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※情報は『家電批評』2020年4月号掲載時のものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。
人気のモバイルプロジェクター 操作性、画質以外の課題とは
家でのおこもり生活のとき「あったらいいな」と思う家電のひとつが、バッテリーで駆動できるモバイルプロジェクターではないでしょうか。
ライフスタイルに合った質のいいものを選ぶとき、ポイントになるのが「操作性」「画質」「設置性」。過去にネットを疑う家電ガイド『家電批評』が行ったテストでもこの3つが課題になってきました。
そして「操作性」をまずクリアにしたのがアンカー。「アンドロイドTV」を載せてスマホのように簡単に動画配信を楽しめるようになったのです。また、LGがモバイルとは思えない高画質を披露。そして、最後の課題となっていたのが設置性をほぼ解決してくれたのがXGIMI(ジーミー)社の「MoGo」です。
設置性の問題を解決したMoGo 低価格版と高解像度版の2タイプ
XGIMI社にとっては日本で初めて展開する製品で、解像度が低く価格を抑えたMoGoと1080Pで明るいPro版の2製品の展開です。こちら、見た目はほぼ同じです!
XGIMI「MoGo」
XGIMI
MoGo
実勢価格:4万4800円
サイズ・重量/W105.5×H146×D94.5mm・約0.9kg 表示/DLP 入力/USB2.0(Type-C)、HDMI、DC バッテリー/10400mAh
XGIMI「MoGo Pro」
XGIMI
MoGo Pro
実勢価格:7万4800円
サイズ・重量/W105.5×H146×D94.5mm・約0.9kg 表示/DLP 入力/USB2.0(Type-C)、HDMI、DC バッテリー/10400mAh
※MoGo Proの一部の写真は試作機を撮影したため、前面にHarman Kardonのロゴがあります。製品版にはありません。
▼無印とProの違い
【解像度】
無印:540P
Pro:1080P
【明るさ】
無印:210ANSI
Pro:300ANSI
【消費電力】
無印:45W
Pro:55W
MoGoシリーズの特徴
バッテリー駆動
輝度は下がりますが、バッテリーで最大4時間再生できます。
Android TV搭載
HuluやTverなどのアプリをGoogle Playから追加可能です。
アンカーやフルHDのLGと比較! 期待のMoGoの実力は?
今回は、斜め置きできるMoGoシリーズの2台と、これまで高評価だったAndroid TVを搭載したアンカーの「Nebula Capsule Ⅱ」とMoGo Proと同じ1080pの解像度であるLGの「PF50KS」を比べてみました。
アンカー
Nebula Capsule Ⅱ
実勢価格:5万9800円
サイズ・重量/約H150×約φ80mm・約0.74kg 表示/DLP 入力/USB-C、HDMI バッテリー/9700mAh
LG
PF50KS
実勢価格:5万200円
サイズ・重量/170x52x178mm・約1kg 表示/DLP 入力/USB-A、USB-C、HDMI バッテリー/12000mAh
▼動画の明るさや質に注目したプロジェクターのおすすめ記事はこちら。
チェックポイントは「操作性」「画質」「機能」「音質」。それぞれ各10点の満点とし、合計40点でジャッジしました。
それでは、さっそく検証の結果を見ていきましょう!
操作性はMoGo、画質はLG 機能と音質はアンカーが優秀
操作性(設置性とリモコン)
ここでは、「音声操作」「台形補正(左右)」「オートフォーカス」「台形補正(上下)」の操作性を検証。LGもアンカーもできないMoGoの“斜め置き”の実力が試されました。
▼採点結果
ジーミー「MoGo」 :10点
ジーミー「MoGo Pro」 :10点
アンカー「Nebula Capsule Ⅱ」 :9点
LG「PF50KS」 :5点
【ジーミーのMoGoシリーズ】
▼対応操作
・音声操作
・台形補正(左右)
・オートフォーカス
・台形補正(上下)
MoGoは上下の自動補正に加えて左右のキーストーン補正も手動ででき、斜めから投影するセッティングも可能。LGやアンカーのモバイルプロジェクターにはない機能です。また、リモコン感度も良好でした。
【アンカー Nebula Capsule Ⅱ】
▼対応操作
・音声操作
・オートフォーカス
・台形補正(上下)
アンカー「Nebula Capsule Ⅱ」は本体との角度次第ではリモコンの反応がイマイチで、台形補正は垂直のみ。ここがAnkerで一番惜しいところです。
【LG PF50KS】
▼対応操作
・音声操作
・台形補正(上下)
LG「PF50KS」はリモコンのボタンが多く、暗い部屋では操作に迷います。モバイルプロジェクターでは必須といえるオートフォーカスに非対応です。
画質(明るさと解像)
暗室と明室それぞれで1.5m、3mの投影距離で画質を比較しました。ちなみにANSIは米国国家規格協会が策定している明るさの単位です。
▼採点結果
ジーミー「MoGo」 :7点
ジーミー「MoGo Pro」 :8.5点
アンカー「Nebula Capsule Ⅱ」 :8点
LG「PF50KS」 :10点
MoGo Proの明るさはLGには負けますが、アンカーより高画質でした。
【LG PF50KS】
LGは600ANSIルーメンで明るく鮮明。そして、ドット感の無さは本当の1080pの実力です。投影距離1.5mなら、明るい部屋でもくっきり見えます。
ただ、3mまで伸ばすと、さすがのLGも苦しいです。暗室なら3m離しても映画館のようなシャープな画質として満足。画質だけは別格です。
【ジーミー MoGo Pro】
ジーミー「MoGo Pro」は300ANSIルーメンの1080pという仕様で、LGに次ぐ高仕様。解像感もLGには劣りますが、720pのアンカーよりはシャープです。
投影距離1.5mなら明るい部屋でもハッキリ見えます。暗室の1.5mでは文句ナシの仕上がり。3mまで 離しても映像鑑賞をしっかり楽しめました。
【アンカー Nebula Capsule Ⅱ】
アンカー「Nebula Capsule Ⅱ」は200ANSIの720p。暗室では1.5mの投影距離なら十分な画質です。3mまで離れると、明るさ不足をやや感じます。
明るい部屋では、遮光カーテンなどで最大限暗くしたいところです。720pですがドット感は意外と目立たないため、MoGo Proとの差はスペックほどには感じません。
【ジーミー MoGo】
ジーミー「MoGo」の仕様は210ANSIの540p。スペック相応で明るくありません。投影距離1.5mの暗室では、画面の明るさ不足はあるものの、一応映像としては成立しています。
それ以上の投影距離や明るい部屋では、実用外と言わざるを得ません。ドット感がはっきり見えてしまうので、解像度ももの足りません。
機能(OSとアプリ)
MoGoはAndroid TVを搭載するため、Hulu、dTV、TVer、Abema TV、DAZNなどを楽しめます。
ただし、現時点ではAmazon Prime Videoに未対応です。Prime Videoには3月中に対応予定でしたが、代理店によると「コロナウイルスの影響で4月~6月頃になる見込み」とのことです。
NetflixはUSBメモリにアプリケーションのAPKファイルを入れてインストールすると利用できます。ただし、リモコンでの操作に不具合があり、早送りやエピソード選択がうまくできません。Netflixユーザーにはアンカーをオススメします。
音質
MoGoもMoGo Proもスピーカーはハーマンカードンのチューニング。ですが、高域まで伸びないので声がこもって聞こえるし、中域の厚みも足りません。アンカーに比べると、迫力や広がりが劣っていると感じます。
LGはOSと音質が残念すぎ!
画質はベタ褒めしたいLGですが、OSとリモコンの使い勝手、音質が残念すぎました。LGのテレビでも使われるWebOSを搭載していますが、主要な動画配信で対応しているのはNerflixのみです。
スマホからの画面転送はiOSには未対応で、音質もチープで動画を楽しめるレベルではありません。
それでは、総合点を発表します。
▼総合点
ジーミー「MoGo」 :32点
ジーミー「MoGo Pro」 :33.5点
アンカー「Nebula Capsule Ⅱ」 :35点
LG「PF50KS」 :24点
【まとめ】MoGo Proは 設置性が抜群もアンカーには及ばず
これまでプロジェクターは100インチクラスの大画面で投影するには壁から2~3mは離さなければなりませんでしたが、MoGoは珍しく、上下左右4方向で投影位置の調整ができます。
このため、少し斜めからでも投影ができますし、微調整の自由度も格段に上がりました。壁の隅にぴったり合わせて壁一面に投影するセッティングも簡単です!コンパクトな部屋なら使い勝手がいいでしょう。
ただ、補正すると画質が少し落ちるので、それを補う意味でも高解像なProがオススメです。画質もこれまで高評価だったアンカーを超えています。
しかし、音質がやや劣ること、Netflixに不具合があるのは課題。僅差ですが、総合力ではアンカーが一歩勝り、Nebula Capsule Ⅱの優秀さがわかった結果となりました。今回の検証を参考に、ぜひベストなプロジェクターを選んで動画ライフを楽しんでくださいね。
MoGo Proは高画質で設置性が抜群。OSの改善が進めば、ベストバイになり得ます