
明るい部分はもとより、影の部分の濃淡も描き出されているので、自然な立体感を得ることに成功しています。
[同率1位]つぶれない黒とほどよい明るさのパナソニック
パナソニックTH-49EX600はやや浅い印象ながらステップが細かく、また妙な強調もないのでよく見える画質。
パナソニック
TH-49EX600
実勢価格:12万7000円
階調の細かさで自然な画質を提供しています。
[3位]精細感は十分ですがもう一声締まりが欲しい
映り込みを排除したパネルの効果は高いものの底が締まりきれないのは惜しいシャープLC-50US40。
シャープ
LC-50US40
実勢価格:12万5930円
精細感は十分だがやや色味が淡め。
4位: [4位]格安ながら細かな精細感は
そこそこ描かれています
明るいシーンでは鮮明で精細感も出ているLGエレクトロニクス43UH6500ですが、暗いシーンでは暗部がつぶれ気味。
LGエレクトロニクス
43UH6500
実勢価格:6万9800円
明暗のバランスが今ひとつで、暗部階調表現はやはり不足気味です。
4位: [同率4位]暗部階調の
ステップ不足が気になります
画面が全体的に暗めなうえに雑味が多いので濁った印象のフナイFL-43UB4000。HDRも悪目立ちします。
フナイ
FL-43UB4000
実勢価格:10万9800円
濁りが強く重い画質でクセが強い印象です。雑味が多いほか色の濁りを実感してしまいます。
6位: [6位]圧倒的コスパは高評価も
上位との画質差は大きいドンキ
4Kソースならぱっと見の印象はそれほど悪くありませんドンキの格安4K。しかし青味が強いほか、全体的な色のバランスが不自然なうえにグラデーションの滑らかさもなく、見続けるほどに違和感が増す傾向がありました。
情熱価格+PLUS
LE-5050TS4K-BK
実勢価格:5万4800円
一見、光が強く出ているように感じられるが、これは階調性が乏しく暗部がほぼつぶれている結果に。却って明るい部分が浮いてしまうような、全体的に粗さが目立つ画質です。
こちらの製品に関しては、後継機がすでに発売されていますが、今のところスペックで変化が公表されているのは輝度のアップのみ。今回の画質評価で見えた、色味の不自然さが解消されるかどうかは不透明です。
7位: [7位]あまりに鮮烈で
目に悪い明るさのハイセンス
ハイセンスHJ43N3000は明るいシーンでピークが飛ぶほど強く、暗いシーンでは黒がまるで沈みません。
ハイセンス
HJ43N3000
実勢価格:5万8113円
暗部を捨てているのか、画面の明るさを底上げしすぎている印象です。暗いシーンなのにやけに明るい画面は、昼間のシーンでは目が痛くなるほど。
大手メーカーと比べると格安4Kは色が不自然な傾向あり
実際に検証してみると大手国産メーカーのものは、各々特徴は異なるものの明暗の細かい表現力は発揮できていると言って良さそうです。しかし、安さばかりが注目される格安4Kテレビに関しては、少なくとも画質面では疑問に思われる点も少なくありませんでした。
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ただ、例えばドンキの4Kは、以前のテストで「4Kソースの精細感」での比較では、価格の割に悪くないという評価も出ています。ドンキ4Kには色味以外にも音質の悪さなどの懸念点もありますので、手放しでおすすめはできませんが、検討の価値はあるでしょう。