[NG①]野菜を冷蔵室置くのはダメ! 「温度」は良くても「湿度」が重要です
食材を冷蔵保存するのが冷蔵庫の役割ですが、どこにストックするかによって、冷え方や鮮度持ちは大きく変わってきます。というのも、そもそも冷蔵庫は場所によって温度や湿度が異なるからです。
とくに「湿度」に関しては、見落としている人も多いと思いますが、野菜の鮮度を保つためには非常に重要なポイントです。
例えば、野菜室は冷蔵室とだいたい同じ温度帯ですが、湿度は上記のように異なります。菌の繁殖やニオイ移りを避けるために高湿度に設定されているからです。このように、冷蔵庫は「冷蔵室に野菜は入れない」配置設計となっているのです。
湿度と温度を理解して 正しい場所に食材を置きましょう
湿度の重要性を理解したところで、次は各食材の正しい置き場所を具体的にご紹介します。
冷蔵室内にあるチルド室は、およそ0度前後。冷蔵室より温度が低いため、乳製品や加熱前の肉類などデリケートな食材の保存場所に適しています。またここ2~3年で各メーカーのチルド室の技術改善は著しく、生鮮食品を「凍らせずにしっかり冷やす」微凍結機能が標準化しつつあります。冷蔵室より低温ですが、包丁で切ったり食材を小分けにしたりしやすく、食べたい分だけすぐ使えるのが特徴です。
冷蔵庫:すぐ食べるものを保存しましょう
温度 約3~9℃
保存する物
調理済み食材
ドリンク
お総菜などの食品やドリンクなど、すぐ消費するものはここに保存しましょう。
冷凍室:長期保存したいものはこちらに
温度 約-18~-20℃
保存する物
冷凍食品
乾物
長期保存用のストック場所。ただし湿気はゼロではないので密封状態で保存しておきましょう。
チルド室:デリケートな食材を保存しましょう
温度 約0~2℃
保存する物
乳製品
生鮮食品
冷蔵室より低温です。加熱前の肉類や乳製品などデリケートな食材の保管に向いています。
ミニ冷凍室:すぐ冷やしたいものを保存しましょう
温度 約-17~-19℃
保存する物
冷凍食品
食材を急速に冷やして凍らせると、おいしさを逃さず保存できます。
野菜室:湿気に弱い食材は避けましょう
温度 約3~8℃
保存する物
野菜全般
ドリンク
野菜を乾燥させないため、最も湿度が高い収納場所。湿気に弱い乾物類の保存には向いていません。
ドアポケット:飲み物は冷えにくいので調味料中心にしましょう
温度 6~9℃
保存する物
野菜全般
冷蔵庫のなかで最も温度が不安定な場所です。調味料を中心に保管しましょう。後述しますが、実はビールなどの飲み物は、冷えが甘くなりやすく適していません。
保存場所の基本を押さえたところで、次からはより実用的な冷蔵術を解説します。
[NG②]詰め込みすぎは 冷えムラ&電気代浪費のWパンチ
メーカーにもよりますが、冷蔵室の冷気の吹き出し口は上部や奧にあることがほとんどです。そして、冷気は下に流れていく性質があるため、冷蔵室は「奧の下部」が意外と一番冷える傾向があります。したがって、よく冷やしたいものほど、奥に、下へと配置するようにしましょう。
なお、吹き出し口付近に食材を置いていると冷気の循環が低下したり、凍ってしまったりするので避けましょう。
空いたスペースをぎっちり埋めるような保管には注意です。冷蔵室は詰め込み過ぎるほど冷却効率が下がり、その分余計な電気を使います。の7~8割を目安にゆとりを持った収納を心がけましょう。
[NG③]3日以内に食べる 食材は「凍らせない」
生鮮食品や乳製品など、デリケートな食材は冷蔵室より低温のチルド室が正解。とくにお肉類は冷凍保存だと解凍の手間がかかるので、3日以内に食べるならチルド室を保存場所として定位置化しましょう。
ただ、低温でも空気が入るのは酸化の原因になるので密閉状態での保存が安心です。
冷凍した食材はあらかじめ小分けにしておかないと解凍に時間がかかってしまいます。
チルド室は「凍らせない」ため取りだしてすぐ食材を調理できます。
[NG④]実はドアポケットは 食材・飲料があんまり冷えません
開け閉めが頻繁なドアポケットは温度変化が激しく冷えが甘いので、飲料ペットボトルや乳製品はなるべく冷蔵室の棚へ置くのが賢明です。
とはいえ、飲み物が収納しやすい構造なのは間違いないので、キンキンに冷やしておく必要ないものはもちろん置いてもOKです。
未開封の牛乳などはまず冷蔵棚へ
とくに夏場は冷蔵庫の開閉も多くなるため、未開封のパックの牛乳などはまず冷蔵棚に置きます。
開封後はドアポケットに保存します
開封すると縦置きする必要あるため、ドアポケットに保存しましょう。そしてすぐ飲み切るのが基本です。
傷みやすい卵はパックのまま 冷蔵室に置くのが正解です
ドアポケットに卵は保存しないようにしましょう
鮮度がとく重要な卵は、温度が安定しやすい冷蔵室に置きましょう。呼吸しているので尖った方を下に。ドアポケットは避け、専用室がないなら菌付着を防止するためパックのままで保存しましょう。
いかがでしたでしょうか? どれもやってしまいがちな冷蔵庫の使い方。とくにドアポケットに飲み物と卵は入れてしまっている人が多いのではないでしょうか(私はやっていました)。保存場所を調整するだけで、美味しく保存しておける期間は確実に長くなります。ぜひ試してみてください。